(短編集)

ポイズンドーター・ホーリーマザー

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評判

ポイズンドーター・ホーリーマザーの評価:

3.60/5点 レビュー 92件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.60pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全127件 101〜120 6/7ページ
No.27
(2pt)

毒母に育てられたアラフォーとしては・・・

表題の二部が読みたくて購入。ところが、まったくもって救いのない内容でした。

ぷるるんさんのレビューにもありましたが、理穂(ホーリーマザーの1人なのでしょう)の立ち位置がわかりにくく、支配的・依存的・過干渉などの親子関係で苦しむ者をよけいに落とすような内容。親に苦しめられた娘としては、一読して著者への激しい怒りに打ち震えました。

「アダルト・チャイルド」「毒親」など大々的に取り上げられたことで注目され、本人たちの苦しみが軽く受け止められてしまっているのかもしれません。実際真剣に向き合っている者たちは本当に苦しんでいます。「おまえだけが頼りよ」「おまえは無力だ(どこにも行くな)」「どうしてもっとできないんだ」「おまえのことは親の自分がいちばんわかっている(言う通りにしろ)」日々言い聞かされ自由を奪われ、そこには、自分自身の人生など存在しません。

そこからどうにか抜け出そうともがく弓香(『ポイズンドーター』)は、人として未熟だし欠点だらけではあるものの、真剣そのものです。呪縛から解放され、自分自身の人生を取り戻そうと必死に努力している。

一方、理穂(『ホーリーマザー』)は臭い物に蓋をするタイプ。こんなものよ、と開き直っている。世の中の理穂たちが毒親家庭の連鎖を生産し続ける元凶でしょう。だからこそもう一歩踏みこんだ作品にして欲しかった。臭い物に蓋をするのじゃ本当の幸せはつかめないよ。子どもたちも幸せにできないよ、と、毒親のことがわからない人たちの心にも一石を投じるような・・・

親子関係や人生について考えさせる作品にできないならば、このような重いテーマについて書くべきではなかった。そう思います。期待していただけに、大きな失望感だけが残りました。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.26
(4pt)

読後感は相変わらず

なんか腹の中に重いものが残る読後感は相変わらずです。スッキリなんかしません。でも、最近の作品は、嫌~な感じが薄らいできているような気がするのが残念です。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.25
(5pt)

自分も母親について考えさせられた

私の俗にいう毒母をもつものです。
本書のポイズン~からの二作品を読んで、
私は一方的に実の母をいやだと思うことが多々ありましたが、
視方を変えると、もしかしたら違うかも…と
自らの人生も考えさせられました。
ポイズン~の弓香が番組で母を攻撃するというのは
想像しても勇気がいることだと思います。
でも、その後のいろんな流れが、
不幸な展開になっていくのを
弓香は想像してたのでしょうか。

湊さんの作品を再び、買いあさり
今読んでいる最中ですが、
ポイズン~の本書が
再び、湊さんの本に手を向けさせてくれました。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.24
(3pt)

事実は1つとは限らない

久々に湊かなえさんを読んでみましたがやっぱり私には合わないなぁ。
読後にいや~な気持ちしか残らない読書は、楽しくない・・・。
でも、最後の最後で今まで信じて思いこんできたものすべてが一気にガラガラッと崩れちゃう快感・・・この手法はやはり見事です。

要するにひとつの出来事にしてみても、事実は1つとは限らなくて、見る人によって感じ方や見方はまったく違うということ。
そして、傷ついて苦しんでいるというのはその人にとって事実なわけだし、
誰と比べたらマシとか、もっと苦しんでる人がいる・・・というのは説得力がない。
すべてがそれで納得できちゃう作品集でした。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.23
(2pt)

ゆみ

読みやすい作品ですが、一冊にした意味はわからないです。短編集ってイメージでした。
読む前は短編集でありながら世界観は繋がっていて最後に落ちが来るのかと思っていたので残念です。
作家さん的に現実感はあまり求めない方がいいのかもしれません。
人って多かれ少なかれ親に影響されて育つのを、大人になっても消化できてない。
もっと辛い人もいるのよ、もっと辛い人もいるのよって出してくる感じが何を書きたいのか不明。
当事者にとっての真実を他人からの真実で上書きしてる感じです。そこが何とも気持ち悪い。
視点を変える手法は好きですが、真実が押し付けがましい。
良くも悪くも女性の悪口立聞きしてちゃった感じの何とも言えない嫌な感じが残る作品。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.22
(1pt)

表紙にかなり目立つ「切れ込み」あり。

上部の題名の箇所に切れ込みが・・・。パット見すぐにわかるので、記載してあればよかった。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.21
(4pt)

