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(短編小説)
美女
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美女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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表題作の他、全8つの作品を収めた実験精神に富んだミステリ短編集。代表作「夜よ鼠たちのために」では、読者の視座を一瞬の内に反転させてしまう作者の"騙し"の手腕に驚嘆したものだが、本作はそれを越える"騙し"を実現するために、敢えて人工的な実験的作品に挑んだらしい。だが、その意匠はやや空振りの感がある。 冒頭の「夜行の唇」は、過去に似た構図の作品が多くあり、人工感は増したものの、作者特有の情緒性に欠けている上に騙されたという感を覚えなかった。一番実験精神に富んだ「喜劇女優」は、超絶技巧とも言えるが、これだけクドイと読者が「スッキリ騙された」という快感を得られないという恨みがある。逆に、「夜の肌」や「他人たち」は平凡過ぎて物足りない。また、「夜の右側」は実験精神が過ぎると却って"ありふれた"物語に堕してしまうという典型。「夜の二乗」だけが既読の短編で(アンソロジーで読んだのだと思う)、男女間の情愛と一見不可能な事象を可能とする作者の手腕とが融合した本作で一番の秀作だと思う。不可能性の反転と同時に動機の妙が光り、実践的。そして、表題作は何の曲もなく一番詰まらなかった。 各編の狙いが分かるだけに、実験精神を読者への"騙し"に繋げる難しさを痛感した。実験精神と実践との狭間で溺れてしまった短編集との印象を受けた。 | ||||
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