ユービック

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評判

ユービックの評価:

4.46/5点 レビュー 50件。 B ランク

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平均点4.46pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全99件 61〜80 4/5ページ
No.39
(5pt)

皮膚感覚を刺激するエンターテインメント

今年2011年に改版されたようで書店で平積みになっていたので手にとりました。ディックの長編を読むのは3冊目です。

超能力者とその能力を中和する能力を持った者、半生命の概念などの魅力ある設定。そして話の展開はスリリングでミステリチック。登場人物の活躍もなんだかランダムぽくて、重要人物だけ気にかけているわけにもいかない緊張感も持続する--ストーリーを追いかけるだけでもエンターテインメント性は十分です。
しかもその中でなにが現実なのか、生死がどう切り分けられるのか、SFでなければ描けない世界でありながら、遠い想像の先にあるものとしてではなく、非常に現実的な皮膚感覚として実感できるところがちまたで言われるディックらしさなのかなと思います。

ディッキアンなんて言葉もあるくらいなので、読むならとことん全作品を読まないとダメなのかな、と思いこみこれまでかえって敬遠していたのですが、少なくともこの作品は他との比較や時代的な文脈がなくても面白く読める作品でした。

ただ私自身は、ネットの情報氾濫のせいか、反応が即物的になりがちだった自分を反省して、ディックに本作品のような、すぐに言葉で切り返せないような皮膚刺激を与えてもらうといいかな、と思ったので、他の未読作品も続けて読むつもりです。
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.38
(5pt)

銭は無慈悲な世界モデル検証システム

「偽物」が存在する事で社会経済的に最も困るのが「贋金」の存在。
ディックの他の作品、例えば『電気羊』では電子マネー化したクレジットカードの
様になっているし、『流れよ我が涙』では世界強制変換が起きても主人公の
持っている500ドル紙幣や1ドル金貨は元のセカイと全く同じものが流通している。
たしか「パーマーエルドリッチ」だと思うけれど、何でも複製可能な
近未来社会で唯一複製不可能なのがアルファケンタウリ近辺の動物のスキン。
この生物のDNAだけは複製不能なので「贋金作り」が出来ない。

『ユービック』では「真実」を伝えるものが「文字情報」だけど
御立派な権威者によって書かれた「書物」ではなく、「トイレの
落書き」が「真実」を伝える。

「おまいらわ既に『真実』られている」と。

しかし、「本当」に真実られていたのがどちらだったのか、小説のラストでは
銭がそれを暗示して終わる。「言葉」では何とでも言える。しかし、銭はもし
贋金でなければという条件付きで、「ウソ」はつかない。
LTCMの大損もアジア通貨危機も似たようなもの。サブプライムローンの
デリバティブ化も同じ。あと、その他諸々・・・

「おまいらわ既にマミられていた」のよ。スナック菓子が食べられなければ
チョコレートケーキをお食べなさい、キョコちゃん。ベルリオーズは御嫌いかしら?
『幻想交響曲』の第n楽章「断頭台への行進」は?
『流れよ我が涙』のダヴァナーさんは御好きじゃなかったみたいけれど。

ところで、日本史上興味深いのは室町期には既に貨幣経済社会になっているのに
和同開珎富本銭以降、日本国内で貨幣鋳造をせず中国から銅銭を輸入していた事。
そのため「悪貨が良貨を駆逐し」ないように「選り銭」をしていた。

あーなんか「貨幣論」みたくなっちゃったー
あとMAGICAとか混ざってるしー
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.37
(2pt)

あんまり

ディックのいつもの時間退行や不活性者が出てくる話。

出だしにはワクワクさせられるものの、真ん中部分はダレてかなり退屈、終わりで急に盛り上がる。

なんだかアンバランスな作品。
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.36
(5pt)

ディックは彼岸の夢を見るか?

