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京都大原 名旅館の殺人
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京都大原 名旅館の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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複数の目撃者が居る中での転落死、さらにそれを偶然カメラにおさめた編集者がいたりして 最後の最後までトリックはわからないんですが、なかなか大胆なやり方でした。 小説としては、京都の観光案内がかなりの割合を占めていて映画やドラマにすれば画面映えするかも知れません。 そういう意図で書かれた?というのは穿ち過ぎでしょうか。 旅館の経営についてや、失われつつある古き良き風情を嘆く描写が山ほどあって そういう正義感に燃えた人が冷酷な経営者を殺害したのかと思いきや、動機はものすごく個人的な怨恨でした。 そこらへん期待外れ。 あと警察側の登場人物として配置されている美雪さんが、主人公星井の元妻というのは必要な設定なのでしょうか? 以前の事件で顔なじみになって信頼できる人だから多少の情報提供はし合う仲、でも充分と思うのですが この美雪さんが妙に焼きもちを焼くっぽい描写があったり未練がありそうだったりと、 こういう心理描写や演出は余計な要素としか感じられません。 そういえばバツイチがやたらと登場するのも意味のない設定ではないかと思います。 | ||||
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柏木圭一郎氏の『名探偵・星井裕の事件簿』シリーズの第14作目にあたります。短期間にこれだけの連作を精力的に書き続けてきた作者の力量に感服しています。 本名の柏井壽氏名義の一連の京都にまつわるエッセイも含蓄のあるものですが、本作の『京都大原 名旅館の殺人』はミステリーの味わいと共に、京都の魅力と登場人物の温かさが描かれており、読後感も心地よいものでした。ただ本書はミステリーの体裁をとっていますのでストーリーに関する点は省略させていただきます。 秋の紅葉の名所の大原を取り上げていました。実際はもう少し奥の「古知谷阿弥陀寺」近くの名旅館での事件を中心に本書は展開します。岩魚や水尾の柚子など、秋の味覚の素晴らしさも感じ取れるようになっていました。 旅館が舞台ですので、そこでの客サービスや設えなどの作者の思いは強く伝わってきました。ファミレスでの応対や言葉遣いと旅館の対応の差異も極端に描かれていましたが、その通りでしょう。 普段は非公開の東寺の小子房の銀杏の黄色と共生している櫨の赤との対比など、あまり知られていない寺院の紅葉の魅力も伝わってくるでしょう。 京都のグルメ情報も名を少し変えて毎回登場するのも魅力の一つです。「新福采館」の黒いラーメンを朝から食べたと言う描写も理解できるものでした。 堀川北大路上がるにある「鳳陽(ほうひ)」も同様で、一味違う普段着の京都グルメの魅力が感じられました。 京都府立大学バス停近くの鶏料理店「山屋」は柏井さんの著書にも紹介されているお店で、美味しさが文章から伝わってきます。 別の小説に登場したことがある有馬温泉の「陶泉 御所房」という名旅館も登場させています。ご主人と作者の親交があるからこその掲載でしょう。 338ページ以降の展開はミステリーと京都の歴史の魅力を繋ぐものでした。このような取り上げ方はタイムリーなものだと思っています。 | ||||
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社会派でもなく、奇想天外なトリックがあるわけでもない。 今の売れ筋に迎合することなく、淡々と「京都ミステリー」を 書き続ける著者に敬意を表するとともに、エールを送りたい。 出版社も書店も、とかく派手な作品ばかりに目が行き、 重ねた版の数や、感動ばかりをセールストークにしがちだが、 それとはまったく無縁の世界にある本も、もっと注目すべきだろう。 本書では、時代の寵児と持て囃されるリゾートグループの主人に 鋭い批判の目を向け、日本旅館の本来あるべき姿を提唱している。 その中でのミステリー。地味ではあるが味わいは実に深い。 | ||||
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