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(短編集)
花魁さんと書道ガール
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花魁さんと書道ガールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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久しぶりに若者の恋物語に出会いました。面白いストーリ展開で気に入りました。 アニメ化して欲しいです。 | ||||
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オーディブルで聴いたがとんでもなく面白かった。ラノベって活字で読むとなにか物足りないところがあって今まで読んんだことがなかったがオーディブルで聴くと印象がかなり違う。逆に名作といわれる本をオーディブルで聴くとすこし重たすぎてあまり聴きたくない。これは自分的には大発見だ。 | ||||
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著者は、ライトノベル/青春小説の書き手らしい。 本書は、花魁の幽霊に取り憑かれた女子大生をヒロインとした短編集で、全4話が収められている。 主人公が大学で書道を専攻しているというのが珍しい設定だ。そして、主人公の成長とともに書が変化していくあたりが読みどころ。 ミステリ要素は薄いが、周囲のひとたちの恋にまつわる問題を解決していく点がちょっと「日常の謎」っぽいか。 それにしても、登場するのが嫌な女性ばかり。逆にリアルなのか? 著者の女性観を疑わざるを得ない。 とはいえ、全体的には男女の恋の駆け引きが楽しく、愉快な一冊であった。 | ||||
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簪に封じ込められていたと思われる花魁が、 現代に幽霊として表れれて、恋愛相談で活躍する中で、 大学1年生の主人公が、成長してゆく姿を描いている、らしい。 大学の学園祭が終わって、1時間半かけて帰宅して、しばし過ごした後、 祖母が倒れ救急車で病院へ搬送され、検査で入院が決まり、帰宅して入院の支度をして、 何とか必需品を揃えて病院へ戻り、面会時間ぎりぎりまで過ごす。 祖母のお見舞いに行ったあと、大学の女子会に参加する。 大学は埼玉県郊外…なのに、最寄り駅の一駅前で下車して、お気に入りのパン屋で昼食を仕入れ、 歩いて大学へ向かう。 埼玉県郊外の電車は、一駅の間隔が長いはずなのに、歩けるのか…。 埼玉県で茶畑というと狭山が連想されるが、そこから1時間半かかる郊外。 頻繁に、時間に関して首を傾げてしまった。 架空の世界であることは判っていても、病院の面会時間は何時までなのだ!? そんなことが妙に気になる。 花魁が、どこでいまどきの乱暴な言葉遣いを覚えたのか、も、不思議だったが、 恋愛相談で見事に切り捨てるところは、それなりに爽快。 | ||||
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ミステリーでも推理物でもないです。色々な恋に溢れ、軽妙だけど軽薄ではなく、真剣だけど深刻ではない。恋愛ごとをめぐる面白く笑って、楽しんで、「良かったね」と言える一冊を探している方にピッタリです。 大学一年生教育学部で書道クラブ所属の地味ながら書道大大大好きガール花沢多摩子は、祖母の持つかんざしに封じられていた春風と自称する江戸時代の吉原の花魁の幽霊に取りつかれてしまいます。素敵な恋の成就を見せて花魁を成仏させようと、多摩子は春風の協力を得ながら学生間の恋愛ごとの相談を受け、解決していきます。あか抜けない多摩子と切れ者の幽霊花魁のコンビが面白い。チャラい茶倉奈緒、可愛い彩奈、ぽっちゃりの向井凪子、美人の藤崎香理奈、いくつもの解決を重ねながら多摩子も成長し、彼女の書道もだんだん上達します。