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(短編集)
チルドレン
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チルドレンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.37pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全205件 161~180 9/11ページ
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これは、おもしろい!! 家庭裁判所の調査官“陣内”が巻き起こす仰天エピソード。 時代性はバラバラに、学生時代から調査官に至るまでの陣内という男の“人となり”が描かれています。 この男の心に「老化」や「順応」という文字は無い。 中年になっても社会に染まる気配が一向に無く、 身体はさて置き 心はまったく歳を取らない まさしくチルドレン。 堅気な職業のイメージからは想像できないような、 社会性を無視した言動は、滑稽だけど愛情がたっぷり。 正論と称したチンプな一般論や常識をかざして、 区画整理をしようとする大人が多い中、陣内の我流な道徳心が光ります。 通常ありえない奇跡。でも、こういう男が世界を救うのかもしれない。 | ||||
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陣内君は破天荒、天衣無縫、型にはまらない人。周囲を巻き込み、かき回し、ときには迷惑もかけつつ、それでいて憎めない。その奇抜ぶりはつねに友人、同僚をびっくりさせるが、どこかで一本彼なりの筋が通っている。先入観を持たず、偏見もなく、あくまでも自然体の陣内君のまわりで起こるささやかな奇跡。 読後が爽やか。過去と現在が交互に語られ、陣内君以外の登場人物も魅力的だ。陣内君みたいな友達がいたら退屈しないだろうな・・。 | ||||
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氏の考える奇跡がとても心地好いお話です。 伊坂幸太郎氏は軽快でありながら緻密、そして時に大胆なオフビートを繰り広げることに 定評がありますが、その一方で哲人であると感じ入った作品です。 洗練された言葉繰りや台詞回しがパズルの重要なピースとなることはあっても、 それらが主役になることはない。だけど、読み進んで行くほど確かに効いて来ます。 その心地好さ、爽快さの前に無条件降伏してしまいたくなるのですが、 そんな気分でいると最後にまた出し抜かれてしまいます。それがまた気持ちいい。 短編の集まりですが、全編に登場する陣内がキーパーソンとなって一つのお話にまとまっています。 陣内の存在は、それぞれのお話の語り手にとって厄介で困ったヤツなのに、 絶対に揺るがないものとして描かれています。 「大人が格好良ければ、子供は ぐれねぇんだよ」と、彼は言います。 私は、子供の頃格好良い大人になりたかったのを思い出しました。 | ||||
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登場人物が魅力的な作品です。本当に魅力的です。 陣内と友達になりたい。 鴨居と一緒に陣内にあきれてみたい。 永瀬と優子と一緒に陣内の「馬鹿馬鹿しい遊び」に加わりたい。 そんな気持ちが自然と湧き上がってきました。 そして、自分のかつての仲間との時間、現在の仲間との時間を 思い出し、懐かしかったりうれしい気持ちになりました。 読了感が"さわやか"・"痛快"と前面にうたわれた本の中にある 作られた爽快感に嫌気がさしていましたが、本当に"さわやか"な 気分になる本にめぐり合えました。 | ||||
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私は、こういう作品大好きです。 陣内キャラのリアリティに関しての議論はおいといて、たまにはこんな作品があってもいいんじゃないかと思います。 頭をガンガン突いてほぐしちゃう感じの作品なので、世間なれしている人には読むに耐えないヤワな作品かもしれません。 別に陣内みたいなやり方じゃなくても、人を幸せにして自分も幸せにできる方法は幾らでもあると思うし。数多ある方法の中から、自分に合ったやり方を見つければいいんじゃないか、と気づかせてくれる作品ではあると思います。 私が一番好きなのは、一番最後の話です。 伊坂氏は、日常の延長線上に想像力を膨らませるのが本当に上手いなぁ、と感心してしまいます。 映像では到底実現できない、小説でしかできない繊細な表現がなされているので、贅沢な作品に出会ったな、と思いました。 | ||||
