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花野に眠る(秋葉図書館の四季)



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花野に眠る(秋葉図書館の四季)の評価: 4.00/5点 レビュー 8件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

凄い‼ 大大円で謎解き終了◎

秋日和の一日に、止まらなくなって、一気に読んでしまった。日常の小さな蟠りが、図書館員と言う第三者の介入で、解けて行く過程が、秋の青空にぴったりで、美味しい味覚を堪能した気分です。
今年は、秋はミステリー小説を読もう!と決意して本を選んだのですが、自分の目に狂いはなかったと大満足です。作中に紹介された本も、知らない物が多かったので、これからの読書プランに入れたいと思いました!
花野に眠る (秋葉図書館の四季) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:花野に眠る (秋葉図書館の四季) (創元推理文庫)より
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No.6:
(4pt)

1作目より少し重いです

秋葉図書館シリーズの2冊目です。1冊目がとても気に入り続きを楽しみにしていました。最初の作品が軽妙な印象があったのに比べて、今回は内容の密度がぐっと高くなったと思います。ただ、1冊目はどこかヨーロッパの児童文学のようなおもむきがあり、ほんのりと秘密めいて、そして無垢なのに聡明で、というかうまく言えませんが、そういう透明感みたいなものがあったのですが、今回は思わず引き込まれるようなわくわくドキドキ感があまりなく、深刻な話や人生の悲しさみたいなものがテーマになっていて、その分、重く感じてしまいました。

親の離婚問題に悩む子供、戦前のまだ閉鎖的、封建的だった時代に遡る話、2次大戦中の兵役忌避と、当時まだ理解してもらえず厄介者扱いだった発達障害の子供、過って妊娠してしまった未婚女性と死産などなど、忍耐を重ねた日々とそれを静かに振り返る人々のもの悲しい話が多く、個人的には悲劇も全然嫌いではないのですが、最初の作品と同様のものを心のどこかで期待していたのでしょうか、ちょっとしんどくなってしまいました。

日常の謎を解く、殺人もない安心して読める軽いミステリと言えますが、どちらかというとむしろ一般小説の域に入るのではないかと思います。秋葉図書館のゆったりしたたたずまいは相変わらず魅力的です。
まったく私見なのですが、都会で生まれ育った自分は、地方から出ずに一生を終わる人の気持ちがかつては理解できませんでした。文化施設も少なく、美術展の企画もこない、コンサートもこない、見たければわざわざ都会へ出かけないといけない、大きな繁華街もなく、せいぜいイオンかドンキくらい、へたをすると都市銀行の支店すらない、海外へ出るにはいくつも空港を乗り継がないといけない、どうしてそんなところに一生住めるのだ?と思っていましたが・・・この作品に登場するある老婦人、人生の終わりにさしかかり、子供の頃から知っているこの景色をずっと見て暮らしたいと思った彼女、同じ風景を見て、同じ人たちに囲まれて、草花を育て、毎日同じ平穏な暮らしを送る、そんな穏やかな様子を見て、「こんな暮らしも悪くない、もし、こんな図書館がそばにあれば・・」とふと思ってしまいました。

登場人物たちにまた会いたいです。さらに続編を期待します。
花野に眠る (秋葉図書館の四季) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:花野に眠る (秋葉図書館の四季) (創元推理文庫)より
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No.5:
(4pt)

図書館の物語は続く

2014年に出た単行本の文庫化。
 『れんげ野原のまんなかで』の続編。
 「穀雨」「芒種」「小暑」「白露」「寒露」の5話から構成されている。
 前作で新米職員だった主人公が、2年目を迎えたあたりから始まっている。ほかの登場人物たちも健在。
 絵本/児童文学が次々ととりあげられ、懐かしい。しかも、思いもかけない「秘密」があかされ、驚く。図書館ならではの物語だ。
 ミステリとしては、まあ、それなり。
花野に眠る (秋葉図書館の四季) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:花野に眠る (秋葉図書館の四季) (創元推理文庫)より
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No.4:
(4pt)

本と人が巡りあえる場所

10年振りに刊行されたものの、話は連作という構成で、正直前作を詳細に記憶していませんでしたが、図書館という空間と、仕事に誇りを持っている司書魂は今回も健在で嬉しくなります。 版や出版社が変わると、作品が微妙に変化してしまうのを、具体例が出てくるのも、1人でも多くの人に本に対して多面的に見てもらいたい森谷さんの元・司書魂を感じた。
花野に眠る (秋葉図書館の四季)Amazon書評・レビュー:花野に眠る (秋葉図書館の四季)より
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No.3:
(4pt)

