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夢を売る男



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【この小説が収録されている参考書籍】
夢を売る男

夢を売る男の評価: 4.04/5点 レビュー 254件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.04pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全188件 141~160 8/10ページ
No.48:
(4pt)

業界

今までの作品に比べると、もの足りないような気がしました。が、相変わらず、面白かったです。
夢を売る男Amazon書評・レビュー:夢を売る男より
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No.47:
(5pt)

出版界の実情?

牛河原、いい奴なのか悪いやつなのか。
バリバリの詐欺師、人の虚栄心につけこむ悪人として登場する。
しかし読者に出版界の実情がわかってくるにつれて、実は良心的なのではないかと思えてくる。
途中で「百田何某なんて作家はいずれ消える」などと自虐ネタも入れ、ぐいぐい読ませる。
章ごとにポンと話題を絞り、実に面白かった。
この話題はタブーに近いものなのではないのかな。
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No.46:
(5pt)

引き込まれました

内容が頭の中で動き出したようにわかりやすく引き込まれました。非常に読みやすい本です。
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No.45:
(5pt)

感動のラスト

百田さんといえば、ラスト。
まさに最後の一行でこの物語を昇華させているような、とても面白い小説です。
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No.44:
(5pt)

顧客との絶妙なかけあい

小説だからご都合主義と思われるかもしれませんが、顧客に対する主人公の話の持って行き方や受け答えが、当意即妙で面白い。私も仕事で顧客のクレームを受け、右往左往したり、先方の心の琴線に触れるための糸口を探したりしているわけですが、なかなか参考になります。自らを省みて思い当たる節もあり、大笑いしてしまいました。
 本書の中で語られている「小説家の世界」は、恐らく事実に近いんでしょうね。途中からルポルタージュを読んでいるような気分になりました。小説…なんですよね。むかし、ある詩人の方が、「詩人として生活できているのは谷川俊太郎氏くらいで、後は詩人という肩書を利用してほかのことで生計を立てている」と、言ってらっしゃいましたが、小説家も近い境遇なんですね。出版界の内情も垣間見えて興味深かったです。先だって、永江朗氏の書籍の流通に関する本や見城徹氏の編集者の本を読んでいたので、なおのこと面白かったです。
 顧客側の心理も身につまされるところがあります。本出してみたいですよね。CDも出してみたい。先生と呼ばれ、鄙びた旅館に缶詰にされたい。この本についてのレビューを書いていらっしゃる方は皆さん文章がお上手ですね。的を射た表現正直感動しました。アマゾンにアクセスした人しか読めないなんて本当にもったいない話です。皆さんのところへもレビューの出版の話来るかもしれませんよ。                                 なんてね。こういうのに気を付けないと。

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No.43:
(4pt)

どっかで読んだような笑説

東野圭○の本にもよく似たようなのがあったような、、
こちらは自費出版の話で、ひと味ちがうのですが、
小説家を見る目はほぼ一緒かと思いました。

出版業界の内情を知らない私は、これがほぼ現実かと
誤解してしまいそうなのですが、東野圭○の作品とよく似ているので
確信に近いものを感じました。
編集部の皆様ご苦労さまです。
ネットで日本語が最も多いとか、印税が10%とか
自費出版費用が30万円とか、、ほぼ事実なんでしょう。

最後の方のスパイの話はちょっとうまく行き過ぎでうそ臭い。
編集部長も最後はいい顔をするけど、ちょっとキャラクターの一貫性が
なくなるかなー。
でも、一気に読めました。
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No.42:
(5pt)

本の状態

中古本で期待していなかったが、きれいな状態で、書店に行く時間が節約できた。
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No.41:
(5pt)

ワクワクのプロセス、ポカポカの読後感

※長くなりました

小説。夢を売る男(百田尚樹・太田出版・1400円+消費税)。

3時間でイッキ読み。続きは明日読もう、という自制が不可能で「あと1ページ!」のワクワクが止まぬまま、気がついたらラストページ。ブラックユーモア小説と言われながら、心を打つハッピーエンドに読後感ポカポカ。

