日蝕

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評判

日蝕の評価:

3.11/5点 レビュー 90件。 D ランク

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平均点3.11pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全65件 1〜20 1/4ページ
No.65
(4pt)

『日蝕』は後味が良くない

『一月物語』は幽玄な世界を描いていて、その雰囲気に浸ることができた。
しかし『日蝕』は……著者は何をえがこうとしたのでしょうか?
文体のせいで最初はごまかされてしまったが、著者は肝心なところを
明らかにせず読者の想像に任せていて、後味の悪さが残った。
ドミニコ会からは日本の禁教時代に布教に来て、数人が殉教しているが、
この小説の主人公のドミニコ会士には、どこか卑怯な感じが付きまとう。
錬金術師のピエェルとは信頼関係があったはずなのに、裁かれようと
する彼をかばいもせず、魔女とされた何者かの恐ろしい火刑を目の当たりに
しながら、平然と何の危険も及ばない司祭としての生活に戻ってゆく……。
私はおろかものなので、本当のところはわからない。
中世の恐ろしい異端審問や魔女狩りが横行した暗い一面を描いたとすれば
多分成功しているのだろう。
追記
人類には肉体的に両性具有者はいないそうである。
が、半陰陽として生まれる人はいる。それは生まれつきのものなので、
本人には罪はない。しかしそれを魔女の証拠とされて、火刑に処された例は
ある。
異端審問も魔女裁判も裁くのは学者のを輩出しているドミニコ会士などの
異端審問官である司祭で、裁いた後は世俗の刑吏の手に渡される。
それゆえ、残酷極まりない刑に処せられて……。
それを村中の人々が集まって見物するなど、おぞましいことである。
処刑の後、この村の魔女のせいとされた疫病の蔓延やや天候の異常は
おさまったのだろうか?
村中を覆っていた暗い不安はきえたのだろうか?
日蝕・一月物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.64
(5pt)

キリスト教の歴史を知らないと理解するのに難しい!

文章もさることながら、キリスト教の歴史を知らない方にはちんぷんかんぷんでしょう。
 私は一応、聖書を何回か読んで、キリスト教の歴史を多少は知っていたので、付いて行けましたが、全く分からない方はキリスト教の基礎知識を先に読んでからの方がより、作者のこの本が楽しく読めると思います!
 高見沢俊彦とアルフィーがお好きという、共通点にも惹かれました!
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.63
(5pt)

キリスト教の歴史を知らないと理解するのに難しい!

文章もさることながら、キリスト教の歴史を知らない方にはちんぷんかんぷんでしょう。
 私は一応、聖書を何回か読んで、キリスト教の歴史を多少は知っていたので、付いて行けましたが、全く分からない方はキリスト教の基礎知識を先に読んでからの方がより、作者のこの本が楽しく読めると思います!
 高見沢俊彦とアルフィーがお好きという、共通点にも惹かれました!
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.62
(5pt)

思ったより早く届いたこと

迅速で丁寧な対応、ありがとうございます。思ったより美品でうれしいです。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.61
(5pt)

思ったより早く届いたこと

迅速で丁寧な対応、ありがとうございます。思ったより美品でうれしいです。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.60
(4pt)

もののけ姫を思い出しました

最初見た時、難しい言葉が並びすぎてると敬遠してましたが、改めて読むとそこまで難しくはなかったです。あのクリーチャーはなんだろうと不思議だったけど、ヘルメスとアフロディティの末裔みたいに思うとスッキリしました。もののけ姫のダイダラボッチみたい。神秘主義とキリスト教が刺違える瞬間、ルネサンスがすぐそこというような時代。
日蝕・一月物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.59
(4pt)

古風かつ華麗な文体は読んでいて楽しく、語彙が増える

神学を学ぶ若者が錬金術師と出会う、ルネサンス期ヨーロッパが舞台のお話。霊魂と身体、男性と女性、天と地といったあらゆる境界が混沌に帰す神秘体験を描いたクライマックスシーンには圧倒される。古風かつ華麗な文体は読んでいて楽しく、語彙が増える。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.58
(4pt)

古風かつ華麗な文体は読んでいて楽しく、語彙が増える

神学を学ぶ若者が錬金術師と出会う、ルネサンス期ヨーロッパが舞台のお話。霊魂と身体、男性と女性、天と地といったあらゆる境界が混沌に帰す神秘体験を描いたクライマックスシーンには圧倒される。古風かつ華麗な文体は読んでいて楽しく、語彙が増える。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.57
(5pt)

難漢字の多さで決めつけてはいけない

なじみのない漢字が多く難解なように見えますが、文章にリズム感があって、さほど読みづらくはありません。ヨーロッパ中世史やキリスト教(カトリック)の知識がある程度あれば、大変興味深く読めると思います。お話は後半にかけてどんどん盛り上がり、クライマックスが見事です。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.56
(5pt)