主観と客観、表と裏

同じ行為を見ても、同じ言葉を聞いても、人によって受け取り方が異なる。
母が好意でしたことでも、母を嫌っている娘なら悪意だと受け取るだろうし、
母に虐待されていても「母親というのはこんなもの」だと娘が思っていたら、
毒母とは思わないだろう。
毒母かどうかは、「娘に売春をさせた」といった客観的にも悪辣な母(これは娘が
母をどう思っていようと毒母だ)だけではなく、基本的には、娘が毒母だと思って
いるかどうかによると思う。
また、この短編集の各編に共通していたのは、人の心の表(外見)と裏(本心)は
かなり違ということだ。
例えば、「マイディアシスト」では、主人公は
表:妊娠中の妹を通り魔に殺された可哀想な姉 
裏:・・・・(ネタバレになるので書かない)
だし、他の短編もそうだ。
この短編集は「相手の『表』の対応を本心だと思ったら、とんでもないことになるかも
しれない」という教訓集にもなると思う。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.20
(4pt)

被害者意識と罪悪感

親にどう育てられたか。どんな価値観をうえつけられたか。これはもう、原点ですから、「親からこんな仕打ちを受けたから今こうなった」というのは、相当根深いです。これが被害者意識。「親の期待にこたえらえなかった」というパターン、これが罪悪感。
もちろん、逆も成り立ちます。親側の視点です。「こんな子に育てた覚えはない」とか「私の育て方が悪かった・・・」とか。

湊さんはイヤミスの女王と呼ばれてるそうですが、イヤミスってなんだ?って思って調べたら、どうも、後味が悪いとか、いろんなことがはっきりしないとかそういうことらしいですが、「答はコレです」って、読者に考える余地を与えない作品のほうがつまらないと思うのですが・・・。
それに、湊さんは鋭い問いかけを提示してるのではないでしょうか。
これを読んで、自分は結構恵まれていた、全く愛がなかったわけではないと、気づける人は幸いだと思うのです。
確かに、そう思えない方にとっては、福音とはならないでしょう。

あまり触れられてないようですが、「優しい人」という短編の最後、証言5 優しい人 の証言。ここ、すごくドキリとさせられたし、矛盾も感じて、クスっともしてしまいました。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.19
(2pt)

さらっと読めるが、内容は薄い

キャラクター造詣が極端で、ちょっと毒の吐き方があからさますぎる気がしました。
ふつうっぽさの中にぞっとするような毒が一瞬チラリと見えるような表現のほうが
真の意味で「毒」を感じられます。
今回は「作り物感」が鼻についてしまい、あまりのめりこむことができませんでした。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.18
(3pt)

個人的にはベストフレンドと優しい人が好きだった

母や同僚、友人、兄弟への憎悪や嫉妬、軽蔑など、様々な暗い感情とその裏に隠された想いを描いた6つの短編集。

どの話もうまく毒が隠されていて楽しめたが、全体的に内容が薄かった気がする。

表題作は毒親と毒娘、双方の見方によって解釈が全く変わってくる話。願っているのは娘の幸せのはずなのに気持ちは完全にすれ違っていく様子が伝わってくるのだが、人間関係が分かりにくくて描写がくどかった。

個人的にはベストフレンドと優しい人が好きだった。

ベストフレンドは、脚本新人賞の最優秀賞と優秀賞をとった作家の卵たちのその後を描いた話。相手を認めながらも自分の方が上だという嫉妬の感情が分かりやすく描かれており、最後に驚きの展開が隠されていたのもよかった。

優しい人は、損な役回りを押し付けられて最終的に犯罪を犯すことになった女性を描いた話。人に興味がないため誰にでも親切にしてきた明日実がなぜ殺人を犯すことになったのか、本当の優しさとは何なのか考えさせられた。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.17
(3pt)

薄い

短編集だからか、
物語の内容がどれも薄い。
特に感想も残らないものばかり。

でも、レビューを見てて、
この作品で自分の人生救われる
人がいるなら
それだけでも、
この本の価値はあるのかなと思う。

みんな一生懸命生きてるだけなのにね。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.16
(1pt)

期待ハズレ

本の説明に「まさかの結末」とあり、ゾッとする恐怖感があるとのことで、読んでみたが、結末は予想できたし、特に恐怖感もなかった。
ラストにオチがないため、全体的にしまりのない印象を受けた。
ここはレビューを書く場なのに、皆さん、ご自身の身の上話をしていることに疑問に思った。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.15
(3pt)

