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国境の雪
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国境の雪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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柴田氏にはまって何冊か続けて読んだ中で、あの当時の情勢とその後の状況を俯瞰して見ると、答え合わせは出来ました。 柴田氏でなければ、これ程のフィクションは作れないし、また、それが現実と受け止めなければ成らない。 あの、日世界で何が起こっていたのか日本人は知るべきです。 | ||||
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フィクションであることを全く感じさせない圧倒的なリアリティに心が震えた。北朝鮮工作員の女が国家機密を持って脱北する冒険小説。私自身、政治問題を扱った小説は、どちらかと言うと苦手な方だったが、冒頭から一気に引き込まれた。文章がハードボイルド。硬質で格調高く、緊張感に溢れているせいだろう。 キム・ジョンイル(金正日)、バラク・オバマ、シー・チンピン(習近平)、ウラジミール・プーチン、鳩山由紀夫・・・実在する人物が実名で登場する。北朝鮮、アメリカ、中国、ロシア、日本、各国の思惑に翻弄される人々の壮絶なドラマ。史実に基づいているだけに胸が熱くなった。 ラストシーンには賛否があるようですが、私は、このラストシーンが最も相応しいと確信している。悲しいけど、美しい。そう言えるラストシーンだ。 | ||||
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実名で描かれる実在する人物はじめ、ほとんど全員がお目出度い筋肉脳。ミスター・ビーンのコメディ映画みたい。 人殺しを厭わない冷酷な捕食者からの逃避行ストーリィに、諜報活動のインテリジェンスやヒューミントは必要ないのでしょう。 活躍する現場工作員は尾行点検をしないし、人目につく場所には出かけるし、連絡方法は杜撰でも都合よく話は進むしで、まさにお花畑的諜報戦。 ジョン・ル・カレやフォーサイスなどの大御所や、麻生幾的なエスピオナージの世界とは次元が異なります。 さはさりながら、随所に描かれる支那及び北朝鮮全体主義国家の恐ろしさ、矜持のない日本国政治、米国の身勝手さが正鵠を射ていることと、 娯楽小説として楽しめるため星三つを進呈です。 | ||||
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柴田氏の著書はほとんど読んでいるが、ほぼ全ての作品に対し辛口とも言える書評を寄せている。 柴田氏の作品は幾つかの種類があるが、国際諜報系の作品は ”大甘のハードボイルド” と言った感が有り、所々苦笑しながら読んだ記憶が有る。 本作は、その柴田氏の国際諜報系作品の中でも、とてつもなくスケールの大きな作品。中国国内を舞台に、アメリカCIA、中国、北朝鮮のそれぞれの組織が暗躍し、脱北した女性と、彼女を救出するべく日本のある組織の命を受けた主人公が現地中国に救出に向かう。 この様な諜報系の主人公は、得てして超人的な能力を身に纏いつつ、ひたすら女性にモテると言う表現方法が用いられるが、本作の主人公はそこまでバッタバッタと敵を倒し、身の危険を瞬時に躱す様なほどでも無い。現実性と非現実性との間をうまく書ききっていると思う。 また、柴田氏の作品で気になるのが、現代の必須デバイスで有るスマートフォン。過去の作品ではやたらアイフォーンの連打に苦笑せざるを得なかったが、本作ではiPhoneで統一され、すっきりとしている。 更に、” ”で文言を囲む、昔の暴走族漫画的手法も、本作では相当少なくなって読み易くなっていた。 相当分量のある作品なので、読み応えが十分にある。にも関わらず途中で飽きる事も無く、最後まで読み進める事が出来る。 但し、残念なのが結末。悲劇で終わろうがハッピーエンドで終わろうが、どちらでも良いが、この結末は少し肩透かしをくらった気がする。 | ||||
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すべてにおいて楽しめる内容でした。スリルもあるしロマンもあるし、大変な力作です。次回もこのようなスケール感いっぱいのエンターテイメント小説を期待します。 | ||||
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個人的には、近年の世界政治に興味がないので、あんまり引き込まれる事はなかった。そもそも、中国や北にも関心ないしなぁ。ひたすら分厚い本を読破するのに頑張ってた。あと、この人の本て、主人公同士が男女の関係になり、二言目には胸にそっと顔を、みたいのがお決まりのセリフとして何度もでるのもなんか気に障る(笑)深いようで実はそうでもないような内容と感じる | ||||
