■スポンサードリンク
模倣犯
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
模倣犯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全279件 201~220 11/14ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
単行本で読んだが、今回の文庫化で再読。一気に読んだ。 内容については、今さらどんな言葉を持ってきても足りない。 だから、ここではあえて違うことを言いたい。 ったく、なんでこれから読もうとする内容をわざわざ本の裏に書くかなぁ? 頭にきます。 初めて読む方は、絶対に絶対に本の裏と帯は封印してから読んで下さいね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
絶望的に分厚い本ですが,読み始めると途中で止まらず,この3連休をこの本だけに費やされてしまいました。 「純粋な悪意」をもった人間が,いかに悪魔的に振る舞い,被害者やその家族にいかに深刻な打撃を与えるのか。この小説の性質上,粗筋を詳解することができないのが辛いところですが,読み進めていて辛いストーリーであることは間違いありません。そのストーリーに沿って,被害者,被害者の家族,加害者,加害者の家族,警察官,フリージャーナリストなど,色々な登場人物が,重厚に書き込まれています。そのように多数の人物が登場しながらも,混乱なく読み進むことができるのは,やはり,宮部みゆきの筆力のなせる業でしょう。 また,基本的には,天才のひらめきや偶然性を排し,論理的捜査・思考の積み重ねの中で真実が一つずつ明らかになるように書かれており,安心して読むことができます。唯一,飛行機内で声を聞くエピソード(下巻・502頁)だけは,「そんなご都合主義はないだろう」とがっくりしましたが,これは本筋に不可欠なものではないので,なかったことにして読み進めましょう。 時間をかけて読んで絶対に損はないと自信をもって保証できる本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いよいよ第3巻。 読んでいて痛い感覚、そして、哀しみが胸を締めつけます。 何かのインタビューで読んだけど、作者は「連続殺人」というテーマゆえに、 かなり悩んで葛藤しながらこの本を書いたらしい。 やめようか、と思った時に、編集者が「絶対に書く価値のある本だから 止めちゃだめだ」と言ったとか。 それだけ真剣に向き合って書いたってことが文章から伝わってくる。 たぶん二度と書けないんじゃないかってほど命を削って書かれた入魂の一作。 被害者の遺族たち、犯人、そして、犯人を追うものたち。 それぞれのパートで、それぞれの立場からしか 明かされない事実が一つひとつ明らかになるにつれ、 物語の重層性が際立ってきます。 そして、人が殺される陰惨で、重たいテーマの本にもかかわらず、 この作品を読むと、一人ひとりの人間の人生の重さ、尊さみたいなものに 思いが致されるのです。 ちなみに、この本に出てくるジャーナリスト前畑滋子の後日譚 「楽園」という作品がいま、産経新聞で連載されてます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ついに、物語は最終段階へ。 浦沢直樹の『MONSTER』に登場する悪の天才ヨハンを 彷彿とさせる真犯人。 彼がとる意外な行動とは? そして、彼をどうやって追い詰めていくのか? いわゆる犯人探しみたいな小さなサスペンスではなく、 人間性のぶつかり合いがここにはある。 何かのインタビューで読んだけど、作者は「連続殺人」というテーマゆえに、 かなり悩んで葛藤しながらこの本を書いたらしい。 それだけ真剣に向き合って書いたってことが文章から伝わってくる。 たぶん二度と書けないんじゃないかってほど命を削って書かれた 入魂の一作。 人が殺される陰惨で、重たいテーマの本にもかかわらず、 この作品を読むと、一人ひとりの人間の人生の重さ、尊さみたいなものに 思いが致されるのです。 ちなみに、この本に出てくるジャーナリスト前畑滋子の後日譚 「楽園」という作品がいま、産経新聞で連載されてます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきの小説にほぼ例外なく登場するのが、真っ当な人間観をもち、地道な生活に根ざした自己があり、日々の暮らしを大切にしている人々。こうした人々が多数存在し、支えてきた「高信頼社会・日本」が、今、音をたてて崩壊しつつある。「模倣犯」にも、この真っ当な人が登場するが、結局、救われずに物語りが終わってしまう。現代社会を象徴するかのようだ。宮部みゆきは、日本社会の美徳が崩壊していく様を見事に描く、稀有な作家であると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一言、圧巻です。 決してボリュームの話ではありません。それどころか、平易な文章、“今”の言葉で丹念に書かれた物語を追っていると、長さなど全く感じなくなります。 私は、第一巻を半分ほど読んだところで『あぁ、こんな面白い小説があと四巻余りしか楽しめないのか…』と残念に思ったほどです。 連続誘拐殺人事件という陰惨な出来事に巻き込まれてしまった人たち、自らかかわろうとするジャーナリスト、そして加害者。 性別も年代も立場も異なるさまざまな登場人物の心の中を、時に視点を変え、時に時計を戻し、宮部みゆきの文章は丁寧に綴ってゆきます。 