(短編集)

アイの物語

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評判

アイの物語の評価:

4.66/5点 レビュー 92件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.66pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全172件 141〜160 8/9ページ
No.32
(4pt)

思い込みの、落とし穴

アイが語った物語も、アイ自身の物語も、どの話もよかったのですが、SFに登場する用具や言葉が、こんなにも人の心理をついたものだとは知らなくてすごく驚かされました。
物語では、けっこう現実の世の中への皮肉が交じっているような気もしますが、アイの視線がすごく優しく感じられました。
アイの物語 Amazon書評・レビュー: アイの物語より
4048736213
No.31
(4pt)

思い込みの、落とし穴

アイが語った物語も、アイ自身の物語も、どの話もよかったのですが、SFに登場する用具や言葉が、こんなにも人の心理をついたものだとは知らなくてすごく驚かされました。
物語では、けっこう現実の世の中への皮肉が交じっているような気もしますが、アイの視線がすごく優しく感じられました。
アイの物語 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: アイの物語 (角川文庫)より
404460116X
No.30
(4pt)

「詩音が来た日」の為だけにでも買うべし!

「詩音が来た日」が最高です。泣きました。
むしろ、この単品が欲しかった。
最終話の「アイの物語」は、「詩音が来た日」ほどの感動は正直無かった。
ヒトとマシンの過去に何があったのかということも思った程のインパクトとカタルシスが無い。
普通にアンソロジーとして最終話に「詩音が来た日」持ってきたほうが読後の満足感があったのではないかと思う。
アイの物語 Amazon書評・レビュー: アイの物語より
4048736213
No.29
(4pt)

「詩音が来た日」の為だけにでも買うべし!

「詩音が来た日」が最高です。泣きました。
むしろ、この単品が欲しかった。
最終話の「アイの物語」は、「詩音が来た日」ほどの感動は正直無かった。
ヒトとマシンの過去に何があったのかということも思った程のインパクトとカタルシスが無い。
普通にアンソロジーとして最終話に「詩音が来た日」持ってきたほうが読後の満足感があったのではないかと思う。
アイの物語 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: アイの物語 (角川文庫)より
404460116X
No.28
(5pt)

人間のスペックとは?人類の壮大な夢、ここに完結

適切に形容する言葉がない。山本弘氏に敬意を表するのみ。

内容については多くは述べない。『機械とヒトの千夜一夜物語』と帯にあるコピーがぴったりで、人間という知的(?)生命体のスペックで到達できる限界はどこなのか、に正面から挑戦した作品(と思う)。ラストはかつてない壮大な夢の完結を予想させると同時に清々しい感動を覚えた。

個人的には『と学会』の書をよく読んでいたが、文学(SFというカテゴリーでくくるべきではなくこれは文学である)としての山本氏の作品は初めて読んだ。SF小説を読むこと自体が星新一や小松左京以来、20年以上も遠ざかっていたのは、SF作品が紙媒体の本で読むよりも映画の方が優れているのではないかと考えていたせいかもしれない。氏がこれほどすばらしい作品を書いていたと驚くと同時に、自分自身はひどく反省した。どんなSFも映像化できると高をくくっていたが、この作品は映画にできない、というよりは文章であるが故に輝いている点が多いように感じる。当然読みながら情報を頭の中で映像化している訳で、内容を単純に映画にすることは可能かもしれないが、本小説を読んだ瞬間の感動は映画では再現不可能な気がしており、小説のすばらしさと奥の深さを再認識させられた。

前後逆になるが、本書を読む前に同氏の『宇宙はくりまんじゅうで滅びるか?』を読んでいたところ、この本は本書を読む前のよきウオーミングアップになった。まだ本書を読んでいない方は先にそちらを読むことを勧めたい。『宇宙は...』はレイヤー0であり、『アイの物語』はレイヤー1より先の話だ(この意味は『アイの物語』を読めばわかる)。

似非学者にツッコむ資格十分で、『SFはこんなに面白いんだぞ!(宇宙はくりまんじゅうで...)』と叫ぶ氏の集大成であり、その主張を支持したい。SF好きにしか本書は売れないのかもしれないが、そうでない読者にも広く勧めたいと感じる懇親の作品であった。文句なく最高点。
アイの物語 Amazon書評・レビュー: アイの物語より
4048736213
No.27
(5pt)

人間のスペックとは?人類の壮大な夢、ここに完結

適切に形容する言葉がない。山本弘氏に敬意を表するのみ。

内容については多くは述べない。『機械とヒトの千夜一夜物語』と帯にあるコピーがぴったりで、人間という知的(?)生命体のスペックで到達できる限界はどこなのか、に正面から挑戦した作品(と思う)。ラストはかつてない壮大な夢の完結を予想させると同時に清々しい感動を覚えた。

