京都五条清水坂悲恋の殺意
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星井裕シリーズ15作目にして、これまでにない恋物語。 旅情というよりは、抒情に重きを置いたのだろう。 作者の狙いはきっとマンネリ打破だったのではないか。 とすれば、その狙いは当たったと言えるだろう。 意外な結末に、肩透かしを食うミステリーファンも 居られるようだが、わたしには読後感のいい作品だった。 悲恋というタイトルも的を射ている。 これまでの星井裕シリーズとは違う展開に 戸惑わされるのも一興。ラブロマンスファンにも向く、 一風変わったミステリーに仕上がっている。 | ||||
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柏木圭一郎氏の『名探偵・星井裕の事件簿』シリーズも回を重ねて、本作品は第15作目にあたります。 ミステリーですので、ストーリー展開や登場人物への言及は極力避けるようにしています。 「京都五条」「清水坂」「悲恋の殺意」というタイトルと副題でしたが、内容と微妙にそぐわないのは作者の意図よりも出版社の意向の方が勝ったのでしょうか。最後まで読みとおしても、どれと関連しているのか、そして何のシーンを指しているのかが分かりませんでした。 柏木圭一郎氏のミステリーは読みやすい文章ですし、登場人物も魅力的なのですが、本作では感情の振れが激しく、心情移入するのが難しいシーンがありました。 これも柏井寿氏名義の京都のエッセイの出版、本職の歯科医のお仕事、タイトなスケジュールでの小説執筆などのなせる業でしょうか。 老舗旅館「俵屋旅館」での設えも挿入してあります。柏井さん名義のエッセイでも登場させていますので、その描写力は読ませますし、女将の「京都らしさ」への卓見は同感です。 カメラマン・星井裕の心の師匠が、アーモスト・サトウだと15作目で初めて知りましたが、イメージは伝わりました。「ダイヤロイネットホテル京都八条口」は何回も登場するホテル(小説ですので実際のホテル名とは1字変えています)ですが、眺望の良さは作者のお気に入りです。 なおストーリー展開とは直接関係しませんが、129ページに書かれている「小林かいち(画家と紹介してありました)」「トランプをあしらった着物姿の女性を描いた額」に関してですが、小林かいちは画家ではなく木版絵師だと捉えています。今で言う図案家ですね。「絵葉書」「絵封筒」を多く作成しましたが、挿入されている話のように「額」になるような肉筆画が実際に存在しているのでしょうか。少し気になった箇所です。 登場する「ひご寿」は柏井さんの『極みの京都』でも紹介された「ひご久」で、錦市場にある江戸前鮨のお店です。しっかりとしたお仕事をする寿司屋としては比較的リーズナブルで良心的なお店で、「蒸しアワビ」の手間ひまによる旨みの抽出は本作からも伝わってきました。 なお、ラストの展開はついていけませんでした。多くの登場人物と広く展開したストーリーをまとめるのにはかなり強引な手法だと思います。ミステリーとしての味わいよりも「京都旅情」に重点を置いて読むスタンスをとれば許容範囲なのかもしれませんが。 | ||||
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