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陰陽師 生成り姫
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陰陽師 生成り姫の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.51pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 1~20 1/2ページ
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面白かったです! 短く区切られた文章で、そこまで難しい古語もなく読みやすく感じました。 安倍晴明の親友であり、笛の名手である源博雅。 月の出る夜の晩に、見晴らしのよい高台で笛を吹いていた博雅が出逢う、ある姫君との悲しい逢瀬の物語。 お話には、安倍晴明の陰陽術や、禍々しい鬼の話も出てきます。 作中に出るいくつかの逸話も楽しく読ませていただきました。 このシリーズは好きですが、特にオススメなのが、この「生成り姫」です。 悲しくも美しく、また人の背負っている業について深く考えさせられるお話でしたね。 | ||||
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当時の貴族、立場のある人々の様子が伝わってきて、また非科学的なことを信じるのが常識だったことが興味深いです。 シリーズとしては短編も独特の味わいがあるのですが、エンターテイメントとして読むのなら長編の方が好きかなあ。 | ||||
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ある脚本家は、「人が鬼になる瞬間を書け!」と言ったようだが、まさに人が鬼になる「生なり姫」の物語である。 その鬼に深く関わったのが、清明の相棒、博雅だ。自らをあさましいと嘆き狂う姫に、人をやめて鬼になっても、歳が美貌をそこなっても、それでもあなたが愛しいと心から語りかける。博雅がこの鬼になりかけた姫に向ける愛情はとても深く静かに澄み渡っている。 坊主でも司祭でもないこの男は、信仰の力で相手を救うのではない。そうした宗教臭さは不思議とない。この男はただただ、純粋に、ただただ、深く人を愛せるのだ。しかしそれこそが、不思議と人の心の深い所を動かしてしまうのだ。 無理と分かりつつも、このような男になりたい。 そう思えるよき男と、悲恋に終わった姫の物語だ。 | ||||
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陰陽師~生成り姫~ の舞台を観に行くので、予習のつもりで購入しました。前半バラバラのように見えたストーリーが、最後にひとつにまとまるのがお見事でした。 | ||||
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あとがきに著者の記載もあるが、シリーズ第一弾の「陰陽師」の中にある短編である 「鉄輪をリメークし、長編化した作品。設定が詳しくなり、物語の運びにもグッと迫る 迫力がある。この「生成り姫」の姫君の不幸な愛情なき生活は、たまたま私が読んだ 芥川龍之介の「六の宮の姫君」の姫の設定と酷似しており、両者とも「今昔物語集」 からの出典か?と思われる。もっとも龍之介の作品は、鬼にはならずに、哀れに死す という悲しき超短編です。 ラストに、博雅が、生成り(鬼になりかけた徳子姫君)に愛情を貫くシーンは本当に 泣ける。この物語の主人公は、安倍晴明ではなく、眞に源博雅であり、益々このコンビ が好きになった。すぐに、次の「龍笛ノ巻」を購入!!!しやした。 | ||||
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無事何事も無く届きました。 | ||||
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この巻を読んで、源博雅の魅力がよくわかったように思います。清明に良き漢と言われる博雅、本当に心優しき良き漢でした。博雅みたいな男性がいたら好きになるだろうなと思いながら読みました。 少しネタバレになりますが、博雅の笛を聞きに来ていた女性が月を見上げる場面の描写が美しくて心に残りました。 | ||||
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興味がある場面が多数出てきていいです。 | ||||
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陰陽師シリーズの数少ない長編作品。 何巻だったかに、元になる話がすでにあって、それを長編用にふくらました話なのだが、ふくらました、とか、言っちゃってる時点でお察しの通り、別に短編の方でもよかった気がする。 陰陽師シリーズ自体、平安シャーロック・ホームズというか、晴明がホームズで博雅がワトソンな訳だけど、あれも、長編と短編とどっち好きって、人によって異なるから、好みの問題かも知れない。 私は、"あれ?この話、前に読んだっけ??"となってしまって、ちょっと読んでて、気が散ったから、この点数。 完全新作だったら、もう少し楽しめたんだけど。。。 | ||||
