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模倣犯
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模倣犯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全279件 101~120 6/14ページ
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何故アジトが見付からない?で警察以外の「建築家」や前畑滋子の出番が回ってくる。登場人物が唐突に死んでしまうのは、著者の他の本でも見られる事です。ひとつもの申したいのは、ピースが真の犯人という事を読者が第四巻から知っているので、本文の「筋としての」展開が、やや焦れったく感じる事です。読み方が悪いのかもしれません。文章は文句無しの超プロ級です。迷いますが、満点をつけたいです。 | ||||
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映画が不評だったため、またその長さもあり読まずにいた「模倣犯」ですが、寝不足になりながら一気に読んでしまいました。 とりわけこの三巻は事件の本質を描く重要な巻ですが、特に栗橋浩美という人間の惨めさが繰り返し暴かれています。 ノイローゼの末赤ん坊の「弘美」を殺しておきながら、次に産まれた子供に「浩美」と名付け、自分の罪を否定し、その子に心理的虐待を与える栗橋寿美子。その寿美子との結婚を悔い、浩美の存在そのものを否定するような言動を繰り返す父親。繰り返し現れる少女の幻覚に怯えながら生きる地獄のような人生の中で彼の人格そのものが狂っていく。 愛情のかけらもなく破綻した家庭で、虐げられながら育った浩美。その事で彼に対する同情は涌かないにせよ、そんな家庭にありながらも、弱い人間を庇ってまっすぐに生きようとした幼い頃の浩美の姿を高井和明が語った時、浩美という人物の本当の悲しさを読む側が知る事になります。 高井和明はかつての浩美を覚えているたった一人の人間。まるで「雪の女王」でガラスの破片が目に入ったために変わってしまった少年を取り戻そうとする少女のように、最後まで浩美を信じ、最後の最後で浩美はやっと生きる勇気を取り戻す。生き延びれば前に進めたこの二人に残酷な運命を与えるあたりに、宮部みゆきの怖さを感じました。 | ||||
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「人は誰でも、自分の幻想という小さな王国のなかでは、ちっぽけな王冠をかぶり王座に座っている。そういう部分がある事自体は 、けっして邪悪でもなければ罪深くもない。むしろ 、軋轢の多い現実世界を生き抜いてゆくためには、なくてはならないことだ。」第四刊より抜粋。いやいくらなんでも連続殺人は赦される余地がない、とかいって熟読するとページがなかなか進まない。それよりは冤罪になってしまった人とそれによりさらに悲劇に陥る冤罪者の家族が可哀想と感情移入してしまう。あと携帯を捜査の手掛かりにしないのは何故?と突っ込みたくなる。しかしこの作品はそれらの点を鑑みても作者の代表作で読むに価すると思い満点としました。 | ||||
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ているようで時に登場人物の心理まで宮部さん一流の丁寧な筆致で紡がれていく。たまたま新潮社の「ツァラトストラ」を同時並行で読んでますが、訳注のところが全部丁寧な描写となっているのでややくどいと感じてしまいました。バブル経済破綻、携帯普及少し前の日本ですね。迷いますが満点としました。 | ||||
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宮部作品は、初めて読んだのですが、とても面白かったです。 はじめは「めんどくさいな」と買ったことを後悔しながら、 読んでいたのですが、途中から作品に引き込まれました。 でも、最後の「アレ」で、崩れてゆくのが、ちょっと納得がいかなかったです。 せっかく引っ張った「模倣犯」というタイトルが、「アレ」であっさり崩れるかな、 こんなに頭のいい模倣犯が……と、思いました。 | ||||
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こんなに長い作品なのに、飽きることなく読み進められた。読むスピードが遅いにもかかわらず。 映画が原作を踏みにじるような酷さだったので、映画だけ観てこの作品に興味を無くした人がもしいたらすごく残念。 原作は内容も濃いし意味不明な描写も無いし、映画とは全な優れもの。 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算287作品目の読書完。2006/01/01 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算287作品目の読書完。2006/01/15 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算287作品目の読書完。2006.02/01 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算287作品目の読書完。2006/02/15 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算287作品目の読書完。2006/03/01 | ||||