個人的には『と学会』の書をよく読んでいたが、文学(SFというカテゴリーでくくるべきではなくこれは文学である)としての山本氏の作品は初めて読んだ。SF小説を読むこと自体が星新一や小松左京以来、20年以上も遠ざかっていたのは、SF作品が紙媒体の本で読むよりも映画の方が優れているのではないかと考えていたせいかもしれない。氏がこれほどすばらしい作品を書いていたと驚くと同時に、自分自身はひどく反省した。どんなSFも映像化できると高をくくっていたが、この作品は映画にできない、というよりは文章であるが故に輝いている点が多いように感じる。当然読みながら情報を頭の中で映像化している訳で、内容を単純に映画にすることは可能かもしれないが、本小説を読んだ瞬間の感動は映画では再現不可能な気がしており、小説のすばらしさと奥の深さを再認識させられた。

前後逆になるが、本書を読む前に同氏の『宇宙はくりまんじゅうで滅びるか?』を読んでいたところ、この本は本書を読む前のよきウオーミングアップになった。まだ本書を読んでいない方は先にそちらを読むことを勧めたい。『宇宙は...』はレイヤー0であり、『アイの物語』はレイヤー1より先の話だ(この意味は『アイの物語』を読めばわかる)。

似非学者にツッコむ資格十分で、『SFはこんなに面白いんだぞ!(宇宙はくりまんじゅうで...)』と叫ぶ氏の集大成であり、その主張を支持したい。SF好きにしか本書は売れないのかもしれないが、そうでない読者にも広く勧めたいと感じる懇親の作品であった。文句なく最高点。
アイの物語 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: アイの物語 (角川文庫)より
404460116X
No.26
(5pt)

山本弘の構成力に脱帽の傑作SF

アイビスが青年に聞かせる物語は、山本弘が過去に発表した短編で、それらを構成し直し、長編を一本作ってみせる構成力に脱帽。
 この長編の為に始めから用意していたみたいに、それぞれの短編がかっちり嵌って、一本の長編として機能しているのが素晴らしい。
 物語もぶれることなく、山本弘らしい前向きで力強い主張に満ちあふれてる。
 書き下ろしの短編「詩音が来た日」と「アイの物語」はどちらも良く、特に「詩音が来た日」は白眉の出来。
「人間とロボットは分かり合えるのか?」という問いに真っ向から向き合い、山本弘らしい暖かみのある答えを出している。
詩音の出した結論には、ほろりと来ましたよ。

 「神は沈黙せず」も素晴らしかったけど、完成度ではこちらの方が上じゃないかな?
 何はともあれ、傑作です。
アイの物語 Amazon書評・レビュー: アイの物語より
4048736213
No.25
(5pt)

山本弘の構成力に脱帽の傑作SF

アイビスが青年に聞かせる物語は、山本弘が過去に発表した短編で、それらを構成し直し、長編を一本作ってみせる構成力に脱帽。
 この長編の為に始めから用意していたみたいに、それぞれの短編がかっちり嵌って、一本の長編として機能しているのが素晴らしい。
 物語もぶれることなく、山本弘らしい前向きで力強い主張に満ちあふれてる。
 書き下ろしの短編「詩音が来た日」と「アイの物語」はどちらも良く、特に「詩音が来た日」は白眉の出来。
「人間とロボットは分かり合えるのか?」という問いに真っ向から向き合い、山本弘らしい暖かみのある答えを出している。
詩音の出した結論には、ほろりと来ましたよ。

 「神は沈黙せず」も素晴らしかったけど、完成度ではこちらの方が上じゃないかな?
 何はともあれ、傑作です。
アイの物語 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: アイの物語 (角川文庫)より
404460116X
No.24
(5pt)

世評にたがわぬ名作

いくつかの雑誌に発表した5つの短編に、更に二つの書き下ろし短編を加え、全体を一つの物語に仕上げている。未来版の千夜一夜物語。素敵です。第一話以外は、すべてAIがらみで、統一感があります。書き下ろしの第6話「詩音が来た日」が秀逸。「ヒトは程度の差こそあれ、すべて認知症である」という命題は、論理的に全く正しいと思います。