タイトルの「夢」とは「ベストセラー作家」のこと。「自分は、もっと評価されるはずなのに」と満たされぬ現状で苦々しく生きている「作家志望」の人々に「お金を出せば書店に置ける本を出せますよ」と「夢」を売る男が主人公。

「夢」には「印税ウハウハ」も含まれるものの、人々がそれよりも渇望するもの、それは「周囲から尊敬されること」もっといえば「みんなは自分を小馬鹿にするけど、世間は真の自分をやっと認めてくれた。自分は正しかった、周囲は間違っていた」という一発逆転のシンデレラストーリー。

ページをめくる手が止まらないのは「夢を見る人達」のキャラ作りがうまいこと。「自己評価は自分自身も甘いけど、このキャラまでひどくはないね」と「半分親近感、半分嫌悪感」を覚えるキャラが「夢を売る男」にだまされていくプロセスの滑稽な楽しさ(ユーモア)がありながら、読み手への戒めにひとさじのギクリ感(ブラック)があり、まさにブラックユーモアの効いた小説。

ただ、中盤にユーモアまじりの会話で「小説と出版社のこれまでと今後」が語られ、そこに著者の思いがひしひしと伝わる。ここが熱い。その熱さの中、主人公がとある作家(どこからどうみても著者そのもの)を「あいつは○○な作家だ」と評価するシーンも興味深い(○○は206ページに書いてあります)。

エゴ、地位、名誉、金銭で包まれたブラックユーモアがムクムク進むも、ラスト5ページで「それとは比べものにならないほど素晴らしいもの」がビシッと決まる爽快感に、時間差でじんわりと心が打たれます。
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No.40:
(5pt)

夢の対価かぁ〜

牛河原さんがやってることは詐欺やけど、読み進めていくうちに、いや、これも商売としてあっていいんかも…なんて思ってしまう。だってまさに”夢”を売ってるから。
夢が見れて、心に抱えたものを出せて、一生の思い出になって、それなら200万出したっていいよっていう人がいるなら。ほかのサービスでは経験できないから相場なんてないし、本人が満足しているならそれは詐欺とはいえんかもなぁ、と。
まぁダマしてることには変わりないけど。でも騙されてるからこそ見れる夢やん。牛河原さんみたいにゼッタイにバレないように、夢から覚めないようにうま〜くやってくれるんなら、夢の対価として妥当かも…まぁ、俺は遠慮しとくけど。
でも実際、そうして本を出すことで精神的にいい方向に進める人も少なくないんちゃうかななんて思う、今の時代は。ただ、読まれもせん本に使う紙とか、資源もったいないけどな。

あと他のレビューでもあるけど、出版業界ってこんなんやってんなぁ。知らんかった。100パー赤字の本だすとか、おかしいやん〜…いやぁこれ書くって、百田さんって勇気ある方や。

ホンマこの本おもろかった。まだ一回しか読んでないけどもう一回読も。牛河原さん憎めへんもん、鼻くそほじってたってさぁ。しかも、めっちゃ本愛してる人やん。
最後鳥肌立ったわ。
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No.39:
(5pt)

少しの違いは、大きな違い・・・・

著者・百田尚樹氏の「夢を売る男」は、出版業界を背景にした
小説である。中規模の出版社の編集部長・牛河原勘治が、出版
業界の存亡を掛けたシリアスな局面でも、作家を志望する様々
なひとに夢を叶えるというストーリーである。

夢を叶えたいバラエティに富んだ登場人物がユニークである。
スティーブ・ジョブスになりたいゆとり世代の若者、引退後
に自分史を出版したい頑固な元大学教授、作家を志望で周囲
の理解を得られない主婦などだ。
なるほど、小数であるものの世の中には、確かにこの様な変っ
た人達は、存在する。
著者・百田尚樹氏の人間観察力に、思わず唸ってしまう。

