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ラジオ・キラー



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【この小説が収録されている参考書籍】
ラジオ・キラー

ラジオ・キラーの評価: 4.70/5点 レビュー 10件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.70pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(4pt)

どんでん返しにつぐどんでん返し。検察の陰謀と、内通者に振り回されながら、真実を追究し、犯人ヤンに誠実に向き合うイーラが魅力的。

ラジオ局に人質をとり、無作為にTELして、合言葉を言えなければ人質を1人ずつ殺していくという犯人。長女に自殺され、次女に憎まれ、アル中で身も心もボロボロのイーラ・ザミーンが交渉人として引っ張りだされる。犯人の要求は、婚約者のレオニーを連れてこいというのだが、レオニーは8ヶ月前に事故死していた…どんでん返しにつぐどんでん返し、ミスリード、検察の隠蔽工作、警察内の裏切者、など目まぐるしい。最後あたりは駆け足気味だが、イーラとザラとキティ、3人の母子がお互いを気遣う描写が心の癒しになる。前作「治療島」も面白かったが、霧の中を進むようにもどかしいところがあった。今作品はアクションも多く、ハリウッド映画向きであると思う。
ラジオ・キラーAmazon書評・レビュー:ラジオ・キラーより
4760132651
No.9:
(5pt)

映画化されるかも

出だしから面白く、この先もずっと面白いのだろうなぁと思いつつ、
期待を裏切らない展開にワクワク感を味わいつつ、
どんどん読み進み、さわやかな読後感と共に
あとがきで作者の人の良さまで伝わる良質ミステリー。

問題を抱えた交渉人イーラ・ザミーンと、
サイコパス風心理学者ヤン・マイのやりとりは、ダイハードや交渉人、
展開に次ぐ展開はスピード、
偶然現場に居合わせた娘キティーをなりふり構わず助けようとするイーラの姿は24のようであり、
最後にちょっと泣かせる所はS・キングを思わせた。

なんだか、ラジオ局ってのが古い設定だなぁと思っていたのだが、一応理由が書いてあった。それにしてもヨーロッパはまだまだラジオが生活の中に根づいているのかな。
スウェーデンのミステリー、ミレニアムを読んだ時も思ったのだが、ヨーロッパにも面白いミステリーがまだまだありそうだ。
ラジオ・キラーAmazon書評・レビュー:ラジオ・キラーより
4760132651
No.8:
(5pt)

「ドイツ」が生んだ傑作サスペンス

2007年にドイツで発表され、翌2008年に日本で刊行された本作品は、日本では珍しい「ドイツ」の作家によるサスペンス。

電話による懸賞コーナーの朝の番組が人気を誇るラジオ局101.5。
ここに、見学者を装った青年ヤン・マイが侵入、ラジオ局を乗っ取ってしまう。
ラジオ放送を通じて警察と取引を始めた彼は、婚約者レオニー・グレーゴアを探し出すことを要求。
ところが、彼女は8ヶ月前に交通事故で死亡していたはずであった…。

裏表紙の紹介に、「ノンストップ・サイコスリラー」とあるとおり、犯人の不可解な要求の謎に端を発し、人質救出を中心とした目まぐるしい展開、犯人の真の目的を巡る二転三転するストーリーと、海外ミステリに親しんでいる方なら、ジェフリー・ディヴァーを想起させるサスペンス小説に仕上がっています。

また、犯人との交渉役のヒロイン、イーラ・ザミーンの人物造型も魅力的。
長女を自殺で亡くしたというトラウマを抱え、アルコール依存症に罹っているという、身体的にも精神的にもどん底の彼女が、事件を通して心の傷と立ち向かっていくというサブ・テーマを包含しているところは、さすが本国ドイツでベストセラーになっただけのことはある、「巧い」小説だと感心させられました。

ところで、ドイツの「現代小説」ということですが、日本人には馴染みが薄いのではないでしょうか。
私自身、本作品以外に読んだのは、2003年日本刊行の「朗読者(ベルンハルト・シュリンク著)」くらいしか、記憶にありません。

でも、ミステリに限って言えば、イギリスやフランスのようなミステリ先進国を含む、ヨーロッパ地域なのですから、多くのミステリが書かれている国なのかもしれません。
そんなことを感じさせるくらい、高品質のミステリでした。

結末は、ハッピーエンドのような単純なものではないですが、読後感は「良好」。この点で、高評価を与えました。
ラジオ・キラーAmazon書評・レビュー:ラジオ・キラーより
4760132651
No.7:
(5pt)

