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死のロングウォーク
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死のロングウォークの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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読み進めるうちにこんなに自分自身の気持ちが変化するとは思わなかった。 はじめはキャラクター達がただ歩くだけなので少し退屈に感じていた。次第に仲間が減りキャラクター達の体力もメンタルも極限に近づくにつれ、物語に引き込まれていったが同時に読み進めるのが辛くなった。なぜならページを繰らなければまだキャラクター達が生きてるから。 しかし、終盤に差し掛かると今度はキャラクター達の最期をしっかり見届けなければいけないと思うようになった。 周りの死は自分が生き残る可能性を高めるはずだった。参加者同士で語り合い助け合い、仲間意識が生まれていく。次第に仲間が減っていくことでの寂しさ、モチベーションの変化に胸が苦しくなった。 読後の良し悪しの捉え方は人それぞれだと思うが、それを越えた不思議な余韻が残る作品だった。 | ||||
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なんというか世界観がすごい。決してハッピーな話ではなく、むしろややもすれば普通に暗い話なのだけれど、その中に一瞬のきらめきを感じた。この喩えが正解ではないかもしれないけれど、しんどい部活のしんどい練習の合間に仲間と交わす冗談みたいな。 自分は米澤穂信さんが好きでそのつながりで本書を手にとったのだけれど、夜のピクニックの恩田陸さんも、もしかしたらこれに影響受けてるのかなと思ったり(あれは確か自身の出身校の行事が元になっているのは知っているし、そもそも物語の方向性は正反対だけれど)。 不条理や絶望の中でこそ輝く友情や生命、そして圧倒的な現実。その意味では、SFだけれどすごいリアル。 | ||||
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スティーブン・キングが別名義で執筆した作品です。 これはホラーではなく、追い詰められた極限状態にある少年たちのヒューマンドラマで、結末(誰が生き残るか、という意味です)があらかじめ想像がつくにもかかわらず、ぐいぐい読ませてしまうのは流石です。 スティーブン・キングの別の一面を知りたい方、ぜひどうぞ。 | ||||
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ロングウォーク。それは全米から選抜された14~16歳の少年100人が参加する競技。ひたすら南へ歩き続ける実にシンプルなこの競技はしかし、競技者がたった1人になるまで続けられる。歩行速度が時速4マイルを下回ると警告が発せられ、それが1時間に4回まで達すると並走する兵士たちに銃殺される。 最後の1人となった少年は賞賛され、何でも望むものが得られる。 この何ともシンプルかつ戦慄を覚えるワンアイデア物を実に400ページ弱に亘って物語として展開するキングの筆力にただただ圧倒される。 その始まりも実にシンプルでロングウォークが始まるまでの葛藤や家族とのやり取りなどは一切排除され、いきなり物語開始わずか13ページ目でロングウォークは始まる。しかも始まるまでに上に書いたような設定に関する説明は一切なく、登場人物たちの会話や独白から推察するしかない。つまり純粋に死の長距離歩行のみが物語として語られるのだ。 しかしとにかくシンプルかつ残酷なイベントだ。ひたすら歩き続けることが生存への唯一の道。しかもその間睡眠さえも許されず、用足しも歩きながら、または警告覚悟で極力最小限の時間ロスで行わなければならない。 ただひたすら歩くという単純な行為は思春期の少年たちに様々な変化をもたらす。 馬鹿話からそれぞれの恋話、色んな都市伝説。思春期の少年たちが集まっては繰り返す毒にも薬にならない他愛のない話が交わされるが、やがて1人また1人と犠牲者が増え、次は我が身かと死がリアルに迫るにつれて、そして疲労困憊し、意識が白濁とし出すにつれて口数は少なくなり、意識は内面へと向かう。時にはそれは死と生について考える哲学的な思考に至りもする。 そしてどんどん人々が死んでいくに至り、彼らもリアルを悟るのだ。 また印象的なのはこの生死を賭けたレースを通り沿いにギャラリーがいることだ。