非行に走って両親の気持ちを独り占めしてしまった妹に反感を持つ姉が当の妹の被害の証拠を見た時の悲劇も、被害者の遺族の弱みにつけ込む有象無象の動きも、職場ではこわもての刑事が家庭では女子大生の娘にいいようにあしらわれるほほえましい描写も、それぞれ決して主役とは呼べない登場人物の記述の一つ一つがとてもリアルで、それ故に小説全体のストーリーに引き込まれてしまいます。 そして『模倣犯』というタイトルの意味が明らかになるクライマックスの迫力。この部分は二度も三度も読み返しましたが、いつも鼓動が速まる気がします。 是非、ご一読をお勧めします。 最後に蛇足ですが、文庫カバー全巻の裏表紙に書かれているあらすじと、どうしても目が行ってしまう帯のコメントは決して読まないようにして、本屋さんでブックカバーをつけてもらってください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
犯罪と関係者と間接(希薄)的な大多数の人。 様々な視点から描かれておりますけれども。。。 とにかく長い。 幹の太さが損なわれているとは思えないが、枝葉が大きすぎて幹が見づらくなっている感じがする程に。 長い小説は苦痛ではないし、個人的に読むことは好きなのだけれども。 もう少し、読者に期待してくれても良いのではないか、とも思う。 エンターテイメントとしては、意外性に少し欠ける気もしましたが、読んで十分面白い事は間違いないです。 登場人物が多彩に描かれておりますが、犯人の「格」がもう少し抜きんでていればなぁ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
わたしの娘はこの4月に小学校に上がります。すごく心配です、この小説を読んだ後では。こわいもの。この話。 でもね。わたしはそれなりにミステリファンでして、作者が読者に対して用意するカタルシスのパターンってね、わかってたつもりだったんです。ああ、あの憎たらしい子は犯人にやられそうになるんだ、それをあの子が救うんだ、とかね、そういう「ありがとう。救いはあるね」というストーリかと思ってたんですよ。ところが。 そうきたか。 多分、大団円にできたと思う。宮部みゆきさんならば、すべての出来事に対して着地点を与えることはできないはずはない。でも与えなかった。それは、作者のメッセージなのだ。 ぼくら、小さい子の親は引き締めて受け止めたい、そのメッセージを。でね、同時に頑張って行きたいと思う訳ですよ。 なんでこんな風に考えさせるかっていうと、作者の立ち位置、視点が、僕と一緒だから。「僕ら」じゃないよ、「僕」だよ。僕自身が物語に持ってかれる。彼女に、彼に、あの人に。 世田谷一家の事件から、昨今の小学生の惨い事件まで、朝のニュースでは僕は腹立たしく思うさ。いったいニッポンはドウナッチョルのかと思うさ。でも一日仕事で忙しいと、眠るときは忘れてしまっている。宮部さんに、事情はわかるけどそれじゃまずいのじゃないか、と言われている気がした。わたしに、あときっと他の人に欠けているのはこの物語なのではないかと痛感したのだ。 はい。忘れないようにします。忘れそうになりそうになったら、読み返します。ありがとうございました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とにかく怖かった・・。読み進めていくうちに被害者、被害者の遺族、事件を追う刑事、記者、それに犯人と次々にかわっていく語り手の感情がすぐ近くまでせまってきていて怖かった。邪悪ということについて考えた。なんど身震いしたかわからない。寒くなる・・・。そしてラストにはなんだかホロリときた。ホッとしたのかもしれない。やっと終わったって・・・。そして忘れられない本の一つになったなって思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
グイグイと読ませるんですよね、この本。 被害者、被害者の家族、犯人、事件を追うジャーナリスト――。 読んでると、さまざまな人たちの人生が浮かび上がってくる。 重たいテーマにもかかわらず、何故か引き込まれてしまう本。 何かのインタビューで読んだけど、作者は「連続殺人」というテーマゆえに、 かなり悩んで葛藤しながらこの本を書いたらしい。 それだけ真剣に向き合って書いたってことが文章から伝わってくる。 たぶん二度と書けないんじゃないかってほど命を削って書かれた入魂の一作。 本の厚さで敬遠してしまっている人も、まず、この一巻だけでも読んでみたらいかがでしょうか。 ちなみに、この本に出てくるジャーナリスト前畑滋子の後日譚 「楽園」という作品がいま、産経新聞で連載されてます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画版で「は?よく分からん」と思ったので、本は読んでいなかったのですが、文庫版をとりあえず1冊・・・とうとう全冊揃えちゃったよーん。 「理由」「火車」は救われる人もあり、救われない人もありですが、模倣犯は・・・真犯人の精神力のすさまじさといい、被害者の親族の「事件は終わっても鞠子は帰ってこないんだよ!」の叫びといい、救いがあまりない分心に重くのしかかってきました。 最近本当の事件でも「劇場型殺人」って本当に多くなってきたと思います。「第2、第3の○○は現われる・・・」すごくずしーんときた一言でした。××さんの言うとおり、「大衆」なんて幻想で、本人は、舞台に上がったつもりかもしれないけれど、実は舞台を転落しているんだよー。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
