銃・病原菌・鉄

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評判

銃・病原菌・鉄の評価:

4.07/5点 レビュー 476件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.07pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全972件 701〜720 36/49ページ
No.272
(4pt)

園芸とペット

文明の衝突と相克について書かれた部分は結構凡庸で、「知ってた」の域を出ないところもありました。たぶん、本書の核心はNative Americanやニューギニアの農業畜産史を、フィールドワークを含めて掘り下げているところでしょう。ただ、人肉食も畜産の一種ということになっちゃうところが凄惨ではあります。作物の起源から文明の型を規定していく筆遣いはどことなく中尾佐助の「照葉樹林文化圏」を彷彿とさせたりしました。特にアメリカの読者から見ると、アメリカ大陸のコロンブス以前の文明がわかったりして、お得感が倍増されている気配です。印象深かったのは、植物の種を拾ってきたり、そこらの動物を拾ってきたりして、飼っちゃう人間の「園芸飼育の趣味」の性を農業や畜産の起源とシームレスでつないじゃうところで、そのあたりは、「人間」という種のユニークネスを浮き彫りにしていると思いました。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 Amazon書評・レビュー: 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.271
(4pt)

園芸とペット

文明の衝突と相克について書かれた部分は結構凡庸で、「知ってた」の域を出ないところもありました。たぶん、本書の核心はNative Americanやニューギニアの農業畜産史を、フィールドワークを含めて掘り下げているところでしょう。ただ、人肉食も畜産の一種ということになっちゃうところが凄惨ではあります。作物の起源から文明の型を規定していく筆遣いはどことなく中尾佐助の「照葉樹林文化圏」を彷彿とさせたりしました。特にアメリカの読者から見ると、アメリカ大陸のコロンブス以前の文明がわかったりして、お得感が倍増されている気配です。印象深かったのは、植物の種を拾ってきたり、そこらの動物を拾ってきたりして、飼っちゃう人間の「園芸飼育の趣味」の性を農業や畜産の起源とシームレスでつないじゃうところで、そのあたりは、「人間」という種のユニークネスを浮き彫りにしていると思いました。
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) Amazon書評・レビュー: 文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)より
4794218788
No.270
(5pt)

1万3000年にわたる人類史

感激!!かなり多くの本を読んでいますが、こんな歴史書は初めて読みました。 最高です。
銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 Amazon書評・レビュー: 銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
479421006X
No.269
(5pt)

1万3000年にわたる人類史

感激!!!最近読んだ本で、最高です!! 目から鱗!!の本です。 私の歴史観が再構築されました。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 Amazon書評・レビュー: 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.268
(5pt)

1万3000年にわたる人類史

感激!!かなり多くの本を読んでいますが、こんな歴史書は初めて読みました。 最高です。
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) Amazon書評・レビュー: 文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)より
4794218796
No.267
(5pt)

1万3000年にわたる人類史

感激!!!最近読んだ本で、最高です!! 目から鱗!!の本です。 私の歴史観が再構築されました。
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) Amazon書評・レビュー: 文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)より
4794218788
No.266
(2pt)

翻訳されてる日本語が読みづらい。

歴史書はこれ一冊で十分と言われてるくらいの好評具合でしたので 期待して上巻を読み始めましたが、日本語がまどろっこしいです。 私の読解力の低さもあります。 しかし翻訳物は概して読んでいて 苦しい。 内容は大陸によって生物の進化、人間の文明などの速度 はマチマチですと述べています。 その主たる原因は病原菌などに よる感染がかなりの割合を占めているらしいとのこと。 非常に読みづらいです。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 Amazon書評・レビュー: 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.265
(2pt)

翻訳されてる日本語が読みづらい。

歴史書はこれ一冊で十分と言われてるくらいの好評具合でしたので 期待して上巻を読み始めましたが、日本語がまどろっこしいです。 私の読解力の低さもあります。 しかし翻訳物は概して読んでいて 苦しい。 内容は大陸によって生物の進化、人間の文明などの速度 はマチマチですと述べています。 その主たる原因は病原菌などに よる感染がかなりの割合を占めているらしいとのこと。 非常に読みづらいです。
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) Amazon書評・レビュー: 文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)より
4794218788
No.264
(4pt)

