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アヒルと鴨のコインロッカー
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アヒルと鴨のコインロッカーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全259件 161~180 9/13ページ
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この作者の作品は初めて読みましが、正直いって、微妙な感じです。 例えば「何故警察へ行かないのか」「親しくもない隣人の誘いに乗る」や「店長がある人間を殴る」など、 設定がアリエナイと思える箇所が多かったです。 ただ、現実的ではないと感じたものの、文章そのものは読みやすいので、それほど悪い印象はなかったのですが……。 ◇現在◇と◇二年前◇が交互に語られ、◇現在◇の語り手は琴美、◇二年前◇の語り手は椎名です。 それらにどのような繋がりがあるのかはすぐ分かるので、その先の展開が予測しやすく、意外性は感じませんでした。 それから、小説として問題があると感じた箇所もあります。 文庫を読んだのですが、P28で「琴美」とあるのは駄目でしょう。 ◇二年前◇の語り手が琴美だと、最初は分かりませんでした。 それが分かる文章をこの前に入れないと……。 ほかにも気になるところがあり、P81のバスの運転手の行為も、別のやり方をするべきだと思います。 賞賛はできませんね。 また、不快感を覚えるような人間も登場するので、読んでいて楽しいものではありません。 好感を持てる登場人物が皆無なのは、エンタメとして高評価できないですね 椎名は割合と普通の人間ですが、「一緒に本屋を襲わないか」という訳の分かない申し出を何とはなしに受けてしまうのは理解できません。 琴美は、元恋人を嫌っているといいつつも、その男に対しての態度は曖昧です。 このあたりは理解できないこともないのですが、その男に魅力を感じる要素が書かれていないので、どうも感情移入ができません。 せめて、琴美の彼に対する思いをもう少し良いものにしてくれたら、説得力も出たと思います。 真相(といって良いのかは分かりませんが)そのものは、結構好みですね。 しかし、残り80ページであることが語られるのは、「早いな」という印象です。 その後は、じっくり読もうという気には、あまりなれませんでした。 河崎のことに関しては、おかしいだろという気持ちもありますが(彼が最後にとった手段)、 二年前に何があったのか……それについての読ませ方(目新しいものではありませんが)は面白かったので、☆は4つです。 それしても、河崎がもっと魅力的なら……返す返すも、残念ですね。 読後には、あまり残るものがないという印象を受けた作品でした (再読したいと思うほどではないということです)。 | ||||
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賛否が分かれますが、彼と同世代の作家にくらべて、 ちゃんと深い内容になっている作品でした。 キザな文体は好みによるでしょうが、 私はそんなに気にならなかったです。 ただ、この物語の本質が本当に理解できず 「つまらない」と評価された方は、読み方が足りないと思います。 軽い物語でありながら、同じアジア人に対して 何故日本人は、抵抗を感じるのだろう? 事件の前と後で ペットショップの店長の意識の変化に 敏感に感じた方は、多分共感できる話だと思います。 | ||||
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過去と現実が並行して描かれることで 「どうなるんだろう?」という期待が強まり、 一気に読むことが出来た。 そこはストーリー展開のうまさだろう。 ただ、重くなりすぎず軽さに徹している文章は、 かえって抵抗感がある人もいるかもしれない。 自分も正直抵抗があったが、読み終わって振り返ると、 作者はミステリーの形式を借りているものの、 若い時代における夢や無念といった青春を描きたかったのではないか。 そう考えると、むしろこの軽さが程よい感じがした。 そういう意味で、ミステリーと青春ものがうまくミックスされた傑作だと思う。 | ||||
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ネタバレになってしまうので、あまり詳しく書けないのが残念ですが、ストーリー展開がうまく練られていてオモシロイです。 主要人物の自殺という部分が、今イチしっくりときませんでしたが、それ以外はとても楽しめました。 映画も観たのですが、こちらの方も良かったです。 | ||||
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終わりになるにしたがって文章がぼやけていくことに納得ならない方もいた様ですね。私はあまり文体を気にしない方なので、他の方のレビューを読むまで気がつきませんでしたが……。私は、罪を見逃して貰う為に神様を閉じ込めちゃえっていう茶目っ気(?)の効いた発想が好きです。また、中心人物であるドルシの"日本人で無い"ことについて要所要所でアヤウイ感じがします。河崎(仮名)がやたらドルシに日本語を話させよるとすることも、何かひっかかりました。いづれにせよ、読む側もしっかり腰を据えて作品に向かう大切さを再確認させて頂きました。 | ||||