登場人物の背負っている業が鮮やかに描かれていて、重い業を背負っているからこそ見えてくるもの、人に対する優しさに感動します。「模倣犯」の言葉がラストで大きな意味を持ってくるという仕掛けがうまいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきの作品はミステリーの形式をとっているが,そのトリックがすごいと思ったことはいまだかつて無い.綴られる文章はいたって平凡,村上春樹や小川洋子のような文学性を感じたことは無い.登場人物たちの会話も機知に富んでいるとは言いがたい.彼女の優れているのは話の構成及び人物描写だろう.この作品も御多分にもれないものとなっている.だが・・・ 登場人物たちを深く掘り下げているため,内容はとてつもなく密なものになっている.犯罪者の遺族,犯罪被害者の遺族これらの関係には考えさせられるものがあった.またルポライター滋子がピースをはめる場面は圧巻,久しぶりに読んでいて震えが止まらない感覚を味わった. 優れたトリックが無くても,この作品は今まで読んだ中で最高のミステリー作品だ. 追記 映画は論外 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部さんの本は初めて読みました。模倣犯を1巻読んで宮部さんの作品をいろいろ読んでみようと思いました。 模倣犯が面白く登場人物を一人一人詳細に扱い本当に良い作品だと思いました。なんでも、4巻5巻は12月29日頃発売だそうで予約して続きを読みたいと思いました。文句なく5つ星です! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文庫になっても、やはり1冊1冊が分厚い!! コンパクトにはなるけど、全部そろえたらハードカバーと値段はあまり変わりなさそうです。 事故死した男2人が犯人なのではないか…というところから始まる2巻。 連続殺人を追いながら、被害者の人権について深く語られています。 宮部氏の作品は、人物描写が深いのが特徴ですよね。 今回もそれが生き生き(?)しています。 4,5巻は12月末に発売らしいので、楽しみです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
待望の文庫化!あの厚いハードカバーを手に取る気になれずも、読みたかった!!早速買おう!全3巻ね!と思ったら勘違い。。もう2冊出るみたいです。全部一気に買いたい派なので、全部出るまで待ちます。もう少し。しかし・・全5巻って、なかなかハードですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あの厚くて重たくてかさばる上下2分冊の単行本は、読書の喜びをたっぷり感じさせてくれたけれど、何たって不便でした。文庫化をこれほど待ちわびた小説もないのじゃないか、と思うほどです。これで手軽にじっくり(苦笑)読み直しができます。 導入部の重い迫力はやはり印象的ですね。人間の悪意の深い淵の底を覗き込むような気持ちにさせられます。初めて読んだ時の、じりじりするような暗さがよみがえりました。宮部みゆきの長篇の、この・感じが好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
待ちに待った文庫化。 連続殺人犯と、それに挑む一人の老人と、捨てられた腕の第一発見者の少年との戦いを描いています。 2人はどう、犯人を追い詰めていくのか…。 前に映画を見て「こんなもんか」とがっかりしたのですが、読んでみると映画とは全然違って、より深いです。 ミステリですが、それよりもこの話は被害者家族の心境にスポットを当てて、こと細かく丁寧に描いています。その苛立ちや悲しさがヒシヒシと伝わってきます。 4,5巻は一ヶ月後の発売。待ち遠しいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
カズと老人、少年、デスク担当刑事、建築屋が好き。車が墜落する刹那の描写(上巻)はまさに圧巻。家出した滋子がTV画面のピースに毒づく辺りの描写もいいですね。この滋子は非常に目障りな存在なんですけど彼女の物語を介して綴られた報道批評は辛らつです。老人が編集部に出向くシーンなどにもハッとさせられた。誰にも認知されないが故に誰にでも合わせる生き方を学んだピース。それが「大衆」というものを相手にした時、そこに舞台効果を何より優先する劇場型犯罪が誕生した―。これは「舞台」のお膳立てを司るマスメディアの本質を問う作品とも言えるし、演出をどう誤魔化しても真実は動かせないことを示した作品とも言えます。それにしても「身内に不幸があった店で豆腐は買わない」という感覚が私にはよく分からなかった。黒も白も一緒くたに「事件関係者」「警察沙汰」と回忌するのは前近代的だと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
長いけど面白かったです。上巻は大なり小なりイカレた人々の心情が事細かに語られて、正直気が重くなりましたけど、現実にあり得る事だと思います。下巻も飽きずに読めました。終盤でタイトルの意味が判ったときは思わずおぉっと叫びました。仕掛けが物足りない感、不用意過ぎる感、語り足りないのでは?という感じもするので、ちょっと勿体ないかなぁと思います。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!