「文明人」と「野蛮人」、1万年の歩みはどう違ったのか

なぜピサロがペルーにやってきて、インカ皇帝アタワルパを捕虜にしたのか、なぜアタワルパがスペインにやってきて、カール一世を捕虜にすることにはならなかったのか・・・。

西洋が世界を圧していた時代には、「彼らは遅れていて蒙昧だったので、先進国の民が啓蒙したのだ」と考えていれば良かった。遅れていたのは事実だとして、その差が何故発生したのか、環境要因か、そもそもの民族の資質の差なのか、の問いに答える一冊。相当に読み応えがある。

1億3千万年前の氷河期の終り、現生人類は世界の五大陸に達した。その時点では同じだった、と筆者は強調する。そこからコルテスとアステカ人が出会うまでの永い時間の流れはどう違ったのか。まず、西ユーラシアに文明の灯をもたらしたメソポタミアには育てやすい一年草の小麦が自生していた。その後長く人間のパートナーになる牛や豚の祖先も住んでいた。しかしメキシコには、栽培化の難しかったトウモロコシしか生えていなかった・・・

こうして人類の文明化への永い旅が始まった。病原菌の話も面白かったし、下巻には文字とか鉄が登場するのだろう。楽しみ。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 Amazon書評・レビュー: 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.263
(4pt)

「文明人」と「野蛮人」、1万年の歩みはどう違ったのか

なぜピサロがペルーにやってきて、インカ皇帝アタワルパを捕虜にしたのか、なぜアタワルパがスペインにやってきて、カール一世を捕虜にすることにはならなかったのか・・・。

西洋が世界を圧していた時代には、「彼らは遅れていて蒙昧だったので、先進国の民が啓蒙したのだ」と考えていれば良かった。遅れていたのは事実だとして、その差が何故発生したのか、環境要因か、そもそもの民族の資質の差なのか、の問いに答える一冊。相当に読み応えがある。

1億3千万年前の氷河期の終り、現生人類は世界の五大陸に達した。その時点では同じだった、と筆者は強調する。そこからコルテスとアステカ人が出会うまでの永い時間の流れはどう違ったのか。まず、西ユーラシアに文明の灯をもたらしたメソポタミアには育てやすい一年草の小麦が自生していた。その後長く人間のパートナーになる牛や豚の祖先も住んでいた。しかしメキシコには、栽培化の難しかったトウモロコシしか生えていなかった・・・

こうして人類の文明化への永い旅が始まった。病原菌の話も面白かったし、下巻には文字とか鉄が登場するのだろう。楽しみ。
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) Amazon書評・レビュー: 文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)より
4794218788
No.262
(5pt)

分析が深いですね、じっくり読む価値のある本です

やっと上巻を読み終えました。これは本当に深い本ですね。じっくり読める本ですし、じっくり読めば読むほど、面白いです。1度読み終えた後に序章を再度読むと、理解がぐっと深まります。
本書の特色は著者が自分の説に対してこれでもかというくらい質問をぶつけていることです。AとBという現象がみられる。ではその背景にある理由は何か?可能性としてはDとEがあり、どちらが正しそうかということで1つずつ可能性をつぶしていくという作業が延々続きます。
21世紀は情報世紀と呼ばれるくらいですから、ある国が画期的な武器を開発しても、世界のほかの国々もそれをまねするのにさほど時間はかかりませんが、これが15世紀くらいの世界ではまだまだ情報格差があった。そして農業生産や武器生産、病原菌への免疫などで数千年の先をいっていたのが欧州大国であった訳です。「なぜ〜だったのか?」という質問に対する著者の検証作業は非常に引き込まれました。下巻も楽しみです。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 Amazon書評・レビュー: 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.261
(5pt)