そして、多摩子自身の恋心は・・・。 筋の通った書道論、江戸時代に苦しんだ遊女たちへの同情、単純じゃなくて品人の生き方の表れる恋を、軽妙でリズミカルな語り口で楽しく綴っています。 ラノベと同じ道具立てですが、ステレオタイプに落ちこみません。暴力無し、流血無し、エッチ無し、魔法無し、超能力無し、幽霊在りの上品なエンターテイメント。心を開いていく多摩子も、多摩子にこっそりデートをプレゼントする春風さんも、おばあちゃんも、山口学も、キャラが個性的で魅力一杯です。 「表現する術を持っている人は、好きな人への想いを表現したくなる。」というフレーズも良いですね。 ロングセラーになって欲しい良作です。 花魁が活躍する軽い小説としては、わかつきひかる著を思い出しましたが、本書では花魁を幽霊として現代に召還した点が上手いです。 | ||||
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ライトノベル出身だけど最近では次第に一般文芸の人になりつつある瀬名和章の東京創元社での二作目 物語は白城大学の学園祭に教育学部書道科が書道展と併せて毎年恒例で出店している焼きそば屋の屋台で主人公の花沢多摩子が一心不乱に 焼きそばを作っている場面から始まる。数少ない友人の山口林檎が風邪で寝込んでしまった事もあって、学園祭を連れ立って歩く相手もいない事で 賑やかな学園祭の中、二日間連続で一時も離れず焼きそばを作る羽目になる多摩子。三年の稲荷山先輩が気遣ってクレープを買ってきてくれても 気遣わせてはいけないと遠慮し、同じ教育学部の学生で爽やかな風貌の宮本遊宇が「焼きそば」の看板の字を誉めてくれてもフリーズするだけ 打ち上げも同年代の学生の話題に付いていけない事で断り、冴えない風貌を下げたまま二人暮らしの祖母の待つ家に帰る多摩子だったが、突然 祖母が倒れ、入院する事態に。祖母が搬送された病院から一旦家に帰り荷物を纏める事になった多摩子は祖母の化粧台の抽斗に封が施された 桐箱を見つけ、逡巡したものの開けてみると中には美しい簪が。魅入られるかの様に自分の髪に簪を挿した多摩子は自分の首筋に息を吹きかけられる かの様な奇妙な気配を感じる。その夜、まだ暗いのに目を覚ました多摩子だったが、目の前に絢爛たる姿の花魁が立っていた。仰天した多摩子に 花魁は自分が江戸町一丁目の大見世・扇屋の呼び出し昼三、新造の頃は春風と呼ばれた幽霊と名乗る。苦界に生まれ、死んでいった自分と違い 自由に生きている人間である多摩子に執り憑いて今の時代を見せて欲しいと春風に懇願され引き受けてしまう多摩子だったが、途端に春風の態度は 急変、哀れな身の上話にあっさり騙された多摩子を笑い姿を消してしまう。とんでもない事になったと気付いた多摩子は友人の林檎から霊感の強い人間を 紹介して貰う事になるが、引き換えに女子会に参加する羽目に。女子会の席で大人しい娘をからかう派手な娘たちを窘めようとした多摩子は見かねて 止めるよう声をかけるが冴えない風貌を馬鹿にされトイレに逃げ込む羽目になるが、その場に現れた春風はあの娘どもも逃げ帰ろうとした多摩子も みっともないと言い放つと多摩子の体を乗っ取り、メイクを開始。別人の様な風貌に仕立て上げるとそのまま元のテーブルへ向かい一喝する 「いよっ!春風姐さん日本一!」と言いたくなっちゃうぐらいに花魁幽霊・春風のキャラが良い!冒頭の大人しい娘をプレイボーイに遊ばれているだけと 馬鹿にするギャルたちを「呆れたね、不細工がよってたかって、ちょっとマシな娘に説教かい」とバシン!と叩きつけるように言い放ったのも良いけど 本当の良さが出るのはその後、多摩子が助け船を出そうとした大人しそうな娘に放った台詞が良い 「あんたもあんただ。言われっぱなしになってんじゃないよ。そんなんだから男に振り回されるんだ。ここで黙っちまうから、男を振り向かせる気概も 湧いて来ないんだよ。俯いて悩んで泣いて、それで恋をしているつもりかい。ただ可哀想な自分が好きなだけだろう。あたしは、そんなものを 恋だとは認めないよ」 どうです?この気風の良さ!