日の名残り

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日の名残りの評価:

4.45/5点 レビュー 402件。 A ランク

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平均点4.45pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1,047件 41〜60 3/53ページ
No.1007
(5pt)

カズオイシグロ的黄昏流星群

男として、仕事人として自信を失くしている頃に巡り合った一冊です。
あの時違う選択をしていたら...このまま自分の人生はどこに向かうのか、そしてなんのために生きるのか...

夕陽の場面を多様して、視覚的にも「日の名残り」を想像させてくれます。
読み終えると、これに日本人的甘えと中年男の妄想力を付け加えれば黄昏流星群に至ることに気づくかもしれませんが、みなさまはいかがでしょう。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.1006
(5pt)

カズオイシグロ的黄昏流星群

男として、仕事人として自信を失くしている頃に巡り合った一冊です。
あの時違う選択をしていたら...このまま自分の人生はどこに向かうのか、そしてなんのために生きるのか...

夕陽の場面を多様して、視覚的にも「日の名残り」を想像させてくれます。
読み終えると、これに日本人的甘えと中年男の妄想力を付け加えれば黄昏流星群に至ることに気づくかもしれませんが、みなさまはいかがでしょう。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.1005
(5pt)

ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に指定している

本書はいろいろな読み方ができる優れた小説だ。ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に入れている。主人公は執事として頂点を極めながら、それゆえに私生活では多くのものを犠牲にしていく。「プロの職業人として生涯をまっとうするとはどういうことなのか。正解はないから自分で考えろ。」そういう趣旨なのだ。

わたしはあえて政治小説としての一面を評価したい。日本人は源氏物語の伝統があるためか、人間の素直な心情をつづった話を好み、政治小説を嫌う傾向がある。しかし著者は明らかに西洋人として教育を受けていて、他の日本の作家にはない素質を持っている。本書に政治的メッセージを密かに忍び込ませることに成功しているように思われる。

主人公が仕えたダーリントン卿は、英国の伝統的教育を受けた高潔な紳士である。彼は親交のあったドイツの貴族が、第一次大戦後、破産して自殺したことに心を痛め、ドイツとの協力関係を築くことに尽力する。彼の善意に疑う余地はない。しかし「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉のとおり、彼のやろうとしたことは売国的行為として非難を浴び、社会的に抹殺される。主人公は自らの政治的意見を言うことはなく、ひたすら主人を信じて仕えようとする。まるで主君に忠義を尽くす武士を思わせる。

わたしはどうしても現代の国際情勢と重ね合わせてしまう。中国はコロナやウクライナ戦争による世界情勢の混乱を絶好のチャンスと捉え、尖閣諸島に侵入して、どうやら沖縄をターゲットにしている様子。中国人は一度目標を決めたら、何十年でもチャンスが来るまでじっと待つことができる民族である。「日中友好」を信じて孔子学院の設置に尽力し、留学生を援助してきた日本の教育者たちの善意に疑う余地はあるまい。彼らのやってきたことが仇とならず、豊かな実を結ぶことを祈りたい。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.1004
(5pt)

ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に指定している

本書はいろいろな読み方ができる優れた小説だ。ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に入れている。主人公は執事として頂点を極めながら、それゆえに私生活では多くのものを犠牲にしていく。「プロの職業人として生涯をまっとうするとはどういうことなのか。正解はないから自分で考えろ。」そういう趣旨なのだ。

わたしはあえて政治小説としての一面を評価したい。日本人は源氏物語の伝統があるためか、人間の素直な心情をつづった話を好み、政治小説を嫌う傾向がある。しかし著者は明らかに西洋人として教育を受けていて、他の日本の作家にはない素質を持っている。本書に政治的メッセージを密かに忍び込ませることに成功しているように思われる。

主人公が仕えたダーリントン卿は、英国の伝統的教育を受けた高潔な紳士である。彼は親交のあったドイツの貴族が、第一次大戦後、破産して自殺したことに心を痛め、ドイツとの協力関係を築くことに尽力する。彼の善意に疑う余地はない。しかし「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉のとおり、彼のやろうとしたことは売国的行為として非難を浴び、社会的に抹殺される。主人公は自らの政治的意見を言うことはなく、ひたすら主人を信じて仕えようとする。まるで主君に忠義を尽くす武士を思わせる。