イヤミス好きならいいと思いますが・・・

イヤミスが好きでないなら、ただの後味の悪い短編集です
ただイヤな気持ちにはなりますが、ミステリーとしてはどうなのかなぁと思うので
直木賞候補になったことは驚きでした
湊かなえさんらしい1冊でした
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.14
(4pt)

小説としてではなく、毒親論争に一石

小説としての評価よりも、内容について書きたいと思います。
工夫してネタバレしないように。

まず、湊かなえさんの作品はいつも共感するのですが、
最初の姉妹の関係が私と妹の関係と全く一緒で
それで引き込まれました。
大学に入るまでの過程は全く一緒、、
つまり、母親の私と妹への接し方が全く一緒でした。
そして結末を見て恐怖を感じました。
今はまだ主人公のように私はなっていないけれど、
今後そういうこともあるかもしれないし、、
と思い、正直眠れなかったです。

中間のいくつかの話は正直、「え、それだけ?」という話もありましたので、
湊さんの作品はやはり長編が良いのか、とも思いました。

しかし、最後の2作で、私自身に問いかけが出来た事が、すごく良かったです。

ちょっと長くなります。
私は私の母を毒親だと思ってました。
母の口癖は「私は昔から頭が良くて、美人でモテて、料理が上手いの」でした。
実際に有名大学卒業してましたし、今でも母は美人ですし、
料理を作るのが好きでずっと台所にいてました。
後で大人になって気づいたのですが、
母親は九州の田舎から都会の大学に入るために来て、
地元で一番の美人で秀才、として扱われていたのが
田舎から来た女の子、として都会で馬鹿にされたことで
自信を奪われ、
独り言のように言っていた呪文を私に唱えていただけなのでした。
そして
「あなたはお父さんに似てしまって、一重だし、首が短いし、本当に面白い顔よね」
と私に向かって言っていました。
私が物心ついたころから
「あなた生まれた瞬間からフザケた顔してた」と言われ続けたので、
そうなのだ、と信じ込んでいました。
他にもエピソードはたくさんあるんですが、
長くなっちゃうのでやめます。

母が泣いても喚いても、母に「あなたにできるはずない」と言われ反対されても、
他の方々に支えられながら、奨学金をもらいながら、アルバイトしながら、
一人暮らししたり留学したり、
母と距離が離れ開放されていく部分が多くなる度に、
自分に笑顔と自信が溢れていくことが増えました。
男性に「キレイな顔してるよね」と言われたり、
最初は驚きましたが、また自信に変わっていき、
幼少期は「暗い子」と言われてたのが嘘みたいに
取引先から「明るくハツラツとした方ですね」と言われるようになりました。
そして「何故、あんなに暗い子供だったのだろう」と
悩んだ時に「毒親」という言葉を見つけたのです。

でも、いろいろ考えたときに、
泣いて反対しても、最後には私の望みを叶えてくれた母親。
父が私の教育方針には何も口出しをしないので、
1人で悩んで辛かったのかもしれません。
母は母と同じように私に日本の有名大学へ行ってほしかったようですが、
私は留学という道を選びました。
毒親の心理学の本を読んで、母は私が自分よりも学力が上になることが嫌なのだ、だから反対してたのだ、と考えていましたが、
この本を読んだあと、確かに、自分の娘が全く自分の未知の世界に踏み出してしまうのは、恐ろしいかもしれない、
とも思いました。

まだまだ私の母娘関係にも問題は山積みですが、
考え直す機会を与えてくれたこの本に、
星4を。
ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)より
4334776965
No.13
(4pt)

小説としてではなく、毒親論争に一石

小説としての評価よりも、内容について書きたいと思います。
工夫してネタバレしないように。

まず、湊かなえさんの作品はいつも共感するのですが、
最初の姉妹の関係が私と妹の関係と全く一緒で
それで引き込まれました。
大学に入るまでの過程は全く一緒、、
つまり、母親の私と妹への接し方が全く一緒でした。
そして結末を見て恐怖を感じました。
今はまだ主人公のように私はなっていないけれど、
今後そういうこともあるかもしれないし、、
と思い、正直眠れなかったです。

