日蝕

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評判

日蝕の評価:

3.11/5点 レビュー 90件。 D ランク

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平均点3.11pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全65件 21〜40 2/4ページ
No.45
(5pt)

途中からグイグイ引き込まれた

史上最年少で芥川賞を受賞したデビュー作。その文体や文学的探求で「三島由紀夫の再来か」とまで言われたという。当時は興味がなかったのでタイトルを知っている程度だったが、平野啓一郎という作家を知りたくて読んでみた。

 どこのレビューをみても、難解な言葉を振り回して知識をひけらかしているとか、平易な言葉にすれば読みやすくなるというような批判がある。三島は彼の文学的センスから溢れ出るものだが、平野は無理に難しくしているというものだ。しかし私はそうは思わない。これは平野のスタイルであって、表現方法の一つだ。それを読みにくいからと批判するのはちょっと違うように私には思える。

 この『日蝕』には途中からぐっと引き込まれ一気に読んだ。言われている難しい表現など、ほとんど気にならなかった。さすがに三島の再来とまで言われ、芥川賞受賞作品だと思った。難解だと批評しているレビュアーさんたちは、そうは言いながらもきちんと読んでいる訳で、やはり平野のファンなのだろう。もしかしたら彼の才能に嫉妬しているのではないのか。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.44
(5pt)

途中からグイグイ引き込まれた

史上最年少で芥川賞を受賞したデビュー作。その文体や文学的探求で「三島由紀夫の再来か」とまで言われたという。当時は興味がなかったのでタイトルを知っている程度だったが、平野啓一郎という作家を知りたくて読んでみた。

 どこのレビューをみても、難解な言葉を振り回して知識をひけらかしているとか、平易な言葉にすれば読みやすくなるというような批判がある。三島は彼の文学的センスから溢れ出るものだが、平野は無理に難しくしているというものだ。しかし私はそうは思わない。これは平野のスタイルであって、表現方法の一つだ。それを読みにくいからと批判するのはちょっと違うように私には思える。

 この『日蝕』には途中からぐっと引き込まれ一気に読んだ。言われている難しい表現など、ほとんど気にならなかった。さすがに三島の再来とまで言われ、芥川賞受賞作品だと思った。難解だと批評しているレビュアーさんたちは、そうは言いながらもきちんと読んでいる訳で、やはり平野のファンなのだろう。もしかしたら彼の才能に嫉妬しているのではないのか。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.43
(5pt)

途中からグイグイ引き込まれた

史上最年少で芥川賞を受賞したデビュー作。その文体や文学的探求で「三島由紀夫の再来か」とまで言われたという。当時は興味がなかったのでタイトルを知っている程度だったが、平野啓一郎という作家を知りたくて読んでみた。

 どこのレビューをみても、難解な言葉を振り回して知識をひけらかしているとか、平易な言葉にすれば読みやすくなるというような批判がある。三島は彼の文学的センスから溢れ出るものだが、平野は無理に難しくしているというものだ。しかし私はそうは思わない。これは平野のスタイルであって、表現方法の一つだ。それを読みにくいからと批判するのはちょっと違うように私には思える。

 この『日蝕』には途中からぐっと引き込まれ一気に読んだ。言われている難しい表現など、ほとんど気にならなかった。さすがに三島の再来とまで言われ、芥川賞受賞作品だと思った。難解だと批評しているレビュアーさんたちは、そうは言いながらもきちんと読んでいる訳で、やはり平野のファンなのだろう。もしかしたら彼の才能に嫉妬しているのではないのか。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.42
(4pt)

しっかりした本が読みたい人におすすめです!

【日蝕の感想です】
ページ数は長く無いですが、難解な文章に慣れるまでは読者の努力が要求される本です。
しっかりした本が読みたい人にはおすすめです。
平野啓一郎に興味がある人もここから入るのがお勧めです。

常用でない漢字や表現が多用され、辞書は必須です。
キリスト教の派閥や中世の思想も知らないと読みづらいのでWikipediaも必須です。

文章は難解ですがこちらが理解できれば、中世ヨーロッパの空気感や若い主人公の感情・葛藤がダイレクトに伝わってきます。
「現代の三島由紀夫」と呼ばれるのも納得です。
エンタメ小説ではないので、ストーリーに期待はしないほうが良いと思います。
日蝕・一月物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.41
(4pt)

しっかりした本が読みたい人におすすめです!