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これだけの長い物語で、 たくさんの登場人物がいて、 まあ、よくこれだけ丁寧にそれぞれの人物像を描いたものだと感心します。 あたり前だけど作者は一人なんだから、 描く人物が自分に近いものになってしまいそうなものだけど、 それを全く感じさせないで、 登場人物全員をまるで「見てきたか!?」のように表現しているところは、 さすが宮部みゆきの真骨頂‥ではないでしょうか。 | ||||
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長い作品だからこそ、たくさんの感想を持ちましたので箇条書きで。 ※若干ネタバレを含みます。 ◆滋子について 同世代の仕事をしている女なので、共感して読みました。 彼女の仕事に打ち込むひたむきさと、世に放つ文章への責任感に頭が下がる。 昭二と離婚する危機のエピソードは、いかに仕事に理解があると言っても 結局は自分の生活がうまく行っているときは「応援する」立場の男が 自分の生活がイレギュラーになった途端に、仕事をしている妻がとてもできないことを 望んで、専業主婦ではない女性を選んだことを忘れて 自分の生活を全面的にサポートできないことをを責めるあたりが非常に現実的。 ◆ピースについて ずっと、物語の中で「伝説のすごいやつ」という役割だった時は 記号のように「ピース」と呼ばれていた彼が、小説内でフルネームを与えられた あたりから、実体を持っていろんな動きを始めるという趣向が面白い。 ただ、ヒロミと一緒の時はパソコンのフリーズ状態になるピースの描写があったものの、 本来頭が良いはずなのに、なぜか後先考えずに滋子の挑発に乗って 真実を暴露してしまう、というところにはいささか疑問が残る。 こんなカッとなりやすい性格という伏線ありましたっけ? (貴志祐介氏の『悪の経典』のハスミンに似ている・・・) まぁ、捕まらないことより芝居として世に残すことが彼の最大の目的だったから、 と考えれば道理は通るといえば通るのですが・・・ ◆その他ストーリーについて 樋口めぐみのことをあんなに蔑んでいた彼女が、いざ実兄が被疑者となった際に 事件に関係のない人間からするととても容認できないような暴挙に出たことに皮肉を感じる。 読者からするととても良い青年のカズだけど、本当にこういう人が身近にいたら やはり愚鈍だとバカにしてしまうのかもしれない・・・ヒロミのことをバカにできない。 ヒロミは自尊心肥大症のひどいバージョンのような気がするが、 仕事をしない、やりたいことが見つからない という若い世代は 多かれ少なかれこういうところがあるのかも、と思った。 有馬さんの生き方、考え方が素晴らしく「老いる」ことの意味を見た気がした。 最後、主婦が小さな女の子を抱きしめるシーンで思わず涙が出た。 実際の世界で、鞠子のような不幸な女性が現れないことを祈る。 | ||||
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読後感はよくはありません。 宮部みゆき作品の長編です。 ここまで長い話しでも最後まで読めるのは筆者の文才でしょう。 非常に現代社会の病んだ部分を現しています。 直接ストーリーとは関係ありませんが、 登場人物のような人たちがどうして社会にでてくるのか。 最後までその疑問が残る読後感でした。 高度成長期に物質的には豊かになって先進国となった日本。 でも何か大きな代償を払ってきたのでしょう。 人生において幸福とはなんなのか?を考えさせられた本でした。 そういう意味においてはよくできたストーリーで自分の頭に訴えるものがあり 充実して読み終えました。 この作品の後の楽園を最後に犯罪を内容とした作品から遠ざかっているでは!? こんな内容ばかり書いていたら宮部みゆきとはいえ、気が病んでしまうでしょうね。 | ||||
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「現代ミステリの金字塔」と謳われているが、私としては「現代エンターテイメントの金字塔」 の方がしっくりくる。 こういう悲惨な作品をエンターテイメントと称するのはお門違いなのかもしれないが、 2500頁を飽きることなく楽しませてくれた要因は加害者側と被害者側、警察とマスコミ、 そして殆ど事件に関わっていない人からの目線からも描かれる、壮大な網川浩一の 劇に魅了されたからだ。 | ||||
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宮部みゆき大ファンの私ですが、宮部ファン以外の方にも是非お読みいただきたい。そんな作品です。 こともあろうか、その頃は宮部みゆきを知らず(今思えばそら恐ろしい)、話題だから見てみようと映画を見てしまいました。某SMAPの方が主人公を演じ、終始暗い、静かな雰囲気。何故か最後は爆発?......なんだこりゃって感じでした。 それから火車、理由、レベル7を読んで、宮部大ファンとなり、全て読み終わってから、ああ、あの映画も宮部みゆき原作かあ。と言うところで、あんまり面白くなかったけど、読んでみるか。と言う軽い感じでした。 大間違いでした。もともと600ページくらいの長編が好きで、長さは全然苦にならないのですが、それでも大長編。それが、あっという間に読み終わってしまいました。シドニーシェルダンを初めて読んだときのあの感覚でした。 文体は飽くまで静か。しっかりとした重い感じの、本来の宮部みゆきの文章です。いつも不思議なのですが、文章が重いのに何故かしっかりと読まされてしまう。読まされているから、時間がかからない。 他の作家では、伏線がほんの少し描かれている、と言うケースが多いのに、宮部作品は、違います。後になればなる程、あの文章はここで活きるんだ。と実感するのです。 私はハードカバーで読んだので、ベースになる上巻と、そこから発展する下巻と言う構成。ベースの部分ですら、一つの作品となりえると思います。それを更に発展させる構成力。と言うより、発展させるためのベースの描き方。理由で見せた一つ一つのパーツの描き方と、結果描き出される人物像。そんな構成力が最終的な宮部みゆきの凄さの本質ではないでしょうか。 書き込みが多い。描写に手間暇がかかりすぎ。と言った一見自信のない姿に、とんでもないパワーを含む宮部作品。その中でも圧倒的です。 絶対読むべきです。本当に損します。 | ||||
