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ペット・サウンズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
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「ペット・サウンズ」と村上春樹の邂逅に、素直に感動できるか、うがった見方をするか、それは人それぞれだ。おそらく、その人が「ペット・サウンズ」から本書を見出すか、村上氏の側から見出すか、あるいはそもそも、この2者の組み合わせに打算や話題つくりといった胡散臭さを感じるか、で評価が変わってくるのだろう。 まず私のスタンスを明確にしておくと、ブライアン・ウィルソンの大ファンで、村上氏の作品はほとんど未読。 そのスタンスで本書を評価すると、内容自体、特に「ペット・サウンズ」に対する音楽的考察は新しくもない。読みどころは、それが筆者の多感な半生とともにビビッドに記されている点につきる。なぜなら「ペット・サウンズ」が多感で無垢な精神性に呼応する作品であり、多感で無垢な精神性とは、誰にでも内在しているからだ。それが表出するか否か、自覚できるか否かの違いだけだ。 さらに言うと、最も嬉しかったは村上氏の訳者あとがきだ。村上氏は「ペット・サウンズ」が心底好きであり、一人でも多くの人にこのアルバムを聴いて欲しくて本書の翻訳を引き受けたのだそうだ。これを「無垢」とは言うまい。それほど私もお子様ではない。しかし、その村上氏の思いがあるからこそ、の分かりやすく言葉選びのセンス抜群(と感じられる)訳文の魅力が十分感じられた。 | ||||
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ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンの事も、アルバム『ペット・サウンズ』の事も、ましてや著者ジム・フジーリのことも全く知らない私がこの本を手にしたのは、もっぱら訳者村上春樹氏の優れた音楽観、また作品鑑賞眼を信頼しての事だ。確かにブライアン・ウィルソンや『ペット・サウンズ』に興味のある人には、大変面白い本なのであろうし、事実私もその音楽を聴いてみようという気にはなったが、それは必ずしもこの著者の語るところに共鳴したからではなく、飽くまでも訳者村上春樹氏の優れたあとがきを読んで興味を惹かれたからである。著者の本アルバムに対するやや過剰な思い入れと、楽曲に対するコード分析を使った解説など少々鼻につきはするものの、語られる事実は大変興味深いし、語り口もきちんとしていて悪くは無いのだが(特に前半は)、ブライアン・ウィルソンの苦悩の切実さがもう一つ伝わってこないのだ。欲を言えば、各章ごとに訳者の解説を入れるなどして原著にもう少しテコ入れして、「村上春樹監訳」とでもすれば、本としてさらに完成されたものになったのではないかと思う。逆に言えば、訳者が村上氏で無ければ、ビーチ・ボーイズ・ファンか音楽関係者でもなければ、この本を手に取る人はまずいなかったのではないかと思う。 従って、身もふたも無い言い方だが、ブライアン・ウィルソンか村上春樹かどちらかに思い入れの有る方以外には、あまりお薦めしかねる本だ。 所で、この本を読み始める前に、CDを借りて「ロック史上屈指の名盤」と言われる件のアルバムを一通り聞いてみたのだが、正直いまの私の耳には何か古ぼけて、くすんだ感じのやわな音楽にしか聞こえず、フジーリさんや村上氏の本アルバムに対する思い入れの理由が今ひとつ見えてこなかった。実際、村上氏も初めてこのアルバムを聞いた当時、ある種の戸惑いを感じたと告白している。しかし、年々聞けば聞くほど、その素晴らしさが判ってくる作品だとも言っており、ここは一つ村上氏を信じてじっくり腰をすえてこのアルバムを味わってみたいと思う(H20.4.6)。 | ||||
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『ペット・サウンズ』は文句の付けようのない名盤ですが、この本はその名盤についてこれまでにいろいろと言われてきたことをまとめたもの、という感じで、特に目新しい内容ではありません。なぜ、わざわざ村上春樹が訳したのか理解に苦しむところです。もちろん訳文はこなれていて読みやすく、その点は助かりますが・・・ 何年も前に『ペットサウンズ』について山下達郎が書いた小論のほうが、よほどこのアルバムの魅力を的確についていました。まあ、ビーチ・ボーイズを聞いたことのない人が、この本がきっかけで興味をもってくれるなら、村上春樹が訳したかいがあるというものです。でも、ビーチ・ボーイズの本当のすごさを知るには、『ペットサウンズ』ではなく、まず初期のものを聞いてください。 | ||||
