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アヒルと鴨のコインロッカー
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アヒルと鴨のコインロッカーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全256件 201~220 11/13ページ
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軽妙かつキャッチーな文体で語られる物語に潜む残酷と悲壮。思えば『オーデュボンの祈り』『重力ピエロ』もそうだったけれど、伊坂幸太郎作品ってちょっとびっくりするほど残酷なところがある。けれど読み終えてから余韻を残すのは、何某かあたたかいものだったりする。これぞ、伊坂節という感じ。 『アヒルと鴨のコインロッカー』もかなり絶望的に乱暴で残酷な物語だったけれど、不思議と読了後も殺伐とした気持ちにはならない。レッサーパンダの姉弟の挿話、琴美・ドルジ・河崎・麗子さんら登場人物の会話の間などが絶妙で、印象に残るのはくすっと笑ってしまうような場面が多い。 中盤以降で明かされるひとつの大どんでん返しにはあっと息を呑んだ。やられた、騙された、と感じつつも非常に痛快だった。 あー しかし伊坂幸太郎って ほんとうにストーリーテリングが巧いなぁ。 | ||||
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初めは謎だった点が、最後には線で繋がり、読み終えると何故か優しい気持ちになれる物語。ミステリー性はさほど高くなく、筆者の書き方がおもしろいので本が苦手な方もスラスラと読めるのではないかと思います。そして、この本の主人公は読む人によって変わるのではないかと思います。 | ||||
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どこか荒唐無稽な設定と寓話的なストーリー。エキセントリックな登場人物や引用の多い洒脱な会話、ユーモアのセンス。緻密な伏線とラストの収束感。本格読者のみならず一般読者まで、読者層が広いこの作家の持ち味は文壇オンリーワンといえるでしょう。いずれ宮部みゆきや東野圭吾のような国民的作家の位置に就くのでは。伊坂幸太郎作品は「魔王」あたりからミステリ性より文学性に寄りかかった作風に移り変わっていくのですが、「アヒルと鴨」は伊坂幸太郎の持ち味が全面に出ていて個人的にはベストに推してもいい作品です。この頃の伊坂作品は(消化不良というわけではないのだけどいい意味でそれに近い)読むたび「この作家、次は更におもしろいのが書けるんじゃないか」と思わせる、何か卑怯とも言い換えられる(?)稀有な魅力がありました。 大御所作家が書く社会性を孕んだエンターテイメントも押しの強い主張が読み応えをあたえてくれますが、伊坂氏が書く小説の登場人物が嘯く過激な主張も、理性的(だがちょっと抜けてる場合が多い)な主人公をフィルターに通すその距離感が痛快で楽しいです。 最近の作品も新鮮で楽しいのですが、そろそろこの手の読み応えあるミステリを発表してほしいですね。 | ||||
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伊坂幸太郎がブレイクした2003年。『重力ピエロ』『陽気なギャングが地球を回す』に続いて刊行されたのがこの『アヒルと鴨のコインロッカー』です。 仙台の大学に入学した椎名。引っ越したその日に、隣人の河崎から『広辞苑』奪うために本屋を襲おうと持ちかけられ、なぜか協力させられてしまう。 椎名と河崎の本屋襲撃を描いた現代編。そしてペットショップ店員・琴美と留学生・ドルジがペット殺し犯と対決する二年前編の二部構成です。 現代と過去が繋がれるとき、驚くべき真相が明らかとなる…… 小説だからできること、小説にしかできないことを存分に発揮した本作。2007年夏には映画公開も控えており、どのように映像化されるのか、期待大です。 | ||||
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物語は現在と過去のが展開されている。 過去の物語でも登場して現在も登場している人物がいる。 過去の物語では登場して現在は登場しない、人物がいる。 過去の物語では登場せず現在は登場している人物がいる。 物語の本当の主人公、そして物語の主軸は現在なのか過去なのか。 滋味溢れる文章とあいまって、傑作作品の様子です。 | ||||
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ミステリアスで切なく、小説を読む楽しみを存分に与えてくれる一冊。 ただ、もう普通の感想は書きつくされているだろうから、ちょっと違った視点で。 本書の舞台は仙台だが、具体的な地名や場所がそれほど出てくるわけでもない。 だがそのわりには、この小説は仙台という街の「空気」を非常に濃厚に伝えてくれる、という気がした。 新幹線や地下鉄がある都会ながら、大都会すぎない生活のリズム。 さして見所はないが、それなりの動物園。 アーケードの人ごみと、都会ならではの不気味さ。 人と人との微妙な距離感。 海のほうへ行くと、急に寂れてくる感じ。 それから、やけに広い空。 舞台となったコインロッカーなどは「ああ、あそこだな」と想像もつくし、そこに荷物も預けたこともある。 私が仙台に長くいたことがあるから感じることなのかも知れないが、場所の持つ「空気」を伝えることのできる作者の力は素直にすごい、と思う。 | ||||