 AI言語の二次比喩とか虚数iとかが、おもしろい。よくわからないところが面白い。理解できないということが良く理解できる。

 ただ私は、作中作として少々おとしめられた扱いの「ブラックホール・ダイバー」が、とても気に入った。女性宇宙冒険家シリンクスが、クールでスマート。かっこいいよう。シリンクス外伝希望!
アイの物語 Amazon書評・レビュー: アイの物語より
4048736213
No.23
(5pt)

世評にたがわぬ名作

いくつかの雑誌に発表した5つの短編に、更に二つの書き下ろし短編を加え、全体を一つの物語に仕上げている。未来版の千夜一夜物語。素敵です。第一話以外は、すべてAIがらみで、統一感があります。書き下ろしの第6話「詩音が来た日」が秀逸。「ヒトは程度の差こそあれ、すべて認知症である」という命題は、論理的に全く正しいと思います。

 AI言語の二次比喩とか虚数iとかが、おもしろい。よくわからないところが面白い。理解できないということが良く理解できる。

 ただ私は、作中作として少々おとしめられた扱いの「ブラックホール・ダイバー」が、とても気に入った。女性宇宙冒険家シリンクスが、クールでスマート。かっこいいよう。シリンクス外伝希望!
アイの物語 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: アイの物語 (角川文庫)より
404460116X
No.22
(5pt)

ラストで一気に繋がる「物語」

小説は好きですが、小説で泣く事はほとんど無い私。
特に有りがちな人間讃歌的内容や、感動のハッピーエンドには(映画だと演技や音楽でつい泣いてしまう事はありますが)泣くより逆にしらけてしまう方が多いです。
多分、ストーリーに感動するよりも文体に惹かれたり文章そのものの美しさを重視するタイプなので。この本も書評や装丁に惹かれて読み始めたものの、前半はほとんど退屈でした。
"マシンがヒトに反旗を翻し、人工が減って文明も退廃した未来の地球"という設定もありがちだし、アイビスというアンドロイドが少年に「フィクションである物語」を話して聞かせながら進行していくんだけど、作中で語られる物語達もありがちSF的設定だったのと文章もシンプルなので少しつまらなさを感じて、前半部分読んだ時点でもう読むのやめようかとも思いました。けど第六話の「詩音が来た日」からはもう、止まらないです。一気に読んでしまいました。
それまで退屈に思えていた個々のストーリー達も、最後には必要不可欠のピースとして繋がった瞬間、この本の構成力の高さに驚かされました。
SFで何万回と使われ続けてきた「ヒトとマシンの共存」というモチーフを敢えて使って創られた世界。その狭い世界で最後にアイビスは言います。「私たちはみんなフィクションから生まれた。ヒトの夢、フィクションの海は、私たちのふるさとなのよ―(ここから先の台詞は是非本を手にして読んで下さい!)」この瞬間、世界中のあらゆる物語がこの言葉に救われました。
てゆうか私も普通に感動して泣いてしまった―ヤバイです、普通にお薦め。
本当、アイの物語。
アイの物語 Amazon書評・レビュー: アイの物語より
4048736213
No.21
(5pt)

ラストで一気に繋がる「物語」

小説は好きですが、小説で泣く事はほとんど無い私。
特に有りがちな人間讃歌的内容や、感動のハッピーエンドには(映画だと演技や音楽でつい泣いてしまう事はありますが)泣くより逆にしらけてしまう方が多いです。
多分、ストーリーに感動するよりも文体に惹かれたり文章そのものの美しさを重視するタイプなので。この本も書評や装丁に惹かれて読み始めたものの、前半はほとんど退屈でした。
"マシンがヒトに反旗を翻し、人工が減って文明も退廃した未来の地球"という設定もありがちだし、アイビスというアンドロイドが少年に「フィクションである物語」を話して聞かせながら進行していくんだけど、作中で語られる物語達もありがちSF的設定だったのと文章もシンプルなので少しつまらなさを感じて、前半部分読んだ時点でもう読むのやめようかとも思いました。けど第六話の「詩音が来た日」からはもう、止まらないです。一気に読んでしまいました。
それまで退屈に思えていた個々のストーリー達も、最後には必要不可欠のピースとして繋がった瞬間、この本の構成力の高さに驚かされました。
SFで何万回と使われ続けてきた「ヒトとマシンの共存」というモチーフを敢えて使って創られた世界。その狭い世界で最後にアイビスは言います。「私たちはみんなフィクションから生まれた。ヒトの夢、フィクションの海は、私たちのふるさとなのよ―(ここから先の台詞は是非本を手にして読んで下さい!)」この瞬間、世界中のあらゆる物語がこの言葉に救われました。
てゆうか私も普通に感動して泣いてしまった―ヤバイです、普通にお薦め。
本当、アイの物語。
アイの物語 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: アイの物語 (角川文庫)より
404460116X
No.20
(5pt)

