空の城

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

空の城の評価:

4.32/5点 レビュー 19件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.32pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全22件 21〜22 2/2ページ
No.2
(5pt)

人間のことが良く分かっている

実話である安宅産業破綻はどうして起きたのか、誰がどのような状況でどのように動いたのか、何が問題だったのか、問題ではなかったのかが良く分かる。良く分かるのは、作者の明晰な頭の中で、事件の構図と事実関係がトコトン良く消化されているから。イヤというほど石油精製技術のことやら、プロジェクト金融の仕組みやらの専門的説明が出てくるが、説明のための説明ではなく、小説の流れに必要な説明だから、面倒くさがらず読める。

どれだけ専門用語が多くても、松本清張のほかの小説同様、煮詰めれば究極のテーマは人間の性(さが)そのものであり、十分にそこに到達している。

また、日本サラリーマン社会のだらしないモラルハザードもアウトサイダーの清張さんでなければ、ここまで深く掘り下げられなかっただろう。

登場人物らが、「破綻」後、どのような人生を送ったか、小説には描かれていないが、とても興味がある。
空の城―長篇ミステリー傑作選 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 空の城―長篇ミステリー傑作選 (文春文庫)より
4167697262
No.1
(5pt)

怪演

安宅産業の崩壊を描いた企業サスペンス的な大筋とは別に、企業が危機に瀕している中、大量の高価な骨董を自分の審美眼で蒐集し続けた二代目社主の在り様になぜか惹きつけられます。社員からすると迷惑な御仁だし、やることは二代目ドラ息子以外の何ものでもないのですが、事実なのか松本清張氏の筆によるものなのか、一人最初から最後まで淡々と漂っている、浮世離れした不可思議で奇怪な老人。映像化が多い松本氏の小説の中でも特に映像向きだと思うのですが、映像化は確かNHKドラマ「ザ・商社」1回のみであったような。忘れがたいキャラクターです。
空の城―長篇ミステリー傑作選 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 空の城―長篇ミステリー傑作選 (文春文庫)より
4167697262