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何度呼んでも色あせることのないお話だと思います。自分の好みにぴったりはまってます!せつなくて、深くて、揺れるお話ですね。 | ||||
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引っ越してきたアパートで出会った青年、河崎に、本屋襲撃の計画を持ちかけられる僕。 その一方で、二年前の出来事が、河崎の元恋人、琴美を通して語られます。 現在にも二年前にも登場するのは河崎。 “二年前”は、河崎にとっては終わっておらず、現在も続いています。 本を読み続けていくうちに、現在と二年前がつながってきて、話の全貌が明らかになります。 所々に話の謎を解くキーワードが散りばめられているので、細部にまで注意をして読みたい本です。 | ||||
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第25回吉川英治文学新人賞受賞作。 伊坂氏の作品についてはほぼ文庫化された順番に読んでいっているが、一旦高まった伊坂株が「重力ピエロ」で暴落したところで読んだため、過大な期待もなく楽しく読めた。 やや陳腐な宗教観や浅薄な倫理観が鼻につくところはあるのだが、著者の持ち味である軽妙な会話を中心に構成された内容は読んでいて素直に面白いと思える。 ミステリとしてもささやかながら綺麗に技が決まった感があり、全体的に読んで損のない水準を充分に備えた作品と言えるだろう。 | ||||
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ミステリーにカテゴライズされていることが常日頃から不満。 立派な新進日本現代文学だと思う。 僕という一人称が語る、他人の人生の物語。 彼が彼らに出会う前に繰り広げられていた3人の人生の物語。 僕はその人生の物語に途中から参加することになって、そして共感できずに困ってる。 でも考えてみると、みんなそれぞれの物語を持っている。 好きだった人の物語に自分が参加できないとき、それは共感したいのにできない哀しみを感じたりしないか。 本屋襲撃、ペット殺し、コインロッカー、動物園、HIVに広辞苑。 そんな小道具の連鎖からくるストーリーテーリングはすばらしい。 そして会話もウィットに富んでいる。 でも不器用な人、けっして勝ってない人、愛する人を奪われた人、けっしてシアワセではない人がたくさん登場するのだ。 彼の作品にはいつもそんなひとたちが登場して、それを共感できずに眺めて行く主人公が登場しているような気がする。 その主人公も不器用なんだけど。 もうちょっと感情移入高い主人公が出てくると更に面白いんだけどな。 でも、それじゃあきっとミステリーじゃなくなってしまうけれどね。 今回の作品は、おかしさいっぱい、ペーソスいっぱい。★5つです。 | ||||
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これまで文庫になっている他の作品のように、後味スッキリとは行かない。 面白い小説ではあるけれども、終わりは悲劇である。 | ||||
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非常に面白かった。 ここ最近読んだ作品の中で、多分一番。 全く別のシーンから始まり、徐々に徐々に交錯していく過去と未来。 長い迷路に入って、ゴールに向かって歩く。そんな感じ。 今でも、そのゴールを抜けた後のあのドキドキ感を忘れられない。 絶対に誰も予想しないであろう事実に、私はとりあえず「だまされた!」と思った。 そして、事実の中の真実に、泣いた。 絶対に読んで損はしない。 きっと、彼らのストーリーに何も知らずに途中参加することになってしまった主人公と同じ気持ちになるはずだ。 | ||||
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ミステリーなんだろう。 ミステリーなんだと思う。 でも、印象に残るのは人物の心。 人物の心をこれだけ淡白な文章で表現できるのは凄い。 私の場合、人物の心を追って読んでいたので、結構読後はもやもやした。 人の幸せとか不幸ってのは、その人物にしか分からない事であって、 現実なんて、そんなもんで、そして自分は生きていて・・・・・・ そんな感じでもやもやした作品。読後は悪かった。もやもやしたし。 でも、印象に強く残る作品。 好き嫌いではなく、なんかよく分からないけど、凄いなって思う作品。 読後の印象が悪いのに星5つあげたくなる作品。 でもって、読後の印象はいまだにもやもやしてるんですけどね・・・ | ||||
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小説の中だからこそ作れるミステリーという感じ。 現在と二年前のストーリーが交互に展開していって、 それまでの不思議な行動や、些細な会話も全部納得できて、 ストーリー的にもちょっと感動できるラスト。 伏線の張り方がさすがだなと思いました。 なんとも言えない後味を残すのがすごい。 | ||||
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現在と過去(2年前)が交互に描写されているのが大きな特徴。なぜ現在と過去の登場人物に違いがあるのか、ストーリーが進むにつれて次第に分かってくる。特にその瞬間は想像を裏切る結末だ。 動物虐殺という残虐なシーンもあるが、なぜか全体的に渇いていて、読んだ後はスッキリする。それだけ満足のいく小説ということだろう。いつも恋愛小説を読んでいる人も、たまにはこういったスパイスを効かせるのもいいかもしれない。 伊坂小説を読むのは初めてだが、この小説を読んで一発で伊坂ファンになった。そう思わせられるに十分な小説だと思う。今後にも期待したい。この渇いた感じが吉田修一に少し似ているのもあり、吉田ファンにもオススメできる小説家である。 | ||||
