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廃用身
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廃用身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全77件 1~20 1/4ページ
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本の中に主人公の手記の本があるという独特な構成のスタイル。 物語は四肢麻痺の介護の問題と治療について多面的な切り口からの検討が入っている。 登場人物の証言は主人公との関係によって全く異なり、相手の勝手なねたみそねみや恋愛感情もあると貶める方向になる。どんな人だったかを引き出す証言は複数の人を取材する必要があると思った。 今後の少子高齢化問題の問題を先見の明をもって提起した作品。 何事にも陰と陽の側面とタイミングがあり、読み終えて爽快感はないが、オススメの内容です。 高齢者の脳血管障害や認知症の予防が大変重要だと思いました。 | ||||
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元理学療法士です リハビリしながら、切ればいいのにって思ったことありますよ | ||||
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読み進むうちに私の頭はこの話がノンフィクションになっていました。 | ||||
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あまり概要を見ずに読み始めたので、ノンフィクションと思い、本当にこんな画期的な医師がいるのか、今は存命だろうか、万一私や家族がのっぴきならない状況になったら、この先生に「ケア」してもらえるだろうか、と真剣に考えながら途中まで読みました。 中盤以降の急展開で、なるほどこれはフィクションであったか、と引き戻されましたが、しかし今後、超高齢化社会が来るのは確実ですし、介護の現場は現在でも相当に厳しいものだと聞きます。その部分の描写はまったくフィクションではないのですから、もし自分がその当事者になる時が来たら…と考えながら読むと、終始重い気持ちになりました。 漆原医師は確かに、隠されたサディズムが潔癖と完全主義を加速させた、表面的には高潔な人格者でも内心を解き明かしてみれば異常者とレッテルを貼られる人物かもしれません。 しかし、作中で何度か言及されているように、画期的で最先端な試み、特に人間の体にメスを入れるような外科手法はどれも、今では当たり前の事でも提示された当時は大変ショッキングでしたでしょうし、漆原医師のような「その時代には非難される異常なほどの開拓心」がなければ、為し得なかった領域でしょう。 これからの現実でも、「ただ生きていれば良い」と個人個人に介護の重荷を背負わせるのはやめ、感情的な忌避感や古い偏執を乗り越えて、「Aケア」や「Sケア」、そして作中冒頭で言及された安楽死についても、冷静かつ合理的な判断ができる成熟した社会になることを、望んで止みません。 | ||||
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題材は面白いが…。 | ||||
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コロナでのステイホーム時間に、この作者の作品6冊一気に読みました。 廃用身、無痛、は特に面白かった。 ドキュメンタリーおたくの私は「本当にこんなsensationalな事件あったかなぁ?」と、思わずググってしまった程 リアリティの有る表現でした。 お医者さんなのですね。 天は二物を与えるものなのですね。 | ||||
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三浦しおんのエッセイにおすすめの本として紹介されたので読んでみた。 考えさせられる。 高齢社会、みんな、いつかは高齢者になる。この本は他人事ではない。フィクションでありながらノンフィクションである。 いつ、自分の身体が動けなくなるか。 誰かの世話になるか。排泄。 自力できていたものができなくなる喪失。 喪失体験の連続。 そりゃー65年間も身体を使えばどこが痛くなるのは当たり前だろうー。 でも、誰かの世話にならないと生きていけない辛さ、惨めさ。 辛すぎる。 使えなくなったものを排除し、生活の質を高める。素晴らしいことだ。本当にそうか。排除すればいいのか。切断すればいいのか。 人間が生きるのに大切のは尊厳。 その尊厳はなにか。 答えはない。 | ||||
