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マグマ
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マグマの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全54件 41~54 3/3ページ
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行間が濃厚。TCIによる電源開発(9513.t)株式買増中止勧告や、カリフォルニア電力クライシスとエンロンなどの膨大な資料と、原子力の現場人が心裡に抱える信念や、大学腐食など研究開発基盤の課題など、緻密な取材が垣間見える。著者は勿論のこと、取材協力に尽力された人々の賜物ではないか。 「外資ファンド=ハゲタカ、物言う株主=総会屋・グリーンメーラー」という固定観念を超え、環境やエネルギーの課題が国境を超えるスキームを、マグマのように情熱を内に込めつつも冷静に提示している印象である。 利回りや元本割リスク(金融商品取引法37条の3)等の法定の説明のみに留まりがちな、日本資本の投信ファンドについて、諸外国における運用について掲げる基本方針と理念に基づいているかを監視する責務を伴うことにも、静かなる警鐘を鳴らしているようにも思えた。 『TCIの電源開発(株)への投資に対し中止勧告を行いました』(平成20年4月16日 財務省・経済産業省 報道発表) https://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/tci20080416-01.htm TCIによる電源開発(9513.t)株式保有状況(東京証券取引所) http://www.tse.or.jp/ 『八丁原バイナリー発電施設のRPS法認定について』(平成17年2月25日 九州電力株式会社) http://www.kyuden.co.jp/press_h050225-1.html 自然公園法及び国立公園における申請・届出 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32HO161.html http://www.env.go.jp/park/apply/basic/index.html ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(The Children's Investment Fund) http://www.tcifund.jp/ http://www.ciff.org/ | ||||
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原発への強烈な批判を描いているともとれる作品。 『ハゲタカ』同様、著者の文章力とストーリー構成力は素晴らしい。 終盤の夫婦間のコミュニケーションには涙した。 実に見事な作品。 | ||||
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「ハゲタカ」や「虚像の砦」と大きく違うところは主人公が女性というところ。 また、設定もホリエモンや村上ファンドなどニュースで話題となった投資ファンドの話や、身近なテレビ業界と違い、まったく知らない発電業界ということで、その説明が非常に難しく感じた。 これまでのかっこいい主人公たちに負けず劣らず今回も男気あふれる若い女性が奮闘するが、 これまでよりも心の深い部分の揺れ動く部分があまり表現されていなかったのが残念。 やはり女性の心を描くのが難しかったのか?? しかし、原子力と政治の関係や欧米やアジアの原子力に対する意識、そして地熱発電という未来へ可能性をストーリーの中でうまくあらわしていたと思う。 | ||||
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CO2をほとんど排出しないことから、 「地球環境に優しい」電気として売り込む原子力発電所の欺瞞と利権をあばき、 その陰に隠された地熱発電復活シナリオをテーマにした、 投資銀行(ハゲタカ)およびそれを取り巻く様々な立場を描いた、秀逸の経済小説。 様々な利害が絡んだ登場人物をめぐる人間模様と 物語の展開が実におもしろい。 ただ非常に残念なのは中盤おもしろいにもかかわらず、 終盤がやっつけのようにあっという間に物語を終わらせてしまうこと。 中盤の詳細な記述はどこへやら、 後半の急ぎ足で話を終わらせる雑さは、 せっかくのおもしろい物語を台無しにしかねないので、 非常に残念ではあった。 ただそれを差し引いても、 二酸化炭素削減が叫ばれている昨今、 それを追い風に原子力発電所が「環境に優しい」と 太鼓判を押されていることはどうなのかを考えるには、 非常によい本だと思う。 | ||||