【日蝕の感想です】 ページ数は長く無いですが、難解な文章に慣れるまでは読者の努力が要求される本です。 しっかりした本が読みたい人にはおすすめです。 平野啓一郎に興味がある人もここから入るのがお勧めです。 常用でない漢字や表現が多用され、辞書は必須です。 キリスト教の派閥や中世の思想も知らないと読みづらいのでWikipediaも必須です。 文章は難解ですがこちらが理解できれば、中世ヨーロッパの空気感や若い主人公の感情・葛藤がダイレクトに伝わってきます。 「現代の三島由紀夫」と呼ばれるのも納得です。 エンタメ小説ではないので、ストーリーに期待はしないほうが良いと思います。
日蝕・一月物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.40
(5pt)

感動しました。

平野啓一郎さんの「葬送」を読んで 日蝕も読みたくなり、購入しました。 とても良かったです。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.39
(5pt)

感動しました。

平野啓一郎さんの「葬送」を読んで 日蝕も読みたくなり、購入しました。 とても良かったです。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.38
(4pt)

「日蝕」「一月物語」は面白いが――。

平野啓一郎初期三部作の二篇である。
『葬送』をふくめて、ロマンチック三部作となる。
 新人賞を無視して、編集部に直截、原稿を郵送したうえ、《三島由紀夫の再来》と鑽仰され、『新潮』紙上に一挙掲載、爾時、最年少タイでの芥川賞受賞、受賞会見に登場した当時の風貌、盗作疑惑、などの話題を提供し、平野氏を、一躍、文壇の寵児とした問題作、「日蝕」、および、デビュー後第一作、猶且つ、芥川賞受賞後第一作となった「一月物語」を合本とした第二版である。
「日蝕」は、十五世紀の仏蘭西を舞台に、巴黎の神学部在籍の大学生である《私》が、『ヘルメス選書』の美品を渉猟するがために、異端信仰の瀰漫する里昂へ羈旅し、錬金術師らしい老爺の秘匿していた両性具有者の受難による奇蹟を体験する、という、幻想小説である。「日蝕」という題名が象徴するように、本作の主題は、二元論の転覆といえる。太陽と月、男の巨人と女の巨人、霊と肉が一致する、という奇蹟の一瞬が、現代における男女、善悪、正邪などの《日蝕》を暗示している。晦渋な漢語が頻出する文体が話題になったが、《三島由紀夫の文体》というよりも、《中島敦の初期短編の擬古文》に類似する。《中島敦の初期短編》――「山月記」や「名人伝」など――を、辞書なしで讀める読者ならば、然程、難儀することはない。平野氏自身は、《森鴎外の紀行文》を摸傚したと回顧している。
「一月物語」は、明治時代、神経衰弱を治癒するがために、奈良県の往仙岳まで一人旅をしていった青年、井原真拆が、幽玄なる山中の庵で、神秘的なる美女と邂逅し、幻想的なる恋愛の最涯てに、魔性による破滅にいたる、という、怪奇小説である。梗概からして、泉鏡花の「高野聖」を下敷きとしていることは当然だが、結末が対照的なのが面白い。文体は、「日蝕」よりもかなり讀みやすく、絢爛豪華な修飾語のオンパレードが剥奪されたぶん、スマートな印象をあたえる。
「日蝕」は、発表爾時より、《RPG的》《擬古文で執筆された普通の幻想小説》《『ベルセルク』などの漫画的》と批評され、「一月物語」は、前述のように、泉鏡花の追随作品であることはあきらかにすぎる。愚生は、斯様なる批判には首肯しかねる。浅田彰氏が《純文学とは、あたらしい方法を見出すジャンルであって、エンターテインメントとは、見出された方法を洗練させるジャンルだ》というように標榜していたはずだが、斯様に考察すれば、平野啓一郎氏は、《すぐれた純文学作家》というよりも、《天才的なエンターテインメント作家》といえる。爾来、ボルヘスの「バベルの図書館」をSF風の短篇にしたり、ドストエフスキーの『地下室の手記』を横書きの実験小説にしたり、という経歴をたどってゆく平野氏の文學観そのものが、《エンターテインメント的》とすれば納得がゆく。
 そんなこんなで、愚生は本作を高評価する立場である。
 本編そのものの評価は、《星五つ》としても問題ない。
 問題は、今回の《合本》というかたちでの第二版の販売方法と、《装幀》の変更についてである。本作は、《太陽の物語》と《月の物語》として好対照なので、二篇をもって二部作のように讀まれるのも納得がゆかないわけではない。そのうえで、恐縮ながら悲憤慷慨しているのは、《第二版の装幀がださすぎる》ということである。《装幀なんて、作品の価値とは関係ないだろう》と揶揄されるかもしれないが、装幀は作品の顔貌である。安部公房の『他人の顔』ではないが、《外面は自我同一性にすくなからず影響をあたえ》はしないか。個人的に、第一版の禍禍しい『日蝕』の装幀と、優美なる『一月物語』の装幀、其其に魅惑されたこともあり、購読したという経緯がある。第二版の《日蝕と月蝕の対比に題名をそえる》というだけの、《シンプル・イズ・ワースト》的な装幀は、如何しても、好意的に観賞できない。
 話題は飛火するが、装幀を変更すること自体に、愚生は反論する立場ではない。輓近では、三島由紀夫や安部公房の新潮文庫版が、大変美麗な装幀に改変されており、感動していた。反面、村上龍氏の『限りなく透明に近いブルー』や『コインロッカー・ベイビーズ』などの講談社文庫版が、あきらかに《ださい》装幀に変更されたことは、残念きわまりない。本作は、後者にあたる。
 後半の装幀批判は、われながら、莫迦莫迦しいともおもっているが、実際、本作は合本の第二版として、如何程、あたらしい読者を獲得しているのだろう。愚生は、僭越ながら、――本作を愛読しているからこそ――第二版の売上げが気懸りである。著作権などの問題から、第一版の装幀を復刻することはむずかしいだろうが、第三版を上梓されることがあれば、できれば、二篇分冊にはしてほしい。
 前述のとおり、作品そのものは《星五つ》である。
 同時に、合本や装幀の問題から、本第二版は《星四つ》とさせていただく。
日蝕・一月物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.37
(4pt)

