京都西陣 能舞台の殺人
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主人公である星井は雑誌カメラマンで、京都の能舞台を取材に来ています。 そのすぐ近くで殺人事件が起きて、元妻である美雪と会って、 情報提供しあったりなんかして解決していく、というお話です。 殺人の被害者は5歳の女の子で、ロリコン男が関わってたりしますので、 その手の事件に不快感を覚える人は読まない方が賢明です。 「〇〇の衣装を着て現れた」「〇〇の面をつけた誰それ」のように、そのナントカ装束や面についての 具体的な説明はほとんどないです。一応能に関する専門用語の説明は登場人物の言葉を借りて行われますが 「六条の御息所の衣装」がどんなものか知らない人間は想像しようがなく、小説の世界に入りづらいのが困りものです。 でもこれも映像化されるなら、と思っての文章なのでしょうか。 後これは旅情ミステリーであって本格推理物ではないとはわかってるのですが 星井くんが「とある質問をした」とか、警察にこれこれを調べるよう指示した、という描写がいつも出て来ます。 そしてそういう「カード」を読者には見せず、犯人を追いつめる段になってようやく「実はこういう監査結果が出てるのですよ」 とか言うわけです。え?ちょっとずるくない?とか思ってしまうことしきり・・・。 | ||||
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柏木圭一郎氏の『名探偵・星井裕の事件簿』シリーズの第13作目は西陣の京町家だった廃屋を殺人の舞台として使っていました。西陣織という伝統産業と町家の組み合わせですので、現在の京都に関心のある方には興味津々で読まれることでしょう。 そこに歴史ある伝統芸能の能を登場させ、小説に深みと色合いをもたらしていました。カメラマンの星井裕が能の文化を継承する人を取りあげて、モデルとして下鴨神社などを背景に写真を撮るシーンはまさしくドラマのワンシーンのような情景でした。 夏の京都ですので、暑さも加わり観光地の紹介はほとんどありません。この夏の集中豪雨の被害を小説の中に取りこんでいたのは時事的な要素も盛り込む作者の特徴でもありました。 いつものように京都が舞台ですから、星井裕の言葉を借りてご本人のエッセイストとしての柏井壽さんのコメントが伺えます。例えば、錦市場については「立ち食い客が狭い通りを行き交うだけの猥雑な街になりつつある」として「錦も来るたびにひどくなるな」と語らせていました。 柏井壽さんの著書にも紹介してあるホテルを、少し名を変えて登場させていました。「ダイヤロイネットホテル京都八条口」は、東寺の五重塔が部屋からみえるようで、ロケーションの良さは魅力です。また「首途八幡宮」のように知られざる社寺の紹介は嬉しいですね。 名を変えていますが「一歩堂」の煎り番茶、「鳥磐楼」「都観世」「雲竜」や、西村千五郎と鴨川の床で食事をするヴォーリズの「東花菜館」や日本一古いエレベーターなど本筋と関係ない話題も柏木氏のミステリーを読む場合の楽しみの一つです。 ラスト2行の美雪の言葉は能の登場人物とリンクさせていて巧さを感じました。 テレビ・ドラマとしても巧く成立するストーリーでしょう。 | ||||
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