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これははっきり言って小説としては二級品ですね。主人公ふたりの人物像に深みはなく、ストーリーも陳腐でこっちに訴えかけてくるものがない。第一、純子が持ち出した機密ってのがあいまいでよくわからない。わかる人がいるのかな?作者はストーリーよりも国際情勢に関する自説、考察に主眼を置いてるんじゃないかな。そっちはさすがに小説家が書くだけあってわかり易いしすごく面白い。国際情勢を考える上でのヒントを与えてもらった感じがします。 | ||||
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実際にニュースとして聞いたことのある過去の事実に、フィクションを絡ませて物語が進行します。 だから先の見えている事実と先のわからないフィクションがどうなるのか、息もつかせず、読み進めることができました。 過去の事実に関するインテリジェンスという視点からの分析も秀逸で、なるほどと思わせる記述が多々ありました。 ただ結末は、759ページを読破したのに、少し残念な気がしました。 | ||||
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国家という幻想に翻弄される男女を描いた骨太の国際某略小説。 リアルな国際情勢を舞台にストーリーが展開しており、読み応えがある。 北朝鮮の国家の存亡に関わる秘密を手にした崔純子は生命を賭けて脱北を図る。 亜細亜政治研究所の甲斐長州の命を受けた工作員の設楽正明は身分を変えて、純子の握る秘密を奪還すべく中国へ飛ぶ。 北朝鮮、中国、アメリカ、日本…共産主義、資本主義、独裁国家、民主国家と、その体制やスタイルは違えど、結局は個人のエゴにより成り立っているのかと、読後、国への不信感が募った。 | ||||
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狸穴近くに 過去に住んでたので あの周辺の 雰囲気など すんなり イメージがはいってきました。 最後の結末が 微妙な部分がありますが 全体的に 素晴らしい内容です 相当 取材を重ねられたと思います。 私の大好きな作家の一人です。 | ||||
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購入してからすぐに届き、とても良い品物でしたので、喜んでいます。 | ||||
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大変面白く読ませていただきました、ワクワクしながら本当に、これでフィクションなのかとも思いましたが。 本当に良い時間を過ごす事が出来ました、作家の柴田哲孝氏のは本当に感謝します、日本人に生まれたDNAが騒ぎます。 これからも本当に心に響く作品をお願い致します。 ありがとうございました。 | ||||
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ここ数年におきた国際政治情勢の様々な事件の裏を明かすような内容はなかなかおもしろいのですが、細かい部分で単純なミスが見受けられるのが残念です。 北京のホテルの場所の表記の間違いや、ラサの中心部から見える丘の上のポタラ宮のことをダライ・ラマの夏の離宮ノルブリンカと書いていたり・・・(ノルブリンカは丘の上にはないしラサ中心部から見通せません)、胡錦濤や温家宝が会議の時に食べる食事を飲茶、という日本人から見た中華のステレオタイプなイメージ、等が、ああ、実際に現地を見て来ていないんだなと思わせてしまうがっかり感があります。 また純子の心理変化も唐突な感じがありました。 その辺を差し引けば、面白く読めます。 | ||||
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現代に現われた、「ジョン・ル・カレ」という閑居人さんのレビューを見て躊躇なく読むことにした。 そして、それに相違ない出来栄えであった。 ストーリー、人間及び歴史についての深い洞察、登場人物の心理描写は腑に落ちた。確かなリアリティーは674頁を一気に読ませる。 東アジア諸国の中で只、日本のみが「一億総中流」という幸福を一時、経験した。しかし、敗戦からそう長くない期間で日本の社会は戦前とは断絶した、お花畑のような状況に変質してしまった。 東アジアの北朝鮮、中国はほんの一握りの支配層(=富裕層)が大多数を奴隷のように強権的に支配する体制であり、韓国もまたそれに近づいている。 そして、三国とも体制存続のためのスローガンとしての「反日」がすっかり根付いてしまった。 東アジアは均等には発展していない。近代以前の国々があり日本はそれらの国々から敵対されているという事実を明明白白に思い知らされる。 「半島回収」という同様の小説も傑作であったが、この小説は人間が深く描き込まれていて動いている。 そして黒幕は、当然アメリカという国である。 | ||||