ディックの作品の特長のひとつである、”幻視感”が最も色濃くでた作品だと思います。いろいろな意見があるでしょうが個人的にはディックの作品をいくつか読んでいる人向きだと思います。初めてのディック作品ということなら、むしろマイノリティーリポート等の方が作品の良さを率直に楽しめると思います。しかしディックのエンターテイメント的な他の作品にはない”何か”があります。 イナーシャ(不活性者)のチームが、能力者を抱える企業と対決するために、月面上の植民基地に出向いていくわけですが、そこで爆弾テロを受けイナーシャ側の責任者が瀕死の重傷を負ってしまいます。部下達は月から脱出し、彼を延命させるため冷凍処置をしてスイスの”安息所”に向かいますが、月での爆発事件を境にして、少しずつ現実が夢に浸食されてきて、やがて夢と現実が渾然一体となってゆきます。読者は主人公のジョーと共にその悪夢のような世界に入り込んでいくわけですが、はたしてジョーが仲間と共に夢を見ているのか、それともジョーが誰かに夢見られている存在なのか、あるいはそもそもの初めから、これらは夢そのものであったのか。読者は”小説を読む”という行為の前提までもが揺すぶられ、不安と混乱に陥れられます。しかしたとえ論理的な矛盾があったとしても、つい考え込まずにはいられない不思議な魅力がここにはあります。いったい月面基地で何が起こったのか、どこまでが現実で、どこまでが幻なのか、ぜひ一読して謎解きに挑戦してみてはいかがでしょうか。
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.35
(5pt)

「合意された現実」の裏側―「遍在する神」

交錯する「現実」と「悪夢」。――ひょっとすると、この世界は、何者かがうなされながら見ている「ナイトメア」なのではないか? そこに生きる「私」とはなんだろう?「真実」の世界は、実は「現実」という歪んだスクリーンによって覆い隠された、その「裏側」にあるのではないか?

それを、露わにする「ユービック・スプレー」なる「ガジェット」―― いかにもメタフォリカルではないか。「ユービック(UBIK)」―― これはラテン語の「 ubique 」すなわち「神の遍在」に通ずる・・・「新プラトン主義」あるいは「グノーシス」的世界観に近い・・・。

こうした、ディック作品に見られる基調的なモチーフが、比較的、平明に描かれている傑作である。
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.34
(4pt)

破綻しそうでしない幻惑怪奇

たしか、ディープなファンの話し合いでディック長篇の面白さ一位をとった作品。

破綻しそうで破綻しない困惑したストーリーが、最後見事に論理的に納得いく形で集束する。

初心者には難しいかも。退廃していく世界を映像化したら格好よさそう。
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.33
(5pt)

珍しく話がうまくまとまってます(笑)

大実業家スタントン・ミックの依頼を受けて、超能力者狩りを行うべく月面に着陸したランシター合作社の11人の不活性者たち。しかしそれは、超能力者集団・ホリス異能プロダクションが仕掛けた巧妙な罠であった! 

 超能力者側の爆弾で社長のランシターを失ったジョー・チップら不活性者は辛くも月から脱出するが、地球に戻った彼らは自分たちの周りで異変が起こっていることに気づく。喫茶店で出されたコーヒーは腐っていて、ポケットから取り出した貨幣はもう使われていない古いもの。そして彼ら自身の身体も老化し始めていた・・・・・・全てのものがとめどなく朽ちていく死の世界。

 そしてこの退校現象を食い止めることができるのは「ユービック」と呼ばれるスプレーだけなのだ。ジョー・チップはユービックを、そしてこの異変の原因を求めて、必死の探索に乗り出した!

 超能力者、不活性者、そして半生者。灰色の世界は時間退行現象によって益々グロテスクになっていく。ミステリ仕立てのサスペンスフルな展開と、次々と明かされる意外な真相。絶望的な圧迫感と巧妙なプロットは、ディック作品の中でも出色の出来映えだ。孤軍奮闘するジョー・チップの姿も感動的。ディックらしからぬ(笑)、見事な結末もいい。
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.32
(5pt)

初心者の方におすすめです。

すごくひきこまれる作品です。ディックの難解さや破綻がなく、明快です。初めての人にはこれがよいと思います。ユーモア、悪夢的世界、救済などディックの要素が理解できると思います。
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.31
(5pt)