時に彼らは参加者を応援し、思春期の少年たちの有り余る性欲を挑発するかのようにセクシーなポーズを取る女性もいれば、違反行為と知りながら食べ物を振る舞おうとする者、家族で朝食を食べながら参加者に手を振る者もいる。さらに彼らが口にした携帯食の入れ物をホームランボールであるかのように記念品として奪い合う者、参加者が排便するところをわざわざ凝視して写真を撮る者もいる。死に直面した若い少年たちを前に実に牧歌的で自分本位に振る舞う人々とのこのギャップが実は現代社会の問題を皮肉に表しているかのようだ。 今目の前に死に行く人がいるのにもかかわらず、それを傍観し、または見世物として楽しむ人々こそが今の群衆だ。テレビを通して観る戦争、その現実味の無さにテレビゲームを観ているような離隔感、リアルをリアルと感じない無神経さの怖さがここに現れている。彼らはこの残酷なレースを行う政府を批判せずに年一度のイベントとみなしている時点でもはや人の生き死にに無関心であるのだ。 シンプルゆえに考えさせられる作品。解説によればこれを学生時代にキングは書いた実質的な処女作であるとのこと。だからこそ少年たちの心情や描写が実に瑞々しいのか。この作品が現在絶版状態であるのが非常に惜しい。復刊を強く求めたい。 | ||||
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↑のような物語を求めるならば引き返すべき。 だらだら長いとの批判も見られるが、ではこれが短篇だったら最後のカタルシスは得られなかったはずだ。 何気ない会話から少しずつ生きることと死ぬことを考え始める少年たち、苦悩や喜びや疑問が沸々とたぎっては消えていく。 決して後味のいいものではないが、かといって陰惨なだけではない青春の輝きに胸が痛む。 少佐の基盤などどうでもよい。何故ならギャラティが知ることの出来ない情報をこちらも知る必要性がないからだ。 何にでも説明や話の盛り上り(この小説に盛り上りが無いとは思わないが)、どんでん返しを求めるのはいかにも読者が過保護に慣れきっているような気がする。 キングが成熟した今は書けない(今も素晴らしい作家だが)、その時だけの熱量がある名作と言えるだろう。 | ||||
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登場人物の名前を覚えるのが少し大変でしたが読み応えありです。 スティーブンキングの作品が好きなら是非 | ||||
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ほとんどがロングウォーク参加者の少年たちの会話のため、キャラクターに魅力を感じない人にとっては退屈だと思う。ラストも普通で、誰が生き残るのかだいたいわかってしまうし、どんでん返しもあるわけではないので注意。 | ||||
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100人の少年が最後の一人になるまで歩かされ続けます。特別な意思や能力を持った少年たちというわけではありません。途中小さな事件は様々起きますが、大きなどんでん返しがあるわけでも、高度な心理戦が展開されるわけでもありません。ただ淡々と会話、ジョーク、射殺が繰り返されるだけです。 平凡な少年が死に直面して突飛な行動を取ります。逆に強靭な意志や肉体を持っているかに見えた少年があっさり殺されたりします。この作品はホラーとは違うと思いますが、少年たちの精神、行動から凄みのようなものはすごく伝わってくる作品です。 | ||||
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以前から読みたいと思っていた作品でした! 期待以上の良作で満足です!! | ||||
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少年が死と直面することで精神的に成長する物語 ・・・・・・・・・・・・・・ 100人の少年たちがアメリカ・カナダ国境からひたすら南下する。時速4マイル(6.4Km)以下の速度になったら射殺される。最後の1人になるまでこのゲームは続き、その1人には「おおきなご褒美」が与えられる。 舞台は「少佐」と呼ばれる独裁者が支配する近未来の合衆国。このゲームについては「なぜ行われなければならないのか?」「なぜ国民はこのゲームに熱狂するのか?」など細かい説明は一切ない。 死に直面した少年達の友情、裏切、欲望、苦悩、嫌悪、性、そしていやおうなく突きつけられる「生とは何か?死とは何か?」という問題。直前まで会話していた他の参加者達が、次の瞬間には死んでいる不条理。恐怖。 このゲームを人生になぞらえるのは簡単だが、やはり、ホラー小説として読むのが適切だろう。人はこれほど「死」を意識しながら生きてはいない。 筆者が大学1年生の時の作品とのこと。巻末解説にあるように設定の単純さが結末を予想させてしまうきらいはあるが、キング=バックマンの心理描写、風景描写はこの当時から卓越している。一読の価値はあると思う。 | ||||
