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ブレイズメス1990
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ブレイズメス1990の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.04pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
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海堂尊さんによる桜ノ宮を舞台にした小説。 このシリーズは過去編となる。1990年である。 バブル景気の時期であり黄金地球儀の話しなど他作品と絡む内容も踏まえつつ 日本全体の景気が良かったことをを各所で感じられる。 天城が指摘していたように景気の良い時期であるからこそ次の時代に必要なものを 作り準備するべきであるという指摘はその通リである。しかし十分に出来ないまま 今に至っているのだろう。あのときそうしていたらという意味で時代の分岐点を 書きだそうとしている小説でもある。 天城の報酬のとり方は何だか手塚治虫のブラック・ジャックみたいだな。 影響を受けているのだろうか。 公開手術など外科医須磨久善を読んでいると理解が進むものも多い。 人格はともかく天城の手術の技術は須磨久善がモデルであると思われる。 本作には海堂尊の他作品でも登場する人物たちの若かりし頃が出ていて興味ふかい。 高階講師は病院長になった後とイメージがだいぶ違うような気もする。 バチスタの栄光に出てくる桐生も最後の方で出ていておっと思わされた。 | ||||
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医療を語る上で、日本ではまず「命」が大事という倫理感が来るけど、それってどうなのと問いかけてくる本。著者は医者をやっている時にずっと考えているのではないかな。そして、その問題意識を破天荒な天才医師に語らせています。 高度医療をビジネスとして儲かるようにすれば、健康保険組合の破綻なども乗り切れるはず、結果的にはもっとたくさんの人が救えるというのが言いたいことでしょう。 ストーリーとしては、ドロドロした桜宮になる前の、とても爽やかな時代(1990)のお話。スターウォーズでエピソード4・5・6をやった後に1・2・3に戻ったイメージですね。時間が経過した後のエピソードであるバチスタの栄光や螺鈿迷宮・アリアドネの弾丸を読んだ後に読むほうが宜しいかも。 | ||||
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「ブッラックペアン1988」の続編。 タイトル通り前作の2年後、1990年の世界です。 主人公は世良雅志ですが、この医者になって間もない男に言い渡された極秘ミッションが、引き起こす騒動がこの物語のメインのストーリーです。 テーマ的には、「医療」と「金」の関係でしょうか。 小説としては、非常にテンポ良く謎めいた部分もあって、なかなか楽しい作品になっています。 ただ、クライマックス部分の処理が、盛り上がりに欠ける部分があってちょっと気になりました。 いずれにしても、この作者の作品はすべての作品がリンクしているので、そうした関連性も楽しめる作品です。 この作品もそうした視点で見ると、「ジェネラル・ルージュの伝説」や「螺旋迷宮」「夢見る黄金地球儀」とも繋がっており、別の意味での楽しみもあります。 | ||||
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この小説を彩るのは「チームバチスタ」などで見られた医療&サスペンスではなく、医師天城雪彦自信に満ちた饒舌。小説のメインディッシュとなるべき手術は終盤に配されているから、それまでずっと彼の饒舌を聞き続けることになる。何故に彼は語り続けるのか。彼が語りたかったことは次第に明らかになる。それは、20年前から見た日本の医療の未来、すなわち医療の現在である。 高齢化故に心臓病患者は多く、心臓外科病院は乱立する。平均術例数が年間100件を下回るという現状には厚労省も危機感を持っているようだが、施設が貧弱だろうと専門医がいなかろうと、増え続ける患者を待ち受けるにはまずは看板を掲げて・・・という心臓病医療の現実。 そんな未来をどこまで予想したのかは知らないが、地方医大に過ぎなかった東城医大の佐伯教授は身分不相応でも世界的第一人者を招聘し、招かれた天城は高度医療に耐えうるハートセンターの立ち上げを目指す。高度医療は経済原理に支えられる、とする天城に金持ち優遇と反発する医師たち。天城の技術とロジックの前に彼らの反発は押し潰されて、この小説は終わる。 東城医大がバチスタ術の第一人者を得たのは、先人たちが未来を真剣に考えていたから、ということなのだろうか。大きな流れの中の一冊なので、この小説単体では不満足感が残るかもしれない。少なくともちゃんと「バチスタ」を読んでからにすればよかった。 | ||||
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なんとなく続編がありそうな終わり方が気になります。 他の方のレビューはなかなか厳しい感じがしましたが、 私は純粋に楽しめました。 これだけだと完結しなさそうなので、★-1。 | ||||
