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十字架
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十字架の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全75件 21~40 2/4ページ
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いじめを苦にした中学生が遺書を残して自殺する。その遺書には4人の名前が書かれていて、そのうちの1人は自分の名前だった。 ネット社会やSNSの普及によりいじめの質は変わってきたが、本質的なものは何も変わっていない。主人公は雑誌に書かれている通り「見殺しにした者」であるが、こういう人は案外周りには多いのではないか。 いじめという現実を中学生の視点からではなく、高校や大学に進学、そして就職や結婚を経て子供ができる時系列で書かれている。 一生涯背負い続けなければならない十字架は傍観していた全ての人間に与えられる。 フジシュンの父親は「一生忘れない」なんて嘘だという。 まさにその通りなのだが、そうだとしても生きている者は、傷つきながらも前に進むしかない。 ただの重い小説ではなく、読み手に意見を提示しているような作品である。 | ||||
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いじめはどこの世界にもあります。ない方がいいと分かっていても、 目の前で行われていると心のどこかで関わりたくないと思ってしまう 自分がいました。 傍観者は関係ないではなく、いじめを放っておくことは十字架を背負 うことになるくらいの気持ちが必要で、そうでないといじめを否定する 資格すらない、という作者からのメッセージだと思いました。 だから現実では考えにくい、傍観者が一番責められているようなスト ーリーになっていました。 実際のいじめはほとんどの人が傍観者になるわけですから、これ くらいのインパクトを与えないと問題提議にならないです。 重松さんの小説は結末をふんわり持っていく(はっきりと落ちをつけ ない)作品が多い気がしますが、私はその方がその後のエピローグ を自分で想像できるので好きです。 非現実的と言わず、傍観者になりがちの我々は真面目な気持ちで 読むべき作品です。 | ||||
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いじめを苦に自殺してしまった一人のクラスメイトの死に対して、途方もない罪悪感を負わされた少年、葛藤の物語です。 自殺したクラスメイトの遺書に「ありがとう」と書かれ、親友にされた少年。 確かに、いじめを傍観するのは良くない事です。しかし、彼らにあそこまで十字架を背負わされるような罪で有ったのかは、甚だ疑問です。 いい歳をした大人ですら人間関係には悩み、職場いじめは存在します。 自殺した少年の家族や取材する記者たちが、一方的にも中2の当たり前の逃げ道を塞ぎ、無理やり十字架を背負わせたように感じられて 共感は出来ませんでした。精神を病んでいる感じすらします。 いじめに気が付けなかった親の責任という部分にも、もっと触れて欲しかったです。 | ||||
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最近たびたび耳にする学生のいじめ。自殺。未成年だからこそ公にされない加害者や事実を認めない学校。そして次々起こる日々のニュースでメディアから消えていってしまいます。 このお話でスポットを当てられるのは直接いじめた本人ではなく見て見ぬ振りをしてた少年少女です。少し過去を振り返るとドキリとしてしまう方もいらっしゃるのでは?私自身ありました。でも、だからこそ読まなくてはいけない作品だと思います。途中から主人公と共に、自殺したフジシュンやその家族に対して怒りを感じてしまいました。自分がいじめたんじゃない。なのになぜ永遠と責められるんだ、もう終わりにしてくれと。でも家族の悲しみは永遠なんですよね。最後少女が大人になり、主人公に送った手紙を読み少し救われたような気持ちと罪を一生背負っていく覚悟を学びました。 今身近にいじめを感じている人達へ、見て見ぬ振りをした罪を背負ってしまう前にどうか手を差し伸べてください。 罪を感じ続けている人へ、この小説を読んで欲しいです。罪は消えませんがまた歩き出せる。そんな言葉がつまっています。 | ||||
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久々に読んで本当に良かったと思える本に巡り会えた気がします。 色々な方に是非読んでほしいです。 | ||||