もうこの台詞だけで春風姐さんの魅力に執り憑かれちゃう読者も多いのではないかと!女としての誇りある生き方に筋を通す 背筋のシャンと伸びた女性ってのは時代を超えて魅力的だな、と思わざるを得ない。吉原を苦界と認めた上で夜毎狂ったように恋をしていた、厳しい現実を 生きる為に必死で客も遊女も恋を演じて吉原という町を江戸で一番輝いていた町にしていた、と言い切る恋の甘いも酸いも裏も表も知り尽くした恋の達人、 それが花魁、春風。古い吉原の文化を語るかと思ったら(これは瀬名和章がよく勉強していた!)ネットで最新のメイクを研究するわ、多摩子が登録は しても使わないまま放っておいたLINEのアカウントを乗っ取るわとえらくモダンな一面も見せたりと本当に面白いキャラに仕上がっている そんな恋の達人が花の女子大生だと言うのにほとんどすっぴんの顔にもっさりと太い眉をぶら下げ、自分が恋なんて、と書道に打ち込むふりをして 恋から逃げていた女の子に「自分が幽霊になったのは廓の掟に従って偽物の恋しか出来なかった未練かもしれないし、本物の恋を間近で見れれば 成仏できるかも」と積極的に他人の恋に関わる様に仕向ける、というのが本作のメインストーリー 基本的には恋に悩んでいる娘とのやり取りは多摩子の体を乗っ取った春風が担当するのだけど、発言は上に書いた様な激辛台詞が次から次へと 飛び出すので体を貸している多摩子も読んでいる読者もハラハラしっ放し。その上で、相談者の方も彼氏が浮気したと聞いたので浮気し返してやった、 と聞けば、その浮気の噂を聞かせた仲間の腹黒さを僅かな仕草から看破し、解決策も自分に聞かせる言葉よりも第三者との会話の方が効果的、と 吉原仕込みの恋愛テクで解決に導くなど春風の「達人ぶり」は際立っている。プレイボーイに振り回されている娘にはなんと房術を仕込んだりする辺り、 生前は遊女だったという設定もしっかりと活かしてあるwただ、恋が実ったからと言って理想に辿りつけるという描き方をしているわけではなく、「手に入れた 途端に冷めてしまう」そんな無い物ねだりみたいな恋の一側面を描いたりする辺り、作者の恋愛感は結構シビアだったりする そんな様々な恋模様を見せ続けた上で、多摩子が仄かな想いを抱きながら「この恋は、道端にそっと咲いていて心を和ませてくれる花であれば良い」と 諦めていた宮本遊宇が最近女子高生に入れ込んでいるのが気に入らない、と堂々と言い放つ女王様気質の香理奈に協力する素振りを見せて、 「なんで協力するの!」といきり立ち、春風に絶交宣言した多摩子に「それじゃ自分で解決してみな」と春風が突き放す展開の最終章は恋から逃げ続けていた 多摩子の自立への物語なのだけどかつて同じ様に取り憑いた多摩子の祖母との因縁を絡めて口は悪いが、恋愛には本当に真摯な春風の素顔を描きつつ 二転三転とする状況の中でどういうオチになるのかと思っていたらオチは非常に意外と言うか、こういうまとめ方もあるのか、とちょっと虚を突かれた様な 気分を味わう羽目になった。大団円を求める人には物足りないのかもしれないが、これはこれで確かに「恋愛」という物の一側面を描いている。少なくとも 何もかもがうまく行っていたら、多摩子自身が成長して無いし、これはこれで「あり」かと ただ、ちょっとだけ物足りないと言うか、不満を感じたのは割と序盤から多摩子の協力者として舞台上に上がっていた林檎の兄・学がストーリーの軸に うまく絡んでいなかった点かと。物語の進行には欠かせないキャラなのだけど、もう少し出番を増やすなりしてキーキャラクターとして巧く使って欲しかった 春風が学ぶを動かす為に使った手段や春風の正体がボカされていた事を考えると、これは二巻の存在を考えるべきなのだろうか? 恋のど素人と恋の達人が恋に迷った娘たちの相談者として二人三脚の様に活躍する物語、春風姐さんの気風の良さ、恋愛観の厳しさをもう少し味わいたい 出来れば早目に二巻を出して欲しいなあ、とライトノベルじゃないのにシリーズ展開を期待したくなる、そんな一冊 | ||||
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