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(短編集)
ジョン、全裸連盟へ行く
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ジョン、全裸連盟へ行くの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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今さら説明するまでもなく、BBC製作のドラマ「シャーロック」は、 ここ近年ホームズ旋風を巻き起こしている大ヒットシリーズだ。 本書は、北原尚彦氏による、そのパスティーシュ。 雑誌掲載にあたって、「日本BBCさんから快くOKをいただけた」 というようなことが、著者あとがきに書いてあるので、 まあ、間違いなくドラマの贋作という位置づけである。 ドラマからシャーロック&ジョンというキャラクターを借りてきて、 ドラマ同様、コナン・ドイルの創作に材を取りながら、 「古い革袋に新しいワインを注ぐ」ような試みがなされている。 それは、ご自身もドラマの面白さに魅せられたに違いない ホームズ研究家、北原さんならではのユニークな仕事だと思う。 正典などへのリスペクトと同時に、ドラマへの愛も感じられる。 もちろんパスティーシュゆえの物足りなさはあるが、 パスティーシュなのだからこれで十分、という気もしている。 「ドラマのファンで『もっと観たい!』という方は多いと思います。 そんな方々の飢餓感を、本書で少しでも癒して差し上げることが できれば嬉しいです」という著者の言葉(あとがきより)が、 何もよりも、本書の役割を如実に物語っているだろう。 個人的な感想としては、初対面の依頼人などへの口のきき方が、 さすがにドラマのシャーロックもここまで無礼ではないかな? (そりゃまあ確かにエキセントリックではあるけれど…) と、気になるところがなきにしもあらずだったが、 おおむねよくできたパスティーシュだったと思うので★4つ。 リズミカルな文体、テンポのよい会話など、楽しむことができた。 | ||||
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小2から大のホームズファンです。映像やアニメなどは別物として楽しめるのですが、パスティーシュ物の本は毛嫌いしていました。 しかし、これは読んで驚きました。 面白い。 とても面白かったです。 まず随所に、本家ファンをくすりとさせるセンテンスが盛り込まれています。 そして著者のホームズへの敬愛が感じられ、好感が持てました。 どの話も読み応えがあり、シャーロックとジョンの会話も楽しく、一気読み&再読しました。 この雰囲気で、シリーズ化してほしいですね。 | ||||
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内容とかをよく理解せずに購入し読み始めてから、これがシャーロック・ホームズとワトソンの物語であることを知りました。 読み進めると時代は現代。 すぐにBBCのシャーロックを意識してしまいました。 表紙の人影も、もちろんあの二人にしか見えません。 そういうわけで、BBCシャーロックを意識、イメージしながら読みましたが、ひとつひとつの物語はドラマと同様、ユーモアもあり、真摯なミステリーでもあり、シャーロック・ホームズのファンでなくとも楽しめる内容であったと思えます。 あとがきを読んでから、1、と記載されているのにも気がついて、またこの二人が登場する作品が読めるのかと楽しみになりました。 自分としてはBBCシャーロックの間奏曲のような位置づけに勝手にしています。 | ||||
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ホームズの原作小説を愛読する私は、パスティーシュもいろいろ読んできたが、正統派の作品は多くの場合、「結局は原典に勝るものなし」という平凡な感想に落ち着いてしまう。かといって、切り裂きジャックと対決させたり、SF的味付けをしたりといった作品は、面白ければ面白いほど、ホームズの名を借りた別の作品のように感じてしまう。どんな形であれ、原典との距離が気になってしまうので、ホームズ譚のパスティーシュは難しい。 今や大人気となったTVドラマ「シャーロック」は、舞台を現代に移しつつ、コナン・ドイルの原作のファンもあっと思う要素がちりばめられていて、ある意味で非常によくできた原典のパスティーシュともいえる。それだけに、その「シャーロック」のパスティーシュ、それも日本人のシャーロッキアンの手になる本作を店頭で見つけた時は、作者には失礼だが「怖いもの見たさ」的な興味で購入した。 読んでみて驚いた。どの短編もかなりよくできているではないか。