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他の伊坂作品に違わず、機知に富んだユニークで読みやすい文体で物語はテンポよく進んでいく。 時系列のずれた二つの物語が進行していった末に衝突し、 真実に到達する時の爽快感は「これぞミステリー!」と思わせる素晴らしさがあるが、 個性豊かな登場人物たちが交わす会話は愉快でありながら純文学的な趣も感じられる。 また伊坂作品の定番ではあるが、ある別の伊坂作品の登場人物がちらっと陰を見せており、伊坂ファンにお得感(?)をもたらすサービス付き。 | ||||
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現在は椎名が、2年前は琴美が一人称となって物語が書かれています。そしてこの物語の主人公は椎名でも琴美でもありません。 当然、現在と2年前とでは若干登場人物がちがいます。それらの人々が何時どのように交わるのかが最後まで分りませんでした。 読み終わった感想は、難しい数学の問題を、非常に綺麗な公式で解を得た感じです。 文章自体も読みやすく、ユーモアに溢れています。 非常にお勧めの本です。 | ||||
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現在と2年前.二つの時間が時折クロスしながら交互に描かれ最後に綺麗につながるという物語.シュールでリラックスした現在の描写に比べ,2年前の描写はオーデュボンの祈りに似た恐怖や緊張感が付きまとう. 驚かされるのは「神様をとじこめに行かないか」「本屋を襲撃」と言った様な興味深い意味深長な言葉が盛り込まれていながら,全ての描写に無駄がないこと. 計算されておりそれでいて説明されすぎていない.珠玉の作品だ | ||||
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読み出したら、止まらない!掴みから怒涛の展開です。 この作品は、現在、2年前の物語が並行して描かれ、共に1人称で書かれているので少し混乱しましたが、 双方が絡み合い、登場人物がそろった頃からは、もう虜になってしまい、作者の術中に嵌ってしまいました。 物語のテンポもよく、登場人物も魅力的! 青春小説としてもレベルは高く、サスペンス小説としては傑作です。 結末で事件を元に成長した人々に爽快感を感じた裏で、切ない最後を迎える人々に矛盾を感じた。 難しいことを考えずに読める、エンタ−テイメントの傑作です | ||||
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なんとなく不思議な世界観。 村上春樹好きなら楽しめるのでは? 個人的にはかなり楽しめました。 ただ正直、読み終わっても、この本の題名がなぜ「アヒルと鴨のコインロッカー」になったのかは理解できなかったw。 | ||||
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題名の意図が分かりにくい本って大好きです あとたまにジャケ買いもするかな とりあえず、この題名 分かりにくいので買ってみました。 アヒルと鴨とコインロッカー アヒル 鴨 コインロッカー なんのつながりがあるのか なにに関係するのかさっぱりわかりません わかりにくいところがイイのです。 さてこの題名もひかれたのだけども もうひとつ 帯にかかれたことが ”神様をとじこめてみないか” ”一緒に本屋をおそわないか?” この言葉にも惹かれました。 一人暮らしの1日目に 青年(椎名)はある人の歌をうたってると 不思議な青年(河野)に声をかけられます。 ”一緒に本屋をおそわないか?” ”難しいことじゃない、椎名はボブディランの歌を歌いながら裏口にたってればいいんだ” 一人暮らしの1日目に 非現実的な”誘い”をうける”椎名” いつの間にか自分がある三人の物語の中に入り込んだと気付く 椎名。 現在 と過去 の話が 交互に進んでいき最後にそれが一つになる。 河野の謎も解けていきます。 スリル感とか、ドキドキ感とかなかったけど あぁ、この本かって失敗したなぁとおもわない一冊でした。 | ||||
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伊坂幸太郎にあふれんばかりの感謝をしたい。個人としては伊坂のベストに推したい作品。正直、読後言葉を失った。 言うとすれば大いなる想い出の物語。最後のほうに、椎名がひょっこり現れただけ。だけど、椎名がいないとこの物語は完成しない。そこがまた大きなポイントになっている。 人と人との出会いや過ごした時間がどれだけ大きいか。出会ったらいつかは分かれてしまう。本作の登場人物の生き方はあまりにも個性的で、訴えるものがあって、残したものがある。完璧な人間なんていない。だからこそ、人と人との出会いがもたらすものは、かけがえのないものだ、と。解説の言葉を借りるなら、それぞれの人生が交差することでもたらされた奇跡か。 本作が何故爽快な読後感を残すかは、ドルジが関与しているのが大きいのだろう。そしてだからこそ、最後のどんでん返しにつながってくる。意味のないことなんで殆どないと思いながら読み進めないといけないくらい、伊坂はとんでもないトリックスターである。 全体的に、どの伊坂作品よりも優しさを感じる。現実なようで現実のようでない。文体のせいもあるだろうが、登場人物達のおかげでもあるだろう。彼らの会話戦はいつになく楽しい。ほんとに翻訳物を読んでいるかのように。それまでも小さな伏線にしてしまうのだから、全く気が抜けない。最後の最後に彼らの想いや意志がようやく分かる。そのとき、話とはまた別な感動が待っているだろう。彼らとの出会いに、読者も思わず感謝したくなる。素敵な物語を紡いでくれてありがとう。 『重力ピエロ』から繋がるような大事なことはあっさり言ってしまう、そんなスタンスが大好き。宗教を絡めてくるあたりがまた本作の巧さだろう。細かいことを気にしないで、どうせならポジティヴに生きてやろうじゃん。そうじゃなきゃ、前には進めない。だからこそ、生きることは楽しい。 | ||||