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同じ久坂部羊の悪医を読んで非常に衝撃を受けたのでデビュー作の本作を読みました。内容だけでなく、その作品としての構成にも驚きました。医療に関する知識があるほど興味深く読み込めると思います。 | ||||
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読み始めは、医者が介護についての現状の問題を書いているのかと思っていました。 後半に入りびっくり。 なかなか面白い構造です。 現状の医療ではこのようなことは行われているのでしょうか。 もし介護が軽くなるのであれば良いのではと思います。 | ||||
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介護の現場とその大変さを、少しかもしれないが理解できた。しかし、この手で本当にQOLが改善されるのであれば、手段の一つとしてありだと思うが、この検証が人道的な面から実施不可能と思われることが小説として成功している。QOLは何も患者だけにあるものではなく、介護をする人たちのQOLも考慮されなければならない。テーマは重く、他人事じゃない真剣さが要求され、一気に読むことができた。皆さんにもお勧めします。 | ||||
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あまり詳しくなく読んでみたら題材が題材で重い内容ですが興味深く読ませていただきました。電車の中で暇つぶしに読んでいたのですが通勤の読書が待ち遠しかったです。買ってよかった! | ||||
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前後半で書き手を分けて構成されている。前半はあまりにもリアルな医療現場の人々のやりとりがあるので、*Aケア*は久坂部氏が考案、実践したものとばかり思っていたが、物語途中、手足の切断手術の費用を保険診療で賄う為に保険点数の算定出来る病名をあてて手術を行うくだりで「こんな事書いていいのか?」という疑問が生じ改めて著者や発行者、発行所を確認すると「成る程そういうことか」と納得した。どういうことなのかは是非ご自分の目で確認して貰いたい。 | ||||
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凄いです!これからの時代を先取りした小説だと思いました。読んで良かったと思っています。流石にドクターだからこその記述はあるものの 日本の将来を見据えての部分には鳥肌が立つような感動を覚えました。多くの人に読んでもらうべき一冊だと思います。 | ||||
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この本小説なの?読んでて現実にあった話の様に引き込まれるストーリーでした。 後期高齢者の急速な増加をどうしていけばいいのかを考えさせられました。 お薦めできる作品です。 | ||||
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廃用身とは、梗塞などにより回復の見込みがない身体の一部のことである、と本の背表紙にある。 事実は小説より奇なり、と世間では言われている。 この本は小説だ。ノンフィクションではない。 だがどこかフィクションを超えた現実感が、ミステリーやホラーにない恐怖心を煽る。 それとともに悲しさと切なさも胸に溢れてくる。 それは、この本のテーマが超高齢社会や人間の尊厳や科学が果敢な挑戦者たちによって進歩してきた、など深くこれからの日本が背負うべき問題が扱われているからだ。 もし、回復の見込みがない身体の一部を切除しましょうと医師から告げられたら、それが介護をされる身にとっても、介護をする方にとってもメリットがある場合、私はイエスと承諾出来るだろうか? 星5の内容なのだが、答えが出そうもないので、4にした。 | ||||
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予備知識なく読んだのでノンフィクションノベルなのかと思った。 それくらい前半はリアリティーがあった。 Aケアのリアリティーというより、筆致のリアリティー。 医者がAケアを広く知らしめようとしたら、ああ書くよなという感じで、すっかりいい意味で混乱してしまった。 | ||||
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なんという衝撃、なんという虚無感と焦燥、そして、なんという空恐ろしさと悲しみ。 1回目に読んだとき、小説だと認識して読んでいたのに、いつの間にかひきこまれ、現実の医師が書いた手記のように錯覚してしまいました。 内容の後半は編集者が書いた設定で、読み進めると何度も心臓をえぐられ、頭をガツンとやられた感覚をおぼえました。 臨場感あふれて、とても引き込まれるテクニック。読んでて飽きませんし、現代社会について身近に考えさせられます。 漆原医師は、何者だったのでしょうか、善なる医師か、サイコパスなのか。 人の心は何重にも折り畳まれているような・・・。 とても読みやすく、とてもとても深い作品です。 | ||||
