わたしを離さないで

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わたしを離さないでの評価:

4.11/5点 レビュー 714件。 B ランク

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平均点4.11pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1,450件 521〜540 27/73ページ
No.930
(5pt)

「お腹がすいているの?では、アンパンをどうぞ!!」---『大人版・アンパンマン』としての『わたしを離さないで』

ネタばれになるため、内容を詳述することはしない。しかし、蓑笠亭がタイトルとして付した「アンパンマン」の台詞が物語る内容を、既読の方はすぐにお分かりになるだろう。そう。この小説に登場する人物たちは、いわば「アンパンマン」になる事を宿命づけられ、生まれてきた「特殊人間」たちであり、そんな彼等の「心模様」(苦悩)を描いた作品が『わたしを離さないで』なのだ。換言すれば『大人版・アンパンマン』である。
 『アンパンマン』の著者であるやなせたかし氏は、「ヒーローはかっこいい存在などではない。しかしおなかがすいている人がいるならば、自分の体を削ってでも、その人を救おうとする心をもった人だ」という意味の発言をしている。それはやなせ氏自身の体験に基づく哲学であるのだが、『わたしを離さないで』の根底にある哲学も、やなせ哲学に一脈通じるものが在ると蓑笠亭は考える。しかしながら、前者と後者の大きな違いは、何であろうか。
 『アンパンマン』が描く世界は、「アンパンマンVSばいきんまん」という「善と悪」の単純な二項対立ではない。アンパンチでいくら叩かれようが、決して滅びることのない「強者ばいきんまん」。一方、ばいきんまんにはめっぽう強いが、その手下であるカビカビルンルンに簡単に腐食させられる「弱者アンパンマン」。さらにはそんな「善と悪の間」で苦悩するロールパンナ。そう。それぞれの存在は、自然界の象徴であるのだ。
 『わたしを離さないで』は、ミステリーでありSFでもある。特殊施設ヘールシャムで暮らす登場人物たちの素性、そして彼らが生まれながらにして背負わされた「宿命」が、項を追うごとに徐々に明らかにされる。そして、最後に迎える物悲しい結末。実世界では、そのようなことは決してありえないだろう。しかしこの作品を名作たらしめているものは、ラスト近くで行われるエミリ先生の告白、及びその後の数十ページで描かれた、キャスとトミーのその後である。ここですべての伏線は回収され、謎は解かれ、登場人物たちの内面もすべて明らかにされるのだ。
 『アンパンマン』と『わたしを離さないで』という二つの名作を隔てるもの。それは「死」であろう。前者においては、ジャムおじさんに新しい顔を用意してもらえることが大前提であるため、アンパンマンはいくら自らの顔を「提供」しても、決して「死ぬ」ことはない。それゆえ、アンパンマンは安心して自らの顔を飢えた人に食べてもらえるのだ。その理由は、「子供向けのまんが(アニメ)に死を持ち込むことは残酷である」という配慮もあろう。しかし自然界の象徴という視点から『アンパンマン』を読み解くならば、「自然界においては『死』と『再生』は表裏一体だからだ」と解釈することもできる。
 タンパク質やアミノ酸などといった「有機体」から出来上がった身体の「死」は、「他の有機体の一部」となって「再生」する。つまり、「再生」は「死」から生じるのである。そういった意味において、「自然界には死は存在しない」のだ。
 では、有機体ではない「人間の心」は、どうであろうか。通常はその「肉体の死をもって消滅する」と考えられるだろう。しかも「いかなる」人間も必ず「死」を迎える。そういった意味において、『私を話さないで』の登場人物たちである「特殊人間」も、その例外ではない。
 しかし「心の再生」も可能なのではないだろうかと蓑笠亭は考える。周囲の人々の「記憶」「生き方」などといったものに形を変え、人間の心も「再生」すると思うのだ。
 そのように考察すれば、この作品のテーマは、「死という到達点を持つ人生における、心の育成」と言ってよいだろう。つまり「人生の価値は、どれほど再生の価値ある心を育成したか」にある。そしてその「心の育成」は、決して一人ではできないのだ。
 『わたしを離さないで』は、どこまでも物悲しく、切ない物語だ。そしてそんな物語を通して「自然界に存在する人間にとって『心』とは何か、『人生』とは何か、そして『死』とは何か」。そんな問いをカズオ・イシグロ氏は、我々に投げかけているのではないかと蓑笠亭は考えるのである。
 
 

わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.929
(1pt)

全く世界観には入れなかった。。

淡々とした口調で語られる世界が異様な世界だった、っていうのは理解できたが、誰にも感情移入できず小説として楽しめなかった。。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.928
(5pt)

今まで読んだ中で最高峰の小説。ノーベル賞のことだけはある。

今まで読んだ小説の中でも一番良かったと思えるかもしれない作品です。
それはそうでしょう。なんせノーベル賞なんですから。
何がいいかといえば、小説といえば、読んでいてあまり頭に入らない時もあります。
しかしこの小説は、今までになく本当に読みやすいのです。スラスラ文字が入ってきます。
どのページも読みやすいのです。これだけでも特筆すべきことです。
ストレスなく最後まで読み終えた作品は正直今までなかったように思います。

内容はといえば。今現代の問題を比喩的に問題提起しているように思えました。
一部のものだけに偏ってしまった世界に、断絶されたものが利用されて生きるものたちいう感じでしょうか?
これはシェールシャムだけの問題ではありません。
今現在の世界の中で、我々が知らずに生きていて、しかしこのようなことになっていたということが述べられているような気がしました。
登場人物の悔しさはそれに顕れているような気がします。