意外性の魅力だけでなく人間ドラマも素晴らしい著者の会心作をぜひお奨めします。

サイコスリラーの傑作「治療島」で一躍ベストセラー作家となったドイツ・ミステリー界の新鋭フィツェックが満を持して放った第二作の力作サスペンス小説です。本書は前作に比べ神秘的な部分が減って通俗的にはなりましたが、よりスケール・アップした非常に動的でスピーディーなサスペンスに仕上がっています。著者お得意の些か強引ながらも衝撃的な幕開けから徐々に隠された真実が暴かれて行く仕掛けのストーリー展開は健在で、目まぐるしく読者を翻弄し終盤に至って単純な緊迫の攻防のサスペンスと思わせて最後見事に読者を欺いてみせます。
その朝、ベルリンのラジオ局に爆弾を身に帯びた狂気の犯罪者「ラジオ・キラー」が現われ七人の人質を取って立てこもる。彼はラジオ局の名物の趣向である合言葉を使って人質の殺人ゲームを行うと宣言し、やがて「事故死した婚約者を連れて来い」という不可解な要求を捜査当局に告げる。犯人との交渉に駆り出されたベルリン警察の犯罪心理学者イーラは、長女の自殺に打ちのめされ酒びたりの毎日で当日自殺を決意した矢先だったが、否応なしに事件にのめり込んで行く。
本書は間違いなく著者最高の人間ドラマの傑作で、人生に絶望しながらも必死で頑張るヒロインのイーラ、何やら複雑な事情を抱えた犯罪者マイ、イーラの元恋人で理解者のSEK隊長ゲッツ、高圧的な警察本部長シュトイアー、心優しいラジオ局制作部長のディーゼル等々個性的な登場人物が見事に描き分けられています。鋭い直感で事件に迫るイーラとて超人ではなく無力な面も見せますが、周到な構成で遂には善が勝利し悪が滅ぶドラマに満足し、却って不自然でなくリアルで良いと思いました。エピローグは心震える感動の名場面で、人間は確かに弱く醜く悲しい生き物だけれど人を再び信じてみようと思い直させる温かさに満ちています。意外性の魅力だけでなく人間ドラマも素晴らしい著者の会心作をぜひお奨めします。
ラジオ・キラーAmazon書評・レビュー:ラジオ・キラーより
4760132651
No.6:
(4pt)

独版スティーブン・キング?

本の内容もさることながら、著者が面白そうな人だったので読んでみた。
(先に彼のHPを拝見しました。なかなか面白そうでした。)
ひとつだけ残念なのは、翻訳。
原書で読むと面白い部分をなんとか日本語でも…と思ったのでしょう。そこをウマく訳すのが翻訳者の仕事では??とちょっと思ってしまいました。
括弧して説明が多すぎです。
あと、やたら文章に「、、、」がついているのはなぜ?

訳者さんの文章作法にちょっと疑問を感じた以外は、とっても面白かったです。
今後出版される著作もマークしていこうと思います。
ラジオ・キラーAmazon書評・レビュー:ラジオ・キラーより
4760132651
No.5:
(5pt)

ドイツ発 “ノンストップ・ジェットコースター・サスペンス”

デビュー作『治療島』の興奮が再びよみがえる・・・。セバスチャン・フィツェックの第2作である本書は、期待通りの傑作だった。

ベルリンのラジオ局が人質を取った男ヤンに占拠された。ヤンの要求は、8ヶ月前に交通事故で既に死んだ婚約者を連れてくることだった。彼は公共電波を使い、あるゲームを始める。無作為に電話をかけて相手がキーワードを正確に言わないと人質をひとりずつ射殺するというのだ。ベルリン警察の交渉人で犯罪心理学者のイーラ・ザミーンが急遽現場に駆り出される。しかしイーラは深い心の傷を負って、まさにその朝自殺しようとしていたほど、心身・公私共にボロボロの状態だった。

ストーリーは、警察側やリスナーが固唾を呑む中、殺人ゲームに興じるヤンとイーラの息詰まる攻防を軸に描かれるのだが、そこはフィツェック、二転三転し、次々と予想外の展開をみせるプロット、どんでん返し、そして思いもよらぬ結末と、まさに一気読み必至のスピード感とサスペンスに満ち満ちている。

本書は、あえて言えば、ジェフリー・ディーヴァーを彷彿とさせるドイツ発“ノンストップ・ジェットコースター・サスペンス”といえるだろう。
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No.4:
(4pt)