難漢字の多さで決めつけてはいけない

なじみのない漢字が多く難解なように見えますが、文章にリズム感があって、さほど読みづらくはありません。ヨーロッパ中世史やキリスト教(カトリック)の知識がある程度あれば、大変興味深く読めると思います。お話は後半にかけてどんどん盛り上がり、クライマックスが見事です。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.55
(4pt)

納得の芥川賞受賞作

15世紀末のフランスを舞台に神学僧と錬金術師の交流を描いた作品。

小難しい漢字が濫用(?)されているが、その割に読みづらくはない。読み進めるうちに、むしろ、物語の雰囲気とはマッチしていると感じられる。

ドミニコ会の神学僧が、異端の書にみとめた一片の真実を巡り、訪れた錬金術師の元で神秘体験をするという展開だ。やや退屈な序盤からクライマックスにかけて大いに盛り上がりを見せてくれる。ダークファンタジーとしても読むことができるだろう。

神学僧が見た両性具有者の火刑は何を意味するのか…。なるほど、納得の芥川賞受賞作である。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.54
(4pt)

納得の芥川賞受賞作

15世紀末のフランスを舞台に神学僧と錬金術師の交流を描いた作品。

小難しい漢字が濫用(?)されているが、その割に読みづらくはない。読み進めるうちに、むしろ、物語の雰囲気とはマッチしていると感じられる。

ドミニコ会の神学僧が、異端の書にみとめた一片の真実を巡り、訪れた錬金術師の元で神秘体験をするという展開だ。やや退屈な序盤からクライマックスにかけて大いに盛り上がりを見せてくれる。ダークファンタジーとしても読むことができるだろう。

神学僧が見た両性具有者の火刑は何を意味するのか…。なるほど、納得の芥川賞受賞作である。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.53
(5pt)

俄かに触れた、錬金術師の本丸。

久しぶりに小説を読んだ。
三島由紀夫の再来と言われた人の小説だった。
 
蓋し(けだし:思うに )、
漢字が難しかった 笑
 
内容は、中世ヨーロッパにおける
錬金術師と、主人公である「私」の
内容だった。
 
筆者が当時23才で
この本がデビュー作だとしたら、
他に書ける人がいるのだろうかと
思うほどの文体と、
着目点だった。
 
筆者は、宗教的な神秘
つまり、教義を超えたなにかに
"物理的に "、
しかも、それを "超えて"表現
したかったのだろうと思う。
 
いいかえれば、
身近に、現代的な
みんなが思慮できる
ところをおさえつつ、
 
その延長にあっても、
思慮することのない、
本懐を伝えようと
したのだろう。
 
これが、評価されたのが
意外だった
 
はねのけられるような部分を
突きつけて、
読者に謎をせまった。
 
この本当の価値は、
迫られた読者が
その謎の余韻に
想いをひたし
 
その向こうを
その両目を通して
思いやろうとする中に
 
微かにある
錬金術師が伝えたかった
本丸についての
 
微かな同じ問いへの
衝動が生まれる事にあるだろう
 
それを、現代の人たちに、
ある種のなまめかしさをもった
「こんにち」の問題として
考えせしめた事が
 
その大きな仕事の役割であった
だろう事を考えたい。
 

 
 
※錬金術師の本丸に
到達しようとするのは、哲学的アプローチでは、おそらく不可能であると思う
 
それは、錬金術師の本丸が
おそらく、神秘そのもの を
示しているからだろう

(この領域は、
隠語により、守られてきた。
そして、曲解されてきた。)
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.52
(5pt)

俄かに触れた、錬金術師の本丸。

久しぶりに小説を読んだ。
三島由紀夫の再来と言われた人の小説だった。
 
蓋し(けだし:思うに )、
漢字が難しかった 笑
 
内容は、中世ヨーロッパにおける
錬金術師と、主人公である「私」の
内容だった。
 
筆者が当時23才で
この本がデビュー作だとしたら、
他に書ける人がいるのだろうかと
思うほどの文体と、
着目点だった。
 
筆者は、宗教的な神秘
つまり、教義を超えたなにかに
"物理的に "、
しかも、それを "超えて"表現
したかったのだろうと思う。
 
いいかえれば、
身近に、現代的な
みんなが思慮できる
ところをおさえつつ、
 
その延長にあっても、
思慮することのない、
本懐を伝えようと
したのだろう。
 
これが、評価されたのが
意外だった
 
はねのけられるような部分を
突きつけて、
読者に謎をせまった。
 
この本当の価値は、
迫られた読者が
その謎の余韻に
想いをひたし
 
その向こうを
その両目を通して
思いやろうとする中に
 
微かにある
錬金術師が伝えたかった
本丸についての
 
微かな同じ問いへの
衝動が生まれる事にあるだろう
 
それを、現代の人たちに、
ある種のなまめかしさをもった
「こんにち」の問題として
考えせしめた事が
 
その大きな仕事の役割であった
だろう事を考えたい。
 

 
 