彼女は決して人を笑ったりはしないし、憐憫もかけない。

本稿では短編の中で最も面白かった、「詩音が来た日」を紹介します。この物語は老人介護用アンドロイド、詩音が老人保健施設で老人介護を行いながら精神的成長を遂げていくお話です。

詩音は悲しみや憎しみや偏見といった負の感情を持たない、人間とは異なる知性を持つ存在です。そんな詩音が矛盾だらけの感情を持つ人間のことを理解し、愛していく様子は、読んでいて胸が熱くなりました。

特に自他共に認めている悪党のような老人と憎しみも偏見も抱かない詩音が対話する場面が良かったです。この場面は是非とも本書を手にとって読んでもらいたいです。

筆者の奥さんは元看護師だけあって取材もしっかりとしており、老人保健施設も細部まで描かれています。近い将来、私達が老人になる頃にはこんな世の中になっているのかなと想像してしまいました。そして、詩音のようなアンドロイドがそこにいたらそれは素敵な未来だなと私は思います。

「詩音が来た日」は2006年に読んだ中で最も面白かった物語です。お勧め!
アイの物語 Amazon書評・レビュー: アイの物語より
4048736213
No.19
(5pt)

彼女は決して人を笑ったりはしないし、憐憫もかけない。

本稿では短編の中で最も面白かった、「詩音が来た日」を紹介します。この物語は老人介護用アンドロイド、詩音が老人保健施設で老人介護を行いながら精神的成長を遂げていくお話です。

詩音は悲しみや憎しみや偏見といった負の感情を持たない、人間とは異なる知性を持つ存在です。そんな詩音が矛盾だらけの感情を持つ人間のことを理解し、愛していく様子は、読んでいて胸が熱くなりました。

特に自他共に認めている悪党のような老人と憎しみも偏見も抱かない詩音が対話する場面が良かったです。この場面は是非とも本書を手にとって読んでもらいたいです。

筆者の奥さんは元看護師だけあって取材もしっかりとしており、老人保健施設も細部まで描かれています。近い将来、私達が老人になる頃にはこんな世の中になっているのかなと想像してしまいました。そして、詩音のようなアンドロイドがそこにいたらそれは素敵な未来だなと私は思います。

「詩音が来た日」は2006年に読んだ中で最も面白かった物語です。お勧め!
アイの物語 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: アイの物語 (角川文庫)より
404460116X
No.18
(5pt)

映画にしてほしい

人工知能が意識を持つとどうなるかというSF物語ですが、

実にアイにあふれています。今の日本、いや人間に

何が足りないのかを痛感させる哲学を感じました。

私たちは皆、殻をかぶり、認知症である。

なお、作者がSF的ディテールに凝っているので、

宇宙船の形状だとか、理解できない人工知能の会話などは

飛ばしまくっても、全く問題ないです。

でも、読み終わった後に、もう1回、細部までみっちり

読んでみたいな、という感想も持ちました。

それに、映画にしてほしいな。

このスケールを見てみたい!
アイの物語 Amazon書評・レビュー: アイの物語より
4048736213
No.17
(5pt)

映画にしてほしい

人工知能が意識を持つとどうなるかというSF物語ですが、

実にアイにあふれています。今の日本、いや人間に

何が足りないのかを痛感させる哲学を感じました。

私たちは皆、殻をかぶり、認知症である。

なお、作者がSF的ディテールに凝っているので、

宇宙船の形状だとか、理解できない人工知能の会話などは

飛ばしまくっても、全く問題ないです。

でも、読み終わった後に、もう1回、細部までみっちり

読んでみたいな、という感想も持ちました。

それに、映画にしてほしいな。

このスケールを見てみたい!
アイの物語 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: アイの物語 (角川文庫)より
404460116X
No.16
(5pt)

9・11以降、人類が目指すべきことを読者の胸に打ち込む、465ページのSF小説

人類がマシンと闘い続ける近未来。「僕」は負傷した末、アイビスと名乗るアンドロイドの虜囚となる。アイビスは「僕」に数々の物語を読み聞かせる。仮想空間で逢瀬を重ねる男女。鏡の向こうのAIと友情を結ぶ少女。介護用アンドロイドとの交流で何かを学ぶ看護師。