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『破裂』を先に読み、遅ればせながら、デビュー作ということで本書を続けて読み終えた。13年前の事件という設定ながら、今も大差ない「老人介護の現実」を踏まえ、廃用身(役に立たなくなって邪魔なだけの四肢)の一部又は大部分を切断する、という医療技術の可能性を示しつつ、社会の無理解・既存の医療業界からの攻撃という制約のなかで、表向き、果断で良心的な医師が奮闘する、というストーリー。 漆原という主人公の医師の「未刊の手記」を前半に置き、後半に手記に対する「編集部注」を置く、という凝った構成で、とくに後半、主人公の特異な性癖・個性を浮かび上がらせることで、人間像に重層的な深みを与えているように思えた。患者のメリットを第一に考え、十分な説明に対する患者の合意を得つつ、廃用身の切断に踏み切るという漆原医師は単にヒューマンなだけではなかった、という言外のメッセージを与える計算もうかがえ、それが物語の単純化を拒んでいるようにも思えた。 悪意をベースに置いた一方的で浅薄なマスコミ群からの批判・中傷、というありがちな場面が執拗に出てきて、この辺りの展開の仕方も秀逸。現役の医師ならでは、というか、医療技術面の記述に安定感があり、それが一見近未来SFまがいの物語のリアリティーを担保しているようにも思えた。 | ||||
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この本の中にはいろんなお年寄りと、それを取り巻く人々がでてきます。医療の表裏、一概に言えない善と悪。考えても、ちょっとやそっとじゃ答えはでません。祖父母や、これから年老いていく両親、それから自分たち自身の老後。身近な人が老いて死ぬ時に、良い人生だった、幸せだった、愛されてた、と思ってほしい。その為に、どうやってお年寄りと接していけばいいのか、これからもずっと考え続けていきたいと思う。 | ||||
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これは小説なのか、それとも現実にどこかで行われていることなのか? 読み始めてすぐに混乱してしまった。思わず腰を浮かせてしまった。つまり、介護の経験がある人にとってAケアは、もし、本当に現実行われているのであれば飛びついてしまいかねない光明にみえるのである。 私もアルツハイマーの父を介護した経験がある。最終的に拒食となり、ある大学病院に緊急入院したが、翌日看病に行くと体を拘束されあちこちにチューブを入れられ無残な姿となっていた。主治医からは誤嚥性肺炎だから肺炎が完治しないと拒食のリハビリはできないと言われた。結局、誤嚥性肺炎は誤診であったことが分かったが、その時にはすでに2週間も拘束され続け、父は寝返りも打てない状態で寝たきりにされ、お尻に重度の褥瘡ができてしまっていた。 父は年齢の割には骨格がしっかりとしていて体重も重かったので、最初、看護師たちは寝返りを打たせるのも大変だったようだ。痛がる父を勢いをつけてひっくり返すのを見るのはつらかった。その後、寝たきりで点滴から栄養を得るだけの父はみるみる痩せてゆき、オシメに隙間ができ、度々シーツを汚した。一度など、私が病室に戻ると、「また汚したの?どうすんのか?朝シーツ取り換えたばっかりでしょ?いい加減にしてよ!」等々、父の病室から看護師の激しい怒鳴り声が聞こえ、ドアの前で立ち尽くしてしまった。止めに入ることもできない。ここで止めに入ったりしたら私がいない間に父に対して何をされるか分からないからだ。シーツの交換を終えて出てきた看護師に対して「ありがとうございました」と深々と頭を下げたときの切ない気持ちを今も忘れない。 介護する者にとっては重労働であり、相手が病人と分かっていても腹が立つこともある。自分も入院前は自宅で孤軍奮闘していたからその気持ちはわかる。 自分自身も介護中の不用意な言動を今も後悔している。そして、医者や看護師たちの言動の1つ1つを今も記憶している。父が亡くなり3か月が過ぎたが今も夢で思い出し夜中に何度も目覚める。 介護の現場は厳しい。介護される者の現実も厳しい。この本をただの読み物とは思えない。介護の現場に対する警告書だ。高齢化社会に突入した日本、下層老人と呼ばれる老人が存在する日本、一人暮らしの老人が多数存在する日本。これまで日本を支えてくれた老人たちに我々は何ができるのだろうか? 多くの人に読んでもらいたい。読者の中から妙案を見出してくれる賢者が出ることを祈る。 | ||||
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