※錬金術師の本丸に
到達しようとするのは、哲学的アプローチでは、おそらく不可能であると思う
 
それは、錬金術師の本丸が
おそらく、神秘そのもの を
示しているからだろう

(この領域は、
隠語により、守られてきた。
そして、曲解されてきた。)
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.51
(5pt)

This is a tour de force

The author was in his early twenties when he published this novel, revealing extraordinary learning and a superb command of elegantly archaic Japanese. The setting, amazingly enough, is southern France at the end of the 15th century, the narrator an earnest Dominican friar, who embarks on a theological quest that turns into a mind-bending adventure.
日蝕・一月物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.50
(5pt)

ルビがふってあるのが素晴らしい

なんとか読めました。この作品が発表されたのは20年くらい前だと思います。芥川賞だから文藝春秋に全文掲載されてました。若輩者の私は読んで見た。漢字が読めなくて挫折した。で、このたび、平野啓一郎さんの新書、私とはなにかを読みまして、平野啓一郎さんの処女作も読んどこうと思い、再挑戦したのです。文庫はルビがいっぱいふってあって読めました。文体になれれば最後まで読めます。23歳でこの作品は凄い。20年もいろんな本を読んできて、すっかりおっさんになった私が、やっと読めた本を23歳で書いてます。どんな頭してるんでしょう。一月物語も素晴らしい。この2作を同時に読めるのは贅沢です。630円は安い。安すぎです。日蝕はキリスト教の話なのでわかりにくいですね。
日蝕・一月物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.49
(5pt)

著者の学生当時からの圧倒的な才能を実感したい誰かへ

"それは雲ではなかった。太陽とそっくり同じ形をした黒い翳、今一つの黒い太陽。ー日蝕である。"1998年発刊、当時最年少の芥川賞受賞作として話題になった本書は、神学の知識に裏付けられた宗教と学問の対立、神秘体験を独特かつスタイリッシュな文体で描く【シンプルさと難解さを両立させた】意欲作。

個人的には、著者の本は提唱している『分人主義』他のエッセイ本こそ既読であったものの、実は小説は未読であった事から。最初の一冊として、受賞当時に賞賛と多くのバッシングの両方を浴びた(らしい)本書を手にとりました。

さて、そんな本書は物語としては舞台設定こそ(おそらく意図して)あまり日本人には馴染みがないと思われる15世紀後半の【宗教と学問、信仰と理性の狭間で揺れる】フランスを舞台にしつつも、割とシンプルなーそれこそファミコン時代のRPG【ドラクエの様な一方通行さ】で、修学中の神学者の神秘体験をファンタジー風味でありつつも迫力をもって描いていて終始圧倒されるわけですが。

一方で、本書で使用されている『江戸時代中期から明治にかけて,国学者が好んで用いた文体』擬古文(ぎこぶん)を模くしたらしい独特な文体は、古い異国の神秘的物語を描くには雰囲気づくりとしても一定の効果を果たしていると感じつつも、単なる難解さだけの中二病的な自己満足ナルシズムとも捉える事もでき。私はどちらかと言えば好みでしたが、ここら辺が読後に【評価のわかれる所】ではないかと思いました。

とはいえ、本書以降の著者のパターンに安住しない【挑戦的な執筆姿勢】を予感させる本作。若者らしい相当の覚悟や充分な推敲が文面から伝わってきつつも、ある種『若者らしくない』題材のこの作品を受け止めた、当時の芥川賞審査員の文壇の重鎮たちの当惑が浮かんでくるようで。何とも外野的に(失礼ながら)にやにやしてしまったり。

読みやすくも難解さに振り回される。そんな不思議な読後感の作品を探す誰か。著者の学生当時からの圧倒的な才能を実感したい誰かにオススメ。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.48
(5pt)

著者の学生当時からの圧倒的な才能を実感したい誰かへ

"それは雲ではなかった。太陽とそっくり同じ形をした黒い翳、今一つの黒い太陽。ー日蝕である。"1998年発刊、当時最年少の芥川賞受賞作として話題になった本書は、神学の知識に裏付けられた宗教と学問の対立、神秘体験を独特かつスタイリッシュな文体で描く【シンプルさと難解さを両立させた】意欲作。

個人的には、著者の本は提唱している『分人主義』他のエッセイ本こそ既読であったものの、実は小説は未読であった事から。最初の一冊として、受賞当時に賞賛と多くのバッシングの両方を浴びた(らしい)本書を手にとりました。