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医療とお金の問題に正面から向き合う天城先生の キャラクターが突き抜けていている。 そのモナコでの生活ぶりや行動が浮世離れていて 久々に濃いキャラクターがきたなという感じです。 公開手術に向けてのスピード感に引きづられ、 読み進むスピードもあがりました。 世良先生は、相変わらずラッキーボーイぶりを発揮し、 個性的な先生達のお気に入りになっています。 ただ、現在に目を向けると、世良先生も天城先生も 佐伯教授も大学にはおらず、この数年間で何が起きたの だろうと想像が膨らみました。 スリジエ・ハートセンターは結局設立されていませんし、 いろいろ伏線らしきものはちりばめられています。 また2年後の話が楽しみです。 | ||||
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「ブラックペアン1988」の2年後の世界です。 垣谷講師と、世良はフランスへ。 そして、モナコで天城医師と出会う。 後の作品となる「螺鈿迷宮」の主要登場人物である碧翠院桜宮病院の桜宮巌雄とすみれに双子姉妹、 「チームバチスタの栄光」で登場する桐生など、シリーズ作品を読んでいれば、おお!という人物の若き日に出会えるので非常に楽しめます。 (世良が主役のせいか「極北クレーマー」の極北市も冒頭でちょこっとだけ登場) 「ブラックペアン1988」では、世良、高階、渡海と佐伯教授が患者、命と真剣に向き合う姿勢が非常に印象的で、いい作品だったのですが、 本作「ブレイズメス1990」は、患者の命とカネがの話が出てくるのと、終わり方が私的にもう少し何か・・・という物足りなさを感じてしまいました。 | ||||
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海堂作品の例に漏れず、多作品とリンクしているが単体でも楽しめる医療エンターテイメント作品。天才外科医、天城雪彦は患者の手術を受けるかをルーレットで決める。その全財産の半分をかけさせて。彼はいう「ギャンブルに勝つ運のない患者には、手術に勝てる運もない」と。ブラック・ジャック以上に金に執着し、スクルージと呼ばれる男を大学病院を放り込んだらどうなるか。医療は資源であり、限りがある.すべての人間が等しく最高の医療が受けられるなどという欺瞞に満ちた異常なセカイはバブルの日本だからいえたことで、天城の予言通り、経済の崩壊した日本では病院は倒産し、不採算部門は縮小され、リスクの多い産科、外科の医師は激減している。厚生労働省や総務省は保険料の支払いを削りながら、コスト意識を持って、もうけを出せという.本作は20年前を舞台にしたエンターテイメントで非現実的だが、医療と金の問題を考えさせる作品になっている.高度化する医療はますます金がかかるようになっている。もはや、金がなければ高次医療は受けられないのだ.高齢者の診療制限をし、死にゆくものに無駄な金をかけるのでなく、税金を保険料を払ってくれる人間に医療資源をまわすべきだろうし、その方向へ動いている. | ||||
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映画化もされた「チーム・バチスタの栄光」の原作者であり現役医師の海堂尊による医療エンターテイメント。今回の舞台は「ブラックペアン1988」の2年後。海堂小説では珍しく、海外シーンからスタートする。 外部研修から戻ってきた東城大学の研修医・世良雅志は、外科医局長の垣谷雄次とともに、南フランスにいた。世良の任務は、天才外科医・天城雪彦を日本に連れ帰ること。世良はカジノで一世一代の賭けに成功、天城を日本に連れ帰ることに成功した。 佐伯清剛・病院長と天城は新しい心臓病専門病院の設立を計画、世良がこれをサポートしていくことになる。天城は、世界中で彼にしかできない心臓外科手術「ダイレクト・アナストモーシス」を公開の場で行うと宣言。世良は、大学病院内の激しい権力闘争に巻き込まれていくことになる。 天城は「私は東城大に心臓手術専門病院を設立するように、という指示を受けた。カネの算段もせず、新しい施設が作れるとお考えですか?」(175ページ)と、後に病院長となる高階権太に詰め寄る。高階は「医師の使命は患者の治療にあり、断じて集金が目的になってはならないからです」とやり返すが、天城の主張が次第に優勢になっていく。 天城は、「これから手術はニーズに応じ細分化していく。一般患者も手術の特性を知り、術式を自ら選ばなくてはならない時代になったのです。その時にはオペの見本市を開く必要がある」「医師は医療に専念すべし、などというしみったれた考えに洗脳され、医療とカネを分離しては、パラダイスは私たちのてのひらからこぼれおちていく」と言い切る。 天城の主張は、医療倫理や社会通念とは相反する。だが、天城自身のセリフに、現場を知る著者の叫びが込められているように感じた――「確かに命に貴賤はないのかもしれないが、労力には限りがある。だから私は、ふたりのうちひとりしか手術対応できない状況ならばどうするか、と問いかけた。どちらかを選ばなくてはならないという時点で人道的範噂からは外れるが、そんな状況は現実に存在する。ならば、そうしたことを考えることすら禁止するのは、欺瞞ではないのか?」 天城と高階の議論は、まるで政治哲学のマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」を彷彿とさせる。われわれは患者として医療従事者に全てを期待するのではなく、各々が医療哲学を持つべきではないだろうか。そして、医療従事者自身も、立ち止まってじっくりと哲学する時間が必要なのではないだろうか。 なお本作品には、「チーム・バチスタの栄光」の心臓外科医・桐生恭一や、「螺鈿迷宮」で重要な役割を担う女医・桜宮葵も登場する。 | ||||