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中学校における「いじめ」に関する本です。 「いじめ」によって自殺に追い込まれる少年がいます。 彼は、遺書を残して首をつります。 その遺書の中には4人の実名が書かれています。 いじめた二人が書かれているのは当然なのですが、その他の二人は「親友」と憧れの女性です。 物語は、この二人のその後の苦しい感情の推移が丁寧に描かれます。 本人は「親友」とは思ってもいなかったのに「親友」と書かれながら、「いじめ」を見て何もしなかったことを詰られ、その重い十字架を背負います。 女性は、かってな片思いを押し付けられ、自殺の直前に電話を切ったことで、こちらも重い十字架を背負います。 二人は、その自殺した少年の家族と向き合いながら、十字架の重さを感じつつ成長していきます。 この話は、現代のいたるところでありうる話であり、それだけに胸にずんとくる重い作品になっています。 子どもを持つ大人になって初めて分かることもあります。 自分がそうした立場にならなかったことの幸せを感じながら読みました。 | ||||
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期待感を持って読み始めました。どこかで見た聞いたような いじめ事件を題材にしています。 作者の考え方が分かったのは「森の墓地」の件です。 作者はこのことを作品のなかに入れたかったんですね。 しかし、その入れ方は唐突です。自然に入れて作品に馴染ませることが できませんでした。作品の出だしは割合スムーズに流れています。 ところが、”落ち”を作ることができないので焦りが文章に伝わってきました。 終盤はまるでジェットコースターに乗っているような流れになってしまった のは締切り時間と枚数との関係があるのではないでしょうか? 雑な流れは嫌な感覚となって伝わってきます。 最後まで”落ち”をつくることができなかったまま終わってしまいました。 作者が何を訴えたかったのか最後まで漠としたままでした。 読まなければよかったと思うほど後悔するような本でした。 残念です。 | ||||
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いじめ自殺をテーマに、遺された者たちのその後を描く作品。 死んだ子に遺書で「君は親友だよ」と名指しされてしまった主人公と「好きだ」と告白されてしまった女生徒の、戸惑いや葛藤、そして後悔が、まるで十字架のようにそれからの彼らの人生にのしかかります。 ノルウェイの森では、ある青年の自殺が、遺された親友と恋人の人生を救いのないものに封じてしまいましたが、 この作品は、十字架を背負いながらも幸せを掴もうとする青年の姿が描かれています。 素晴らしい作品でした。 | ||||
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遺書に勝手に名前を書かれて、いい迷惑なのにすんなりと一生をかけて十字架を背負うところが、お人好し過ぎてつまらなかった。 私は背負うべき十字架から逃げ続ける三島・根本を描いて欲しいと思った。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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周囲はなぜイジメを止められなかったのか?と問う小説です。周囲も加害者と同罪。学校のイジメだけでなく、会社のイジメも同じことが言えます。イジメや暴行をうけている人を見たら、あなたならどうする?ことなかれ主義、他人事。今の社会風潮を描写した小説です。 | ||||
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いじめ自殺をとげた中学生。その遺書に期せずして書かれた、主人公と女生徒の名前。 いじめた人間ではなく、親友として…、好きだった人として…。 大人になり子を産むまで、自責の念を抱きながら、その生きていく過程が描かれている。 死に行くものが残す言葉は重い。それは、人を励ます時もあれば、一生消えない負い目を残すことにもなる。 いじめられた人間への最後の仕返しにもなり得るものかもしれない。 それでも、ダイレクトな加害者ではないものの、見ていただけのものにだって、それなりの楔を打ち込むことになる。 しかし、それを十字架として抱き続ける人間は少ないだろう。どうやったって、人生は続いていくのだ。 時間とは残酷だ。どんなに悲惨な事件でも、当事者でない限り、色褪せていく。 その慟哭と十字架を一生背負って、急速に老いていく親以外は、他人ごとになってしまう時が実に早くやってくる。 この物語では、期せずして関わりをもった二人が、その十字架の重みに苦しみながら、それぞれの答えを出していく。 その過程が、静かに描かれていてとても良かった。 事故死や、病死とは違う。関わり続けてくれる友達がきっとほとんどいなくなるだろう、いじめ自殺に関わってくれる二人の存在。 それが、物語を少し明るくしている。 | ||||