わたしはどうしても現代の国際情勢と重ね合わせてしまう。中国はコロナやウクライナ戦争による世界情勢の混乱を絶好のチャンスと捉え、尖閣諸島に侵入して、どうやら沖縄をターゲットにしている様子。中国人は一度目標を決めたら、何十年でもチャンスが来るまでじっと待つことができる民族である。「日中友好」を信じて孔子学院の設置に尽力し、留学生を援助してきた日本の教育者たちの善意に疑う余地はあるまい。彼らのやってきたことが仇とならず、豊かな実を結ぶことを祈りたい。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.1003
(5pt)

ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に指定している

本書はいろいろな読み方ができる優れた小説だ。ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に入れている。主人公は執事として頂点を極めながら、それゆえに私生活では多くのものを犠牲にしていく。「プロの職業人として生涯をまっとうするとはどういうことなのか。正解はないから自分で考えろ。」そういう趣旨なのだ。

わたしはあえて政治小説としての一面を評価したい。日本人は源氏物語の伝統があるためか、人間の素直な心情をつづった話を好み、政治小説を嫌う傾向がある。しかし著者は明らかに西洋人として教育を受けていて、他の日本の作家にはない素質を持っている。本書に政治的メッセージを密かに忍び込ませることに成功しているように思われる。

主人公が仕えたダーリントン卿は、英国の伝統的教育を受けた高潔な紳士である。彼は親交のあったドイツの貴族が、第一次大戦後、破産して自殺したことに心を痛め、ドイツとの協力関係を築くことに尽力する。彼の善意に疑う余地はない。しかし「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉のとおり、彼のやろうとしたことは売国的行為として非難を浴び、社会的に抹殺される。主人公は自らの政治的意見を言うことはなく、ひたすら主人を信じて仕えようとする。まるで主君に忠義を尽くす武士を思わせる。

わたしはどうしても現代の国際情勢と重ね合わせてしまう。中国はコロナやウクライナ戦争による世界情勢の混乱を絶好のチャンスと捉え、尖閣諸島に侵入して、どうやら沖縄をターゲットにしている様子。中国人は一度目標を決めたら、何十年でもチャンスが来るまでじっと待つことができる民族である。「日中友好」を信じて孔子学院の設置に尽力し、留学生を援助してきた日本の教育者たちの善意に疑う余地はあるまい。彼らのやってきたことが仇とならず、豊かな実を結ぶことを祈りたい。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.1002
(5pt)

自身の人生も振り返り・・・

自信をもって定年退職された方には、是非読んで頂きたいと思います。
主人公は「理想の執事」たる事をひたすらめざします。
人の「品格とは」なんだ!「偉大さとは」…と、極めて有能で忠実な「執事」であるが為
人生に悩み、心を押し殺し、そして老いて行きます。
そして、旅の行き着いた先で「人生とは」いかにあるべきかとの「キーワード」を見つけます。
この文庫本を読み、DVDを買い、単行本の「ノーベル賞記念版」も買ってしまいました。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.1001
(5pt)

自身の人生も振り返り・・・

自信をもって定年退職された方には、是非読んで頂きたいと思います。
主人公は「理想の執事」たる事をひたすらめざします。
人の「品格とは」なんだ!「偉大さとは」…と、極めて有能で忠実な「執事」であるが為
人生に悩み、心を押し殺し、そして老いて行きます。
そして、旅の行き着いた先で「人生とは」いかにあるべきかとの「キーワード」を見つけます。
この文庫本を読み、DVDを買い、単行本の「ノーベル賞記念版」も買ってしまいました。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.1000
(5pt)

自身の人生も振り返り・・・

自信をもって定年退職された方には、是非読んで頂きたいと思います。
主人公は「理想の執事」たる事をひたすらめざします。
人の「品格とは」なんだ!「偉大さとは」…と、極めて有能で忠実な「執事」であるが為
人生に悩み、心を押し殺し、そして老いて行きます。
そして、旅の行き着いた先で「人生とは」いかにあるべきかとの「キーワード」を見つけます。
この文庫本を読み、DVDを買い、単行本の「ノーベル賞記念版」も買ってしまいました。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.999
(3pt)

読みたかった本

まだ充分な時間ぎ取れないので、完読していませんが、読み切りたいと思います。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.998
(3pt)

読みたかった本

まだ充分な時間ぎ取れないので、完読していませんが、読み切りたいと思います。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.997
(3pt)