分析が深いですね、じっくり読む価値のある本です

やっと上巻を読み終えました。これは本当に深い本ですね。じっくり読める本ですし、じっくり読めば読むほど、面白いです。1度読み終えた後に序章を再度読むと、理解がぐっと深まります。
本書の特色は著者が自分の説に対してこれでもかというくらい質問をぶつけていることです。AとBという現象がみられる。ではその背景にある理由は何か?可能性としてはDとEがあり、どちらが正しそうかということで1つずつ可能性をつぶしていくという作業が延々続きます。
21世紀は情報世紀と呼ばれるくらいですから、ある国が画期的な武器を開発しても、世界のほかの国々もそれをまねするのにさほど時間はかかりませんが、これが15世紀くらいの世界ではまだまだ情報格差があった。そして農業生産や武器生産、病原菌への免疫などで数千年の先をいっていたのが欧州大国であった訳です。「なぜ〜だったのか?」という質問に対する著者の検証作業は非常に引き込まれました。下巻も楽しみです。
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) Amazon書評・レビュー: 文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)より
4794218788
No.260
(4pt)

生物は環境に従って生きるものだから

仮にヨーロッパ人の祖先がオーストラリアに産まれ、アボリジニの祖先がヨーロッパに産まれていたとしても、やはりヨーロッパに産まれた側がオーストラリアへと侵略しただろう。

下巻では筆者はヨーロッパに蹂躙された側の歴史を語っていく。ニューギニアとかオーストラリアについてはさすがに専門だけあって詳しい。進化生物学、考古学、民俗学の成果を縦横に動員した語りはやはり面白いのだけど、これだけ大胆に語れば論考が弱いところも出てくる。中国を中心とする東アジア史は専門外みたいだし、インドについてはほとんど語られない。

人類史の大きな分水嶺を植物の栽培化と動物の家畜化に求める筆者の発想は私は良いと思うが、歴史の全ての動力源を銃と病原菌と鉄に求めるのは無理があろう。鳥類学者が人間の歴史の何を語るか、と批判する向きもあるかもしれない。しかし西側世界に根強く残ってた人種優位論を環境決定論で葬り去った筆者の功績は認められてしかるべきと思う。
銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 Amazon書評・レビュー: 銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
479421006X
No.259
(4pt)

生物は環境に従って生きるものだから

仮にヨーロッパ人の祖先がオーストラリアに産まれ、アボリジニの祖先がヨーロッパに産まれていたとしても、やはりヨーロッパに産まれた側がオーストラリアへと侵略しただろう。

下巻では筆者はヨーロッパに蹂躙された側の歴史を語っていく。ニューギニアとかオーストラリアについてはさすがに専門だけあって詳しい。進化生物学、考古学、民俗学の成果を縦横に動員した語りはやはり面白いのだけど、これだけ大胆に語れば論考が弱いところも出てくる。中国を中心とする東アジア史は専門外みたいだし、インドについてはほとんど語られない。

人類史の大きな分水嶺を植物の栽培化と動物の家畜化に求める筆者の発想は私は良いと思うが、歴史の全ての動力源を銃と病原菌と鉄に求めるのは無理があろう。鳥類学者が人間の歴史の何を語るか、と批判する向きもあるかもしれない。しかし西側世界に根強く残ってた人種優位論を環境決定論で葬り去った筆者の功績は認められてしかるべきと思う。
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) Amazon書評・レビュー: 文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)より
4794218796
No.258
(2pt)

