クラインの壷

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評判

クラインの壷の評価:

4.36/5点 レビュー 127件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.36pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全277件 181〜200 10/14ページ
No.97
(5pt)

残念ながら合作最後の作品

新潮ミステリ倶楽部で刊行されたときが初読である。まるでSFのような設定で、はたしてこれはミステリなのか、と思ったものだった。今ではかなり普及したが、本作刊行当時ではまだまだバーチャル・リアリティは一般的ではなかった。それを大胆に取り入れ、意識や感覚の‘ゆらぎ’をテーマとした本作は、バーチャル・ゲームが当たり前のようになった今、読まれる意味がある。

 謎はある。サスペンスもある。しかし私には、本作はミステリというよりはSF作品という感じが強い。そして本作を読んだ読者もまた、主人公と同じように虚実の判別が曖昧になって、放り出される。その不安感と頼りなさは、ホラーといっても差し支えない。

 著者らの合作最後の作品となった本作は、かなり井上氏の意向が大きい作品だが、その熱気というか執念のようなものが、文脈から滲み出ている。本作のテンションとクオリティでもっとミステリ作品を発表して欲しかったと思っているのは、私だけではあるまい。
クラインの壺 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壺 (講談社文庫)より
4062750171
No.96
(5pt)

内外の判別方法

実は本作、オチをぶち壊しにしてなんだがわりと高確率で内側か外側かを判別する方法があったりするんだよね。
Amazonの感想51件、他個人ブログとかでもざっと見たかぎり全く言及されてないのが不思議なのですが。

方法は簡単、4回目の戻れコールの詳細について聞けばいい。
正しい回答が返ってくればほぼ確実に外側、正しくなければおそらく内側となる。

まず七美実在ルートだったと仮定する。
すると4回目の戻れコールは事故発生前であるから、事故発生を見越して伏線となるバグを仕掛けておく、などという壮大な無駄をする理由が全く無い。
また戻れコールを全くモニターできないと嘘をついて上杉と梨紗をあえて不安にさせる理由もない。
つまりこの場合、戻れコールはおそらく純粋に事故だったと判断できる。
戻れコールをモニターできなかった彼らに正しい回答をすることはできないということだ。
ちなみに5回目ではない理由は、5回目は事故発生後なので戻れコールを仕込むことも可能ということ。

逆に七美非実在ルートだった場合、戻れコールも、戻れコールがモニターできない件も当然ゲーム中の演出であるから、「戻れコールがモニターできない件」が記録されているだろうし、当然回答も可能となる。
あえてここで知らないと主張した場合、自棄になった上杉がクライン2を公開したりしてしまう可能性もある。
結果としては自殺というイプシロン的に都合のいい展開となったが、それはあくまで結果論であって、あえて無駄な危険を冒す意味も全く無い。

つまり、4回目の戻れコールの時に、戻れ以外に何を言っていたかって聞けばよかったんだよね。
クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027151
No.95
(5pt)

内外の判別方法

実は本作、オチをぶち壊しにしてなんだがわりと高確率で内側か外側かを判別する方法があったりするんだよね。
Amazonの感想51件、他個人ブログとかでもざっと見たかぎり全く言及されてないのが不思議なのですが。

方法は簡単、4回目の戻れコールの詳細について聞けばいい。
正しい回答が返ってくればほぼ確実に外側、正しくなければおそらく内側となる。

まず七美実在ルートだったと仮定する。
すると4回目の戻れコールは事故発生前であるから、事故発生を見越して伏線となるバグを仕掛けておく、などという壮大な無駄をする理由が全く無い。
また戻れコールを全くモニターできないと嘘をついて上杉と梨紗をあえて不安にさせる理由もない。
つまりこの場合、戻れコールはおそらく純粋に事故だったと判断できる。
戻れコールをモニターできなかった彼らに正しい回答をすることはできないということだ。
ちなみに5回目ではない理由は、5回目は事故発生後なので戻れコールを仕込むことも可能ということ。

逆に七美非実在ルートだった場合、戻れコールも、戻れコールがモニターできない件も当然ゲーム中の演出であるから、「戻れコールがモニターできない件」が記録されているだろうし、当然回答も可能となる。
あえてここで知らないと主張した場合、自棄になった上杉がクライン2を公開したりしてしまう可能性もある。
結果としては自殺というイプシロン的に都合のいい展開となったが、それはあくまで結果論であって、あえて無駄な危険を冒す意味も全く無い。

つまり、4回目の戻れコールの時に、戻れ以外に何を言っていたかって聞けばよかったんだよね。
クラインの壷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮文庫)より
4101080127
No.94
(5pt)

内外の判別方法

実は本作、オチをぶち壊しにしてなんだがわりと高確率で内側か外側かを判別する方法があったりするんだよね。
Amazonの感想51件、他個人ブログとかでもざっと見たかぎり全く言及されてないのが不思議なのですが。