読みたかった本

まだ充分な時間ぎ取れないので、完読していませんが、読み切りたいと思います。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.996
(4pt)

夕方が1日で一番いい時間なんだ p350

類稀な働きをする執事が、人生の夕暮れに、過去を振り返り、いつも近くにいた愛すべき女性を

失った悲しみを改めて感じながらも、前を向く話。

なのだが、読ませ方がうまいというか、執事の回想のような感じで、過去と現在、

イギリスの風景、大きな屋敷での会合などを織り交ぜながら、執事の日常、主人への忠誠、

を描いていく。自分にとっては稀有な作品だった。

仕事に全身全霊を傾け続けた男の生き方へのやんわりとした皮肉なのかと、読後すぐは感じたが、

仕事に邁進することで、何かを失っていたとしても、それはそれでいいではないか。

これからも前向きに生きる方が大事だというメッセージを感じた。

それは、イギリスという国への思いかもしれない。

気に入った言葉、「烏合の衆が話し合ってなんになる。」p285

「時計を後戻りさせることはできませんものね。」p343
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.995
(4pt)

夕方が1日で一番いい時間なんだ p350

類稀な働きをする執事が、人生の夕暮れに、過去を振り返り、いつも近くにいた愛すべき女性を

失った悲しみを改めて感じながらも、前を向く話。

なのだが、読ませ方がうまいというか、執事の回想のような感じで、過去と現在、

イギリスの風景、大きな屋敷での会合などを織り交ぜながら、執事の日常、主人への忠誠、

を描いていく。自分にとっては稀有な作品だった。

仕事に全身全霊を傾け続けた男の生き方へのやんわりとした皮肉なのかと、読後すぐは感じたが、

仕事に邁進することで、何かを失っていたとしても、それはそれでいいではないか。

これからも前向きに生きる方が大事だというメッセージを感じた。

それは、イギリスという国への思いかもしれない。

気に入った言葉、「烏合の衆が話し合ってなんになる。」p285

「時計を後戻りさせることはできませんものね。」p343
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.994
(4pt)

夕方が1日で一番いい時間なんだ p350

類稀な働きをする執事が、人生の夕暮れに、過去を振り返り、いつも近くにいた愛すべき女性を

失った悲しみを改めて感じながらも、前を向く話。

なのだが、読ませ方がうまいというか、執事の回想のような感じで、過去と現在、

イギリスの風景、大きな屋敷での会合などを織り交ぜながら、執事の日常、主人への忠誠、

を描いていく。自分にとっては稀有な作品だった。

仕事に全身全霊を傾け続けた男の生き方へのやんわりとした皮肉なのかと、読後すぐは感じたが、

仕事に邁進することで、何かを失っていたとしても、それはそれでいいではないか。

これからも前向きに生きる方が大事だというメッセージを感じた。

それは、イギリスという国への思いかもしれない。

気に入った言葉、「烏合の衆が話し合ってなんになる。」p285

「時計を後戻りさせることはできませんものね。」p343
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.993
(4pt)

綺麗でした!

なにも問題ありまませんでした!
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.992
(4pt)

綺麗でした!

なにも問題ありまませんでした!
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.991
(4pt)

綺麗でした!

なにも問題ありまませんでした!
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.990
(5pt)

ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に指定している

本書はいろいろな読み方ができる優れた小説だ。ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に入れている。主人公は執事として頂点を極めながら、それゆえに私生活では多くのものを犠牲にしていく。「プロの職業人として生涯をまっとうするとはどういうことなのか。正解はないから自分で考えろ。」そういう趣旨なのだ。

わたしはあえて政治小説としての一面を評価したい。日本人は源氏物語の伝統があるためか、人間の素直な心情をつづった話を好み、政治小説を嫌う傾向がある。しかし著者は明らかに西洋人として教育を受けていて、他の日本の作家にはない素質を持っている。本書に政治的メッセージを密かに忍び込ませることに成功しているように思われる。

主人公が仕えたダーリントン卿は、英国の伝統的教育を受けた高潔な紳士である。彼は親交のあったドイツの貴族が、第一次大戦後、破産して自殺したことに心を痛め、ドイツとの協力関係を築くことに尽力する。彼の善意に疑う余地はない。しかし「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉のとおり、彼のやろうとしたことは売国的行為として非難を浴び、社会的に抹殺される。主人公は自らの政治的意見を言うことはなく、ひたすら主人を信じて仕えようとする。まるで主君に忠義を尽くす武士を思わせる。