読み進むにつれて、読者は牛河原編集部長の人柄に惹きつけら
れて行く。無駄のない牛河原からのさまざまな業務指示で、
ストーリーはテンポ良く進んでゆく。
ひとつの
ビジネスモデルとして、「ジョイント・プレス」という手法が、
「夢を与える」ことであると、牛河原は部下たちを鼓舞する。
出版業界を疲弊させまいとする姿が印象的だ。
現代の日本社会に不足している「何か」が見え隠れするのだ。

自身を失いかけている部下に編集部長・牛河原は、自身を回顧
しながら、部下たちに伝える。かつて自分は、大手出版社の文芸
編集長であったことを・・。

ほとんどのレビュワーも記載のある、本書のラストシーンは
胸の奥深く届き、読後感は心地良ささえ残るのだ。
少しの違いは大きな違いである事を実感した、充実の一冊と
言える。
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No.38:
(5pt)

「冷蔵庫丸庫」ってなんやねん・・・(爆笑

荒木「どういう意味ですか」
牛河原「知るかよ」

いやーーー、、、最高でした(*'▽`*)
熱心にblogやAmazonレビューを書いてる人たちは必見でしょう。
もう牛河原の台詞ひとつひとつがビシバシ心に響いてきます…(笑)
自費出版もそうですが、その他全ての「夢を食い物にするビジネス」に引っかからないためにも、
読んでおいた方が良いですね。
どんな業界でも、華々しく大成功するのはほんの一握りの人間だけ。
不景気だからこそ夢を見たい時代、ドラマ化してほしいくらい気に入ってます!

****

「はじめまして。丸栄出版の牛河原と申します。実はこの度「AmazonのTOPレビュアー」の中で、作家の才能を持つ人間を秘密裏に
探しておりまして、あなた様の実に的確で著者の欠点を鋭くえぐるような素晴しいレビュー…いや、書評に辿り着きました。
無料であのような場に書かせておくには実に惜しい人材だ!!と私、
数十年の編集人生の直感が働いた次第です。つきましては…」

…な〜んてメールが来たら、皆さん注意しましょうネ〜!!!( *'艸`)=3
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No.37:
(5pt)

百田尚樹氏の不敵な挑戦状!

「百田尚樹氏の思い」が率直に語られている書である。
もちろん「書き下ろし」、しかも本人の処女出版『永遠の〇』を出版した大田書房から出版されている。
見事な演出、かつ彼の男気と浪花節がかいまみえる。

この書で、丸栄社の編集長 牛河原勘治氏は率直に現在日本の出版事情をもろに語ってくれる。
元夏波書房の凄腕編集長は、彼でしか知り得ぬ情報を整理してわれらに伝えようとする。
涙ぐましい率直さ。
第五篇の「小説家の世界」は圧巻である。
ここに描かれている以上の内容を私は不幸にして知らなかった。

良きにつけ、悪しきにつけ
百田氏は偉大な沈着冷静なるリアリストである。
この書は 「自己」の総括であると同時に 日本国民への不敵な挑戦状となった。
わたしは 切に願う。
この書がベストセラーになり、日本国民の目の鱗を剥がしてくれんことを!
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No.36:
(5pt)

作田又三の出版社!

まさか,あの作田さんが出版社を経営していたとは。
大胆な経営手法,採用された優秀な社員。さすが又三!
『碇を上げよ』の続きとして読みました。
百田某まで登場させて,虚実入り混じって楽しかったです。
出版会の裏話は,いちいち「そうだろうなあ」と納得しながら
読みました。
本好きなら,はまる小説であることは間違いなし。おすすめ!
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No.35:
(4pt)

おもしろいけど

細かい表現で気になるところがたくさんありました。これは、海賊と呼ばれた男とも共通していますので、百田さんの文体の特徴なのかもしれませんが、自分には、読みにくさの原因になってしまいました。
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No.34:
(4pt)