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主人公・安倍晴明の愛すべき相棒、橘逸勢の悲恋を中軸に据えた『陰陽師』シリーズ初の長編作品。 橘逸勢はこれまでのシリーズでも、笛の名手であることと善良な人柄で、あまり頼りにならない感じだけど、いるとなにやら安心できるキャラクターとして存在感を示してきた。今回はそんな彼の魅力全開である。 とくに歴史的資料に記されたエピソードの数々が素晴らしい。暗殺されそうになるが、そうとは知らずに笛を吹いていたところ、それを聞いて暗殺者たちが感動してしまい、とても殺せたものではないと戻っていく話など、なぜか泣けてしようがなかったほどだ。 | ||||
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「陰陽師」で2時間ドラマや映画の原作とするならば、「鉄輪(かなわ)」であろう。この「生成り姫」は新聞連載用に「鉄輪」をリブートした作品。若干登場人物の名前の変更はあるが、骨格は「金輪」と変わらない。日本人に馴染みのある「丑の刻参り」の風習が基本となり、 「人は自ら願って鬼になる」という本作のテーマとなる基本線が張られている。だから、「陰陽師」入門としては良く、世界観を理解し易い。 登場人物、特に源博雅の個性が際立つ。博雅と没落貴族の娘徳子(とくこ)が笛を縁にして出会い、名も顔も見知らぬまま別れる。 加筆で相撲のエピソードや「なぜ没落したのか?」、父の形見の琵琶のことなど、ディティールが書き込まれていてより面白く読める。 「鉄輪」を先に読み、「生成り姫」を読んで頂きたい。二人の再会は、…。芦屋道満も助っ人として登場する。 増補しても煩わしくなるだけで、成功しなかったり、長く引き伸ばされた分緩慢になることもあるがこれは成功した例といえるだろう。 サイコダイバーが80年代でスタートし、終了した頃は携帯電話が出て来るとかの違和感は無い。 「陰陽師、どこから手をつけていいか分からない、」という人は「鉄輪」(付喪神ノ巻)が良い。それで感性に合わないなら読まなければいい。陰陽師カリカチュア。 | ||||
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面白かったです。 ただ、予備知識無しに読み始めたところ、このエピソード前に見たよな~とか、でもこのエピソードは読んでないよな~とか不思議な感覚で読み進めました。 巻末の後書きで納得。以前書かれたエピソードを新聞長期連載用にするため、陰陽師シリーズ初めての読者がいることを踏まえて、書き直した話だったのですね。内容としては再読になるのでしょうが、それでも十分楽しめました。 | ||||
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個人的には陰陽師シリーズの中でも最高の部類に入る傑作。 何度読み返しても飽きることが無い。 恋慕の情をこんなにも美しく、また哀しく謳いあげた作品も珍しいのでは? 読み終わった後に残る、この切ない気持ちを、一人でも多くの方に味わって頂きたいと思います。 | ||||
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以前の巻に出てた生成り姫ですが、長編となり更に深く描写されてました。 前半は確かにおさらいの感はあったと思いますが、博雅の人物像を理解するうえで必要だったと思います。 | ||||
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短編「鉄輪」の長編版。でもさすがですね。長編になると深みがあります。なぜあそこまで博雅は情をかけたのか?短編では微妙に違和感がなくもない。長編で、ああそうなるのかと。博雅がカッコイイな!って泣きそうになりました(笑)。 どれほど醜態を晒そうが鬼になろうが「愛しい」と言い切ってしまう。優しいのは知っていたけれど、博雅、懐の深さが尋常じゃない。 さすがの晴明も内心ハラハラしたかも。いや、ちょっと焦ってました(笑)。 途中まで短い話が並んで、え?これどう繋がる??と戸惑いましたが、全部繋がります。 余韻を残すような哀しい物語ですが、よく考えると博雅と出逢えた彼女は幸せと言えるでしょう。 醜さを見せたからこそ本物の気持ちをもらえた・・・。美しい物語でもあります。 夢枕獏さんは優しい人なのでしょう。ちなみに文中に書かれている博雅が残したという曲、良いですよ。博雅の龍笛が聴きたい・・・。 | ||||
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シリーズはすべてよんだと思っていたのに、 どうやらぬけ落ちていた様で、アマゾンにて購入。 魅力ある登場人物と、独特のテンポでさらさら読める。 夏の暑さしのぎに大当たりな1冊です。 | ||||