中間のいくつかの話は正直、「え、それだけ?」という話もありましたので、
湊さんの作品はやはり長編が良いのか、とも思いました。

しかし、最後の2作で、私自身に問いかけが出来た事が、すごく良かったです。

ちょっと長くなります。
私は私の母を毒親だと思ってました。
母の口癖は「私は昔から頭が良くて、美人でモテて、料理が上手いの」でした。
実際に有名大学卒業してましたし、今でも母は美人ですし、
料理を作るのが好きでずっと台所にいてました。
後で大人になって気づいたのですが、
母親は九州の田舎から都会の大学に入るために来て、
地元で一番の美人で秀才、として扱われていたのが
田舎から来た女の子、として都会で馬鹿にされたことで
自信を奪われ、
独り言のように言っていた呪文を私に唱えていただけなのでした。
そして
「あなたはお父さんに似てしまって、一重だし、首が短いし、本当に面白い顔よね」
と私に向かって言っていました。
私が物心ついたころから
「あなた生まれた瞬間からフザケた顔してた」と言われ続けたので、
そうなのだ、と信じ込んでいました。
他にもエピソードはたくさんあるんですが、
長くなっちゃうのでやめます。

母が泣いても喚いても、母に「あなたにできるはずない」と言われ反対されても、
他の方々に支えられながら、奨学金をもらいながら、アルバイトしながら、
一人暮らししたり留学したり、
母と距離が離れ開放されていく部分が多くなる度に、
自分に笑顔と自信が溢れていくことが増えました。
男性に「キレイな顔してるよね」と言われたり、
最初は驚きましたが、また自信に変わっていき、
幼少期は「暗い子」と言われてたのが嘘みたいに
取引先から「明るくハツラツとした方ですね」と言われるようになりました。
そして「何故、あんなに暗い子供だったのだろう」と
悩んだ時に「毒親」という言葉を見つけたのです。

でも、いろいろ考えたときに、
泣いて反対しても、最後には私の望みを叶えてくれた母親。
父が私の教育方針には何も口出しをしないので、
1人で悩んで辛かったのかもしれません。
母は母と同じように私に日本の有名大学へ行ってほしかったようですが、
私は留学という道を選びました。
毒親の心理学の本を読んで、母は私が自分よりも学力が上になることが嫌なのだ、だから反対してたのだ、と考えていましたが、
この本を読んだあと、確かに、自分の娘が全く自分の未知の世界に踏み出してしまうのは、恐ろしいかもしれない、
とも思いました。

まだまだ私の母娘関係にも問題は山積みですが、
考え直す機会を与えてくれたこの本に、
星4を。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.12
(2pt)

毒親に苦しめられている人は読まないほうがいい

湊作品については、ある事件が起こり、登場人物たちが語る独白のような語りによって、
様々な真実が明らかになっていく流れが楽しみな作品だが、
今回の作品に限っては、最終話でがっかりしてしまった。
作者が、「ホーリーマザー」で理穂に語らせている内容が、いつもながらの「本人だけの身勝手な正論」
と受け取るには、物語の流れとして、どうしても楽しめないからだ。

「ポイズンドーター」の話を受けて、「ホーリーマザー」はあるが、
立場が違えば受け取り方はそれぞれだと読者が受け取るのには、理穂の立ち位置がわかりにくいため、
違う意味での不快感が残ることになる。
「ホーリーマザー」で語る理穂が「ポイズンドーター」の弓香よりも、
人間的に物事の本質を深く理解しており、大人として成長を遂げた人物のように
描かれているが、理穂のずるさが明確に浮き上がってこない分、読者としてはどう受け取ればいいのか戸惑うことになるからだ。

実際、理穂は自分の生きてきたちいさな世界だけで、自分が成長した人間だと認識しているし、
弓香を馬鹿にもしている。
また、週刊誌の記者に弓香のことを売ったにも関わらず、それについては隠そうとしている。
弓香が想像もしていなかったマリアの衝撃的な過去についても、父親がなぜ、中卒のマリアを採用したのかは、
考えないようにしている。
要するに、自分に都合の悪いこと、自分の周囲にいて、自分に優しくしてくれる人については、
(大人になった後、弓香の母親も含む)
「みんな本当はそんなに悪い人じゃない。」と考えることで、自分を守っているだけにみえる。
これは立場が違えば、見え方が違うのではなく、どう考えても理穂の生きていくうえでの
自分に都合のいい防衛本能のように感じる。

自分は笑いながら、弓香と話したかったなどと言っているが、
親子関係の悩みの解決時期など、理穂が決めることではないはず。
自分が結婚し、姑と同居し、母親になったからと言って、それがなんだというのだろうか。
作者は、毒親だと自分の親を安易に決めつけて、自分の人生がうまくいかないことへの
不満をまき散らしている人を非難しているのかもしれないが、