ドイツ・ミステリーはハリウッド製アクション映画を見るか。

彼女は今まさに服毒自殺をしようとしていた。
たまたま、それを飲むためのコーラ・ライト・レモンが
冷蔵庫になかっただけなのだ。
出かけた食料品店では銃撃に巻き込まれ、
そこからベルリン警察特別出動隊(SEK)のヘリで
物語の主舞台へと拉致される。

『ラジオ・キラー』は、ドイツ人作家セバスチャン・フィツェックの2作目。
ベストセラーとなったデビュー作『治療島』を凌ぐ評価を、
すでに得ているようだ。
今回は、現在も著者自身が携わっているラジオ局を舞台としている。

冒頭の部分を読んで、
私は「ダイ・ハード3」のジョン・マクレーンを思い起こした。
停職中で泥酔した彼は突然、事件現場の渦中に連れ出された。
そう、そこにサミュエル・L・ジャクソン。

ただし、主人公のイーラはSEKの優秀なベテラン交渉人だから、
派手なアクションを演じるわけではない。
テレ朝系のドラマ『交渉人』の宇佐木玲子
──その10年ほど後を想像すれば少しは近いか。

物語を動かすものは、ラジオ局のスタジオに人質とともに立てこもった、
かつては優秀な心理学者だったヤン・マイとの“交渉”。
ではなく、次つぎに提示される新たな事実と
周囲でくり広げられるアクションである。

この意味でも、きわめてハリウッド的だ。
幼い頃からそんな映画ばかりを見せられて来た日本人の私には、
展開が透けて見える。だから、読みやすい。

著者はトーマス・マンやカフカよりも、チャンドラーあたりを
好んで読んで育ったのではないだろうか。
同時に、シュレンドルフやヴェンダースではなく、
マクティアナンのような作品を観ていたのでは・・・笑。
それゆえ、イーラもまたマクレーン同様に
ラストでは瀕死の状態で犯罪者と対峙することになる。

静かなエピローグ──。
自殺した長女からのメッセージ、そしてドアの外には?
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No.3:
(5pt)

傑作ミステリー

気の早い話だが、年末のミステリーベストテンでトップを取っても不思議はない出来栄え。これは読まなきゃ損。先ず目に付くのは展開の速さ。小気味良いテンポで次から次へ、どんどん場面が変わり、物凄いスピードで事件は進む。余計な描写を控え、読者の興味を捉えて放さない抜群の筆力。類まれなストーリーテーラーだ。人物描写も的を射ている。主要人物の掘り下げた描写にも決して無駄がない。脇役も重要度に応じて的確な描写で、だらだらと時間をつぶすようなヘマはしていない。途中でこいつが怪しいぞと気付くのだが、それまでに二転三転するストーリーに翻弄されているので、ミスリードされているのかなと思わされてしまう。
 最近のミステリーではジェフリー・ディーヴァーの作品に匹敵するぐらい面白いが、何故か20年以上前に読んだロバート・ラドラムの「暗殺者」(新潮文庫)を思い出した。この本も何年も何年も印象に残る1冊になるだろう。お買い得。
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No.2:
(5pt)

星6つ!

相当に面白かった。登場人物の描写も豊かであるし、何より展開が異様に早い!読者の''読み''通りに話が進む部分もあるが、それ自体が実は巧妙な罠であったりして、最後まで気が抜けない。二転三転どころではなく、四転五転する展開が素晴らしい。ドイツの小説自体も珍しいので、飽きずに最後まで読める。これは絶対お勧めの小説です。
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4760132651
No.1:
(5pt)

前作より万人向けでおもしろい

前作「治療島」は迷路にさ迷うような感覚に陥って前ページを再読することがあったが、本作はわかりやすく、ストーリのテンポのよさとあいまってスラスラと読める。
 スラスラと読めるというよりは、幾重にも仕掛けられたしかけや伏線の張り方の巧みさにより、スラスラと読まされていると言うべきか。
 また、読後感も前作とは異なり、前作よりエンターテイメント色が強く万人向けだと思える。内容紹介に記載する「治療島をしのぐ」と言う表現にうそはない。
 宮部みゆきさんの「模倣犯」を読んだ以来のおもしろさを味わえ、時間の経過も忘れさせてくれた。次回作に期待したい。

ラジオ・キラーAmazon書評・レビュー:ラジオ・キラーより
4760132651

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