 アイビスが語るこうした物語には果たしてどんな意図が隠されているのか…。

 私たちが今確かに存在すると信じる実世界と、コンピュータや人工知能が生み出す仮想世界。この二つの間の境界線が朧(おぼろ)なものとなり、両者の往来が自由になった時空間で、様々な物語が進行していきます。読者は今ある自分の存在が一気に不確かなものとなり、足元が揺らいでいく奇妙な不安感を幾度となく味わうことでしょう。

 しかし「アイの物語」はそうした自己存在の不確実さを改めて突きつけるための物語ではありません。私はそこに9・11以降、目指すべき方向を見定められずにいるこの世界を、もう一度正しい軌道に乗せようという著者の確固たる決意を見るのです。

 自分たちとは異質なものを恐れ、その恐怖を憎悪に変えて相手を払いのける本能がヒトには備わっています。種の保存を支える本能とはいえ、私たちはそのために多くの犠牲を払ってきました。

 アンドロイド/AIとヒトとの関係に著者が託すのは、こうした恐怖と憎悪の連鎖を断ち切ることの重要性。そしてそのために著者が用意するキーワードは、「記憶」と「共感/感応」の二つです。

 互いに理解できないもの同士が今まさにすべきことは、理解できないものを退けるのではなく、許容すること。その寛容を養うには、他者の記憶を自己のものとして積み上げる努力です。そのための訓練にフィクションは欠かすことができないということを、このSF小説は心の底から信じています。

 その著者の信念に私自身の心が共振するのが分かる、そんな震えるほど清々しい読書体験を得られる小説です。
アイの物語 Amazon書評・レビュー: アイの物語より
4048736213
No.15
(5pt)

9・11以降、人類が目指すべきことを読者の胸に打ち込む、465ページのSF小説

人類がマシンと闘い続ける近未来。「僕」は負傷した末、アイビスと名乗るアンドロイドの虜囚となる。アイビスは「僕」に数々の物語を読み聞かせる。仮想空間で逢瀬を重ねる男女。鏡の向こうのAIと友情を結ぶ少女。介護用アンドロイドとの交流で何かを学ぶ看護師。

 アイビスが語るこうした物語には果たしてどんな意図が隠されているのか…。

 私たちが今確かに存在すると信じる実世界と、コンピュータや人工知能が生み出す仮想世界。この二つの間の境界線が朧(おぼろ)なものとなり、両者の往来が自由になった時空間で、様々な物語が進行していきます。読者は今ある自分の存在が一気に不確かなものとなり、足元が揺らいでいく奇妙な不安感を幾度となく味わうことでしょう。

 しかし「アイの物語」はそうした自己存在の不確実さを改めて突きつけるための物語ではありません。私はそこに9・11以降、目指すべき方向を見定められずにいるこの世界を、もう一度正しい軌道に乗せようという著者の確固たる決意を見るのです。

 自分たちとは異質なものを恐れ、その恐怖を憎悪に変えて相手を払いのける本能がヒトには備わっています。種の保存を支える本能とはいえ、私たちはそのために多くの犠牲を払ってきました。

 アンドロイド/AIとヒトとの関係に著者が託すのは、こうした恐怖と憎悪の連鎖を断ち切ることの重要性。そしてそのために著者が用意するキーワードは、「記憶」と「共感/感応」の二つです。

 互いに理解できないもの同士が今まさにすべきことは、理解できないものを退けるのではなく、許容すること。その寛容を養うには、他者の記憶を自己のものとして積み上げる努力です。そのための訓練にフィクションは欠かすことができないということを、このSF小説は心の底から信じています。

 その著者の信念に私自身の心が共振するのが分かる、そんな震えるほど清々しい読書体験を得られる小説です。
アイの物語 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: アイの物語 (角川文庫)より
404460116X
No.14
(5pt)

是非、中高年の方に読んでもらいたい物語があります。

アイが語る物語の中の「詩音が来た日」が素晴らしいです。

映画化するなりして、大勢の中高年の方にこの素晴らしい物語を知ってもらいたいです。

”認知症”とはなんなのか? ハッとさせられます。

おどろくような視点で、するどく、そしてとてもあたたかく、面白く、

近未来の介護の現場を描いた作品です。
アイの物語 Amazon書評・レビュー: アイの物語より
4048736213
No.13
(5pt)

是非、中高年の方に読んでもらいたい物語があります。

アイが語る物語の中の「詩音が来た日」が素晴らしいです。

映画化するなりして、大勢の中高年の方にこの素晴らしい物語を知ってもらいたいです。

”認知症”とはなんなのか? ハッとさせられます。

おどろくような視点で、するどく、そしてとてもあたたかく、面白く、

近未来の介護の現場を描いた作品です。
アイの物語 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: アイの物語 (角川文庫)より
404460116X