本書の内容を妄信するべきではない

単行本、文庫共に賞賛のレビューが多いが、正直そこまでの名著とは思えなかった。
「名著」「ベストセラー」「ピューリッツア賞受賞」「ゼロ年代の本ベスト1」などの評判や権威と言ったハロー効果に惑わされて本書とダイアモンドを妄信し過ぎているのではないだろうか。
まずタイトルと中身が乖離していて、銃、病原菌、鉄というのは中心的な内容ではなく、西欧の優勢は環境と地理が原因であるという内容となっている。
ダイアモンド自身は本書の方法は科学的なものだとプロローグで述べているが、「私の解釈では」「と思われる」「〜以外考えられない」などの根拠の薄い直感的な推論や独断的な点が散見される。
例えば古代の遺物というものは残っても、古代の歴史そのものは形に残らないため、測定された科学知識の正しさと、それを基にしたダイアモンドの推論が正しいか・科学的であるかは別問題である。
統計もデータも割合で書かれている事が多くいまいち信憑性が薄い(この傾向は次回作の『文明崩壊』でかなり酷くなっている。レビューを書かせてもらったので気になればそちらも参考にしていただきたい。)
広範囲にわたりいろいろな事例を引っぱってくるのだが、ほかの方も述べているように、日本に関する記述は稚拙といわざるを得ない所があり、なおかつ件の英語版に加筆された、日本人についてのでたらめな追加章である。
もしも他の部分もこの程度の資料査読と解釈なのだとしたら全体としての本書の信憑性と主張は疑わしい。
英語版のウィキペディアにも本書の項目があり、その決定論的な主張に非難が起こったとも書いてある。
ダイアモンド自身に対しても、一介の鳥類学者に過ぎない人物が、専門外の著作で非常に幅広く壮大な著述を行っている事に対する疑問もあるようだ。
マイケル・ガザニガの『人間らしさとは何か』の中では「でしゃばりの鳥類学者」と名前こそ出ていないがダイアモンド(の事だろうと思う)が皮肉られていた。
それに原著の初版は1997年で、既に15年以上の時が過ぎていて情報が古くなっていたり、批判を受けたりしていることも知っておくべきだろう。
例えば最近の本だが、アセモグル=ロビンソンの「国家はなぜ衰退するのか?」の中では本書とダイアモンドの地理説を「やくにたたない理論」として反駁している。
地理と環境因に全てを置くダイアモンドの説では、利用できる資源や家畜、機械が増えた現代社会での格差を説明できないし、資源や動物の分布、歴史の事象も本書の主張とは合致しない事が多々あるという。
確かに産業革命や、国家形態、イデオロギーなの歴史上の重要な事象自体をあまり考えず、単なる自然環境の違いが、銃、病原菌、鉄を含む、西欧の優勢を形作ったという主張自体がいささか表面的、短絡的ではないかと思う。
究極的に言えば歴史とは多くのことが相互に絡み合って起こる複雑系の領域で、可逆的に検証不可能なものなのだし、いまある資料や直感だけでここまで推論を下していいともあまり思えない。
ある程度批判的思考(クリティカルシンキング)で読んだほうがいいし、
結論もあくまで一鳥類学者の立てた見解・仮説、として捕らえるのがが妥当だろう。

伝染病に関する記述でも、少し考えてみればわかるが、伝染病が猛威を振るったのはアメリカ大陸でだけというわけではない。
原産国のアフリカやヨーロッパなどでも耐性のできる前の人間を大量に死に至らしめている。
日本でも黒死病は猛威を奮い沢山の人が死んだ記録が残っている。だが白人も黒人も、日本人も絶滅寸前という訳ではない。
現在、南米や中米では原住民の血を引く人間が大部分を占める国家が多数あるが、アメリカやカナダは人口比で見る先住民は数%から1%以下である。
インディアン滅亡は伝染病が一因ではあるが、本質的な原因はアメリカ大陸に入植した白人が、先住民であるインディアンを数百年に渡り虐殺し続けて来たという事にある。
黒人を奴隷として輸入しだしたのも、まずインディアンを奴隷として酷使していたらみんな死んでしまって労働力が足りなくなってしまったからである。
例えばリンカーンなどはインディアンに対しては、この世から絶滅しても人類が困ることは無いと、人間扱いせず害獣として積極的に駆除していた。
奴隷とし、銃を与え部族間で殺し合いをさせ、後に知恵を付けて白人に逆らうようになると害獣扱い。
このような事はほとんど取り上げず、あたかも伝染病がインディアンを根絶させたかのような記述を延々と続けミスリードを誘うと言うのは欺瞞でしかないと思う。
この伝染病による死滅説はアメリカ人が信じたがるエピソードで、よく色々な書籍に登場するが、かなり盛られていると思われるので話半分で聞いたほうがいいだろう。
この本の種本のマクニールの「疫病と世界史」ではマクニール本人も科学的な証拠も少ないがやや強引な推論を展開している事を断っているが、そのことを書かずにあたかも真実であるかのようにまとめているのはいただけない。
そして日本に関する追加章では。朝鮮半島からやってきた現代日本人の祖先が本来の日本の先住民であるアイヌ人を、アメリカ人がインディアンを殺したのと同じように虐殺して日本を侵略したような記述をしている。
日本の古代史については様々な説があり、未だに研究の途中であり確かなことは判っていないのに、このような極端にセンセーショナルな説だけをあたかも日本人が認めたがらない事実のように記述するのはいかがなものか.

