絹の家 シャーロック・ホームズ
評判
絹の家 シャーロック・ホームズの評価:
3.70/5点 レビュー 80件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全162件 161〜162 9/9ページ
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
絹の家 シャーロック・ホームズの評価:
3.70/5点 レビュー 80件。 A ランク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
この原書自体、イギリスでつい一昨年(2011年)に出たばかりの、新しい作品でもあります。
もっとも、短編集であれば、実はコナン・ドイルの息子が、本格ミステリー界の“密室の王者”ことディクスン・カーと共にかつて非常に面白い短編集
『シャーロック・ホームズの功績』(原書出版は1954年。早川書房にて邦訳有り)を書いたのですが、どうもそちらは財団の認可はなされてはいない様です。
一方、アンソニー・ホロヴィッツの手によるこちらの『絹の家』は長編で、そもそもコナン・ドイル自身はホームズ物語の長編を生涯に僅か4冊しか書きませんでしたから、
“唯一の財団公認であり、長編のホームズ物”という二重の魅力を持っているこの作品を、私も大いに期待して読みましたが、実際に期待通りの面白さでした。
ところで、私自身はこれまで“本格ミステリー”のジャンルに限定してレビューを書いてきたため、ホームズ作品について感想を述べるのは少し畑違いな気もするのですが。
それと言いますのも、たしかにホームズは名探偵の代名詞ですが、しかし厳密に言う“本格ミステリー”とは、コナン・ドイルの影響を受けつつも、
1920年前後にとりわけイギリスのアガサ・クリスティーやクロフツ等といった作家達によって開拓されたジャンルを言うからです。簡潔に説明するならば、
読者が作者から与えられた“情報を基に謎を解く”ことに重きが置かれているものが、本格ミステリーと言えるでしょう。
一方、読者が謎を解ける様に“情報”を与えるという作風ではなく、事前に読者が知らない情報を基にホームズが推理を語ることが多いドイルの作品は、
本格ミステリーとは言わないのです。
そんな訳でこちらの作品も、本格ミステリーとして書かれているというよりは、やはり、徹底してコナン・ドイルのスタイルで書かれた作品であることに、
最たる特徴の一つがあると言えます。しかしそうは言いながらも、同時に、長年の本格ミステリー・ファンの私から見ても、王道的なミステリー小説らしい推理が
展開される秀作でした。
否、むしろ、最後まで読むと分かりますが、何気ないところまで意外と細かく気が配られており、しかも精読していれば事前に読者はそれに気付くといった趣向も
凝らされておりましたので、“本格ミステリー風”とも言える、秀逸な作品だなと思いましたね。
ですが、もちろん、この作品の魅力を本格ミステリー的な観点ばかりから考えることは間違いです。それと言いますのも、やはりドイルのホームズ作品と言えば
魅力溢れる冒険的色彩も濃いわけですが、こちらの作品もドイルばりの優れた冒険物語となっているからです。と言うよりも、この作品の最大の魅力は、
ドイルの書いた様々なホームズ作品の影響が至るところに詰まっている点で、「ここはあの話から影響を受けてるな」などと思うところが多々あり、
それがこの作品で展開されている冒険談に華を添えていて、コナン・ドイルへのオマージュを感じると共に、ドイルのホームズが本当に復活したかの様な印象を受け、
ファンに“安心感”を与える出来ともなっているのです。
そこでふと思うのが、こちらの作品の作者が、日本でも英国ミステリー・ドラマのファンにはお馴染みの脚本家であり、小説家でもある、アンソニー・ホロヴィッツ
であることこそが、この作品の成功の秘訣かもしれないということです。
ホロヴィッツと言えばなんといっても、あのデビッド・スーシェ主演ドラマの『ポワロ』の脚本を成功させた功績がありますし、他にも、これまた日本でも
英国ミステリー・ファンには人気のドラマ『バーナビー警部』といった作品の脚本もやはり成功させています。それらに見られる様に、人気小説を題材に
非常に面白い脚本を書く彼は、“原作の良さを損なわずに自分なりのアレンジをし、優れた作品を新たに創る”ことの天才なのでありまして、その才能やこれまで培ったノウハウが
小説において遺憾なく発揮されたのが本作だと思えてならないのです。
以上、このようなわけで、全体的にレベルが高く秀逸な出来なので、もちろん星は5つにしました。
ちなみに、単行本なので二千円近く、少々値は張りますが、しかし実際に手に取ってみると、カバー・デザインのみならず、カバーを外したデザインも美しく、
私はこれほど見事な装丁のミステリー小説は他に持っていないため、お宝を手に入れた様な感もありまして、この小説が本当に気に入りました。 おすすめの一冊です。