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友人に薦められて、初めて伊坂さんの作品を読みました。 現在の「僕」と、二年前の「琴美」がどう関わってくるのかが楽しみでした。何故「僕」が書店強盗を手助けすることになったのか、現在と交互に出てくる二年前の出来事が、どこで交わるのか。 ラストは切ないですね。でも、どことなく優しい。 この作品をどのように映画化するのか、気になります。 | ||||
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読書という行為は高尚な趣味でも、教訓を得るための行為でもない。読み終えるまでの時間をいかに有意義に過ごせるかどうかで本の良し悪しは決まる。面白くない本は斜め読みしてでも早く読み終えたいが、良い本は一度読み終えて結末が分かっていたとしてもまた読みたくなる。 伊坂作品の特徴は、多数の意見が有る通り魅力ある登場人物にあると思う。読み終えた後にもまだこの登場人物の輪の中に参加していたい、と読者に思わせる。 主人公の叔母として「陽気なギャングが・・」の響野夫人(祥子)が登場している。「ラッシュライフ」の黒澤も「重力ピエロ」に登場しているが、売れる本である理由はこういったスパイス=作者のセンスにあるのかもしれない。 伊坂作の本は全て読破したがこの作品が一番心に残った。 生きることは難しいことではない。信念を貫き通す生き方が難しいのだ。 | ||||
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現在と出来事と過去の出来事を交互に見せていく物語。 読み進めているうちにオチの予想はついてくる。そして私はこの先のかなり悲しい展開を予想したが…。 映画化も決まっておりどのような映画になるかも楽しみです。 | ||||
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初めて読んだ思い出の伊坂作品。 タイトルに惹かれて購入しました。 内容については皆さんの秀逸なレビューがありますので 率直な感想を書かせて頂きます。 ちゃんとミステリー的要素もあり「!!」もありますが、 それ以上に感動します。 読後に悲しさの中の優しさを感じます。 こんな気持ちになった本は初めてでした。 この本をきかっけにして伊坂作品は全て読んでいますが、 今回のようなヒトの優しさを感じる作品が多いですね。 | ||||
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現在と過去という形で話は進んでいきますが、 後半へ進んでいくうちに、事態は緊迫し、 そのリアルな表現に読者は手に汗握ることで しょう。 また登場人物も非常に個性的で、実際に実在 するなら一度会ってみたいような人々が登場 することで、普通の人である主人公により 親近感がわくような気になります。 事件の動機、事実、過去だけをとらえると 普通の事件と言えますが、それを「どんでん がえし」を織り交ぜて作品にできるのは、 さすがわミステリー大賞作家だと思いました。 | ||||
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東京創元社のミステリ・フロンティアだったので、 純然たる謎解きモノかと思っていましたが、 良い意味で裏切られました。 (文章パズルを楽しむような本格推理モノも大好きです) 描写を読めば、一番大きな『錯誤』はすぐに気付くはず。 ミステリとしての優秀さより、やはり文章としてとっても魅力的。 2年前と現在を行き来する文章構成は、 主人公とともに『現在』から『2年前』の出来事に 興味津々になっていく読者を前のめりにさせます。 こんなに悲しくやるせない話を さわやかに描ききる作者の力量には感服。 川内キャンパス(東北大)を思い出しながら読んでました。 | ||||
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本のタイトルが上手い具合にこの物語とリンクしており、そのタイトルの意味が理解できた時点からパズルのピースをはめこんで行くような感覚で物語が繋がっていく。 伏線をはるまでに少し間延びしたような感はあったけどそのピースをはめこんで行く段階から急激にこの本は面白くなっていく。 タイトルを見てどんな話なんだろうと興味を持った方は是非読んでみてください。なるほど、してやられたと思いますから。 してやられなかった方の推理力は尊敬します。 | ||||
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