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別にこの作品を評価しなくとも イジメをテーマにして もっとうまく書ける人はいるでしょう | ||||
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自殺をした息子の両親が主人公や主人公の彼女に十字架を背負わせすぎていると感じた。 一番背負わせすぎていて気持ち悪いと思ったところは、自殺をした息子の母親が、 主人公の彼女に結婚したら結婚相手を家に連れてきて欲しいと言ったところ。 自分は誰かの親ではないし、その心境はわからない。だけど、自分の息子が死んだとして、 息子が好きだったという理由だけでその女の子にそこまで十字架を背負わせるだろうか。 自分なら絶対にそんなことしないし、そこが共感できなかった。 | ||||
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いじめた人・傍観した人・そして自ら死を選んだ少年 関わった人間たちは多かれ少なかれその死の気配に支配され、 人生が変わってしまった。 それはさておき、中学二年 そんなに危うい時期だったのか? 中二病って言葉ができるくらいに? 自らを振り返り・・・確かにそうだなと。 自我に目覚めたころ ここでどう進むかで先の人生に多大な影響があるのかもです。 私は・・・まあちょっと間違った道に進んだような気がしないでもないけどw 見守れるのは大人なのだろうか? 見守れるのは親なのだろうか? すべての子供が親に恵まれているわけではなくて。 あ、親がいるとかそういう意味ではなく、 いない方がましな親もいるということで。 それでも親は親ってのが日本的な情緒なのかもですがw みんないろんな意味での十字架を背負って生きていくのかもしれないですね | ||||
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子供に頼まれての購入です。 読んでいませんので・・・ 子供が読み終わったら、読んでみますね! | ||||
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子供が夏休みの読書感想文を書くために購入しました。いじめ問題について考えさせれた一冊でした。 | ||||
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いじめを苦に自殺してしまった一人の少年の死を題材に書かれていて命の大切さを考えさせられた本ではありますが、その少年にかかわった主人公がいつまでもその悲しみを十字架として背負っていくさまが私にはちょっと重かったかなという感じでした。 | ||||
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奇しくもこの本を読み始めて間も無く、ある中学校で同じようないじめを苦にした生徒の自殺が起こってしまいました。その生徒の遺書にはこの本の中で起こったことに通じるような内容があり、非常に考えさせられました。しかも、その学校は私の卒業した母校でもあり、当時はなかったいじめなどの問題が根深く潜んでいるのかと思い、この物語を中断することなく一気に読み終えてしまいました。子の親として深く深く考えさせられるお話です。 | ||||
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実に深く、心に響き、多くのことを考えさせる見事な作品である。 いじめを苦に、中学校2年生で自ら命を絶った少年。主犯2人と そこに身を寄せるようにくっつく少年1人から受け続けた執拗な いじめ。取り囲む生徒はみんないじめを知っている。しかし、誰 も注意をするどころか先生にも言わない。いけにえであり、見殺 しでもあるいじめだった。 その少年が遺書で書いた名前が、主犯格の2人の名前と、親友と 書かれた真田裕と、自殺した当日に誕生日をお祝いされた中川小 百合。この本では、真田裕の視点から、中川小百合、残された母 親、父親、弟を主たる登場人物にとりながら、一人の自殺が与えた 影響が、かくのごとく大きく、長期間に渡るものかを、まざまざと 実感させられる。 突然起こった不慮の行為に愕然とし、深い悲しみに暮れ、徐々に 立ち直ろうとしてもまた地面に打ちつけられる…。葛藤する許し ・許される気持ち、懺悔や悔いの気持ち…。 自殺を扱うというのは非常に難しいことであろう。そんなテーマ に正面から真摯に向き合うためだろう、本書の話を構成するのに 4年近くを費やしたという。一人の自殺がもたらした十字架を、 多くの人がずっと背負っていくことが真摯にえがかれている。 さすがは重松清さんである。またしても著者の力量には心底脱帽 するばかりである。 なお本書は、2009年に刊行された単行本を2012年に文庫化したも ので、吉川栄治文学賞受賞作である。 | ||||
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