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ユービック
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ユービックの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 1~20 1/3ページ
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短篇『宇宙の死者』と同様の世界観を持った本作。つまり、人間が死後、或る程度の期間「半生状態」にあるという未来だ。遺体は安息所で冷凍保存され、遺族は棺を通して半生者との脳波の交換、対話が可能だ。そして、「半生期間」が終わると本当の死が訪れるが、その期間は人それぞれだ。 また、超能力者の存在が当たり前になっている未来では、反作用的に自然発生した反能力者「不活性者」達が居るが、これも短篇『超能力世界』と同じである。 しかしながら、そういった舞台設定こそ短篇等と共通しているものの、ディックは全く別物の傑作を生み出した。 金銭にだらしがなく生活に困窮している普通人の技師 ジョー・チップは、不活性者達が勤務し、超能力者達から人々をガードすることを目的とした警備会社に所属していた。 彼の雇い主のグレン・ランシターと11人の不活性者達と共に、ジョーは超能力者を引き連れた敵対組織と対決するべく月面へと向かう。 しかし、到着直後に強烈な爆破を受け、ランシターは瀕死の状態に陥る。 辛くも逃げ帰ったジョー達は、絶命する前にランシターを半生状態にしようと努めるが、脳波の動きこそ確認できるものの、彼との会話は成立しない。 そしてジョー達の周囲に異変が起き始める。 タバコ、コイン、コーヒー、車、あらゆる物が古びていく。やがて街並み自体も含め、全てが1939年に向かっていく。 異変はもう一つ。それは、映話機、広告、テレビ、それらからランシターの一方的なメッセージが届き出したのだ。 不可思議な退行現象の中、仲間が一人ずつ急速な老化で死んでいく。 ジョーは、ランシターからのメッセージに基づき、唯一この退行を止められるという「ユービック」を入手しようとする。 退行現象の原因は? ジョー達の敵は何者なのか? これは現実なのか? 謎、謎、謎、全てが謎だ。 少し暗めなムードで進行する本作。 ディックの作品中でも極上に面白いSFミステリーだ。 | ||||
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昨日、体調不良で休んでる時に読みました。そのせいか、疲労感が半端なかったです。もしかして自分も半生者?って、それぐらい体力と気力に影響するような世界観でした。私もユービック欲しいです。 とてもおもしろい話なので、おすすめですが読むのは元気な時がいいかなと思います。 | ||||
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そもそもどのような理由で予知能力者が活用され、いかなる根拠によって反予知能力者が活躍するのか、などの説明的なセンテンスが一切省略されているので、読者は見知らぬ街にガイドなしで放り出されるに等しい経験をする。しかしそれは本書に限ったことではなくて、ディック作品にはおなじみの経験でもある。読み進むうちにその世界の結構が次第に明らかとなる場合もあるが、必ずしもそうはならない、というのもディック作品のもう一つの特徴だが、本書は後者。時間が退行する、すなわち物がそのアイデンティティを保ったままより古い形式へと変化するという、およそ他にはあり得ない奇妙な世界設定――そしてそれは予知能力者云々とは関係がない――だけが、ほぼそれだけが本書のいわゆる「肝」なのだが、それだけでこんな(良い意味で)こんなわけのわからない物語ができあがるのだ。裏の設定は『宇宙の眼』に通ずるものがあり、他方で『ヴァリス』へと至る隘路も垣間見える。全体として陰鬱なトーンに覆われた一種の鎮魂歌。 | ||||
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面白いです。他のレビューでもありましたが、確かにジョジョっぽいです。能力者も出てくるし、途中まで正体不明のスタンド攻撃されているような、ジョジョでありそうな展開が面白いです。 生と死の狭間の世界観、時間後退、パラレルワールド的な描写もあり、 今でこそ映像や漫画で、絵として表現された難解な世界観の作品に多く触れられるからこそ我々は場面をイメージできるものの、 作者執筆当時にこのような現実離れした世界観を創造したことはすごいと思います。 哲学的で、かつミステリーの要素もあり、頭を使いますので、読んでて楽しいです。 登場人物の誰が誰なのかが、ちょっと分かりにくかったです。 | ||||