ディックのベスト3に入れたいですね

珍しくストーリーに破綻が無い。いつもの彼らしくなく(笑)良く書けているし、エンターテイメントしている。登場人物のほとんどは一種の超能力を持っているが、実はそれぞれ鬱病にかかったような変人だらけであり、主人公は、天才的な技師ではあるが、性悪女に振り回されしかも、一文無し。物語が始まって間もなく、希望も出口も無しの悪夢のような世界に突き落とされる。それから必死で生き残り(?)をかけてがんばる、がんばる、がんばるのである! というもう、どうしようもなくディックな世界。各章の最初に、"ユービック”のコマーシャルがついているのが印象的。ずっと楽しくしかも陰鬱な気分で(いや楽しさと陰鬱な気分って両方成り立っちゃうんですね、ディック読むと)思わず知れず読み進んでしまうが、ディックメーターが振り切れるのが、315ページから。そこまでで最悪の出来事が続いたところにやっと明かりがさして来たところだったのに、そのページでさらにねじ切れて深い余韻を残して終わる。大傑作だ。
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.30
(4pt)

時間が退行する!?

そういった発想だけでも面白いのに、どこまでも落ちていくようなサスペンス性の上手さが抜群な1冊。凄くSFとして基本的なことを書き、最終的な終わり方まで伏線などを含め、大変しっかりとしている作品です。SF入門の一つとしても良いのではないでしょうか。
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.29
(3pt)

まあまあ

個人的にディックにしてはマトモ過ぎて、つまらなかった。
そのため読み易いという人もいるんだろうけど。
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.28
(5pt)

ディック入門書に最適

ブレードランナーを観てディックを読み始める人が多いと思うが、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」よりこちらの方がディックの世界を理解しやすいと思う。 中盤のどうしようもなく重い倦怠感は、疲れたときに読むとますます重く、窒息しそうになる。 ディック世界の究極の作品は「ヴァリス」だと思うが、まず「ユービック」から入ることをお薦めする。 この世界が好きか嫌いか。 ディックを読む、一つの指標になるのでは?
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.27
(4pt)

本家、マトリックス

「虚空の目」と同様に、アナザーワールド物の原点。(ブラウンの「発狂した宇宙」の方が古いが。)まさにマトリックスのもとになったような作品。超能力軍団に、逆行する時間、不思議な小道具、PKDの世界が堪能できます。自分が目の当たりにしている世界が本物なのか、読者を不安にさせる結末も見事。
ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: ユービック (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J8LL0Q
No.26
(2pt)

ちょっとなあ・・・

P.K.ディックの名作「ユービック」を映画にしたら?という構想のもと、脚本風に再構成された本作。
読みづらく、P.K.ディック特有のストーリーテリングの巧みさが生きていない。
いつもの「早く次のページをめくりたくなるような」ドキドキ感もなく、淡々と繰り返されるセリフにはちょっとうんざり。
何のために発刊されたのか不明な一冊だと思います。
ユービック:スクリーンプレイ (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ユービック:スクリーンプレイ (ハヤカワ文庫SF)より
4150114412
No.25
(3pt)

ラストが読み解けず

神、悪魔、存在、意識と認識などと小難しい事が好きな人はちょっと読んでみて。そして、ラストを読み解いてもらいたい。
作品の面白い所は”退行”する時間感覚と”暗示”、そして現れる真実と謎。
ユービック:スクリーンプレイ (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ユービック:スクリーンプレイ (ハヤカワ文庫SF)より
4150114412
No.24
(3pt)

あのディックが映画脚本を書いた!

ゴダールとも共同監督したことがあるというジャン・ピエール・ゴラン監督からの誘いで、ディックが脚本を書いた。映画の企画自体は頓挫した(笑)。

結果的にこれはレーゼシナリオになってしまった?アメリカ中西部ミネソタ州ミネアポリスの小出版社(ラファティ作品の出版でも知られるコロボリー・プレス)から単行本化された。

脚本は普通、舞台となる場所の名前を書いた「柱書き」というものがありますが、これはそのようには書かれてません。ト書きの中に情景描写がされている。

オースターの「ルル・オン・ザ・ブリッジ」と同じく、有名な小説家が、シナリオ形式で書いたことがある、という先例としての価値はある。

しかし思うのだが、小説にとっては実験的で斬新なことが、シナリオ形式だとそれほどでもなくなってしまうことがあるね。
ユービック:スクリーンプレイ (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ユービック:スクリーンプレイ (ハヤカワ文庫SF)より
4150114412
No.23
(5pt)

