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重力ピエロ



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【この小説が収録されている参考書籍】
重力ピエロ
重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロの評価: 3.65/5点 レビュー 435件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.65pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全270件 241~260 13/14ページ
No.30:
(5pt)

遺伝子からの脱却?

 この話の主要な登場人物の二人―血(遺伝子)の半分しか繋がっていない兄弟―私と弟の春。この二人の関係性がものすごく好きです。あっけらかんとしているようで、互いを深く信頼しきっている。私は兄で、春が弟というのがお手本のような兄弟である(想う兄と想われる弟)。それを眺める父親もなんだか温かい。話の筋は温かいものでは決してない。でも、登場人物の生き生きとした存在感がこの話に一種の爽快感を付与している。やはり伊坂幸太郎は巧いなぁと思わせてくれる。村上春樹の作品の中に流れる雰囲気を「村上ワールド」と呼んだりするが、もはや伊坂も「伊坂ワールド」を確立しつつある。 それだけではなく、多く出てくる引用、遺伝子の知識など、よく考えてあるし、センスも良い。ゴダールの映画の退屈な感じ。あれは、僕は好きだけど、好き嫌いが分かれるだろうなぁ。物語とは関係ないけど多く出てきたので・・・。 これからいくらでも成長できそうな作家であることは間違いないでしょう。今のうちに読んでおいて損することはないです。
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4104596019
No.29:
(4pt)

むむ・・・

おもしろかったですよ、ええ。でも、同著者の「チルドレン」を読んで結構おもしろくて期待してただけにちょっぴりがっかりでした。チルドレンは短編、本書は長編。この本、少しだらけてしまいます。先読めるし。さらっと暇つぶしに楽しむにはいいかもしれませんが、購入しておいて何度も読みたいタイプの本ではないかなという感じ。・・・高いしね;笑
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4104596019
No.28:
(4pt)

伊坂流、家族愛について

 ユーモア溢れる台詞、軽快なテンポ、あらゆる文献や映画からの著者独特の引用、と確実に自分の世界を構築している伊坂幸太郎さん。この小説もそんな彼の世界が充分に堪能できる、傑作ミステリー(やはりミステリーでしょう)。 彼の面白さはなんといっても登場人物の魅力。今回の春の魅力は読んだ人すべてが認める、伊坂作品でも5本の指に入る、好キャラクターでしょう。さらにおなじみの"黒澤"も登場して、面白さに拍車をかけています。 ただし今回はややテーマ性が重く、謎解きの難解さもあって、なんとなく哲学書的な雰囲気もあります。なのて「陽気なギャングが地球を回す」のような爽快感は少し薄れています。もともと著者の作品の根底には重いテーマが見え隠れしており、今回はそれが前面にすこし出てきているイメージです。それにもかかわらず、面白くかつ読後の爽快感は筆者の並々ならぬ力量の現れ。間違い無く今後の日本小説界を支える一人となると思います。
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4104596019
No.27:
(4pt)

JPGのジャケットをきた空き巣

【重要なことほど軽く扱われねばならぬ…】ラッシュライフが面白くて続けて読みました。こちらは去年のミステリー大賞とかこのミスとかのトップランカーになり評判の作品です。タイトルもいいよね。でも、私はラッシュライフのほうが好きかな?ストーリーはこちらもいい話です。それから伊坂氏の軽やかな感じも好き。でも、いらぬうんちくが多すぎるような気がします。多分そういうトリビアな面白いことや、映画のちょっとした演出とか台詞、そういうものがすごく好きな人なんだろうけど、あんまり小道具が多いとうるさいかな、と思います。後々これが落ち着いてくるともっと品がよくなるのかもしれません。ラッシュライフにもでてきた泥棒の黒沢って人が素敵!JPGのジャケットをきた空き巣ならお会いしてみたいものです。この中に「重要なことほど軽く扱われねばならぬ…」というフレーズが2度ほどでてきますがこれには私も賛成。
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4104596019
No.26:
(5pt)

家族愛

こんな美しい家族愛を書ける作者はどういう育ちなのだろう?と読み終えてまず思ってしまった。遺伝子の話や性暴力の話などがテーマとして目立つのだけれど、読んだ後こころに残ったのは「家族愛」だった。病室での会話のさりげなさや、「秘密」を持つ家族が団欒の中でその地雷を上手に避けつつ相手への思いやりを示すところなど、こんな良い家族が本当にいたら良いなぁと羨ましくなりさえした。秘密があるとむしろ家族の間には冷たい風が吹いてしまったりするんだけれど・・・。個人的には「黒澤」のキャラが一番好き。
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4104596019
No.25:
(4pt)

重いテーマを軽やかに

テンポが良い。人類の進化、性犯罪、家族といった重くなりがちなテーマが、軽快な文章で描かれている。話の本筋は短く、いささかあっけない。「その時自分はまだ気づいていなかった」といった主人公の言葉がしばしば見られるが、引っ張るほどの謎はない。けれども魅力ある登場人物や雑学的な知識など、トータルで楽しめる作品。あと章立てが細かく分かれている点は、電車などで読んでいる人には良いかと。
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4104596019
No.24:
(5pt)

何度でも楽しめる作品

著者の本は初めて購入したのですが、本当に面白い。読み終えて満足感がありました。会話文が特に印象的で、思わず声をたてて笑ってしまい、自分でも驚きました。登場人物が色濃くて充実していたと思います。中盤で「オーデュボンの祈り」の主人公がでてきたりして、サービス精神があるな、と思いました。春の危うさに溺れる女性が続出するでしょう!かく言う私もその一人です。
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No.23:
(5pt)

一気に読み、一気に感動してしまいました!