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短編集じゃなくて、長編。まさに!よくできた短編集であり長編小説でした。皆さんが書いてらっしゃるとおり、おちの予測はできちゃうとこもあるけど読んでてとてもとても爽快な作品です。一個一個も面白いし、そのすべてがちょこちょこつながって、世界を表現しているし。私が個人的にこの作家さんの非常に良いところだと思っている伊坂さんの正義感、倫理観が言葉で表現されるのに、私はあんまり好きじゃないので殺人とかのない作品があったら良いなって思っていたんですが、これはまさにどんぴしゃって感じでした。破天荒な陣内君。人の迷惑顧みず、俺様気質で唯我独尊、でもまっすぐで憎めないやつ。担当した少年に付きまとっちゃう段でのライブシーンの落ちなんかかなーり爽やかです。素敵です。こいつはかなり良いキャラです。格好つけすぎることもなく、殺人事件もなく、嫌味なく読める1冊。伊坂幸太郎のいいとこが前面に押し出されてる作品だと思います。 | ||||
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芥川龍之介の「朱儒の言葉」が小道具で出てくるあたり、警句好きの伊坂さんらしいな、と思いました。他作品では少し気取ったような文体や人物造形に鼻白む点もあったのですが、本作ではスッキリとイヤミなく読み終えました。 本作の仕掛けは、全編を通して唯一欠かさず登場するキャラ「陣内」が、一度も視点人物にならず脇役のように描かれるところ。「陣内」は、破天荒で天然でデタラメだけど気がまわるし、無責任だが一貫性もあり、とてつもなくチャーミングです。家庭裁判所に勤めるロツカー?!このキャラクターは、非常によくできています。 隠しテーマは、父と子の関係。父と子の距離感が、ニセの父子、離婚前の父子、部活発表をめぐる父娘など、いくつも描かれます。母子とは違って、微妙ですよね。 | ||||
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こういう作品を書く人だと知らずに、鈴木成一氏の装丁買いをした本。したら面白いじゃないですか。伊坂作品を初めて読んだ初心者の僕でもオチは想像ついてしまいましたが、現実離れした登場人物をこうも魅力的に書けるものかと。遅ればせながら好きな作家が一人増えました。 | ||||
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どれも、小さな輝きを持った物語たち。目立たない日常の中に隠された「奇跡」。大どんでん返しとか、あっと驚くクライマックス!というのはないけれど、だからこその優しい、心があったかくなる物語たち。読んだ後は、あたたかいお湯に浸かっているみたいな気持ちいい、いい気分。なんとなく、元気でます。 | ||||
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2002年文春傑作ミステリーベスト10 5位。2005年度版このミス10 16位。第131回直木賞候補作品。本当に、魅力的な登場人物を造型するのが上手な作者である。この作品では、陣内、陣内の大学の同級生鴨居、陣内と銀行強盗の際に知り合った盲目の青年永瀬、永瀬の恋人優子、陣内の職場の後輩武藤の5名が主要世登場人物であるが、特に陣内の人物造型が秀逸である。(自分の友人としては歓迎できないかもしれないが・・・。詳細は作品をお読み頂きたい)作品は、陣内の学生時代と、家庭裁判所の調査官として勤務するおよそ10年後のエピソードを配した5編で構成される連作短編集である。いずれの作品も、作者の他の作品同様、ミステリーでありながら、暖かくそしてユーモアにあふれた作品になっている。この作品で直木賞を逃したのは、受賞作が「空中ブランコ」であることを考えるとある程度しょうがないが、「重力ピエロ」「グラスホッパー」でも逃しているのは残念である(デビューから4年で3作品ノミネートされるのもすごいが・・・)。選考委員の方、是非、次回のノミネートとの際には今が旬の作者に直木賞をお願いします。 | ||||
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破天荒で、適当なようでいて、熱い、、、ようでいていい加減(?)という不思議な男・陣内。本作のそれぞれの短編では、彼の友人、後輩、友人の恋人に、ちょっとした事件が起こる。複雑な親子関係、身体障害等々シリアスなメッセージを含みつつ、全体の雰囲気は、なんともほほえましく暖かい。まさに脱力系の伊坂ワールド。主人公たちを暖かく見守りつつ、最後には前向きな勇気をもらえる、そんな作品です。常識の名のもと、世間に対して斜に構えがちな「大人」の心を優しく溶かしてくれる、ちょっとした「奇跡」の物語。癒されましょう。 | ||||
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短編が5つあって、それぞれが主人公陣内にまつわる話になっています。短編がならんだ一種の長編小説ですね。話自体は章ごとに終わっていて、それぞれ楽しめるようになっています。私が一番好きだったのは「バンク」ですね。話の展開も、鴨居、陣内、永瀬のやりとりも。本屋大賞5位もなっとくの作品だと思います。 | ||||