わたしはどうしても現代の国際情勢と重ね合わせてしまう。中国はコロナやウクライナ戦争による世界情勢の混乱を絶好のチャンスと捉え、尖閣諸島に侵入して、どうやら沖縄をターゲットにしている様子。中国人は一度目標を決めたら、何十年でもチャンスが来るまでじっと待つことができる民族である。「日中友好」を信じて孔子学院の設置に尽力し、留学生を援助してきた日本の教育者たちの善意に疑う余地はあるまい。彼らのやってきたことが仇とならず、豊かな実を結ぶことを祈りたい。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.989
(5pt)

ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に指定している

本書はいろいろな読み方ができる優れた小説だ。ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に入れている。主人公は執事として頂点を極めながら、それゆえに私生活では多くのものを犠牲にしていく。「プロの職業人として生涯をまっとうするとはどういうことなのか。正解はないから自分で考えろ。」そういう趣旨なのだ。

わたしはあえて政治小説としての一面を評価したい。日本人は源氏物語の伝統があるためか、人間の素直な心情をつづった話を好み、政治小説を嫌う傾向がある。しかし著者は明らかに西洋人として教育を受けていて、他の日本の作家にはない素質を持っている。本書に政治的メッセージを密かに忍び込ませることに成功しているように思われる。

主人公が仕えたダーリントン卿は、英国の伝統的教育を受けた高潔な紳士である。彼は親交のあったドイツの貴族が、第一次大戦後、破産して自殺したことに心を痛め、ドイツとの協力関係を築くことに尽力する。彼の善意に疑う余地はない。しかし「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉のとおり、彼のやろうとしたことは売国的行為として非難を浴び、社会的に抹殺される。主人公は自らの政治的意見を言うことはなく、ひたすら主人を信じて仕えようとする。まるで主君に忠義を尽くす武士を思わせる。

わたしはどうしても現代の国際情勢と重ね合わせてしまう。中国はコロナやウクライナ戦争による世界情勢の混乱を絶好のチャンスと捉え、尖閣諸島に侵入して、どうやら沖縄をターゲットにしている様子。中国人は一度目標を決めたら、何十年でもチャンスが来るまでじっと待つことができる民族である。「日中友好」を信じて孔子学院の設置に尽力し、留学生を援助してきた日本の教育者たちの善意に疑う余地はあるまい。彼らのやってきたことが仇とならず、豊かな実を結ぶことを祈りたい。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.988
(5pt)

ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に指定している

本書はいろいろな読み方ができる優れた小説だ。ハーバード・ビジネススクールでは本書を推薦図書に入れている。主人公は執事として頂点を極めながら、それゆえに私生活では多くのものを犠牲にしていく。「プロの職業人として生涯をまっとうするとはどういうことなのか。正解はないから自分で考えろ。」そういう趣旨なのだ。

わたしはあえて政治小説としての一面を評価したい。日本人は源氏物語の伝統があるためか、人間の素直な心情をつづった話を好み、政治小説を嫌う傾向がある。しかし著者は明らかに西洋人として教育を受けていて、他の日本の作家にはない素質を持っている。本書に政治的メッセージを密かに忍び込ませることに成功しているように思われる。

主人公が仕えたダーリントン卿は、英国の伝統的教育を受けた高潔な紳士である。彼は親交のあったドイツの貴族が、第一次大戦後、破産して自殺したことに心を痛め、ドイツとの協力関係を築くことに尽力する。彼の善意に疑う余地はない。しかし「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉のとおり、彼のやろうとしたことは売国的行為として非難を浴び、社会的に抹殺される。主人公は自らの政治的意見を言うことはなく、ひたすら主人を信じて仕えようとする。まるで主君に忠義を尽くす武士を思わせる。

わたしはどうしても現代の国際情勢と重ね合わせてしまう。中国はコロナやウクライナ戦争による世界情勢の混乱を絶好のチャンスと捉え、尖閣諸島に侵入して、どうやら沖縄をターゲットにしている様子。中国人は一度目標を決めたら、何十年でもチャンスが来るまでじっと待つことができる民族である。「日中友好」を信じて孔子学院の設置に尽力し、留学生を援助してきた日本の教育者たちの善意に疑う余地はあるまい。彼らのやってきたことが仇とならず、豊かな実を結ぶことを祈りたい。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470