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CO2をほとんど排出しないことから、 「地球環境に優しい」電気として売り込む原子力発電所の欺瞞と利権をあばき、 その陰に隠された地熱発電復活シナリオをテーマにした、 投資銀行(ハゲタカ)およびそれを取り巻く様々な立場を描いた、秀逸の経済小説。 様々な利害が絡んだ登場人物をめぐる人間模様と 物語の展開が実におもしろい。 ただ非常に残念なのは中盤おもしろいにもかかわらず、 終盤がやっつけのようにあっという間に物語を終わらせてしまうこと。 中盤の詳細な記述はどこへやら、 後半の急ぎ足で話を終わらせる雑さは、 せっかくのおもしろい物語を台無しにしかねないので、 非常に残念ではあった。 ただそれを差し引いても、 二酸化炭素削減が叫ばれている昨今、 それを追い風に原子力発電所が「環境に優しい」と 太鼓判を押されていることはどうなのかを考えるには、 非常によい本だと思う。 | ||||
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今回のテーマは地熱発電。 かなり地味なテーマに見えるかもしれないが、 小説は、『ハゲタカ』に劣らぬくらい骨太だ。 最近、日本の環境政策(≒エネルギー政策)のまずさが、 とりあげられ、居たたまれない思いを 味わっている人は多いと思う。 この本で取り上げられた「地熱発電」の話は、 あくまで小説ではあるが、 真剣にこういったことに眼をむけ、 考えている著者の姿勢が真摯につたわってくる。 毎日の報道を、「これでいいのか」と 思っている人はフィクションの世界であっても、 少し、すがすがしさを覚えるのではないか。 読むたびに毎度なのだが、 真山仁の思いが乗り移ったような 登場人物の「熱さ」に、泣けてくる。 | ||||
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学生時代にチェルノブイリの惨事をニュースで知って原子力発電に興味を持ち関連資料を読んで感じたこと。(素人ですが) 1.どんなに安全対策を講じても放射能漏れの危険性は残る 2.日本は地震大国。そこで原発を建設するのはどうなのか? 3.代替エネルギーを模索しなければ日本の未来は無い(原油依存を減らす) 原子力は放射能汚染というデメリットが大きすぎる この本でも、最後は原子力発電の割合を減らし(かつ厳格な検査体制を敷き)地熱発電を増やすというシナリオですが近い将来そうなってもおかしくないと思いました。 | ||||
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地球温暖化、原発に代わる代替エネルギー、政界・経済界との絡み、国際エネルギー問題などが織り込まれた作品で、 今地球規模で地球温暖化防止対策が行われていることもあり、また、今年2007年に起きた原発直下型地震を思い出すこともあり、 ぐんぐん引き込まれ、一気に読めました。 地熱発電をまったく知らなかった私でしたが、主人公と共に学べたような気もします。 「日本には何の資源もない」と耳にしたことが多かったのですが、作品の中の言葉にもあるように、 「日本は火山大国、それをエネルギーとしてとらえる」「答えは意外にも自分の足下にある」と改めて気付かされました。 私たちの未来はどうなっているのか、と考えさせられました。 また、主人公が女性、というのも私には魅力の一つでした。 小説を読み初めの頃は、周りの人からも「お嬢さん」とも言われてしまう主人公に不安も覚えましたが、 日に日に強くたくましくなっていく姿を頼もしく思いました。 登場人物は多いのですが、丁寧に書かれていたこともあり、どの登場人物も魅力ある人物でした。 題名の「マグマ」は、私たちの足下にあるマグマ、そして、登場人物たちの心の底にあるマグマ、のことで、それは良くも悪くも働くのだ、とも思いました。 「ハゲタカ」のような緊張感はありませんでしたが、経済小説としてはかなりの力作だと思いました。 次の作品を楽しみにさせてくれる作品でした。 | ||||
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本書を読むことのメリットを考えました。 1.投資銀行(特に米国の大手投資銀行)が、どのようにして投資案件を発掘し、投資し、収益をあげるか具体的に知ることが出来る。 1.上記から類推して、いま現在、新聞を賑わわせている経済事象を同じような視点から見ることが出来る。 1.地熱発電事業について概略理解することが出来る。 では、デメリットは何でしょうか? 1.プロットがやや弱いこと。 1.他の方も書かれていますが、確かに緊張感にかけると思います。 以上を総合されて読むか読まないかをご判断されてみてはいかがでしょうか。 | ||||