方法は簡単、4回目の戻れコールの詳細について聞けばいい。
正しい回答が返ってくればほぼ確実に外側、正しくなければおそらく内側となる。

まず七美実在ルートだったと仮定する。
すると4回目の戻れコールは事故発生前であるから、事故発生を見越して伏線となるバグを仕掛けておく、などという壮大な無駄をする理由が全く無い。
また戻れコールを全くモニターできないと嘘をついて上杉と梨紗をあえて不安にさせる理由もない。
つまりこの場合、戻れコールはおそらく純粋に事故だったと判断できる。
戻れコールをモニターできなかった彼らに正しい回答をすることはできないということだ。
ちなみに5回目ではない理由は、5回目は事故発生後なので戻れコールを仕込むことも可能ということ。

逆に七美非実在ルートだった場合、戻れコールも、戻れコールがモニターできない件も当然ゲーム中の演出であるから、「戻れコールがモニターできない件」が記録されているだろうし、当然回答も可能となる。
あえてここで知らないと主張した場合、自棄になった上杉がクライン2を公開したりしてしまう可能性もある。
結果としては自殺というイプシロン的に都合のいい展開となったが、それはあくまで結果論であって、あえて無駄な危険を冒す意味も全く無い。

つまり、4回目の戻れコールの時に、戻れ以外に何を言っていたかって聞けばよかったんだよね。
クラインの壺 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壺 (講談社文庫)より
4062750171
No.93
(5pt)

裏が表で表が裏で

ごく稀にすごく現実っぽい夢を見ることがありませんか?

一瞬、どっちが夢の世界なんだ?みたいな感覚になるアレです。

この話は現実とゲーム上の世界との間に、主人公が迷い込むストーリーで、読んでいると惹き込まれて僕自身がその世界に迷い込んだ錯覚を覚えました。

最後までスリリングで楽しめました。読後に、結局どっちが表でどっちが裏だったのかを仮定すると2つの結末を楽しめます。名作です!
クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027151
No.92
(5pt)

裏が表で表が裏で

ごく稀にすごく現実っぽい夢を見ることがありませんか?

一瞬、どっちが夢の世界なんだ?みたいな感覚になるアレです。

この話は現実とゲーム上の世界との間に、主人公が迷い込むストーリーで、読んでいると惹き込まれて僕自身がその世界に迷い込んだ錯覚を覚えました。

最後までスリリングで楽しめました。読後に、結局どっちが表でどっちが裏だったのかを仮定すると2つの結末を楽しめます。名作です!
クラインの壷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮文庫)より
4101080127
No.91
(5pt)

裏が表で表が裏で

ごく稀にすごく現実っぽい夢を見ることがありませんか?

一瞬、どっちが夢の世界なんだ?みたいな感覚になるアレです。

この話は現実とゲーム上の世界との間に、主人公が迷い込むストーリーで、読んでいると惹き込まれて僕自身がその世界に迷い込んだ錯覚を覚えました。

最後までスリリングで楽しめました。読後に、結局どっちが表でどっちが裏だったのかを仮定すると2つの結末を楽しめます。名作です!
クラインの壺 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壺 (講談社文庫)より
4062750171
No.90
(5pt)

圧巻

この本を読むにあたり、所要時間は一時間を必要としなかった。それは面白すぎるからである。読む手が止まらず、高揚を抑えきれず、最後まで疾駆する。これほど高いエンターテイメント性をもつ作品に出会ったことがない。エンターテイメントの金字塔、と呼ばれて過言でないだろう。私は自信をもって「クラインの壺」を薦める。
クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027151
No.89
(5pt)

圧巻

この本を読むにあたり、所要時間は一時間を必要としなかった。それは面白すぎるからである。読む手が止まらず、高揚を抑えきれず、最後まで疾駆する。これほど高いエンターテイメント性をもつ作品に出会ったことがない。エンターテイメントの金字塔、と呼ばれて過言でないだろう。私は自信をもって「クラインの壺」を薦める。
クラインの壷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮文庫)より
4101080127
No.88
(5pt)

圧巻

この本を読むにあたり、所要時間は一時間を必要としなかった。それは面白すぎるからである。読む手が止まらず、高揚を抑えきれず、最後まで疾駆する。これほど高いエンターテイメント性をもつ作品に出会ったことがない。エンターテイメントの金字塔、と呼ばれて過言でないだろう。私は自信をもって「クラインの壺」を薦める。
クラインの壺 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壺 (講談社文庫)より
4062750171
No.87
(5pt)

美しいラスト

最終的にどっちなのか(個人的には表だと思っているが)、はっきりさせず余韻を残す終わり方が印象的。

こういうプロット、テーマ、オチのストーリーを考えたとしても、こういう形のラストはなかなか思いつかないと思う。

終盤にかけなだらかな展開だったストーリーが急加速し、突然終わる。読後の余韻が大きい、インパクトのある美しいラストだった。
クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027151
No.86
(5pt)