約10年ぶりにあの図書館へ行ってきました

「れんげ野原のまんなかで」の続編です。
私がこの本を読んだのは2006年1月。大好きな作品として今も鮮明に記憶に残っているし、
当時のレビューにも「ぜひ続編を!」と書いていたので実現したのがとても嬉しいです。

物語が進むにつれ、悲しくもまっすぐな1人の人物の人生が浮かび上がってきます。
自分のできる範囲で精一杯に生きているのに、少しでも人と違う・劣っている部分があると平凡な幸せすらも許されない。
だけどそんな報われない人でも、強い想いは永遠に色褪せず、受け取った人・向き合った人の心に残る。
「人を想う気持ち」が心にしみました。

残念だったのは、前作から感じていた「登場人物のキャラクターの甘さ」。
当時のレビューにも「続編があれば、もう少し人物をしっかりと描いてほしい」と書いていたけど、
前作からの登場人物・図書館のスタッフ3人に限ってはそれは改善されてなかったと思う。
いい3人組だとは思うんだけど、もう少し深く描き込めなかったのでしょうか・・・・。
とにかく主人公に魅力がない。これは致命的。うーん。もったいないなぁ。

図書館が舞台の作品だけあって、作中には実在する本がたくさん登場します。
そのなかでも「ある子馬裁判の記」はぜひ読んでみたいです!
そして辰巳芳子さんの本も少し前にかなり話題になった本だし、チェックしなきゃ~~。
こんな風にこの本からまた、別の本と出会う機会をもらって・・・それもまた素敵なことですね。
花野に眠る (秋葉図書館の四季)Amazon書評・レビュー:花野に眠る (秋葉図書館の四季)より
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No.2:
(4pt)

静かな感動を与えてくれる、読み応えのある作品

両親の離婚問題に心を痛める少年。落雁をめぐる騒動。そして、白骨死体などなど・・・。新人司書・文子の周りで起きるできごとを描いた短編集。「れんげ野原のまんなかで」の続編。

この作品には5つの話が収められている。それらの話は所々で微妙につながり、やがてひとつの真実につながっていく・・・。
日向山から発見された白骨死体は誰なのか?文子は、先輩たちの助けを借りながら真実に迫っていく。そしてたどり着いた真実は、あまりにも悲しいものだった。
誰からも理解されない。誰からも疎まれ必要とされない。人並みの幸せを求めることも許されない。そんな状況の中で自分を否定しながら生きていかなければならないとしたら、こんなにつらいことがあるだろうか。ひとりの人間についての真実は、あまりにも切ない。
ストーリー構成がとてもよかった。ひとつひとつの話が心に染み、物語の中にどんどん引き込まれていく。重い内容だが、作者が、温かな目で見つめ優しく描いているのが救いだった。静かな感動を与えてくれる、読みごたえのある作品だと思う。面白かった。
「れんげ野原のまんなかで」を読んだのは、2005年3月だった。ちょうど10年前だ。その時も思ったが、「秋葉図書館」のような図書館が身近にあったらどんなにステキだろうと思う。私も、もっと図書館と仲良くなりたい。ならなければ!
花野に眠る (秋葉図書館の四季)Amazon書評・レビュー:花野に眠る (秋葉図書館の四季)より
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No.1:
(4pt)

読み終えて、タイトルの意味が分かる

1話から5話までの連作でしょうか?

 1話を読み終えてから、「うまい!」っと口元がほころびました。

 田舎の図書館を舞台に訪れる人々の周辺に起こる日常の物語ですが、素晴らしく面白いです。

 今考えると5話で一本に繋がるように、それぞれの回で著者が伏線をこっそり散りばめていたのでしょう。全く気付かなかったです。

 途中から・・・どうしてこんな風になっていくのだろう?と訳のわかんない好奇心に引き込まれ、すべてが第5話で濃厚な謎解きに・・・辿り着くのです。

 これは単純なノベル?それともミステリーだったのだろうか?

 日々の生活の中で生きている人の営みに心が温かくなりました。素晴らしく仕上がりの良い作品です。

 今年始まったばかりですが、まずお勧めしたいです。出版は昨年なんですが・・・
花野に眠る (秋葉図書館の四季)Amazon書評・レビュー:花野に眠る (秋葉図書館の四季)より
4488027431

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