本書の中では執筆当時未だに論争中の事だったり、詳しいことは分っていないことにずばずばと結論を出しているが、他の所もこのように耳目を引く事を大げさに語っているのだとしたら信憑性が疑われる。

そこで日本語と漢字についての記述をちょっととりあげてみよう。
ダイアモンドは音節表記のアルファベットを持ち上げ、表意文字などはこきおろしている。彼の主張するようなアルファベット至上主義はアルファベット圏では昔から割とポピュラーな俗説らしい。
しかしMRIなどを使った最近の研究では、例えば表音文字の英語や、表意文字の中国語、その両方を使う日本語では、文字認識の際に脳内の賦活する部位が違い、それぞれ違う方法で文字を認識している事がわかってきた。
その結果、単純に文字が少ないアルファベットが効率的であるとか、字の多い漢字が非効率的であるとかいう俗説は一概にそうとは言えない事が分かっている。(ちなみに日本人は日本語を認識する脳内回路を使って英語を認識しているらしいよ)

そもそも日本語の文字については既に明治維新の頃から字の習得に関する事で似たような議論や実験的な事が繰り返されてきた。
戦後のGHQによる統治の際にも、文字が多すぎて識字率が低いことが日本の発展を妨げているということで漢字や仮名を廃止してローマ字にするという案もあったが、実際調べてみると識字率がほぼ100%に近かったので取りやめとなった。
実際に、日本語の文章が全部ローマ字や仮名文字だけになったら読みづらいことは誰でもわかるだろう。
ダイアモンドはそのような事をまったく知らないため以下のような記述をしている。

  "二つめの要因は、経済性より社会的ステータスが重要視され、それが受容性に影響することである。たとえば、ブランドもののジーンズを買うために、品質はまったく同じノンブランド品の二倍の値段を払う人は何百万人もいる。
  ブランドものの社会的ステータスが、金銭以上のものをもたらしてくれるからである。日本人が、効率のよいアルファベットやカナ文字でなく、書くのがたいへんな漢字を優先して使うのも、漢字の社会的ステータスが高いからである。"

外国人による日本文化の理解は難しいとは思うがいくらなんでもこのようなことを平気で書くのはどうかと思う。
しかしほかの箇所では日本人は識字率が高いのを誇りとしている、と皮肉っている。識字率が高いのが分っているなら、単純に文字の習得には字数の効率性以外のものもあるということが分りそうなものであるが、偏見から物事を見ているために気づかなかったのだろうか。
文字の習得に関しては、単に字数だけが効率性を決めるのではなく、発音と綴りに複雑な法則のあるものや、書いた文字をそのまま読むようなのでも違うし、イメージングの能力を使って覚えるものでもまったく違うのだ。
このアルファベットの部分に関してはダイアモンドは偏見から直感的に物を言って、科学的にも間違っているので、日本語と漢字の関係が効率の悪いという主張に悲観したりすることもないだろう。