美しいラスト

最終的にどっちなのか(個人的には表だと思っているが)、はっきりさせず余韻を残す終わり方が印象的。

こういうプロット、テーマ、オチのストーリーを考えたとしても、こういう形のラストはなかなか思いつかないと思う。

終盤にかけなだらかな展開だったストーリーが急加速し、突然終わる。読後の余韻が大きい、インパクトのある美しいラストだった。
クラインの壷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮文庫)より
4101080127
No.85
(5pt)

美しいラスト

最終的にどっちなのか(個人的には表だと思っているが)、はっきりさせず余韻を残す終わり方が印象的。

こういうプロット、テーマ、オチのストーリーを考えたとしても、こういう形のラストはなかなか思いつかないと思う。

終盤にかけなだらかな展開だったストーリーが急加速し、突然終わる。読後の余韻が大きい、インパクトのある美しいラストだった。
クラインの壺 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壺 (講談社文庫)より
4062750171
No.84
(5pt)

一度は触れて欲しい名作

普段小説は読まない者の感想ですが、
今時仮想現実を題材にしたと聞けば、誰でも
オチはアレを想像すると思います。自分もそうでした。そして予想どおりアレでした。
しかし読む手が止まりません…
徐々に真実に迫っているはずが手の平で踊らされていた感覚、
そしてラストでの必然とも言える主人公のあの行動、
それを仮想現実という設定を生かして巧みに演出しています。
あれが全て現実ならイプシロンという企業は所属している人間含め、どこぞの生物兵器だの人体実験やらで
悪巧みしてる架空団体よりよっぽど怖いです。無機質という形容詞が非常に似合います。
他のレビューでもありますが、SFなのにガッチガチのプロットで
固められており、単純に仮想現実を楽しむだけ、という話に終止していません。

個人的なマイナス点は、仮想現実の話だと思ってたら半分ミステリーだった事、
ミステリーの宿命ですが、タネがわかっていればもう一回読む気にはなれない事です。
マイナスではないですが、舞台が狭く、箱庭を観察してるようで壮大な話を
期待してると肩透かしするかもしれません。
本を読まない人でも読みやすく、堂に入った文章も魅力の一つです。
最上の娯楽小説の内の一つとして、胸を張ってオススメします。

クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027151
No.83
(5pt)

一度は触れて欲しい名作

普段小説は読まない者の感想ですが、
今時仮想現実を題材にしたと聞けば、誰でも
オチはアレを想像すると思います。自分もそうでした。そして予想どおりアレでした。
しかし読む手が止まりません…
徐々に真実に迫っているはずが手の平で踊らされていた感覚、
そしてラストでの必然とも言える主人公のあの行動、
それを仮想現実という設定を生かして巧みに演出しています。
あれが全て現実ならイプシロンという企業は所属している人間含め、どこぞの生物兵器だの人体実験やらで
悪巧みしてる架空団体よりよっぽど怖いです。無機質という形容詞が非常に似合います。
他のレビューでもありますが、SFなのにガッチガチのプロットで
固められており、単純に仮想現実を楽しむだけ、という話に終止していません。
個人的なマイナス点は、仮想現実の話だと思ってたら半分ミステリーだった事、
ミステリーの宿命ですが、タネがわかっていればもう一回読む気にはなれない事です。
マイナスではないですが、舞台が狭く、箱庭を観察してるようで壮大な話を
期待してると肩透かしするかもしれません。
本を読まない人でも読みやすく、堂に入った文章も魅力の一つです。
最上の娯楽小説の内の一つとして、胸を張ってオススメします。
クラインの壷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮文庫)より
4101080127
No.82
(5pt)

一度は触れて欲しい名作

普段小説は読まない者の感想ですが、
今時仮想現実を題材にしたと聞けば、誰でも
オチはアレを想像すると思います。自分もそうでした。そして予想どおりアレでした。
しかし読む手が止まりません…
徐々に真実に迫っているはずが手の平で踊らされていた感覚、
そしてラストでの必然とも言える主人公のあの行動、
それを仮想現実という設定を生かして巧みに演出しています。
あれが全て現実ならイプシロンという企業は所属している人間含め、どこぞの生物兵器だの人体実験やらで
悪巧みしてる架空団体よりよっぽど怖いです。無機質という形容詞が非常に似合います。
他のレビューでもありますが、SFなのにガッチガチのプロットで
固められており、単純に仮想現実を楽しむだけ、という話に終止していません。
個人的なマイナス点は、仮想現実の話だと思ってたら半分ミステリーだった事、
ミステリーの宿命ですが、タネがわかっていればもう一回読む気にはなれない事です。
マイナスではないですが、舞台が狭く、箱庭を観察してるようで壮大な話を
期待してると肩透かしするかもしれません。
本を読まない人でも読みやすく、堂に入った文章も魅力の一つです。
最上の娯楽小説の内の一つとして、胸を張ってオススメします。
クラインの壺 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壺 (講談社文庫)より
4062750171
No.81
(5pt)