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「ペット・サウンズ」よりヴァン・ダイク・パークスを先に聞いてしまった世代(55年生まれ)としては、「ペット・サウンズ」のすごさは気になりつつも、いまひとつピンときていませんでした。 今回あらためてこの本を読んで、ぴんと来なかったゆえに真面目に読まないでいた歌詞カードを読み返したりして、ポップソングに秘められた青春の苦悩、ブライアンの内面のようなものが見えてきた気がします。 文章についてはコード進行やアレンジについての記述も多く、分からない部分も多いです。 村上春樹さんの訳でなかったら通り過ぎてしまったかもしれません。 そういう意味も含めて、この本が出てよかった、読めてよかったと思います。 | ||||
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この難物「ペットサウンズ」には何回アタックしたか数え切れない。レコード、CD(何種類か持っている)。正直なところ村上春樹の訳者の後書きから読む。ビートルズの「サージャント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と「ペット・サウンズ」の比較がビートルズ・ファン(ビーチ・ボーイズも好きなんですけど)としては内心穏やかでない気持ちはあるが納得する。40年間にサージャントはややきらめきが落ちたのは否めない。まあそれまでが輝きすぎたという解釈も成り立ちますが。僕としては「スマイル」は絶賛。ただこの「ペット・サウンズ」は40年間何度聞いてもしっくり来ない。まあこの本を読んで再挑戦ということになるんですが、この僕にとってのこの難物 心を開いてくれますかね?? | ||||
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「ペット・サウンズ」自体がいろいろないわくをまとった作品であるので、本書のアナウンスを最初に目にしたとき、半年ほど前に読んだグリール・マーカスの「ライク・ア・ローリング・ストーン」のような作品をイメージしていましたが、しかし、もしそうであれば「ペット・サウンズ・セッション」という4枚組のCDに付けられた詳細なブックレットと重複する部分がきっと多かったりするはずで、あまり期待できないなとか漠然と考えていました。しかし、結論から言えば、本書は私的あるいは自伝的「ペット・サウンズ」記とでもいったらよいような、よく言えば、自分のような後追いの「ペット・サウンズ」世代には当時の空気を体感させてもらえるよすがと言えば言えますが、悪く言えば「ペット・サウンズ」に限らず名盤と呼ばれる聞き継がれてきた作品には数限りなく存在するであろう、その作品との関わりの個人史とでもいえる類いの作品です。三浦久の「追憶の60年代カリフォルニア―すべてはディランの歌から始まった 」(平凡社新書)と同様、個人的にはとても楽しめました。ただ、クレストブックで出されるにはすこし違和感もありますが。 | ||||
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作品や人を神棚に奉りたて、拝まない奴は死刑! といった感じの賞賛ファシズムってありますね。 村上春樹氏がそれに加担しているとは言わないが、本書はやたらと思い入れの強いアメリカ人の著作物であり、「ペットサウンズ」に関心がない読者には無用の長物であります。 ちなみに、わたくしは何度も「ペットサウンズ」にはトライしたクチですが……。 基本的な力量として、ビーチボーイズにはろくなヴォーカリストがいない、と言ったら不敬罪でしょうか。 | ||||
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ニュージャージー州で暮らす白人移民から見ればカリフォルニアこそがパラダイス。その象徴がザ・ビーチ・ボーイズであった。しかし、パラダイスなど実はどこにもありはしない。 メガヒットとなったアルバム『ペット・サウンズ』は、ザ・ビーチ・ボーイズの崩壊、ブライアン・ウィルソンの心身を蝕むきっかけ、あるいはその原因でもあった。 というような小説の結構、翻訳は村上春樹とくれば、これはもう売れることは保証されている。ミニマリズムの典型ともいえる小説作品であり、本家『ペット・サウンズ』の音楽の抜けきった諧調(いわばモーツァルトに近い)よりは、私小説のウェットさをもつが、それがまた身に染みる気がする。 その点、ビーチ・ボーイズの音楽に合うようでいて齟齬がある。ワーグナーを聴きながら『ツァラツストラかく語りき』を読んで心地よく思うようなわけにはいかない。 それでも、引き込まれた。アメリカの哀しさ。沈み込んでいく世界に響き渡るビーチ・ボーイズの晴朗な哀しさが胸に響いてくる。悲劇の場面に奏される長調の調べは、一層哀しさを増す。この小説は齟齬を見せながらも、ブライアン・ウィルソンと響きあっているのだ。 | ||||
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