京都洛北 蕪村追慕の殺人
- ワイン (31)
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星井くんはこれまでの経験から「本職はカメラマンだけど名探偵」と知られてしまってるので 今回殺人事件が起きた時にも関係者から「ぜひ解決してくれ」とか頼まれちゃいます。 で、これまで通り警察には元妻がいるので情報をもらったりあげたりしながら推理をすすめ、解決します。 双方の情報がないと解決しませんでした。 その際元妻:美雪の心情が細かく語られたり 「美雪の心には複雑な波紋が広がった。 今もっとも知りたかったことの答えがすぐに出て来る。やはり自分には星井が必要なのだという思いと、 自分の足を使うことなく容易に答えを導き出す安易さに対する嫌悪。池に広がる同心円状のさざ波などではなく、 岩場に打ち寄せる波の不規則な音が耳の中にこだましている。」 星井が葉山【司法解剖担当の女性】と親しくしている所を、美雪が目撃して泣いたり ここまで書かれているんですから、最後には二人がお互いを必要だと認識してよりを戻すのかな、と思いきや そんなこともなく、結局二人は元夫婦という今までどおりの関係のまま、 尚且つ双方新しい恋人をつくるわけでもない、という何とも肩すかしな最終巻でした。 これまでの星井くんもそうですが、彼はとにかく感情が文章に表れることはほとんどなく ただ京都の観光案内をして推理をするだけのお人形さん的立ち位置しかないので あまり感情移入ができないんですよね。 今回の犯人は、実は星井くんに犯罪を見破って欲しくていろいろヒントを投げかけたりしています。 何故かというと、それで見破られたら潔く自首するけど、見破られなかったら神様が見逃してくれたってことだから自首はしない、 というマイルールを決めてるからだったんですが、それに対して馬鹿にすんなとかふざけんなとか怒らないんですね、星井くんは。 殺人の動機に同情したからかも知れませんが、それにしたってお行儀が良すぎます。 そんなつまんない男に未練たらたらな美雪さんの態度や台詞がたっぷり演出されてendです。何コレ。 | ||||
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何気にかった旅館シリーズが良くて 今回も読んでます 本も新品ではないけど綺麗でいいです | ||||
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柏木圭一郎氏の『名探偵・星井裕の事件簿』シリーズの第16作目にあたります。4年という短期間にこれだけの連作を精力的に書き続けてきた作者の力量に感服しています。 解説を書かれた香山二三郎氏によれば、本シリーズの最終話とのこと。全作品を読んできた者にとっては楽しみを奪われた気分になっています。 本名の柏井寿氏名義の京都や旅・グルメのエッセイ出版、本職の歯科医のお仕事というタイトなスケジュールでの小説執筆活動ですので、相当無理をしてこられたことでしょう。 本シリーズは、ミステリーの味わいと共に、京都の魅力と登場人物の温かさが描かれており、読後感も心地よいものでした。ストーリーに関する点は省略させていただきます。小説のレビューは、書けば書くほど読者の読む楽しみを奪いますので、気をつけながら本筋と関係の少ないところを紹介します。 文人画家・与謝蕪村と俳句というミステリーの題材になりにくそうなテーマを今回選んでいます。 花街・島原の角屋の設えの見事さと歴史にも触れられています。同家所有の蕪村「紅白梅図」の四曲一隻の屏風は重要文化財に指定されており、それへの観賞眼もまた興味深いものでした。表記を変えて登場する美術館の紹介も京都を深く知る作者の魅力が感じられることでしょう。 今回は某豪華客船も登場し、その内部の豪華さは文章から伺えます。ミステリーですが、旅情描写の巧みさは作者ならでの真骨頂だと思っています。 星井裕、安西美雪という「名探偵・星井裕の事件簿」の登場人物は今回もまた魅力的に動き回りますし、語られる内容にも同感することが多いのですね。 特に物語の中盤での美雪の心情描写は胸を打つものでした。某警察官の温かい言葉も同様でした。 スパーリングワインのガブ飲みができる「WALAKU」(微妙に名前は変えられています)を始め、美味しいお店が登場しますし、様々な楽しみが同時に得られる小説となっています。このシリーズで何回か登場している烏丸紫明東入る「四季」での西村千五郎との会話も恒例ですが、年輪のもたらす味わいがそこにはありました。 もし作者が新しいシリーズの執筆を考えているようでしたら、エールを送りたいと思います。 | ||||
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