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まさにアジアの主要国を舞台にしたハリウッド映画の原作といっていい。しかし作る側はハリウッドで、の方が成功しそうな。 北朝鮮の重要人物の脱北物語に国際政治というバック、男女のロマンスを加えたもので、今の事実上起こっている国際間摩擦が目白押しに出てきてその内幕を説明してくれるので、びっくりすることや、 え!?ちょっとこれ、ほんとう!? え〜こんなこと書いていいの?というような危険なセリフなんかがたくさんある。 実際、オバマ大統領やヒラリークリントンが出てきたりする。 とにかく実在の人物や、いろんな人物が出てきて、またいろんな名称の国家機関や役職が出てきて、またそれが中国名や朝鮮名でなかなか誰がなんだか分かりにくい。最初に名と役職のリストがあるとチェックしやすいんだけど とにかく、脱北する女を追ういくつかのグループがあり、場面がそのグループごとに切り替わるのでこれもまた分かりにくいが、脱北ルートを追っていく、だけを念頭において読めば一貫性があり、読みやすい。が、政治の裏話がすごく多いのでその情報に疎いと読んでいて面白くないと思います。 しかしこれら全部をニュースやドキュメンタリで見ると面白くないが、こうやって小説化すると理解しやすいのでここ何年間の中国や北朝鮮との緊張が一挙に読めて、時事問題がかなりわかるのでうれしい。就活の題材になりそう。しかし本は非常に高いので図書館で借りるべきですね。 | ||||
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「この物語はフィクションである。だが登場する人物、団体、地名にはできる限り実名を使用し、主幹となるエピソードはすべて事実に基づいている。」こういった前置きは、柴田哲孝という作家のファンには、ある種の厳粛さを持って響くだろう。著者は、2006年「下山事件 最後の証言」で日本推理作家協会賞を受賞した。「推理小説」の形をとっているが、この作品は注意深く書かれたドキュメンタリーであり、著者は、この作品で1949年に起きた「下山事件」ひいては「松川事件」の真実の最も近くに立っていると考えられたからである。 「国境の雪」と題された700ページ近い小説は、北朝鮮の「最高機密」を粛清された愛人から託され脱北した元「喜組」の女と、彼女の脱出を助けるために日本の諜報機関から送り込まれた男の、中国国内での逃走とその間に生まれた愛の物語である。 女が隠し持つ「最高機密」は、北朝鮮の秘密であり、その暴露は東アジア情勢に決定的な影響を持つものと考えられた。そのために、北朝鮮保衛部、中国国家安全部・公安部、CIA、韓国中央情報部、そして日本の「内調」と通じる民間情報機関が、この秘密を掌握しようとして激しい戦いを展開する。 著者は、時折、「銀座服部時計店脇のライカビル」とか「湘南の児童養護施設(エリザベス・サンダーズホーム)」などをほのめかして読者に微笑して見せる。占領下日本の記憶と、しぶとく生き延びた戦後の諜報関係者、戦前の中野学校出身の残置諜者やその家族がハルビンや中国の奥地に存在し、物語を展開させる。特にこの「残置諜者」は、ストーリーの展開に必要不可欠なものだ。なるほど、アイディアだ、という感想と、本当にいるのだろうか、いるとすれば「指揮命令の対象」はどうなるのかという疑問が湧く。 事実の細部への拘りは、まさしく著者ならではのものだ。それに今回の作品では、北朝鮮、韓国、中国、アメリカの政治家たちのプロフィールが丁寧に描かれる。日本で民主党政権が発足し崩壊した3年間の東アジア情勢をめぐる各国の対外政策とインテリジェンス活動が、ほぼ正確に描かれる。「ほぼ」というのは、著者は「公式説明」以外の推理を駆使しているからだ。(例えば、金正日の死が中国絡みの毒殺であった可能性。或いは、ビンラディンの所在が中国国家安全部から米・パキスタン関係の衝突のためにもたらされた可能性、等々。)しかしこれらは、荒唐無稽とは言えないリアリティをもって描かれており、余程丁寧に国際情勢とインテリジェンスを分析していない限り書くことのできない世界だ。 米ソの「冷戦終了後の世界」は、「寒い国からきたスパイ」「スマイリーシリーズ」のような優れたスパイ小説を書いた「ジョン・ル・カレ」のような作家の居場所を奪ってしまった。しかし、東アジアでは別な形の冷戦が継続している。柴田哲孝こそ、この作品で新しいインテリジェンス小説の世界を切り開いたように思える。 蛇足ながら付け加えると、この作品は映画化すればスリリングな名作になるだろう。評者は、特に、北朝鮮保衛部の処刑魔「朴成勇」に惹かれる。この作品の中でも人物像が最もよく描かれているのではないか。存在感のある役者が演ずれば、いい味が出るだろう。崔純子を演ずる美しい女優はたくさんいるかも知れない。ただ体を売って精神が壊れない、透明感を維持できる女は奇跡だ。そういう女優は誰だろう?もう一人の主人公、設楽正明を演ずる俳優は、うまく頭にフォーカスされない。二人の主人公の設定が入り組んでいることが示唆されて、抽象的にならざるを得ない部分があることも、影響しているかも知れない。 | ||||
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