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田口・白鳥コンビシリーズ以外はあまり面白くないものが多いと思っていたが、これはブラックペアンと並ぶおもしろさ。 アリアドネの弾丸はストーリーこそ面白かったけど、登場人物のキャラが濃すぎてつらかった。 でも、今回初登場の天城は結構好き。頭の中では吉川晃司をキャスティングして読みました。 続きの気になる話が多くて困るけど、個人的にはジェネラル速水のその後が読みたい。(で、連ドラにして欲しい) | ||||
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チームバチスタの海堂が作者の、医療エンターティメント 作者は、医者としての経験を生かした医療作品を多く出している 人です。この作品も、日本の規格を外れた天才外科医とスケールの 大きさを感じます。 ストーリーは、その天才外科医を日本に呼び戻すということが 中心になっています。後半は、手術が1件のみ、しかも公開手術という ある意味、序章でこの続きがあるような流れになっています。 この作者の作品の傾向として、医療問題を基にした作品、 病理検査の遅れを逆手にとった作品、そしてこの作品の ような頭の回転を求められる作品と3通りあるように 思えます。この作品のあらすじはシンプルながら 、白鳥シリーズのような頭の回転と、展開の早さが 売りの作品になっています。このような作風が好きな 私みたいな読者には評価が高いのではと思います。 とはいえ、「落ち」までたどり着いていない感があるこの 作品は、もうちょっと構想を練ってから取り組んで欲しい ところがあります。 作品としてはかなり荒削りながら、先の読めない展開、 そしてなにより頭のよさで、問題の本質をずばりと指摘している 気持ちよさは面白かったです。 | ||||
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この作品を含めて海堂先生の作品は、各物語が有機的に繋がっているところで、「ブラックペアン1988」を読んでからこの作品を読むと一味違ったものになるかと思います。 本作品は、このドクターがここでこんな役割を・・・ と驚かされました。 | ||||
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ブレイズメスで登場した世良先生がまたもや台風の目になりますヨ! 前作ではばか正直と書いた紙を背中に貼って歩いているような人でしたが、今回は更に忠犬がプラスされます(笑) 本書読了後、極北クレイマーを読むことを強くオススメいたします! | ||||
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銀英伝、創竜伝の田中芳樹は『とてつもなく強大な敵を、いかに矮小に見せてやっつけるかが面白さにつながる』といっていました。 海堂作品のツボもそのあたりの痛快さにあると思う方でしたら、本作品でも堪能することができます。 なにより本作では満を持して、外科医『須磨久善』先生をモデルにした主要キャラが登場します。 バブル崩壊前夜、慢心して理想論や権威主義に胡坐をかく日本医療の破境者、もしくは行く末の預言者といった役どころ。 まだ見ぬ医療の未来を予見しなければならないバチスタシリーズと比べ、現在の日本医療の惨状を落しどころにできるのはズルいなぁ。 そして海堂作品の弱点も、残念ながらあいかわらず。 行政や権威の矛盾点や欺瞞をたたかせると面白いのですが、洒脱だったり色恋といった艶っぽい場面の表現はどうにも野暮ったくて背中がカユく・・・。 既出作品の登場人物の人となりや相関関係を知らないことによるとっつきにくさについては、各賞にノミネートされてもことごとく受賞を逃す理由としてもあげられてますね。 当の作者は、各作品は独立していて、単品としても十分楽しめることをアピールしてますが、なかなかどうして『桜宮サーガ』の闇は深いようで・・・。 | ||||
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みたことある黒表紙。 予測通り…『ブラックペアン1988』の続編。 もちろん…主人公は世良先生。 題名が『ブレイズメス1990』だから、1990年が舞台で、 『ブラックペアン1988』の2年後…。 『チームバチスタの栄光』の16年前…。 登場人物が今までの本とリンクしてるから楽しいけど、 この人誰だっけ?と記憶がアヤフヤなワタシにはキツいところも有。 読む前に『ジェネラル・ルージュの伝説』と『ブラックペアン1988』を読んで予習することをオススメする。 新キャラ天城先生がぶっ飛んでる。 『事件は会議室で起きている』のだ。 そろそろ…現在の『極東クレイマー』の先を読みたい。 | ||||
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海堂 尊の最新作。 「ブラックペアン1988」の続編。前作の主人公世良雅志君が新たな登場人物である天城雪彦医師と医学会の常識に立ち向かい新しい病院を立ち上げる物語。 海堂ファンならおなじみの、高階医師、黒崎教授、花房看護師、などの脇役もしっかり物語の脇を固める。 天城雪彦医師の型破りな生き方はかっさいもの。 だけどさいごの「なぜか世良は、それが永遠の別れになってしまうような予感がして震える」という文がきがかり To be continuedと書いてなくても続きが気になるぞ | ||||
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