良く出来た作品

夢を売るとは良く言ったもので今の出版不況時代に

切実な出版社の経営状態が見え隠れする。

言葉は違えど多数の出版社が実際にこの様な事を

しているし、同じ様に出版プロデューサーと言われる

様な何をしてお金を貰っているのか分からない様な

輩まで言ってみれば“夢を売っている”のかもしれない。

世の中需要と供給で成り立っているのだから

それを望む者がいればそれも良しと言う事か。

主人公が最後には心までは売っていないと言わんばかり

の一言で締めるあたり、憎い演出ですね。
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No.33:
(4pt)

出版業界の内情が理解できる

百田尚樹氏の大ファンであるので、直ぐに購入して、二日で読み切った。
私も10冊以上の本(小説でなく専門書)を上梓しているので、この本を読むと出版業界の内情が痛く理解できる。
高齢者が多くなった今日、本を読む人たちよりも、本を書きたい人たちが増えていると書かれているが、同感である。
それはブログの影響もあると指摘しているが、2百万円程度で出版できるのなら、自己の人生の記念としてはいいのではないかと思う。
内容の展開としては、百田尚樹氏の他の本に比べると、劇的ではないが、後半の展開は彼らしい一気に読みたくなる内容である。
統計的な数値も出てきているが、本当に、若い人たちは本を読まなくなった。人生の教師は本であり、人生を楽しくするのも本であることを、親御さんたちが、小さい子どの時から教育しないといけないと感じた。まあ、親が本を読んでいないので、子供も読むようにはならないのかもしれないが、・・・。いろいろと考えさせられる内容の本である。
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No.32:
(5pt)

久々におもろい小説

面白くて一気に読んでしまいました。百田さんのものは、『海賊と呼ばれた男』上、下とも出てすぐ買いましたが、時間、空間的に検証しながら読む癖のある私、まだ途中までなのに、『夢を売る男』は一気読みになりました。『永遠の0』も読まなくては...。
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4778313534
No.31:
(5pt)

文壇の話ではあまりないのだが。

宣伝文句と、太田出版から出たということで、A賞とかN賞の内幕ものかと思ったら、自費出版業界の話だったので、拍子抜けした。だがさらさら読んでいくと、わりあい面白い。特に、看護婦が差別用語だなどとバカなことを作中人物に言わせて皮肉っているところや、主人公だけ喫煙可、喫煙できない店には入らないなど、いい。
 一応純文学業界の批判も書かれているが、実際あと数年で、文藝雑誌がばたばた休刊してもおかしくないだろう。某文藝誌に延々と、某芥川賞作家の大長編が連載され、本にもなっているが、売れず、アマゾンレビューもまったくつかないまま品切れになっていっていることに気づいている人は少ないだろう。その意味では、出版者に負担をかけず、ウェブ上に延々と書き続ける大西巨人がいかに偉いか分かるだろう。
 死後発見されて売れる作家などというのはいない、というのも真実で、宮沢賢治はここでも言われている通り、生前から知られていて夭折したのである。
 この本は一見するより深いのである。というのは、一見すると騙されている著者たちは、自費出版でなければ本など出ない人たちで、「夢を売る」という題名は皮肉に見えて、実は真実だからである。
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No.30:
(4pt)

ブラックコメディというより『働きマン』

昔から、よく「あとがき」に、1年以上お待たせしてしまったとか、筆の進まない私を辛抱強く待ってくださった●●さんに感謝するとか書いている人の気がしれないなと思っていた。「私は締め切りを守らない人です」と宣言しているようなものだ。それが物書きの一種のスタイルのようになっていた時代もあったのだろうが、いまや締切すら守れない人の書くものを本気で待っている編集者や読者がいると思うならそれこそ物書きとしての想像力が欠如しているといわざるをえない。「売れている作家ほど、原稿をきっちりと仕上げてくる」「売れてる作家というのは、才能があるんだ。アイデアが溢れるように出てくるから、いくらでも書けるんだよ」と本書主人公の編集者・牛河原勘治の言葉はどうしようもなく正しい。