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筋立ては面白い。 特にこのような不条理な状況に放り込まれた主人公を通して、「恐怖」を 描くキングはさすがです。 と言いつつ…☆は二つのみ。 理由は簡単。二度目に読むと、あまりにもつまらない。 筋を大まかに知っているから面白くないのではなく、情景描写が全く面白くない。 登場人物が「切符」をもらう様子や周囲の観客の描写など、2回も3回も同じ ような描写力しかなく、登場人物のリアリティがなく、使いまわしの形容句など 飽きがきて、「あーあ、またかよ」という感想しかない。 特に最後の尻すぼみは酷いもの。 「少佐」の存在があまりにも軽く、少佐の子供が出場したことさえその理由が陳腐。 20年ほど前に読んだが、引越しのどさくさでなくしたので、再度購入したが大失敗。 当時はそれこそ面白く読んだが、2回目は呆れるほどできの悪い小説だった。 やはりキングは「一発芸」のみかな … 悲しくもそう思った次第。 初めて読む方にはそこそこ面白いかな?と思いますので、☆二つ。 | ||||
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バトルロワイヤルの下敷きとなったと言われている本のため、前々から気になって居たので、中古屋でたまたま売っていたのをきっかけに読んでみましたが、かなり面白いです。 内容は他の皆様が書いているので書きませんが、一つだけ。 バトルロワイヤルとは全くの別物です。 下敷きとなっただけに似てるかな?と思いましたが、シナリオも緊迫感も心情の現れ方も、全くの別物です。 バトルロワイヤルもロングウォークもそれぞれの良さは別物です。 | ||||
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久しぶりにキングの小説が読みたくなり、アマゾンレビューの高評価を見て、『バトルランナー』と一緒にこの作品を購入しました。 しかし、読んでみると、レビューに反し、とてもつまらなくて、約100pで挫折し、放り出してしまいました。 『バトルランナー』の方は映画化されただけあり、キング作品としては異色のアクション物ですが、それなりに面白く読めました。 ところが、こちらの作品は、キングが大学1年生の頃に書いた作品というだけあって、よく言えば、荒削り、悪く言えば、設定が大雑把でストーリーに起伏が感じられない退屈な作品になってしまっています。 具体的に言うと、まず、近未来を舞台にしているようですが、それを感じさせる描写がないこと、次に、ロングウォークの責任者(この世界の管理者?)である少佐の権力基盤の説明が乏しく、ジープでの度々の登場も滑稽にみえてしまうこと。さらに、ロングウォークに参加している少年たちの動機が陳腐すぎること(または本人たちにも「動機がわからない」こと、)、またそのくせ、もう一度初めに戻れるとしても、自分は再びロングウォークに参加する、というまったく意味不明な思考を持っていること。服装や装備が、これから死をかけたロングウォークを行う者たちとはとても思えないこと。ロングウォーク中に繰り広げられる出来事のメインが参加者たちの会話であり(喋りながら走れるとはものすごい体力だ!?)、しかもそれが、生死をかけている人間のそれとは思えず、非常に退屈なことです。 設定は面白そうなのですが、残念ながらこの作品には、キング小説の恐怖も深みもありませんでした。 | ||||
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個人的にはキングの作品で一番好きです。 1992年に日本語で読み、最近原文で読みました。どっちで読んでもやっぱり面白い。 現実的かどうかはともかくとして、寝ずに歩くことの辛さと、参加者が自分の死を意識した時の精神状態の描写には引き込まれました。 ただ、物語としては文字通り一本道なので、ハリウッド的カーチェイスや銃撃戦、どんでん返しが好きな方にはお勧めできないかと思います。映像化も不可能でしょうし…。 | ||||