原典のエピソードをあちこちに(それもかなりのケースでいわば逆手に取った形で)埋め込んでいて、大いに楽しめる。どちらかといえばユーモアタッチのパスティーシュといえるだろうが、度を過ぎていないのも好感が持てる。 私はTVドラマに原典ほどの思い入れはないので、本作を「シャーロック」のパスティーシュというより、一種ひねった原典のパスティーシュとして楽しむことができたことも大きいと思う。別のレビューアー氏がはからずも「SHERLOCKではなくて原作のパスティッシュ」と書いているが、TVドラマのファンは、かえって(私が原典のパスティーシュに対して持つのと同様の)厳しい目を本作に向けてしまうのではないかと思った。 ただ、この先行レビューアー氏は不満点として「ワトソンとホームズの言葉遣いや振る舞いが原典に近い」と書いているが、私から見ると、本作での2人の関係と描写は原典以上に「SとM度」、といってまずければ主従的な面が強いようにも思われ、ややしっくりこない。このへんはもしかしたらドラマ「シャーロック」を意識したものかとも思っていたが、「シャーロック」のファンから見ると逆に原典に近いと映るのだとしたら面白いものだ。 ということで、原典をそれほど知らない「シャーロック」だけのファンには、やや面白さが伝わらない点もありそうだと星4つにしようかとも思ったが、英語圏のホームズファンにもウケるのではと思わせる作品であることや(日本人向けのサービスといえそうな内容も出てくるが)、続刊への期待、さらに(つまらないことだが)原語の発音はどうあれ、翻訳に多いワト「ス」ンではなく、ワト「ソ」ンという私好みの表記を採用していることもひいきにして、星5つにしたいと思う。 なお、やはりつまらないことではあるが、カバー表紙絵は同じハヤカワ文庫から出ているドイルの原典シリーズの装丁にあわせたものとなっているのは、ちょっと地味かな、と思った。ここは無理に過去のシリーズにとらわれる必要はなく、原典とTVドラマ、どちらのファンにももっとアピールするような表紙を考えてもよかったのではないか。 | ||||
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BBCのTVドラマ「SHERLOCK」のノベライズ的なノリを期待していると、肩すかしを食う。 「SHERLOCK」よりも、原典であるドイルの「シャーロック=ホームズ」に語り口もキャラ設定も近い。 読んでいても、「SHERLOCK」のあのチャツチャーンチャ、チャラチャ、チャッチャッという音楽が聞こえてこない。 原因を考えると 1.文体の選択が不適切 「SHERLOCK」はワトソンがブログに書き綴っているはずなのだが、この本は文体がまるっきりドイルの翻訳ものの文体を模した小説形式。TVドラマのテンポの良いストーリー進行が、19世紀の小説の文体を模しているため今ひとつ、スピード感や現代性が感じられない。 ライトノベルみたいな書き方をしろとは言わないが、ブログ記事みたいな何回かに分けた書き方にするとか、いっそ横書きにするとか、もう少し語り口を工夫した方が良い。 2.キャラがSHERLOCKのキャラになっていない。 ワトソンとホームズの言葉遣いや振る舞いが、「SHERLOCK」というよりも原典の「シャーロック=ホームズの冒険」に近い。 ワトソンは「SHERLOCK」では元軍人であることを強く押し出しているが、この小説では普通の気の良い医者であるワトソンである。 ワトソンはホームズに対していろいろ言いたいことがあるはずだが、そういう内面の描写(愚痴)のようなものがない。 一言で言えば行儀が良すぎる。 レストトレイドなどは外見描写も何もない。 3.台詞の切れが良くない 「SHERLOCK」ではホームズの推理マシンガントークなど、台詞の切れ味が非常に良いし、ダイアログがよく練られている。 この作品では説明的な台詞に終始していて、テンポが悪く、台詞の応酬や、別の場所で言われた台詞がもう一度違う意味で別の人物から言われるなどの演劇的なおもしろさに欠けている。 この小説に一番近い雰囲気を持つ映像は「Without clue」だろう。 | ||||
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BBCの現代版に準拠した設定だが、聖典の熱烈なファンにも著者の熱烈なホームズ愛が伝わる内容。こう書くと簡単なように聞こえるだろうが、これはなかなかの離れ業である。 原作からの引用や語られざる事件の生かし方が素晴らしく、原作への敬意と逸脱のバランス、距離感が絶妙で海外のシャーロキアンにも紹介されるべき傑作パスティーシュ。早川書房は是非英国に売り込むべし。 | ||||
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