しかしこれらのような説がベストセラーになって世界に撒き散らされていくと思うと暗雲立ち込める思いである。

ダイアモンドは本書に限らず人種による差異を否定し、差別や偏見を戒めているが、それとは裏腹に人種差別的な悪趣味な皮肉や嫌味、白人優越主義的な記述が頻出し、彼自身が差別や偏見から脱することができていない気がする。
次著の『文明崩壊』の中ではダイアモンドに対する反論があったことに対して「差別主義者から攻撃された」などの記述をしている所を見ると、むしろ「人種は平等である」という否定することが色々な意味で難しいテーゼを自説に紛れ込ませる事によって反論を防ぐために方便として利用しているような感すらある。
全体的ににわか知識で表面的に物事を見るような独断的な記述が多くいまいち信憑性にかけ、あまり中身の無いような断片的な知識の披露に過ぎない部分も多い。
評判先行で過大評価されすぎの本と言ったところだろう。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 Amazon書評・レビュー: 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.257
(2pt)

本書の内容を妄信するべきではない

単行本、文庫共に賞賛のレビューが多いが、正直そこまでの名著とは思えなかった。
「名著」「ベストセラー」「ピューリッツア賞受賞」「ゼロ年代の本ベスト1」などの評判や権威と言ったハロー効果に惑わされて本書とダイアモンドを妄信し過ぎているのではないだろうか。
まずタイトルと中身が乖離していて、銃、病原菌、鉄というのは中心的な内容ではなく、西欧の優勢は環境と地理が原因であるという内容となっている。
ダイアモンド自身は本書の方法は科学的なものだとプロローグで述べているが、「私の解釈では」「と思われる」「〜以外考えられない」などの根拠の薄い直感的な推論や独断的な点が散見される。
例えば古代の遺物というものは残っても、古代の歴史そのものは形に残らないため、測定された科学知識の正しさと、それを基にしたダイアモンドの推論が正しいか・科学的であるかは別問題である。
統計もデータも割合で書かれている事が多くいまいち信憑性が薄い(この傾向は次回作の『文明崩壊』でかなり酷くなっている。レビューを書かせてもらったので気になればそちらも参考にしていただきたい。)
広範囲にわたりいろいろな事例を引っぱってくるのだが、ほかの方も述べているように、日本に関する記述は稚拙といわざるを得ない所があり、なおかつ件の英語版に加筆された、日本人についてのでたらめな追加章である。
もしも他の部分もこの程度の資料査読と解釈なのだとしたら全体としての本書の信憑性と主張は疑わしい。
英語版のウィキペディアにも本書の項目があり、その決定論的な主張に非難が起こったとも書いてある。
ダイアモンド自身に対しても、一介の鳥類学者に過ぎない人物が、専門外の著作で非常に幅広く壮大な著述を行っている事に対する疑問もあるようだ。
マイケル・ガザニガの『人間らしさとは何か』の中では「でしゃばりの鳥類学者」と名前こそ出ていないがダイアモンド(の事だろうと思う)が皮肉られていた。
それに原著の初版は1997年で、既に15年以上の時が過ぎていて情報が古くなっていたり、批判を受けたりしていることも知っておくべきだろう。
例えば最近の本だが、アセモグル=ロビンソンの「国家はなぜ衰退するのか?」の中では本書とダイアモンドの地理説を「やくにたたない理論」として反駁している。
地理と環境因に全てを置くダイアモンドの説では、利用できる資源や家畜、機械が増えた現代社会での格差を説明できないし、資源や動物の分布、歴史の事象も本書の主張とは合致しない事が多々あるという。
確かに産業革命や、国家形態、イデオロギーなの歴史上の重要な事象自体をあまり考えず、単なる自然環境の違いが、銃、病原菌、鉄を含む、西欧の優勢を形作ったという主張自体がいささか表面的、短絡的ではないかと思う。
究極的に言えば歴史とは多くのことが相互に絡み合って起こる複雑系の領域で、可逆的に検証不可能なものなのだし、いまある資料や直感だけでここまで推論を下していいともあまり思えない。
ある程度批判的思考(クリティカルシンキング)で読んだほうがいいし、
結論もあくまで一鳥類学者の立てた見解・仮説、として捕らえるのがが妥当だろう。