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出てくる女性がセクシーで最初楽しみながら読み進めたが段々と雲行きが怪しくなってくる。 自分が死んでるのか生きているのかもわからない世界で敵が誰でも味方が誰かもわからない。 読み進めるのに難しくはなくどんどん読みたくなる。 生理的に嫌な敵を描かせたら右に出る者がいない。 | ||||
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よくできたSF小説という印象。人間の精神世界を題材とすることが多いだディックの作品の中では読みやすく、筋のとった一品ではないかと思う。人間の死の概念とそれに到達する過程(時間感覚)が面白い。 | ||||
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作品はいいので割愛。 読んで損はないと思う逸品。 日本の少年漫画にもけっこうな影響をもたらしているんじゃないかと思う。 ジョジョのスタンドの源泉もこのあたり? 五部の使い手のそれに似てると思う。 とにかく裏表紙だけは読まないでほしい。 終盤までのネタバレが平然と書かれており、多少のミステリ要素が台無し。 | ||||
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死後に身体だけ生きているのがゾンビだけど、こちらは脳だけまだ生きている状態を扱ってます。脳死までの時間を引き延ばせば確かに現実世界と交信できそう。そしてその頭の中の世界もきっとこんな夢のような世界になると思う。アイデアがすばらしく独創的で驚きました。付随的に自分が普段見る夢のとんでもない変貌にも興味がわきました。 | ||||
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寝ながら聞いてて、ウトウトしていたら、本気でうなされて、 トイレの落書きのシーンとかで自分がハーフライファーの気分になったりして 良い意味で(?)、寝起きに本当に気持ち悪くなりました。 さすがのPKDだと思った。 | ||||
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有名なSF作家とのことで、最初に「アンドロイド〜」を読んだのですが面白さを見出せず、この著者の作品は私には合わないのかと思っていました。 しかしこちらは本当に同じ著者なのかと疑うくらい面白くてびっくりしました。 最初は期待もせず読みはじめたので、チープでユーモアな世界観を鼻で笑っていました。 そしてそのまま読み進めていくと、どんどん現実が崩壊し陰鬱な状況になっていくので、この世界観は一見アンバランスです。 しかしそのチープさとユーモアが、崩壊する現実の不安定さと不気味さをどんどん際立たせて、何とも言えないこの作品独特の雰囲気に大きく貢献しています。 鼻で笑っていた自分が愚かで恥ずかしい…。 ありそうでなかった展開と、ぶっ飛んだ発想と、秀逸なミステリー要素が絡み合って、エンターテイメント性が非常に高いストーリーも素晴らしかった。 そして普通には終わらせない、あのラストもまた良かったです。 不活性者が無駄に多くて把握しづらいところと、翻訳が古いのか読みづらいところが残念でしたが、新訳が出たら読んでみたいと思わせてくれるくらいの傑作でした。 | ||||
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カバーが旧版で残念でした。中身は一緒だから良いか。 | ||||
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学生で「エルドリッチ~」読んだが、時間逆行もなだらかでなく、技術が象徴するイデアごとデジタルに戻るのはギャグに思えた。 | ||||
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"ノブをまわし、リリース・ボルトをひっぱった。ドアは開こうとしない。そしていう。『五セントいただきます』彼はポケットをさぐった。もう硬貨はない。一枚も。『あした払う』彼はドアにそういって。もう一度ノブを回した。"1969年発表の本書は"電気羊"をおさえてPKD総選挙1位に輝いた傑作長編。 私的には最近、著者の『高い城の男』を原作にした海外ドラマにどっぷりハマっていることもあり、未読のまま積ん読になっていた本書を手にとりました。 さて、そんな本書は1992年のニューヨーク、相手の心を読む予知能力者が普通に存在する世界を舞台にして、ある事をキッカケに起きる時間退行現象をサスペンスフルに描いているのですが。 まず印象的なのは、様々な場面で嫌がらせの様にお金を要求されるシーンの描写でしょうか。全てのモノがインターネットに接続する"Internet of Things『IoT家電』の未来を予見していた?と好意的に捉えたとしても【自分だったらストレスフルな生活環境に苦痛を感じるだろうな】と邪推したり。 一方で、物語としては予知能力者集団と、それを中和する不活性化集団(反予知能力者集団)による異能力バトルに終始していくのかと思いきや【前半の3分の一くらいを過ぎた辺りで】予想を軽く裏切る謎めいた展開、そしてラストはどんでん返しと著者特有の"揺らぎ"が魅力たっぷりに感じられる展開に圧倒され【うん。これは面白い!ぜひこれも映像化してほしい!】と読後に思いました。 著者ファンの方はもちろん、あの世と現世、未来と過去、リアルとバーチャルが複雑に組み合わさったミステリー、サスペンス好きな方にもオススメ。 | ||||