MS-DOSの時代に書かれたバーチャル・リアリティ

久しぶりに読んだけど、やっぱり怖い話でしたわ。

書いたゲームのシナリオが、200万でゲーム会社に売れることになった大学生が主人公。
買い取ったゲーム会社が、シナリオを元に作り上げたゲームは、なんと触覚から味覚まで五感全てをシミュレートする完全なバーチャル・リアリティのゲーム。主人公は、ゲームのモニターとしてこの驚くべきゲームを体験することになる。もうひとりのモニターとなった美少女、梨沙とゲームを進めていくうちに、彼はこのプロジェクトに大きな陰謀の存在を疑い始める。

というようなストーリーで、これ以上書くと何書いてもネタバレになりそうなのでアレなんですが、とりあえず、『クラインの壷』というタイトルが何よりも雄弁に本作のテーマを語っているとは言えるかな。ラストまで一気に読ませるサスペンスがたまりません。

それにしても、本作は1989年の作品で、巻末の解説によれば、PCはコマンドベースのMS-DOSで、当時最新のゲームはドラクエ3という時代にこんな小説を書いた岡嶋二人(と言うか、井上夢人)の想像力はやっぱりすごいですね。
クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027151
No.80
(5pt)

MS-DOSの時代に書かれたバーチャル・リアリティ

久しぶりに読んだけど、やっぱり怖い話でしたわ。
書いたゲームのシナリオが、200万でゲーム会社に売れることになった大学生が主人公。
買い取ったゲーム会社が、シナリオを元に作り上げたゲームは、なんと触覚から味覚まで五感全てをシミュレートする完全なバーチャル・リアリティのゲーム。主人公は、ゲームのモニターとしてこの驚くべきゲームを体験することになる。もうひとりのモニターとなった美少女、梨沙とゲームを進めていくうちに、彼はこのプロジェクトに大きな陰謀の存在を疑い始める。
というようなストーリーで、これ以上書くと何書いてもネタバレになりそうなのでアレなんですが、とりあえず、『クラインの壷』というタイトルが何よりも雄弁に本作のテーマを語っているとは言えるかな。ラストまで一気に読ませるサスペンスがたまりません。
それにしても、本作は1989年の作品で、巻末の解説によれば、PCはコマンドベースのMS-DOSで、当時最新のゲームはドラクエ3という時代にこんな小説を書いた岡嶋二人(と言うか、井上夢人)の想像力はやっぱりすごいですね。
クラインの壷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮文庫)より
4101080127
No.79
(5pt)

MS-DOSの時代に書かれたバーチャル・リアリティ

久しぶりに読んだけど、やっぱり怖い話でしたわ。
書いたゲームのシナリオが、200万でゲーム会社に売れることになった大学生が主人公。
買い取ったゲーム会社が、シナリオを元に作り上げたゲームは、なんと触覚から味覚まで五感全てをシミュレートする完全なバーチャル・リアリティのゲーム。主人公は、ゲームのモニターとしてこの驚くべきゲームを体験することになる。もうひとりのモニターとなった美少女、梨沙とゲームを進めていくうちに、彼はこのプロジェクトに大きな陰謀の存在を疑い始める。
というようなストーリーで、これ以上書くと何書いてもネタバレになりそうなのでアレなんですが、とりあえず、『クラインの壷』というタイトルが何よりも雄弁に本作のテーマを語っているとは言えるかな。ラストまで一気に読ませるサスペンスがたまりません。
それにしても、本作は1989年の作品で、巻末の解説によれば、PCはコマンドベースのMS-DOSで、当時最新のゲームはドラクエ3という時代にこんな小説を書いた岡嶋二人(と言うか、井上夢人)の想像力はやっぱりすごいですね。
クラインの壺 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: クラインの壺 (講談社文庫)より
4062750171
No.78
(4pt)

ミステリーとしても、ちょっとしたSFとしても楽しめる

設定から想像できるように、テーマは仮想と現実の融合。
主人公はイプシロンに騙され、仮想と現実をごっちゃにされる。
どっちが仮想で、どっちが現実なのか。
主人公と一緒にだまされるもよし。
途中からたくらみに気付いて、その境界を探るもよし。
ミステリーとしても、ちょっとしたSFとしても楽しめる。

東野圭吾の「パラレルワールド・ラブストーリー」に近いか。
ラストはややSFよりのパラドックス的な終わり方。
私はこういうの結構好きでした。

クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027151