さて、そんな本書は物語としては舞台設定こそ(おそらく意図して)あまり日本人には馴染みがないと思われる15世紀後半の【宗教と学問、信仰と理性の狭間で揺れる】フランスを舞台にしつつも、割とシンプルなーそれこそファミコン時代のRPG【ドラクエの様な一方通行さ】で、修学中の神学者の神秘体験をファンタジー風味でありつつも迫力をもって描いていて終始圧倒されるわけですが。

一方で、本書で使用されている『江戸時代中期から明治にかけて,国学者が好んで用いた文体』擬古文(ぎこぶん)を模くしたらしい独特な文体は、古い異国の神秘的物語を描くには雰囲気づくりとしても一定の効果を果たしていると感じつつも、単なる難解さだけの中二病的な自己満足ナルシズムとも捉える事もでき。私はどちらかと言えば好みでしたが、ここら辺が読後に【評価のわかれる所】ではないかと思いました。

とはいえ、本書以降の著者のパターンに安住しない【挑戦的な執筆姿勢】を予感させる本作。若者らしい相当の覚悟や充分な推敲が文面から伝わってきつつも、ある種『若者らしくない』題材のこの作品を受け止めた、当時の芥川賞審査員の文壇の重鎮たちの当惑が浮かんでくるようで。何とも外野的に(失礼ながら)にやにやしてしまったり。

読みやすくも難解さに振り回される。そんな不思議な読後感の作品を探す誰か。著者の学生当時からの圧倒的な才能を実感したい誰かにオススメ。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.47
(4pt)

『日蝕』の感想を『日蝕』風の文体で書いてみる

これより私は、平野啓一郎『日蝕』の個人的な感想を録そうと思っている。人はこの頗(すこぶ)る難解な書に対して、径(ただ)ちに嫌悪を挿むであろう。私はこれを咎めるものではないが、冀(こいねがわくは)、この書を単行本よりもルビの多い文庫本で読むことを進言したいと思う。然(さ)すれば、辞書を引く手間も幾許か省かれるであろう。

 抑(そもそも)、初期の平野啓一郎が三島由紀夫の影響を受けていることには論を須(ま)たない。『日蝕』は、『金閣寺』の仏教(日本)をキリスト教(中世フランス)に、金閣寺への放火を魔女狩りに置き換えて、脱構築、あるいは記号論的分析を試みたと看做すことも出来るのではあるまいか。更に云えば、三島が『金閣寺』を著すにあたって参照したと謂われる森鴎外の姿も其処からは透けて見えてくるのである。

 その晦渋な文体は、物語世界に浸らんとする読者に常に覚醒することを求め、その衒学性が為に中途で停滞せんこと能わぬのである。慥(たし)かにこの文体故にこそ『日蝕』と云う書は際立っている。然(しか)し乍(なが)ら、斯様な面ばかりに囚われることは太陽を裸眼で見遣れば盲になるが如く、本質へと迫る視点が失われるとも思うのである。

 本書の最高潮たる、日蝕の蒼穹(そら)の下で処される焚刑の場面の迫力は筆舌に尽くし難いが、其処に先立つ、神学僧ニコラが洞内で石に縛(いまし)められた両性具有者(アンドロギュノス)と初めて出会(でくわ)す際の、この世界の裡なる別の層が裏返って露になったが如き、美とエロチシズムとの名状し難い一体性の顕現にこそ本書の真髄を見る想いがするのである。

 『日蝕』を十全に理解したかと問われれば、否、と答えるしか無い。しかし、徒(いたずら)にこう思ってみるのである。
 蓋(けだ)し、アンドロギュノスは金閣寺の夢を見たのではないか、と。
日蝕・一月物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.46
(5pt)

途中からグイグイ引き込まれた

史上最年少で芥川賞を受賞したデビュー作。その文体や文学的探求で「三島由紀夫の再来か」とまで言われたという。当時は興味がなかったのでタイトルを知っている程度だったが、平野啓一郎という作家を知りたくて読んでみた。

 どこのレビューをみても、難解な言葉を振り回して知識をひけらかしているとか、平易な言葉にすれば読みやすくなるというような批判がある。三島は彼の文学的センスから溢れ出るものだが、平野は無理に難しくしているというものだ。しかし私はそうは思わない。これは平野のスタイルであって、表現方法の一つだ。それを読みにくいからと批判するのはちょっと違うように私には思える。

 この『日蝕』には途中からぐっと引き込まれ一気に読んだ。言われている難しい表現など、ほとんど気にならなかった。さすがに三島の再来とまで言われ、芥川賞受賞作品だと思った。難解だと批評しているレビュアーさんたちは、そうは言いながらもきちんと読んでいる訳で、やはり平野のファンなのだろう。もしかしたら彼の才能に嫉妬しているのではないのか。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318