この文体を最後まで使いこなせた作者の力量は凄い

普通、こういう文体で小説を書くと必ず何処かで息切れするものなのだけれど、これを最後までやりとおせた作者の体力はやはり凄いと素直に認めざるを得ない。 ただ、若さゆえか幾分冗長の感がある。 アンドロギュノスが登場するまで、もう少し短く出来たように思う。 それでも、この凝った文体で描かれた中世ヨーロッパの耽美的世界は、十分に魅力的だった。 確かに三島由紀夫の再来は言い過ぎかも知れないが、少なくとも自分は久しぶりに三島の『仮面の告白』を読み返したくなった。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.36
(4pt)

この文体を最後まで使いこなせた作者の力量は凄い

普通、こういう文体で小説を書くと必ず何処かで息切れするものなのだけれど、これを最後までやりとおせた作者の体力はやはり凄いと素直に認めざるを得ない。 ただ、若さゆえか幾分冗長の感がある。 アンドロギュノスが登場するまで、もう少し短く出来たように思う。 それでも、この凝った文体で描かれた中世ヨーロッパの耽美的世界は、十分に魅力的だった。 確かに三島由紀夫の再来は言い過ぎかも知れないが、少なくとも自分は久しぶりに三島の『仮面の告白』を読み返したくなった。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.35
(5pt)

15年前からの愛読書

平野啓一郎さんの一月物語には、近くの図書館で今から15年前に出会いました。それはまさに私が
探していた本そのものでした。1ペイジめから身震いするような感動をおぼえ、あっというまに
読み終えてしまいました。それからは、平野さんの本に夢中になり図書館の彼の本すべて読みました
私は詩を作りますが、彼の本は、とても情景が美しく私の心情にぴったりの本でした。
その後、その図書館で一月物語ばかり何ども借り、何度読んでも飽きませんでした。そうしたいきさつで、ネットで
販売しているのを知り飛びついた次第です。とても大切に宝物のようにそばに置いています。彼の新刊が出たらどんどん
読もうと思っています、ちなみに、彼の今までの本はすべて読みました。最後に立派なことは言えませんが彼は日本の
言葉をとても大切にしていると思います。
日蝕・一月物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.34
(5pt)

斯くヒトは存在の限界を超える!