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夢枕獏さんの文章は、不思議だ。 読むに、体力を要しない。 今回、『生成り姫』も、すらっと読めた。 著者の本、もっと読んでみたい。 | ||||
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長編というスペースの余裕のせいか、陰陽師、それから主人公(道満もふくめて)についての詳しい解説がかなりの部分を占めます。しかし過去の短編でのエピソードについても伏線としてかなり言及されますので、やはり短編を読んでから読むのがお勧めです。謡曲「鉄輪」を知っていればもっと楽しめるかもしれません。しかしこの長編のエッセンスとフォーマットそしてオチは短編と変わりません。そしていくつかの例外を除いて終わりは悲しいものです。ただ長編というスタイルは、最後への盛り上がりをより劇的でかつ不可逆的なものにすることを可能ならしめます。このシリーズもつまるところは好みです。これに魅惑される人もいれば、これに飽きてしまう人もいるのでしょう。巻の二「相撲節会」のエピソードは全体の中での収まりはちょっと微妙ですね。 | ||||
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夢枕獏氏の陰陽師シリーズを読んだのは初めてでしたが、主人公の安倍晴明、源博雅がどのような人物なのか、あるいは陰陽師とはどのような人のことを言うのかが物語の中で丁寧に記されており予備知識のない者にも読みやすく書かれている。 私的なことですが、兵庫県佐用町江川地区いうところに安倍晴明と蘆屋道満の塚がそれぞれ小高い山の上に対峙するかたちであるのを観たのが本書を手に取るきっかけとなった。本書では安倍晴明が主役格のヒーロー、そして晴明とライバル関係にあったとされる蘆屋道満が悪相の脇役として描かれている。陰陽師といえば安倍晴明がその第一人者として知られておりカリスマ性がある。夢枕氏が物語の主人公として選んだのも当然のことと思う。しかし、播磨の地に住む私としては蘆屋道満をこのように扱うことについてほんの少し残念な気持ちもある。というのも、蘆屋道満は播磨国の出身と伝えられるからである。陰陽道の祖とされる安倍晴明に勝るとも劣らないほどの呪術力を持っていたとされ、晴明の好敵手であったのだ。晴明が藤原道長お抱えの陰陽師であったのに対し、道満は藤原顕光お抱えの陰陽師であった。要は歴史としての言い伝えはそれを残す側の権力者の思惑に左右されるのであり、朝廷側にいた晴明が「正義」とされるのは歴史の必然であって、事実がそのとおりであったとは限らないのだ。本書でも晴明は爽やかな若者、道満は老獪な人物といて描かれるが、実際は道満の方が若かったという説もある。事実はどうであったのか確かめようもないのだが、蘆屋道満が多く伝承されるように悪逆無道の人物であったとは限らない、そのことだけは記しておきたい。 とはいえ、夢枕氏の描く安倍晴明はなかなかのナイスガイであり、読者として応援せずにはいられないヒーローである。読者を惹きつけ虜にするだけの魅力に溢れている。このシリーズを全て読み通したいと思った次第。 本書は人の世の無常とだれの心に住むおどろおどろしい業が紡ぎだした哀しい物語。「生成り」とは辞書によると「能面の一。女の怨霊に用いる。角が生えかけた形で、般若(はんにや)になる以前のさまを表す」とある。源博雅が堀川橋のたもとで見初めた何処の人とも知れぬ姫。月日が経つにつれ姫の容色にも翳りが見え、そればかりか姫にふりかかった哀しき定めにより心に鬼を宿すまでになってしまう。読者はこの物語を読み終えてふり返ると、始めのほうで博雅が晴明に語った「そのお方が、老いてゆく御自分に対して、心に抱いている哀しみすらも、おれは愛しいのだよ」という一言にこの哀しい物語が暗示されていたのだと知ることになる。 | ||||
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陰陽師安倍晴明と親友の源博雅。この二人の心の交流が,このシリーズのとても大切な軸となっているのはもういうまでもないことです。でも今回の生成り姫は二人の友情の深さや,それぞれのよい漢(おとこ)ぶりがいかんなく光っているように思います。博雅がかつて恋した姫君と再会したのは,彼女が「他にどのような術もなくなり,鬼になるしかなかった」時でした…悲しみ,恨みを晴らすために人の命を奪い,自らも傷ついていく姫を晴明,博雅がそれぞれもつ情の深さ熱さで救おうとする姿がとても魅力的に描かれています。また平安の貴族女性が親をなくし,夫の助けを失った時,いかに残酷な立場に置かれるか,源氏物語など古典に様々例が あり,一見華やかにイメージされる平安時代の社会の闇を感じることがありますが,獏さんはその闇を見事に描ききっておられ,この物語は本当に陰陽師シリーズの中でも殊に素晴らしいと思います! | ||||
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