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京都洛北 蕪村追慕の殺人
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京都洛北 蕪村追慕の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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柏木圭一郎氏の『名探偵・星井裕の事件簿』シリーズの第16作目にあたります。4年という短期間にこれだけの連作を精力的に書き続けてきた作者の力量に感服しています。 解説を書かれた香山二三郎氏によれば、本シリーズの最終話とのこと。全作品を読んできた者にとっては楽しみを奪われた気分になっています。 本名の柏井寿氏名義の京都や旅・グルメのエッセイ出版、本職の歯科医のお仕事というタイトなスケジュールでの小説執筆活動ですので、相当無理をしてこられたことでしょう。 本シリーズは、ミステリーの味わいと共に、京都の魅力と登場人物の温かさが描かれており、読後感も心地よいものでした。ストーリーに関する点は省略させていただきます。小説のレビューは、書けば書くほど読者の読む楽しみを奪いますので、気をつけながら本筋と関係の少ないところを紹介します。 文人画家・与謝蕪村と俳句というミステリーの題材になりにくそうなテーマを今回選んでいます。 花街・島原の角屋の設えの見事さと歴史にも触れられています。同家所有の蕪村「紅白梅図」の四曲一隻の屏風は重要文化財に指定されており、それへの観賞眼もまた興味深いものでした。表記を変えて登場する美術館の紹介も京都を深く知る作者の魅力が感じられることでしょう。 今回は某豪華客船も登場し、その内部の豪華さは文章から伺えます。ミステリーですが、旅情描写の巧みさは作者ならでの真骨頂だと思っています。 星井裕、安西美雪という「名探偵・星井裕の事件簿」の登場人物は今回もまた魅力的に動き回りますし、語られる内容にも同感することが多いのですね。 特に物語の中盤での美雪の心情描写は胸を打つものでした。某警察官の温かい言葉も同様でした。 スパーリングワインのガブ飲みができる「WALAKU」(微妙に名前は変えられています)を始め、美味しいお店が登場しますし、様々な楽しみが同時に得られる小説となっています。このシリーズで何回か登場している烏丸紫明東入る「四季」での西村千五郎との会話も恒例ですが、年輪のもたらす味わいがそこにはありました。 もし作者が新しいシリーズの執筆を考えているようでしたら、エールを送りたいと思います。 | ||||
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