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京都大原 名旅館の殺人



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【この小説が収録されている参考書籍】
京都大原 名旅館の殺人 (講談社文庫)

京都大原 名旅館の殺人の評価: 3.33/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

秋の大原の風情や旅館のたたずまいが伝わってくるでしょう

柏木圭一郎氏の『名探偵・星井裕の事件簿』シリーズの第14作目にあたります。短期間にこれだけの連作を精力的に書き続けてきた作者の力量に感服しています。
本名の柏井壽氏名義の一連の京都にまつわるエッセイも含蓄のあるものですが、本作の『京都大原 名旅館の殺人』はミステリーの味わいと共に、京都の魅力と登場人物の温かさが描かれており、読後感も心地よいものでした。ただ本書はミステリーの体裁をとっていますのでストーリーに関する点は省略させていただきます。

秋の紅葉の名所の大原を取り上げていました。実際はもう少し奥の「古知谷阿弥陀寺」近くの名旅館での事件を中心に本書は展開します。岩魚や水尾の柚子など、秋の味覚の素晴らしさも感じ取れるようになっていました。
旅館が舞台ですので、そこでの客サービスや設えなどの作者の思いは強く伝わってきました。ファミレスでの応対や言葉遣いと旅館の対応の差異も極端に描かれていましたが、その通りでしょう。
普段は非公開の東寺の小子房の銀杏の黄色と共生している櫨の赤との対比など、あまり知られていない寺院の紅葉の魅力も伝わってくるでしょう。

京都のグルメ情報も名を少し変えて毎回登場するのも魅力の一つです。「新福采館」の黒いラーメンを朝から食べたと言う描写も理解できるものでした。
堀川北大路上がるにある「鳳陽(ほうひ)」も同様で、一味違う普段着の京都グルメの魅力が感じられました。
京都府立大学バス停近くの鶏料理店「山屋」は柏井さんの著書にも紹介されているお店で、美味しさが文章から伝わってきます。
別の小説に登場したことがある有馬温泉の「陶泉 御所房」という名旅館も登場させています。ご主人と作者の親交があるからこその掲載でしょう。
338ページ以降の展開はミステリーと京都の歴史の魅力を繋ぐものでした。このような取り上げ方はタイムリーなものだと思っています。
京都大原 名旅館の殺人 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:京都大原 名旅館の殺人 (講談社文庫)より
4062770903
No.1:
(4pt)

京都らしい積み重ね

社会派でもなく、奇想天外なトリックがあるわけでもない。
今の売れ筋に迎合することなく、淡々と「京都ミステリー」を
書き続ける著者に敬意を表するとともに、エールを送りたい。
出版社も書店も、とかく派手な作品ばかりに目が行き、
重ねた版の数や、感動ばかりをセールストークにしがちだが、
それとはまったく無縁の世界にある本も、もっと注目すべきだろう。
本書では、時代の寵児と持て囃されるリゾートグループの主人に
鋭い批判の目を向け、日本旅館の本来あるべき姿を提唱している。
その中でのミステリー。地味ではあるが味わいは実に深い。
京都大原 名旅館の殺人 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:京都大原 名旅館の殺人 (講談社文庫)より
4062770903

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