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連作短編集で、一つの長編となっている、との触れこみですが、私には連作短編集としか思えませんでした。キャラクターが生き生きとしていて、テンポもよく読んでいてとても気持ちがよかったです。近頃はこういうすっきりとした読後感のものが少なくて、辟易していたのですがこれは楽しめます。むちゃくちゃなことをする友人、盲目の青年、盲導犬に嫉妬する恋人などが登場して小さな事件にまつわる話が書いてあります。事件もまとまっていてそれなりに意外性もありで、おもしろかったです。あいかわらず人物が、虚構めいたことをことを言うのですが、それもあり! | ||||
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~面白かったです。とても楽しく読むことができました。始めて伊坂さんの著作を読みました。今回の小説は純粋なミステリーではありませんが、話の中の伏線のはり方、話と話の組み合わせ、それがさすがだなあと感じさせます。なるほど、ここはこうつながっているのか。それが読み進めていくうちに読み解けていくのは、とても楽しかったです。あとがきに、~~今回この1冊にまとめるにあたって話がつながるように修正したという紹介がありました。元の小説がどうだったのか、わかりませんが、そのつなげ方が新しい物語に膨らませてくれているように感じました。登場人物の設定、描き方などもキャラクター自身が勝手に動き出しているような、瑞々しさを感じました。面白かったですし、中に流れるメッセージの作り~~方も好きだなあと感じました。ちょっと、ほろっときます。他の著作も読んでみよう、そう感じています。~ | ||||
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ひとつの話をじっくり味わいたいと思いつつ、次の話を読まずにはいられない感じ。登場人物全員がいい雰囲気で、読後感も爽やか。オススメします。 | ||||
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陣内くんのとっぴな行動、発言に驚くのだけど、ふしぎな魅力がある。すごくすごく人間的なお話。今までにないふしぎな感覚を持ってしまった。現実ってこんな感じなのにね。 | ||||
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短編小説を五つ集めた本ですが、短編でありながらそれぞれの話がつながっているという今まで読んだことない、不思議な小説でした。登場人物が成長していたりするさまは面白い発想。陣内という強烈キャラ、永瀬という冷静沈着なキャラなど個性あふれる人物が登場しています。陣内のキャラ、僕は大好きです。ミステリーの部分もあるが、分類がしづらい。だから読んだあと不思議な感じがするのだろう。一話が短いので、ぱっと読めます。一気に読むもよし、一話づつじっくり読んでもよい本です。 | ||||
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この本のジャンルは一体何になるのだろう?推理小説?ドキドキというよりはわくわくしながら読んでいたと思います。そして最後にはホロリ・・となってしまう。登場する人々が全員個性的で魅力的で、あっという間に小説の中に引き込まれてしまいます。詳しい内容はぜひ読んで欲しいので、書きませんが読んで絶対に損はしないと言う事だけ保障できると思います。 | ||||
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陣内にまつわる話が5編。どのエピソードも陣内の魅力的な人柄があふれている。他の人とはまったく違う発想、そして行動。だが、彼の心の中はいつも人への思いやりであふれている。「奇跡でも起こらない限り、無理だ。」と言われれば、「奇跡を起こすんだ!」と高らかに宣言する。そのせりふは強がりなんかではない。彼は本当に奇跡を起こしてしまう。読みながら笑ったり、感動したりと忙しかった。読後もさわやかな印象だった。 | ||||
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『週刊文春』2004ミステリーベスト10国内部門第5位。 5篇の連作短篇集。あとがきで作者が、『一つの長い物語として楽しんでいただければ幸いです』と書いているように、1篇の長篇としても楽しめる。 同じ大学に通う、陣内と鴨居。この2人が、銀行強盗の現場に居合わせ、一緒に人質になった盲目の青年、永瀬と出会う。その永瀬が銀行強盗の正体を推理するのが1作目の『バンク』。 そのおそらく10年後ぐらい、家裁調査官となった陣内の後輩武藤の、1人の万引き少年とその奇妙な父親との関わりを描くのが2作目の『チルドレン』。 永瀬の恋人優子が、陣内と永瀬との3人で、時間が止まった公園の謎を解明した事件を回想するのが、3作目の『レトリーバー』。 『チルドレン』の1年後、陣内が奇跡を起こす『チルドレンII』、『バンク』の1年後、何気ない日常を描いているかのようなのんびりとした雰囲気の『イン』。 どれも、なんだか爽やかで、ちょっとした謎解きも用意されていて、面白い。特に、全部に登場する、脇役のような主人公陣内のキャラクターが際立っている。 すっと読めて、もっとこいつらの物語を読みたい、と思ってしまう。 | ||||
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