「毒親だと自分の親を言っていいのは、極論に値するような親を持った子供のみで、
それ以外は声をあげるべきではない。」

「沖で激しい波に飲みこまれて、息も絶え絶えに苦しんでいる人はいいが、
弓香は所詮、浅瀬でばしゃばしゃもがいているだけ。」

人の苦しみの基準は、その人にしかわからないものだし、弓香の母親が積み重ねてきたこと、
それによって弓香が苦しみ、追い詰められていたことも事実なはず。
このあたりの描写が、作者の偏った考え方によるものなのか、それともいつも通りの
身勝手に自分が正しいと思い込んでいる登場人物の意見なのかが、あまりに曖昧で力不足と思わざるをえない。

10年後には消えているだろう呼び名だ・・・・。

「毒親」という名前は消えるかもしれないが、どうせ、違う呼び名が出てくることだろう。

結局のところ、弓香と理穂は、それぞれが自分の気持ちの押し付け合いをしているだけで、
理穂が弓香よりも成長したとも思えない。
自分の立場が変わったから、母親を許し(たぶん)、娘からはたとえ一時的に毒親だと非難されようと、
いつの日か理解してもらえると思いたいだけなのだろうと思う。

そして、気の合わない姑と弓香の悪口を楽しむのだ。(笑)

もし、理穂の子供が息子で、理穂の父親に性格が似ていたら?
自分を守るために、さて、理穂はどんな「成長」を遂げるのか。
母親を苦しめた父親、中卒のマリアを雇った背景を考えないことにしている理由、
意外と娘よりも息子が可愛くなり、「やはり母親は毒親だったのだ。」などと
言い出すのかもしれない。(苦笑)

理穂の立ち位置が、力不足。
残念。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.11
(3pt)

普通に読めば面白い、けれど。

嫌ミス作家の売れっ子筆頭とされる湊さんの新作で、直木賞候補作でもある作品です。

内容については詳しくは言いませんが(ネタバレしてしまうと、面白さが半減してしまうので)、面白いのは確かなんです。確かなんですけど、これが直木賞候補作になったのは少し不思議でした。親しみやすい文章だし、適度な毒を入れているのも湊さんらしいです。ただ、毒の入れかた、そして毒の見せかた、そういったものが露骨すぎる気がするんです。おまけに表題作になっている「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」は、ちょっと前に発表された「母性」という作品のダイジェスト版のようにしか思えなかったです。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.10
(3pt)

ポイズンドーター・ホーリーマザー

殺人に至る経緯、それぞれに考えがあっての流れが巧みに描かれていて、無理なく読んでしまいました。自分の経験からもう少し早く出逢っていたら、親子関係が違ったかも?とも思いましたが、人間って混乱の最中では解れないと思った次第です。作品はどれもワクワクでした。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.9
(5pt)

ポイズンサン・ホーリーファザー~僕はあなたの奴隷じゃない!~

湊さん、『ユートピア』で山本周五郎賞受賞おめでとうございます。

さて、本作は僕は大いに共感できる部分がありました。

僕は父親から中学受験をすすめられ、中高一貫校に入学しましたが、
僕の本当の夢は画家になることで、
高校は美術の専門高校に行きたかった。
中高一貫校での勉強はとても大変で、
美術の大学を目指したかったのに、
先生からは猛反対され、
生徒からは異端扱いされ警察沙汰のいじめに遭い、
精神分裂症・広汎性発達障害・鬱病にかかって、
絵が描けなくなってしまい、
結局美術の大学を諦めた。

全部、父親のせいだ!
画家になりたかったのに。
美術の高校に行きたかったのに。
美術の大学に行きたかったのに。

そう思っていたんですが、本作を読んで、
僕の考えも少し変わったように思います。

父親も何も悪いことはしていないと思いました。

マリアの母親のようにもっと悪い親がいるので、
僕は恵まれているのだと思わないといけないと思いました。

束縛の強い父親でしたが、これからは愛を持って接していきたいと思いました。

湊さんに感謝です。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947
No.8
(4pt)

主人公に感情移入ができる作品

湊かなえさんの作品は、ほぼ完読しています。
この作品は、特に良かったです。
一日で一気に読めました。
ひっかかりもなく、さらっと読めました。
読書中に眉間にシワがよらないようなこういう作品が、私は好きです。
でも内容は決してLightではなかったです。
人間の心理の本質が描かれてました。
とても面白かったです。
やるせない気持ちにもなることもありましたが、そこもまた楽しめました。
歳をとるごとに感動のハードルが高くなりがちでしたが、久々にあるあると主人公に感情移入しながら楽しく読むことができました。
良い時間を過ごせた作品でした。
Kindle版で読みたかったのが、残念です。
ポイズンドーター・ホーリーマザー Amazon書評・レビュー: ポイズンドーター・ホーリーマザーより
4334910947