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「ハゲタカ」「バイアウト」でその巧みなプロットに惚れ込んで読みました。 うーん、確かに巧みだし、うまいとおもいます。 しかし、前二作品のような緊張感がない。 もちろん原子力発電が「地球にやさしい」などとは全く考えてはいないのですが。 私の学生時代の同期生の父親が、某電力会社の幹部(ものすごい上です)でしたが、 その友人に、父親が「原子力の廃棄物は(処理方法が)どうしようもない。」と言っていたと聞きました。 私は「そりゃその通りだろうが、そんな立場の人間が言ったら終わりだろうに。」と 思ったことを覚えています。 日本のエネルギー政策は過去数十年、ことごとく間違えたというのが、私の感想です。 なぜ石炭をやめたのか?ドイツではまだ掘っています。 色々問題はあるようですが、リスク分散という意味では正しかったと思います。 日本が石油に一方的に依存した政策をとったのはなぜか?また原子力発電所を、被爆国として 感情的アレルギーがあるのになぜ進めたのか? 一部でささやかれている事があります。大変込み入った事情がありそうです。 そして、その一部を垣間見せてくれたのがこの本です。 でも「バイアウト」に比べると、やっぱり星5つはあげられないなあー。 | ||||
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なぜ地熱発電が脚光を浴びないのか、よくわかります。この作品の技術に関する記述は、すべてノンフィクション、つまり実在ししかも完成している技術を背景としていることに注目せざるをえません。謝辞にあった研究者の方の所属する研究所のHPを見てよく判りました。 水力、火力、原子力と進められている電源開発が地下に向かう日はくるのでしょうか。枯渇する化石燃料、温暖化する地球、エネルギーをめぐる外交政策、昨今高まる資源ナショナリズムなど考えると、子どもたちの未来を明るいものにすることを最優先に考えることが、私たち大人の重要な責務だと痛感させられます。 今の日本はあまりにも未来を創ることにひ弱になってしまっていないでしょうか。 エネルギーと環境に少しでも興味のある方はぜひご一読をお勧めします。 | ||||
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このまま行くと数十年後には枯渇してしまうという原油、石油に代わるエネルギーとして最も有望視され、年々比率が高まっていく原子力発電。 しかしそれは諸刃の剣である。 この小説はファンドという世界に生きてきた女性が、地熱発電の会社を任される事から始まる、彼女同様、地熱というものに全く知識がなかった私だが、彼女と共に地熱エネルギーに関する知識を学ぶ事ができた、それと同時に話題にファンドとはどういうものでどういう世界なのかの一端を知ることもできた。 小説の構成もよくできているし、多様な登場人物もよく描けている。これだけ登場人物が多いとどこかでつじつまが合わなくなったり人物の性格や役割の一貫性がなくなってしまう事が多いのだが、そこもきちんとしている。又、ぼかしてしまった謎が尻切れとんぼになっていなくて本当に小説として読み応えがある。そしてこういった小説に蛇足のように着いてくる恋愛譚がなかったのが何より現実的である。 確かに現実とはかなり離れているだとうという設定ではあるしかし、小説として非常に面白く一気に読んでしまった。あらゆる意味で一流のエンターテイメント作品だと思う。 | ||||
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地熱発電がずっと不遇な立場に置かれ続けていることについて問題意識を持ち、わが国のエネルギー政策、特に原子力至上主義にメスを入れているフィクション小説である。原子力発電については、相変わらず賛否両論が渦巻いているが、化石燃料発電が先細りになっていくことが明白な中、それに代替する発電方法として、現在もっとも現実的なのは原子力発電である。しかし、資源のないわが国にぴったりのクリーンなエネルギー源と言いながら、安全性の問題、放射性廃棄物の処理の問題などがあり、一朝一夕にこれらの問題が解決されるとも思えない。取りうる選択肢としては、やはり様々なエネルギー源をバランスよく配したエネルギー・ポートフォリオを組むということなのだろうが、そのためには、新エネルギー・再生可能エネルギーのさらなる開発と利用の促進を、わが国のエネルギー供給を実質的に牛耳っている守旧電力会社各社に義務づけていく必要がある。一応RPS法なる法律があるが、寡占企業のインセンティブを上げるためには、原子力振興の予算を減らし、RPS法による規制を強化するのが手っ取り早いのではないか。もっとも利権が渦巻く世界だけに、簡単にはいかないのだろうが。そんなことをつらつらと考えさせられる良書だった。 | ||||
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真山氏の作品を読んだのは「ハゲタカ」に次いで2作目でした。 原油の高騰やとりわけアジアで見られる原発新設の動きといった 国際エネルギー問題に、日本国内での外資系投資ファンドによる 事業再生、政治家、電力会社等業界の思惑を絡め、「ハゲタカ」同様、 わが国が現実に直面している問題や今後考えるべき課題を浮き彫り しています。 ビジネスの現場や人間関係について、より微細な描写があってもと 思われる向きもあるかもしれませんが、ビジネス小説としては ほどよい加減のように私は思います。 次作も楽しみです。 | ||||
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