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読んでいるうちに、妙な違和感を覚え、それに気付くと不安が先走りページを繰る手が早くなる。ああ、まさか。まさかまさかと読んでる内に不安が的中し、何かヤダ何かヤダと思いながら読み終え、後味が悪い。それでも完全な種明かしの後、もう一度、読み直したくなる小説。 | ||||
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過去と、現在が交互に語られていくのですが、 過去の事件「動物虐待」がとてもつらくて。。。 しかも、関係者がみんな死んでいく。 となると、すごく悲劇のようなのだけど、なんか乾いているのです。 で、読後感がすっきりしているのです。 琴美が、どうして、さっさと警察に駆け込まないのか、とてもいらいらして、 だからそうなっちゃうんだろって、つっこみたくて、苦しかったよ(笑 ブータンでは、蚊も蝿も殺さない。 死んだ、おじいさん、おばあさんの生まれ変わりかも知れないから・・・ そうかあ、生まれ変わりを肯定するという基礎があるから、 死がそんなにもつらくない世界が描けたのかも知れないです。 | ||||
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これを読んだら格好よく生きたくなった。 受け売りだけど必死でやればそれでいいはずだ。 「それはどうかしら」って無表情で誰かに言われそうだけど、聞こえないふりをして 「ソウデスネ」って答えておこう。 「滅茶苦茶だな。」って誰かに笑われたら、 「世の中は滅茶苦茶。」って答えてみようか。 やれやれ、自分が飛び入り参加した気になっている。 | ||||
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第25回吉川英治文学新人賞受賞作。 という肩書きがこの作品にはついていますが、そういう肩書きを抜きに十二分に面白く、そして切ない物語です。この伊坂さんという方の作品は最初に読んだ『オーデュボンに祈りを』『ラッシュライフ』『重力ピエロ』『陽気なギャングが地球をまわす』も含めて、すべての作品が当たりだったので期待して読みましたが、その予想を裏切らない内容でした。 作品は、北陸のとある大学に入学する為に引っ越してきた狂言まわしの「僕」と、その引っ越し先の同じアパートの隣の部屋に住んでいる河崎と名乗る背の高いちょっと異色の人物が本屋に本を強盗しにいく現在編と、琴美という女性と河崎、ダルジという琴美の恋人のブータン人とがとある事件に巻き込まれる二年前の過去編が交互に進行して行きます。 まるで違う二つの話が、現代と過去がどう繋がっているのだろうと読者に推理させながらすすんでいくのですが、これがまた上手いし、いくつものトリックが叙述の中に仕掛けられていてミステリ好きの人でもまいったと心地よくだまされると思います。のどかで平和に見える現在の裏の二年前の過去はどうだったのか、二年前の事件と現在編の間でいなくなった人物はどうなったのか、暗示の通りの結末だったのか。一気に読ませます。 彼の作品は、登場人物がとてもユニークなのが特徴ですが、今回も主人公はともかくとして、つかみどころのない二枚目で女たらしの河崎、行動力が抜群で動物好きの琴美、そしてブータンから留学してきているドルジ、そして幾人かの脇役たちが皆とても個性的でキャラクターが創り込まれています。彼らの台詞の一つ一つもよく考えられていて、二回目を読もうという気にさせてくれます。これは、ミステリ小説でありながら、トリックやミステリ部分だけでなく、キャラクターたちが非常に魅力的だからのことでしょう。 是非手にとって読んで欲しいなと思います。 | ||||
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現在と2年前が、別の登場人物の視点で描かれている。 相変わらず洒脱な文体とウィットに富んだ会話が軽快なリズムを刻む。 二つの物語が邂逅する瞬間にすべてが氷解する。 とびきりのミステリーともいえるし、青春小説ともいえる 伊坂独特の少し影がある感じの物語だ。 個人的には、「陽気なギャング・・・」の響野の妻(だよね?)祥子が脇役(直接は登場しないが。。。)として登場させるあたり、伊坂ワールドに取り込まれつつある自分を感じ取った。 | ||||
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現在と2年前とを描き進めながら、最後に一つのインパクトを持ってくるとゆう作風ですが 前半までは以外と退屈ささえ感じた。 とはいえ、終盤に向かいにつれ様々な疑問が 明かされていき、思いもよらない結末も用意されているので読んでみて損はないと思います。 全体的に今の世の中を写しているような感じがあり、所々にシビアな部分も含まれていますが、作者の訴えのようなものが密かに反映されているような気がした。 タイトルは可愛らしい感じですけど… | ||||
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