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後に手を入れたとはいえ、キングがまだ学生の頃に書いたとされる事実上の処女長編。 1976年という時代に19歳の大学一年生がこれを書き上げた。 信じられない。 確かに、あら削りなところはある。 でも、ときどき翻訳小説のレビューでみかけるような「文章力不足か、訳者の能力不足か」といった批評を目にするたびに「それとも自分の読解力不足か」も付け足したらいかがでしょうか? といいたくなる。フェアじゃない。 読者にだって娯しむ努力と能力が要るのだ。 ただ歩くだけの内容で長編一冊を書ききる筆致は、静かな迫力と熱を感じる。 読み進むうちに、その熱にあてられてなんだか苦しくなる。 キングとしては決して長くないこの一冊のなかに、ギャラティやマクヴリーズ、オルソン、ステビンズ、バーコヴィッチたちのつかの間の友情や人生が見えてきて、なんだか切なくなる。 無論、パーシーなんとかの人生も。 SFで、この上なく恐ろしいホラーで、青春小説。 こんなものが描けるのが、やっぱりキングなのだ。 | ||||
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翻訳が合わず、どうがんばっても 楽しめなかった。 | ||||
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ある意味、エンディングは見えている。 選ばれた少年たちはただひたすら歩く。 一定の早さを保てなくなったり、止まってしまったり倒れたら銃殺。 最後に一人になるまでひたすら歩きつづけ、その一人には望みのままの全てが与えられる。 とくれば、主人公が勝者であろうとは予想がつくし、実際そうでなければストーリーがたちいかない。 しかし、それだけの条件でも読ませてしまう、それがキングだ。 大昔に読んで感動したこの作品を久しぶりに読んでみた。 古さは感じない。 破滅に向かって進む中で、友情を感じたくないと思いつつもわずかなつながりを求める少年たちの、ほんの刹那の友情ゲーム。傷つき、嘆き、いつしかゲームに参加した理由さえ見失い、ひたすら歩く。 結末も覚えていたのに、最後までぐいぐい読ませるこのストーリー、圧巻。 | ||||
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キングを読むには体力が要るので、久々に読みました。 やっぱり稀代のストーリーテラー。 友情を感じさせる会話に和んだ次の瞬間には、極限状態に追い込まれた他の少年が 「うわっ、何やってんの!?」と言いたくなるような行動を見せたりして、 物語から離してくれません。 読んでる内に少年たちの行進にシンクロしてか、酩酊状態になってしまいました。 流血表現と人間の闇を見つめることに抵抗がない人には、星5つでおすすめ。 | ||||
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10年以上前に、中学生のときに読みました。久々に読みたくなり連休中に読破しました。 中学生のとき周りの友達にやたらに薦め、今では皆キングファンです。 沼尻素子さんは、キングの作品の中で、一番の翻訳家ではないでしょうか。 「読む」、という表現よりこの作品に関しては「一緒に歩く」という表現がピッタリだと 思います。それぐらい表現がスッとイメージを沸き起こします。 この作品を読んだ後 ・言葉がキング口調になる。 ・読み終えた後(若しくは歩いた)早歩きしてしまう。 等の現象が起きてしまいます(?) この面白さ、「フェアじゃない」 | ||||
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読んでいてとても辛いものがある キングの大傑作小説。 100名の少年が歩き始める。途中で速度が遅くなったり 歩けなくなると警告を受ける。3回警告を受けると射殺される。99名が死ぬことになり 1名だけが生き残る。そんな 過酷なレースだ。 ありえない話なのだが 読ませる。それはキングの冴えた筆致である。しかし 一歩引いて考えてみると 僕らの人生も そんなロングウォークそのものであるのかもしれない。僕らも いつかは 必ず死を迎える。それをわかっていながら 人生を歩んでいる姿は 本書の少年たちと同じなのだ。 | ||||
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