少し翻訳が古臭いけれど、紛れも無い傑作

ブラックユーモアの効いた、また同時にポップな印象すら感じる傑作だと思う。
物語は滑稽ですらあるけれど、ディック特有の安っぽいSF的道具立てと世界観が素晴らしく、そしてそれ以上に物語そのものが抜群に面白い。
ほとんど漫画的なまでに描かれる超能力者たちをとりまく金や出世や嫉妬の悩みに満ちたチープな未来世界や、日常に侵入し始めた不可解な物理法則が作り出す時間や老化現象の奇怪さ、そして「ユービック」を売り込むための滑稽なほどの出来の悪いコマーシャルやコピー。
「火星のタイムスリップ」やこの「ユービック」はいろんな意味で、ディックのブラックなユーモア感覚が存分に楽しめる遊園地のような作品だと思う。

最近、英語の原作も読んで気がついたが、浅倉久志さんの翻訳は平易で読みやすく素晴らしいものの、さすがに1970年代の翻訳ということもあって、少し不必要に訳しすぎていたり不自然な部分も見受けられないわけではない(今の時代ならカタカナで通じてしまうような)。作中の時間逆行の部分ではその古臭さがハマっていい味を出しているのだが、同時にSFらしいスタイリッシュさを消している部分もあって、新しい翻訳で読んでみたい気もする。
ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314) Amazon書評・レビュー: ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)より
4150103143
No.22
(5pt)

ばっちり

小説は面白くて、楽しめれば、星5つでしょう。理屈は他の方に任せて、兎に角、次の本を読みたくなる。月並みですが、傑作と思います。
ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314) Amazon書評・レビュー: ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)より
4150103143
No.21
(5pt)

昔はレムが書いたら傑作になってたのに、と思ってました

今は、正反対の評価です。日常生活の中に、突然、裂け目が出来る感覚を、軽いタッチで見事に表現しています。生きることは、少しずつ死ぬことだ、と言う真理をガキだったわたしに強く印象づけました。レムなら哲学論で台無しにしてたでしょうね… 深読みしたくなるほど、表面上はストレートなSF傑作です。
ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314) Amazon書評・レビュー: ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)より
4150103143
No.20
(5pt)

境界の曖昧さを恐怖で描く物語

冷凍保存された「半生状態」の死者と交信することのできる世界。
物語は、超能力者集団を率いるホリス異能プロダクションと、 異能現象を中和させることのできる不活性者集団を率いるランシター合作社の対立で始まる。
ある日、 ランシター合作社の経営責任者であるグレン・ランシターのもとに、自社に潜む超能力者を一掃してくれという依頼が入る。大規模な案件であるため、グレン・ランシターは右腕のジョー・チップに不活性者を選抜を託す。そして、厳選された不活性者11人、ジョー・チップ、グレン・ランシターの一行は依頼の地「ルナ」へ旅立ち、そこで依頼主であるスタントン・ミックに出会う。
しかし、その現場からは、超能力者の存在を表す磁場が検出されない。するとその直後、スタントン・ミックと思われたその「自爆型のヒューマノイド爆弾」が炸裂。
そう、これは有能な不活性者を一掃しようとした、ホリスの罠だったのである。
この爆発でグレン・ランシターは絶命の危機にさらされるが、不活性者およびジョー・チップの懸命の逃走劇の末、冷凍保存で一命を取り留めたまま地球へと帰還することとなった。
「半生状態」になったグレン・ランシターであったが、ジョー・チップが何度も交信を試すものの、なぜか繋がることができない。ランシター合作社の経営を引き継ぐ立場にあったジョー・チップは途方に暮れることになるが、『異変』はここから始まる。
通貨価値の崩壊、すさまじい速度で進む物質の劣化、時間(あるいは時代)の退行、そして不活性者の変死...。
異変にまみれた奇妙な世界で、ジョー・チップは何を見ることになるのか。そしてタイトルでもある『ユービック』の正体とは!?

フィリップ・K・ディックの真髄である「境界のあいまいさ」が、これでもかとばかりに描写された作品です。「生と死の境界」「現実と仮想の境界」「退行と進行の境界」「虚構と事実の境界」...。私たちの実生活においても、一体どれだけのモノを『実体』として受け止めているのだろうか、と考えさせられる内容でした。目の前のモノを『実体』として手にしたいとき、私たちにも『ユービック』が必要になるのかもしれません。
ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314) Amazon書評・レビュー: ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)より
4150103143