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長かった。それが第一印象です。 連載ものだったらしいので仕方ない気もしますが、 このラストなら文庫3冊程度にまとめて欲しかったというのが読み終えたあとの率直な思いでした。 この小説は、犯罪者たちを追い詰める爽快な推理小説ではありません。 被害者側からの視点で事件が進展していく「1巻」。 事件の結末を知りながら犯人側からの視点で読んでいく「2・3巻」。 犯人を知りつつも捜査は難航し、むず痒いが、確実に解決へと進んでいく「4・5巻」。 その合間に描かれている、被害者・加害者の家族たちの地獄の思い、希望への切なる願いが悲しいほどに伝わってきました。 他のレビューでもありますように、事件の展開での尻つぼみの印象は拭えませんが、心情表現に関してはまさに圧巻でした。 被害者、加害者の家族の人たちの心情を緻密に描き、読者に犯罪について再考してもらうことこそが宮部みゆきさんの目的だったのではないでしょうか。 以上を踏まえ、この小説全体での評価は☆4 しかし、有馬家族の言動描写や事件の進展で肩が震えるほど衝撃を受けた「模倣犯1巻」は、文句なしの☆5つです。 背表紙のあらすじは絶対に読まないでください。 あれは、一冊全ての要約ですよねw | ||||
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長いっていうだけではなく、ちょっと休憩ははさんで落ち着かなきゃって思う場面がたくさんありました。 せつないというか、心がザワザワするというか、悲しみや怒りがいろんな場面で込み上げてきました。 映画化もされていて、そちらは観てませんがこの込み上げてくる感情をきちんと映像にできてるんでしょうかね。 有馬さんが山崎努さんが演じてらっしゃるのを見てほっとしましたが。 | ||||
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念のために述べておく。五巻の紹介文には「真犯人は一体誰なのか?」と書かれてはいるが、この物語はそうした「犯人当て」ものではない。むしろ犯人と被害者の周辺を巡る人間ドラマである。であるからいっそう、読み進めていく側の負担は大きい。特に三巻・四巻の展開は時間軸が逆行して結末を知らされたあと、そこに至るまでの経緯が執拗に描かれていて、それはつまりは1ページ毎に悲劇的な結末へと近づいていくということになるわけで、この山を越えるのには相当のエネルギーが必要であるだろう。事件そのものの実行部分も、ごくあっさりと書かれてはいるが、それだけに「行間を読ませる」手法であり、この上なくやりきれない気持ちになる。むしろ内容的にはかなり直截的かつ破壊的な我孫子武丸『殺戮にいたる病』の方が楽に読める気さえするくらいだ。 ところで近代社会以降になって、「社会」が発見され、「大衆」が見出される。デュルケームは「社会」を「社会的事実」として「物のように」扱うことを提唱し、その実践においてコントの命名になる「社会学」を確立した(『社会学の根本概念』)。オルテガ・イ・ガセットは「大衆」という無名の権力を「社会」の直中に見出した(『大衆の反逆』)。一方、リースマンはそうした「大衆」の指向性について鋭い考察を投げかけた(『孤独な群衆』)。“真犯人X”は、そうした集合性、無名性、他者指向性を特性とする「大衆」を操る術に長けた人物として設定されている。それに対抗するのは、日常生活においてお互いに触れ合い、言葉を交わす共同体としての「世間」である。観念的な「社会」と経験的な「世間」。被害者の祖父が“真犯人X”に向かって投げつける最後の台詞により、「世間」は「社会」に対し、自らの勝利を高らかに告げる。『模倣犯』とは敗北者の名前である。 文句なく、現時点での宮部みゆきの最高傑作。 | ||||
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私が小説に再び小説の面白さを思い出したのがこの本でした。 大学までの通学時間に暇つぶしに読む本を探していて、図書館で「なんか聞いたことがあるな」と思って何気なく手にしたのがこの本「模倣犯」。 久しぶりの小説だったしかなりの長編だったので、読み切れないかも、と思ったりもしたけれど、ストーリーが進むにつれてこの人物はどうなってしまうんだろう、この人物は…?と気になって気になって、全然読破するのが苦じゃありませんでした。 ストーリーの流れ的に決して幸せな結末が待っていないことは明らかで、話に入り込み過ぎて暗い気持ちになったりもしましたが、それは物凄くリアルに一人一人の人物の心情や受け入れがたい現実が描かれているからで、やっぱり宮部みゆきさんは凄いなと改めて感じた一冊です。 実は以前、映画をちらっと見たことがあって、何となく覚えている結末が「は?」って感じだったので大したことない印象を抱いていたのですが、小説は映画とはレベルが全っっっっったく違います。 この本は色々な意味で読む価値のある本だと思います。 | ||||
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