伝染病に関する記述でも、少し考えてみればわかるが、伝染病が猛威を振るったのはアメリカ大陸でだけというわけではない。
原産国のアフリカやヨーロッパなどでも耐性のできる前の人間を大量に死に至らしめている。
日本でも黒死病は猛威を奮い沢山の人が死んだ記録が残っている。だが白人も黒人も、日本人も絶滅寸前という訳ではない。
現在、南米や中米では原住民の血を引く人間が大部分を占める国家が多数あるが、アメリカやカナダは人口比で見る先住民は数%から1%以下である。
インディアン滅亡は伝染病が一因ではあるが、本質的な原因はアメリカ大陸に入植した白人が、先住民であるインディアンを数百年に渡り虐殺し続けて来たという事にある。
黒人を奴隷として輸入しだしたのも、まずインディアンを奴隷として酷使していたらみんな死んでしまって労働力が足りなくなってしまったからである。
例えばリンカーンなどはインディアンに対しては、この世から絶滅しても人類が困ることは無いと、人間扱いせず害獣として積極的に駆除していた。
奴隷とし、銃を与え部族間で殺し合いをさせ、後に知恵を付けて白人に逆らうようになると害獣扱い。
このような事はほとんど取り上げず、あたかも伝染病がインディアンを根絶させたかのような記述を延々と続けミスリードを誘うと言うのは欺瞞でしかないと思う。
この伝染病による死滅説はアメリカ人が信じたがるエピソードで、よく色々な書籍に登場するが、かなり盛られていると思われるので話半分で聞いたほうがいいだろう。
この本の種本のマクニールの「疫病と世界史」ではマクニール本人も科学的な証拠も少ないがやや強引な推論を展開している事を断っているが、そのことを書かずにあたかも真実であるかのようにまとめているのはいただけない。
そして日本に関する追加章では。朝鮮半島からやってきた現代日本人の祖先が本来の日本の先住民であるアイヌ人を、アメリカ人がインディアンを殺したのと同じように虐殺して日本を侵略したような記述をしている。
日本の古代史については様々な説があり、未だに研究の途中であり確かなことは判っていないのに、このような極端にセンセーショナルな説だけをあたかも日本人が認めたがらない事実のように記述するのはいかがなものか.

本書の中では執筆当時未だに論争中の事だったり、詳しいことは分っていないことにずばずばと結論を出しているが、他の所もこのように耳目を引く事を大げさに語っているのだとしたら信憑性が疑われる。

そこで日本語と漢字についての記述をちょっととりあげてみよう。
ダイアモンドは音節表記のアルファベットを持ち上げ、表意文字などはこきおろしている。彼の主張するようなアルファベット至上主義はアルファベット圏では昔から割とポピュラーな俗説らしい。
しかしMRIなどを使った最近の研究では、例えば表音文字の英語や、表意文字の中国語、その両方を使う日本語では、文字認識の際に脳内の賦活する部位が違い、それぞれ違う方法で文字を認識している事がわかってきた。
その結果、単純に文字が少ないアルファベットが効率的であるとか、字の多い漢字が非効率的であるとかいう俗説は一概にそうとは言えない事が分かっている。(ちなみに日本人は日本語を認識する脳内回路を使って英語を認識しているらしいよ)

そもそも日本語の文字については既に明治維新の頃から字の習得に関する事で似たような議論や実験的な事が繰り返されてきた。
戦後のGHQによる統治の際にも、文字が多すぎて識字率が低いことが日本の発展を妨げているということで漢字や仮名を廃止してローマ字にするという案もあったが、実際調べてみると識字率がほぼ100%に近かったので取りやめとなった。
実際に、日本語の文章が全部ローマ字や仮名文字だけになったら読みづらいことは誰でもわかるだろう。
ダイアモンドはそのような事をまったく知らないため以下のような記述をしている。