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電気羊とマイノリティー・リポートしか知らなくて、電気羊=ディック、と思ってたらとんでもなかった!小説として物足りない点というか少々違和感があった点は、あれ?この人が主人公なの?と途中から視点人物がズレた感があるところ。でもそのあたりから俄然おもしろくなるのでもあり。 気持ち悪い!というレビューがあって心惹かれて読み始めましたが、その意味が読んでみたらよく分かった。読んでてめまいがし始めるんです。現実感覚にヒビが入りだすんですね。小説の中の人物同様。読み手の側も。 トム・クルーズの映画のでいいので、プリコグ、という存在をなんとなく分かってから読むのをおすすめします。 いやあ、ディック、見直した!天才! | ||||
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月面に結集した、ジョーたちを、待ちうけていたのは、敵の罠でそれ以降、時間退行現象に悩まされる。さらにディックの十八番、ジョーたちは、すでに半死状態で冷凍保存されているのだ。こうなると、夢と現実が交差して、デッィク特有のパラレルワールドが展開する。ラストでは楽しいどんでん返しが待っている。 | ||||
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まだ全部聞いてませんが、後悔しない品質なのは、間違いありません! | ||||
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裏表紙のあらすじは見てはいけない、即スプレーで塗りつぶした方がいい ゆっくり噛みこんで読めば面白い、さすがに時代は感じてしまう リニューアルしてSF映画化すれば凄く面白そうな内容 | ||||
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個人的にはディック作品の、目の前にある現実が崩れていくかのごとく感じられるあたりが大好きです。本作「ユービック」も、読み進めていくなかで虚実が入り混じり、何が真実なのか全く分からない世界に放り込まれたかのような不安定な感覚を味わえるあたりに、たいへん読みごたえがあったと感じています。 一時期、映画「エターナルサンシャイン」を撮った監督ミシェル・ゴンドリーが映画化を計画しているという話がありましたが、続報が聞こえてこないのは寂しい限り。個人的には、デヴィット・フィンチャーが映画化しれくれると嬉しいけど…と、脳内で映像化を想像しながら、また読み返して楽しみたいものです。 | ||||
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『マイノリティ・リポート』(映画)が大好きで、その原作者のSF‥ということで手に取りましたが、期待をはるかに上回りました。 中盤からの怒涛の世界崩壊が圧巻で、映画を超える没入度を味あわせてくれます。 誰が死んでいて、誰が生きているのか?「犯人」(がいるとすれば)は何者なのか? 現実と非現実が入り乱れ、説明し難い現象が連続する中で、混乱し、傷付き、立ち向かう主人公の感情が、紙面から流れ込んでくるようです。 しかし、決して不条理のみで終わる話ではなく、一つの「解」が提示され、意表をつく視界が開けます。そして最後の最後で...何はともあれオススメです。 | ||||
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PKD総選挙で、堂々の第一位!っていうことのようだけど、SF物語としてはどうなん?って感じがしないでもない。前半三分の一くらいまで、つまり、ランシターが爆風と共に去りぬ!っていうとこまでは、翻訳の古くさも手伝って、2018年の新春に読むにあたっては、めっちゃ&むっちゃきっしょい!きっしょい! オリジナルのリリースが1969年で、物語の舞台設定が1992年ということだけど、この時代設定を見る限り、まあね、2018年に読む者からすればそうかもしんないけど、少しばかり、PKD先生は想像力が乏しいなあ!って感じなんだな。 で、この辛気臭い日本語翻訳。山形あたりの新訳を期待したいもんだな。 | ||||
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