雑誌で著者の伊坂さんの特集をくんでいたので興味を持ち、試しに読んでみた所、とても感動してしまいました!またこの本では色々な感銘を受けました。自分の生の謎、罪の意識、人を殺すということ。この物語の考え方も多くの考え方の一つに過ぎないのですが、読み進めながらたくさんのことを考えさせられました。全体的に明るくすいすいと読め、自分の心臓を強く揺さぶる暖かさに出会えます。家族・兄弟って素晴らしいなぁと改めて思いました。伊坂作品にしては軽すぎると言われたりしてますが私はこの本に出会えて本当に良かったと思っています。
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No.22:
(5pt)

巧い!

久しぶりに「本を読んだなあ」と感じさせてくれました。泉水と春がとにかくカッコイイ!重い内容をあんなに軽快に痛快に描けるのはユーモアたっぷりの会話と読者を引き込む展開の巧さ。まさに伊坂ワールドという感じ。本好きの方は是非!と、皆に薦めたい作品でした。
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4104596019
No.21:
(5pt)

軽快な語り口

好みが分かれる作品だと思います。(ちなみに私はとても好きです)主人公の一人称の作品はどうしても感情に突っ走る傾向があると(私は)感じるのですが、この作品にはそれを凌駕する独特のセンスがあります。このセンスこそ伊坂幸太郎さんの最大の武器。引き込まれる語り口は肌に合うととても心地がいいです。登場人物も個性的且つ、魅力的。特に親子3人の会話のシーンはどれも洒落ていて好印象でした。【ミステリー】で括ってしまうと弱いのですが、【とある家族の物語】として読めば、少なくとも損はしないでしょう。
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No.20:
(5pt)

好きな人は好きだろうし。。。嫌いな人は嫌いでしょう。

伊坂作品を読んだのはこれが初めて・・・というか、小説自体読むのが久々でしたが、ハマってしまいました。確かに現実離れしている設定で、苦手な人もいるでしょう。ハマった私自身も、ちょっとリアリティが薄いかもしれない・・・と思うことも。でも、春が存在すること自体は、現実にあり得ないことではないでしょう? そして、実の家族が家族を殺すことだってあり得るこの世の中で、春が余りある愛情を受けて育ってきたということも、現実にあり得ない話ではない。ということを、象徴化したかったのかなぁ・・・と思います。もちろんその逆も、悲しいけれど現実にたくさんある、ということも暗に示唆されている気もします。正しいことは必ずしも1つではない。そして最善に辿りつくためには、いろんな考え方がある。その最善という観念さえ、人によって多種多様に変わってしまう。幸せの定義が、お金であるか愛情であるか、人によって違うように・・・と言いたがっているような感じの作風が、私には心地よいです。ちなみに私がこの本を貸した友人は、冒頭だけ読んで放ったらかしにしているそうです。理想を掲げておきながら、最後まで完全な結論が出ない煮え切らない感じも相まって、嫌いな人は嫌いでしょうね。
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4104596019
No.19:
(4pt)

重くて軽い美しさ

 久々に日本の現代小説を読みました。楽しませてもらいました。 欠点とも取れる特徴のある小説であるため、自分には合わないと感じる方もいるかもしれません。 ミステリーというには謎が入り組んでおらず、文芸というには軽い。家族小説というには現実味が薄い。特に私が気になったのは、春や母親を初めとする登場人物が「いかにも作った」印象を与えてしまうことや、その登場人物たちがとる行動の中に非現実的な点があることなどの、「現実味の薄さ」です。非常に良く出来た小説ではその非現実性も作品の魅力となるものですが、残念ながらこの作品ではそこまで到達していないように思えます。「この小説はちょっと…」という方にとっては、この「現実味の薄さ」と知識を羅列した「饒舌さ」が相俟って拒否反応を引き起こすのでしょう。 しかしこの作品にはそれらを補って余りある爽快な美しさがあります。この小説の良さを一言で言うなら、「重いテーマを軽いタッチで描いてみせる美しさ」です。 猿人・原人とホモ・サピエンス、レイプという犯罪の本質、親殺し・子殺し、芸術とは、少年犯罪と法律、などと表面に見えるテーマは様々ですが、それらを語る語り口はいずれも軽快です。テーマの「重さ」と文体の「軽さ」。これらの「重力」を操り、爽快な美しさを現前させること。これが作者の目指したことなのではないでしょうか。
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4104596019
No.18:
(5pt)