  "二つめの要因は、経済性より社会的ステータスが重要視され、それが受容性に影響することである。たとえば、ブランドもののジーンズを買うために、品質はまったく同じノンブランド品の二倍の値段を払う人は何百万人もいる。
  ブランドものの社会的ステータスが、金銭以上のものをもたらしてくれるからである。日本人が、効率のよいアルファベットやカナ文字でなく、書くのがたいへんな漢字を優先して使うのも、漢字の社会的ステータスが高いからである。"

外国人による日本文化の理解は難しいとは思うがいくらなんでもこのようなことを平気で書くのはどうかと思う。
しかしほかの箇所では日本人は識字率が高いのを誇りとしている、と皮肉っている。識字率が高いのが分っているなら、単純に文字の習得には字数の効率性以外のものもあるということが分りそうなものであるが、偏見から物事を見ているために気づかなかったのだろうか。
文字の習得に関しては、単に字数だけが効率性を決めるのではなく、発音と綴りに複雑な法則のあるものや、書いた文字をそのまま読むようなのでも違うし、イメージングの能力を使って覚えるものでもまったく違うのだ。
このアルファベットの部分に関してはダイアモンドは偏見から直感的に物を言って、科学的にも間違っているので、日本語と漢字の関係が効率の悪いという主張に悲観したりすることもないだろう。

しかしこれらのような説がベストセラーになって世界に撒き散らされていくと思うと暗雲立ち込める思いである。

ダイアモンドは本書に限らず人種による差異を否定し、差別や偏見を戒めているが、それとは裏腹に人種差別的な悪趣味な皮肉や嫌味、白人優越主義的な記述が頻出し、彼自身が差別や偏見から脱することができていない気がする。
次著の『文明崩壊』の中ではダイアモンドに対する反論があったことに対して「差別主義者から攻撃された」などの記述をしている所を見ると、むしろ「人種は平等である」という否定することが色々な意味で難しいテーゼを自説に紛れ込ませる事によって反論を防ぐために方便として利用しているような感すらある。
全体的ににわか知識で表面的に物事を見るような独断的な記述が多くいまいち信憑性にかけ、あまり中身の無いような断片的な知識の披露に過ぎない部分も多い。
評判先行で過大評価されすぎの本と言ったところだろう。
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) Amazon書評・レビュー: 文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)より
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No.256
(5pt)

民族間に生物学的差異が無いということを明確に主張

重厚な内容だったがとても楽しめた。 物事を分析する上での設問の徹底具合なども参考になる。 しつこいくらい、なぜ、なぜを繰り返して積み上げていく過程は圧巻である。 現在の持てるものと持たざるものの格差は決して民族間の生物学的差異によるものではない、ということを明確に謳っていることにも注目したい。
銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 Amazon書評・レビュー: 銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
479421006X
No.255
(4pt)

人類史

歴史を科学的にとらえようとした本で、ユニークです。 地理学的、生物学的、生態学的観点からの歴史の必然性を見出だそうとした本です。 前評判の高い本だったので、読みましたが、長いのと、それほど面白くなかったので、少し読んでいていて、がっかりはしました。
銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 Amazon書評・レビュー: 銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
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No.254
(5pt)

民族間に生物学的差異が無いということを明確に主張

重厚な内容だったがとても楽しめた。 物事を分析する上での設問の徹底具合なども参考になる。 しつこいくらい、なぜ、なぜを繰り返して積み上げていく過程は圧巻である。 現在の持てるものと持たざるものの格差は決して民族間の生物学的差異によるものではない、ということを明確に謳っていることにも注目したい。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 Amazon書評・レビュー: 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎より
4794210051
No.253
(5pt)

民族間に生物学的差異が無いということを明確に主張

重厚な内容だったがとても楽しめた。 物事を分析する上での設問の徹底具合なども参考になる。 しつこいくらい、なぜ、なぜを繰り返して積み上げていく過程は圧巻である。 現在の持てるものと持たざるものの格差は決して民族間の生物学的差異によるものではない、ということを明確に謳っていることにも注目したい。
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) Amazon書評・レビュー: 文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)より
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