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魔球



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【この小説が収録されている参考書籍】
魔球
魔球 (講談社文庫)

魔球の評価: 3.94/5点 レビュー 87件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.94pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全87件 81~87 5/5ページ
No.7:
(5pt)

高度成長の過程では様々な犠牲があったのでしょうね

この6作目はこれまでの東野作品と異なり、昭和39年を舞台にしているところに特徴があります。昭和39年が作中では「現代」にあたり、更に終戦直後くらいからのいきさつが登場します。過去を描くということがその後の東野作品の重要な要素となることを思えば、かなり重要な作品ということになると思われます。そして、本作に関して言えば昭和39年というのは日本がまだ貧しかった時代ということであり、その時代でなければ通用しない貧しさを原因とする物語が綴られています。その筆致には社会派に通じるものを感じさせます。トリック的にはダイイング・メッセージが一応の目玉となっています。初期の密室、前作のアリバイから更に新たなトリックのジャンルに挑んだことになります。しかし、本作の魅力はダイイング・メッセージにあるのではなく、あくまでも事件が起きるまでの事情にあります。物語の主人公がどんな人生を歩んできたかが本作の最大の謎であり、それが解けた瞬間にはうっすらと涙が滲みました。
魔球 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:魔球 (講談社文庫)より
406184931X
No.6:
(5pt)

充実度抜群。。。

東野初期作品の傑作の一つでしょう。本作は、解説でミステリー、エンターティメント作品でも優秀なものは文学作品でもあるという様な指摘に、私も全く同感である。高校野球を題材にした殺人事件絡みの作品であるが、犯人の動機に思わず泣けてしまう。謎解きミステリーもよいが、作品の背景には家族愛と若者の正直さがひしひしと伝わってくる青春文学に仕上がっている。東野作品の中でもとても印象的で、末永く語り伝えられるような品格がある。
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No.5:
(4pt)

悲しい結末

 最初に、高校野球をモチーフとしてミステリーを描くのに、どうして時代設定が昭和39年なんだろう、と思ったが、読んで納得。今の時代では、こんな高校生はいないし、殺人の動機も成り立たない。 殺された方はもちろんかわいそうだが、殺した方も、残された者もみんなかわいそうだった。外に道はなかったのかなと、読んでいる私まで哀しくなってきた。全体に重苦しい雰囲気が漂っているが、最後のページに救いを感じた。おかげで、苦しいまんまで終わらずに、これでよかったんだと納得してページを閉じた。 私は野球のグローブを買うのにも苦労するような暮らしをしたことはないけれど、登場人物に思いっきり感情移入してしまった。さすが東野圭吾。
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No.4:
(5pt)

さらば青春の光

 東野圭吾さんは、実は年末のベスト10投票などには、そのクオリティ、人気、評価の高さから鑑みると、今一つ縁が薄い作家さんです。というのも、多作の作家さんで、しかも発表された作品は軒並み好評をもって迎えられる、という素晴らしさを持っている人だからで、つまり個人の好みによって票が分かれるわけですね。その分というか、作家別投票では上位常連です。 で、どれが一体代表作といえるのか、という意見も当然様々に分かれるでしょうが、然しその中で、『魔球』には特別な位置を与えている、というファンの人も多いとのこと。 切なくて、熱くて、物悲しい青春ミステリ。 時にやるせなく、残酷ささえ感じますが、でも―― とても優しい物語です。 これが、そう、「幻のデビュー作」との事ですから。 東野圭吾、恐るべし。 
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No.3:
(3pt)

動機が・・・

最近の東野作品では、「白夜行」「殺人の門」に通じる作品である。甲子園大会の決勝九回裏2死満塁で★手須田が投げた魔球。この球を受けた捕手北岡の刺殺体が発見される。犯人については、「鳥人計画」ほかオープンにしていないものの、容易に予測がつく。本作品は、犯人が殺人を犯した動機が明らかになる過程を楽しむ作品である。しかしながら、その動機について★、私自身は余り納得がいかなかった。犯人がそれほど追い詰めていたと解釈すればよいのかもしれないが、この動機で人を殺すことができるだろうか?
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No.2:
(4pt)

魔球を読んで

野球をモチーフにしたミステリーな訳だが、その組織の中での人間関係の変化がとても面白い。そして、悲しいストーリーの中に、何かしら希望を持たせようとする手法も嫌味な感じがなくて成功していると感じた。甲子園決勝の息の詰まりそうなシーンも、悲しいエンディングも、全てが一気に駆け抜けていくスピード感がとても気持ちよかった。それゆえか、もう一度読んでみたくなる感覚を味わうことができる。この作品のもの悲しさは、序盤から予感させられるもので、ムードが全体的にくらかった気がする。ひしひしと感じるこの暗さの原因が、終盤に分かってくるにつれて、読者の涙の数が増えてくことになるだろう。あとはそれが快感か不快かの違いだけだと思う。
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No.1:
(4pt)

蘇った応募作

高水準の本格推理、サスペンスを書き続けている東野圭吾氏の「幻のデビュー作」とも言える作品だ。というのも、オリジナルは江戸川乱歩賞の最終候補まで残った作品だからだ。もちろん、加筆修正を行なったのだろうが、初期の作風のエッセンスが詰まっている秀作と言えるだろう。しかし、この作品は単なる「青春推理」ではない。登場人物はしっかりと描けているし、昭和40年前後の生活感も存分に伝わってくる。悲しい結末にもかかわらず、爽やかな読後感を覚える東野作品の特徴も既に現れている。さらに、この作品の執筆時、東野氏はまだ20代中盤のはずだから驚きである。 東野圭吾恐るべし!改めてそんな思いを抱く小説だ。
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