完璧な・・・多様な意味で・・・完璧な物語を読ませていただいた・・・と思う・・・ これほど完璧に構築された物語を他に知らない・・・ 二元論の真の終焉:精神と肉体、西洋と東洋、資本主義と共産主義・・・現実と非現実・・・宗教と非宗教・・・ヒトと非ヒト・・・諸々の相克を一つに溶かし、存在の真実(真実の存在)に至ろうとする地平を提示している良書に出会えた! まずは御一読を!!
日蝕・一月物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.33
(4pt)

独特な世界観。

若手ながら実力派の名前を欲しいままにしている平野啓一郎のデビュー作。

ドミニコ会士の学僧であるニコラは、研究のための書物を探し求めていた。そんなニコラに司祭はとある村にいる錬金術師を訪ねるように助言する。半信半疑でその村を訪れたニコラ。だが、その錬金術師の生き様にニコラは打たれるものを感じ。

とにかく筆達者だなぁというのが最初の印象でした。
まるで大正か昭和初期の文豪の作品を読んでいるかのような文章は、とても若者が書いたとは思えないほどの出来です。

また、神の存在に対してどうしても疑問を抱いてしまう主人公の心情を丹念に描いているのも、とても興味深かったです。

小難しくてわからない部分もないわけではないのですが、それを差し置いても読んで損のない小説だと思いました。
現代文学の傑作のひとつです。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.32
(4pt)

独特な世界観。

若手ながら実力派の名前を欲しいままにしている平野啓一郎のデビュー作。

ドミニコ会士の学僧であるニコラは、研究のための書物を探し求めていた。そんなニコラに司祭はとある村にいる錬金術師を訪ねるように助言する。半信半疑でその村を訪れたニコラ。だが、その錬金術師の生き様にニコラは打たれるものを感じ。

とにかく筆達者だなぁというのが最初の印象でした。
まるで大正か昭和初期の文豪の作品を読んでいるかのような文章は、とても若者が書いたとは思えないほどの出来です。

また、神の存在に対してどうしても疑問を抱いてしまう主人公の心情を丹念に描いているのも、とても興味深かったです。

小難しくてわからない部分もないわけではないのですが、それを差し置いても読んで損のない小説だと思いました。
現代文学の傑作のひとつです。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.31
(5pt)

「体験」を体験する

著者の作品を読んだのはこれが初めてで、
擬古文というものにも慣れていなかったため、
はじめのうちは何と読み辛い本だと思いましたが、
作品の「神聖」な内容と擬古文が相まって、
徐々にその世界観に呑まれていきました。

作中の歴史的な背景や、
哲学的なテーマが伝えんとすることは
よく分かりませんが、
「日蝕」と「一月物語」に
共通して語られる主人公の鮮烈な「体験」の描写が、
個人的には大変印象的でした。

著者の言葉を借りて表現すれば、
世界を見ている私自身が、同時にその一部であるような感覚
を、私も人生で一度体験した記憶がありますが、
いまだにあれはなんだったのかと思い返すことがあります。
この2作品の特殊な世界観を通して、
真っ先に思い出したのはその時のことで、
主人公たちの奇妙な世界を追体験するような感覚で両作を読み進みました。

個人的に難解な部分はありましたが、
それ以上に非常に印象に残る作品で、
著者の他の作品にも手を出してみようと思えました。
日蝕・一月物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.30
(4pt)

天才だと思った

読み始めからびっくりする絢爛な文章。 日本語の表現。 酷評もありますが私は単純にすごいと思ったし、 この時代にこれだけの作家はなかなか現れないと感じました。 確かに難しいです。 両性具有についても理解に時間がかかった。 「文学」としての芸術品です。 他の人のレビューにあるように 思想から入っていますね。 頭のいい人だなという印象があります。 テレビで見てても 知的な顔つきをしてる。 読んでおいて損はない作品です。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.29
(4pt)

天才だと思った

読み始めからびっくりする絢爛な文章。 日本語の表現。 酷評もありますが私は単純にすごいと思ったし、 この時代にこれだけの作家はなかなか現れないと感じました。 確かに難しいです。 両性具有についても理解に時間がかかった。 「文学」としての芸術品です。 他の人のレビューにあるように 思想から入っていますね。 頭のいい人だなという印象があります。 テレビで見てても 知的な顔つきをしてる。 読んでおいて損はない作品です。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.28
(5pt)