じわりと来る感動!ああ、小説ってすばらしぃ…

本当にじわりという感動を頂きました。正しいコト…してはいけないコト…そして、しなくてはいけないコト…。家族という、とても重いテーマの上で伊坂さんの洒落た言葉が光ります。内容的に難しいところもありますが、それを読ませるのが作者の巧さではないでしょうか?心に響く、音楽のような…一度手にとってみては?
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4104596019
No.17:
(5pt)

重力ピエロ

久しぶりに小説を読んだ気がしました。ミステリーを読んだというよりは、村上春樹の小説を読んだような爽やかな印象を味わったというのが実感です。「なかなか小説も捨てがたい」と言われた批評がわかる気がして、どうしてかな?と思われたのは、通常ミステリーや探偵ものはどうしても説明的に状況や推理を読者に対し気づかせる必要があるのに対し、この小説は巧妙に説明的な解説を叙情的な会話や情景描写に隠して暗示的に読者の脳裏にインサートしているからに他なりません。無理して再読しながら分析しなくても、印象として全体像が読めるという解説的でない心象的解決を読後感として持たせることに十分成功していると思います。こういう寓話的でカラーを感じさせる小説空間に久しぶりにに出会い、最後の場面で私事ですが父の葬儀の時に感じた「父親への男としての熱き想い」を思い出しました。 Good!
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4104596019
No.16:
(4pt)

薄く軽い狂気

とてもおもしろく読めました。ただ、中盤はやや間延びした感じで、一気に読み切る勢いには欠けるかなと感じます。後半の展開はだいたいよめてしまいますが、もちろん謎解きものではないので、マイナスではありません。父親と母親の心の描写がもう少しあれば、厚みが出たと思います。ただ掘り下げすぎると重々しくなりすぎるので、疲れたかな?
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4104596019
No.15:
(4pt)

軽快、爽快

重いテーマを軽快な会話と文体で読ませていく筆者はうまい。悪ふざけの一歩手前で踏みとどまる見極めもついていると思う。女性としては、春の主張が心に響く。すべてに賛成するわけではないが、こういうことをきちんと考えている筆者に好感が持てる。この父子3人に母親を加えた家族のあり方が素晴らしく辛い設定とストーリーを爽快に締めている。
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4104596019
No.14:
(4pt)

2000年代のスマートな「村上春樹」

ミステリーというよりはむしろ「父と子」といったオディプス的物語がテーマの中心となっているが、話の内容よりもそのスタイルの軽快さが印象的だ。広範囲におよぶ知識と引用は80年代の村上春樹やピンチョンを思い出させる。軽快さが行き場のない苦しさを思い出させる村上と比べると、伊坂のスタイルは、むしろ重いテーマを扱っていながら、読者を深く「重力」に引き込まないためのものであろう。そのためエンターテインメントとしては完成度が高い。ただ「春」の危ないまでの自由な主張や考え方を肯定したいがために、キャラクターがやや類型的に見えるのが残念である。兄の泉水も、父親も、そして葛城でさえも、どこか似通っていてイメージが単純である。したがって面白い見解や知識もどちらかというとテーマに関わるというよりは「トリビア」的に見える。この軽快なスタイルを武器に逆にぐいぐいと「重力」に引き込むものをぜひ読んでみたい気がする。
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4104596019
No.13:
(5pt)

カンソウ

親殺しという本来なら絶対悪とされるような事を、いとも簡単にそれでいて爽やかさすら感じさせるようにやってのけてしまう。良くて悪いこと。そこには善悪のどちらかを選択する余地などない。読者は親殺しという重々しい内容にも拘わらず、全くの苦痛も感じず読破できたのではないだろうか?あらゆるものに一定の意味を見出さずには納得行かない私たちすべてを、伊坂はあざわらうような小説であった。(この小説自体をあえてミステリー小説としたのも意図的であると思われる。)
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4104596019
No.12:
(5pt)

新しい皮袋に古いワイン

 カテゴリーでは、ミステリに属するのかもしれないですが、私は「読みやすくしたジュンブン」だと思います、この本。 章を細かく区切って、謎解きと回想シーンの二本立てにしている手法が、重いテーマを軽く読みやすくさせてくれています。最近の小説にはあまり見かけなかった「人類の起源」や「性善説」などについて登場人物に対話させていても少しもウザったくありません。いや、どちらかというと、非常に新鮮ですらありました。しかしそれも、筆者の、オリジナルな構成力に負うとろが大、なのでしょう。読後感もさわやかだし、登場人物も魅力的です。間違いなくオススメ。
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4104596019
No.11:
(5pt)

正解はない

 真に大切なのは、血か、それとも絆か。 「私」とその弟「春」。二人の男を物語の中心として動いていく。 半分の血の繋がりがない二人。それでも「最強の兄弟」として、連続放火事件を解決しようとする。 父や謎の美女、そして探偵といった不思議な面々を巻き込みながら、私と春は最後の決断をする。 人によっては賛否が完全に分かれる作品であろう。だが私は彼らの決断が「正解」だと思った。 もし何かの決断に迫られた時、読んでみるのもいいかもしれない。そして答えが出るとすれば、「正解はない」だろう。
重力ピエロAmazon書評・レビュー:重力ピエロより
4104596019

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