いまから10年くらい前に、梅田望夫さんが羽生善治さんにインタビューで、インターネットの出現で将棋が一番変わった部分は何かという質問をしたところ、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたが、高速道路を走り切ったところで大渋滞が起きていると羽生さんが答えていた。これがありとあらゆるジャンルで起きている。その最たる分野がものを書くという分野だろう。牛河原が言うように「日本語は誰でも書ける」。「だから自分も本くらい書けると思う」のである。まだ本気出してないだけ、というわけだ。とはいえ、ほとんどの人間は書けると思っていても書かないで人生を終わるところ、寝た子を起こしてさらに金までとるのが牛河原のいる丸栄社のビジネスだ。

「俺たちの仕事は客に夢を売る仕事だ」「この商売は一種のカウンセリングの役目も果たしているんだよ」「売れないものを出したいなら、そいつが金を払うのが当然だろう」と自分たちの仕事を巧妙に正当化しながら「表現したい、訴えたい、自分を理解してほしい、という強烈な欲望の持ち主」たちをおだてたりさとしたりしながらカモにしていく。「アメリカではこういうのを『バニティ・プレス』と呼ぶんだ」「虚栄出版――ですか。そのものずばりですね」などと乾いた会話が職場を飛び交う。作家という職業、編集者という仕事に少しでも夢や憧れを持っている人は、読まないほうがいいかもしれない。いや、ぜひとも読むべきである。つまるところすべての本は虚栄出版の部分が何パーセントかは必ずある。書いて伝えたくてしようがないというだけの人間は、書くこと自体が報酬なので、放っておいても無報酬で毎日何万字も書きまくる。そういう世の中で、わざわざ本を出したいという人間の欲望の背後に、実は表現欲や創作欲とは別の種類の欲が隠れていることを牛河原は見逃さない。そしてそこにつけこんで商売をしている。

しかしなぜか牛河原という人には人間性を疑うような卑劣さまでは感じない。言葉巧みに著者から金を出させたとしても、最後は本人が「出してよかった」と納得してもらえるように手を尽くすからだ。自費出版の著者は、出版社の“お客様”である。牛河原の駆け引きは、そこを踏まえたうえのことであり、本書の後半に出てくる狼煙舎のような明らかな詐欺とは一線を画している。傍から見れば似たり寄ったりかもしれないが、そこは違うのである。

本書を読んでいて、ジェイソン・ライトマンの『Thank you for Smoking(邦題はサンキュー・スモーキング』)に出てくるタバコ会社のロビイスト、ニック・ネイラーを思い出した。この男は手八丁口八丁でタバコの健康被害についての追及をかわすことを生業にしている。じつに胡散臭い仕事だ。でも、よくよく聞いてみると彼は嘘はついていない。逆に彼を叩きまくる禁煙運動家たちが決して清廉潔白ではないこともまたしかりなのである。牛河原は、老舗夏波出版で、文芸の名編集長だったが、その老舗出版社が丸栄社よりも世に誇れる仕事をしていたわけではなかった。売れない作家が垂れ流す赤字を彼らがバカにする作家の儲けで埋め合わせ、お手盛りの賞で売り上げをたてる。ノルマを満たすために求められない本を機械的に出す。「結局は金」というところは老舗だろうが新興だろうが、一流だろうが三流だろうが、変わらない。

それでも牛河原が出版という仕事にとどまる理由は何か。それはつまるところその仕事が得意であり、好きでもあり、それで食っていくことを選んでいるからだ。帯には「掟破りのブラックコメディ」とあるが、働くことの悲喜劇を斜陽業界における仁義なき戦いのなかに描いた、ブラックというよりハートフルなコメディ。
夢を売る男Amazon書評・レビュー:夢を売る男より
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No.29:
(4pt)

出版・・

軽快なタッチで、読みだすと一気。事実をおもしろおかしく軽快に。。
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