合理の果ての非合理 理性の果ての非理性

著者のことが気になり出したのは、梅田望夫氏との対論であるウェブ人間論を読んで以来である。あくまで肯定的にインターネット・テクノロジーがもたらす社会の展望を語る梅田氏に対して、テクノロジーの恩恵を認めつつ、どうもそれに警戒感を捨てきれないらしい著者が、葛藤しながら言葉を紡ぐ様が妙に人間臭く印象に残っていたのだ。

で、そのウェブ人間論から遡ること約8年前に上梓された著者のデビュー作である。高潔な文体と筆運びの巧みさに打ちのめされると同時に、はぁなるほど、と変に納得させられた。すなわち、テーマはまるで異なるこの「日蝕」と先の「ウェブ人間論」が、自分の中で明確な一線で繋がったような気がしたからである。

やや独断になることを恐れずに言えば、著者の関心は一貫して、合理的な秩序を超えた世界にある。ただしこれは単純なオカルト志向とは趣が異なる。おそらく著者が拘っているのは、人間が合理化を徹底することによって、逆に非合理の世界を際立たせてしまうという過程なのではないか。だからこそ著者は、「合理的」な自然科学者のピェェルが両性具有者と交わる様を描くのであり、また世界の全てを「合理的」にデータベース化して検索可能にするgoogleのやり方に、薄気味の悪さを覚えてしまうのだ。

この小説に何か人生訓的なテーマを読み取ろうとするのはナンセンスだ。著者は単に彼の想うところの「非合理的な世界」の存在を、彼独自の美意識において提示したかっただけなのだ。擬古文の使用や、錬金術や魔女狩りといったモチーフは全てそのための手段と考えて良いと思う。然して、その印象は鮮烈なもので、その試みは大いに成功していると思う。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.27
(5pt)

合理の果ての非合理 理性の果ての非理性

著者のことが気になり出したのは、梅田望夫氏との対論であるウェブ人間論を読んで以来である。あくまで肯定的にインターネット・テクノロジーがもたらす社会の展望を語る梅田氏に対して、テクノロジーの恩恵を認めつつ、どうもそれに警戒感を捨てきれないらしい著者が、葛藤しながら言葉を紡ぐ様が妙に人間臭く印象に残っていたのだ。

で、そのウェブ人間論から遡ること約8年前に上梓された著者のデビュー作である。高潔な文体と筆運びの巧みさに打ちのめされると同時に、はぁなるほど、と変に納得させられた。すなわち、テーマはまるで異なるこの「日蝕」と先の「ウェブ人間論」が、自分の中で明確な一線で繋がったような気がしたからである。

やや独断になることを恐れずに言えば、著者の関心は一貫して、合理的な秩序を超えた世界にある。ただしこれは単純なオカルト志向とは趣が異なる。おそらく著者が拘っているのは、人間が合理化を徹底することによって、逆に非合理の世界を際立たせてしまうという過程なのではないか。だからこそ著者は、「合理的」な自然科学者のピェェルが両性具有者と交わる様を描くのであり、また世界の全てを「合理的」にデータベース化して検索可能にするgoogleのやり方に、薄気味の悪さを覚えてしまうのだ。

この小説に何か人生訓的なテーマを読み取ろうとするのはナンセンスだ。著者は単に彼の想うところの「非合理的な世界」の存在を、彼独自の美意識において提示したかっただけなのだ。擬古文の使用や、錬金術や魔女狩りといったモチーフは全てそのための手段と考えて良いと思う。然して、その印象は鮮烈なもので、その試みは大いに成功していると思う。
日蝕 Amazon書評・レビュー: 日蝕より
4104260010
No.26
(5pt)

気負いはあるが良作

文学会に切り込む気負いと硬さは感じるが、読み方によっては堀田善衛を連想させるような非常に美しい文体であり、近代純文学に対する作者の親しみと愛情を感じる。 読み始めは純文学へのオマージュ的なものかと思ったのだが、読み進めるうちに徐々にそういう穿った見方は蒸留されてゆき、美しいものだけが残った。 初期の習作としての要素も強いが、ひとつの到達点としても屹立している。 これ以降の平野作品もすぐれたものが多いが、日蝕のインパクトは忘れがたい。
日蝕 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 日蝕 (新潮文庫)より
4101290318