なぜこの作者が今ノーベル賞に選ばれたのかということも重要です。
そのことを感じながら読んでいて、自分も悲しいシェールシャムの一員ではないかと思うようになりました。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.927
(5pt)

淡々と語られる重厚感のある物語。

ドラマ化、映画化された作品だそうですが、どちらも見ておらず、イシグロ氏がノーベル文学賞を取ってから読みました。
最初から最後まで淡々と語られる提供者たちの物語。読みながら、実にいろいろなことを考えさせられる作品で、とても面白かったです。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.926
(5pt)

淡々と語られる重厚感のある物語。

ドラマ化、映画化された作品だそうですが、どちらも見ておらず、イシグロ氏がノーベル文学賞を取ってから読みました。
最初から最後まで淡々と語られる提供者たちの物語。読みながら、実にいろいろなことを考えさせられる作品で、とても面白かったです。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.925
(5pt)

是非読んでください。

人とは、人生とは。を考えさせてくれる小説でした。流石、ノーベル賞作家さんの作品ですね。
日々、心に詰まる人生でも、光が見えるような気がしました。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.924
(5pt)

是非読んでください。

人とは、人生とは。を考えさせてくれる小説でした。流石、ノーベル賞作家さんの作品ですね。
日々、心に詰まる人生でも、光が見えるような気がしました。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.923
(4pt)

哀しくて切なくて・・・そして残酷な運命なのに。

ヒロインのキャスは何故いつも冷静で客観的に物事も自分すらも見られるのだろう。彼女にすごく興味を持った。最初からこれはSFだなって気は付いていた。翻訳は淡々とそして余計な飾りもない。そこが少し読みにくく感じられたけれど。読み進めるうちにどんどん引き込まれていく。最終章でマダムやエミリ先生の謎が解ける。それでもヒロインはまっすぐに前を向く。絶望することなく。愛する人を失くしてもなお彼女は自分の使命を全うするのだろう。でも彼女の心の叫びは誰にも聞こえない。わたしを離さないで。あのテープはどうなったのだろう。SFではあるが非常に文学性の高い作品だ。私も村上春樹は理解ができないし面白いとも思わないが、この作者の作品は深く心に突き刺さる。受賞の値打ちはあるなと感じた。並行して他の作品も読み進めているが。特にこの作品が好きだ。重いテーマで哀しいのだけれど。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.922
(4pt)

哀しくて切なくて・・・そして残酷な運命なのに。

ヒロインのキャスは何故いつも冷静で客観的に物事も自分すらも見られるのだろう。彼女にすごく興味を持った。最初からこれはSFだなって気は付いていた。翻訳は淡々とそして余計な飾りもない。そこが少し読みにくく感じられたけれど。読み進めるうちにどんどん引き込まれていく。最終章でマダムやエミリ先生の謎が解ける。それでもヒロインはまっすぐに前を向く。絶望することなく。愛する人を失くしてもなお彼女は自分の使命を全うするのだろう。でも彼女の心の叫びは誰にも聞こえない。わたしを離さないで。あのテープはどうなったのだろう。SFではあるが非常に文学性の高い作品だ。私も村上春樹は理解ができないし面白いとも思わないが、この作者の作品は深く心に突き刺さる。受賞の値打ちはあるなと感じた。並行して他の作品も読み進めているが。特にこの作品が好きだ。重いテーマで哀しいのだけれど。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.921
(4pt)

想像していたより悲しい話だった。

グロテスクな感じはなくてホッとしたけど、すごく悲しい話だった。
後半は涙ポロポロしながら読みました。現実にこんな世界にはならないといいなと思います。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.920
(3pt)

うーん・・・

今回の件に感化されて、まずは一冊と手にとったのはこれ。

うーん、なんだろう。設定が奇抜!考えさせる一冊!・・・とは自分の中ではならなかった。
今後の世界に警鐘を鳴らす、という意味合いもあるだろうけど、設定があまりに突拍子がなくて、設定の甘いSFの範疇から抜けていないと感じた。
テーマの時点で入り込めないとこの手の本はきつい。ストーリーラインの美しさは文句なしだが・・・

別の作品を読んでみようという気持ちにはなった。次は期待。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.919
(4pt)

想像していたより悲しい話だった。

グロテスクな感じはなくてホッとしたけど、すごく悲しい話だった。
後半は涙ポロポロしながら読みました。現実にこんな世界にはならないといいなと思います。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.918
(3pt)

うーん・・・

今回の件に感化されて、まずは一冊と手にとったのはこれ。

うーん、なんだろう。設定が奇抜!考えさせる一冊!・・・とは自分の中ではならなかった。
今後の世界に警鐘を鳴らす、という意味合いもあるだろうけど、設定があまりに突拍子がなくて、設定の甘いSFの範疇から抜けていないと感じた。
テーマの時点で入り込めないとこの手の本はきつい。ストーリーラインの美しさは文句なしだが・・・

別の作品を読んでみようという気持ちにはなった。次は期待。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.917
(5pt)

”声高ではない”作家の叙述力(=^・^=)

海外の現代文学に疎いボクは、著者の本を初めて読みました。些か情緒主義的な(決して悪いわけではありません…)日本の文学書とは違って、叙述は淡々としていて、扱っているテーマにしては静かすぎるようで読んでいて少し奇異な感じさえしましたが、終盤の第22章で描かれたトミーの<奔流>にこの作家の主張を<身体ごと>揺さぶられるように感じました。”声高に”人権尊重を叫ぶよりも、読者に判断を委ねる堅実な叙述力に、腹の底から生命の重みを感じさせてくれた大きな1冊でした。出会えて良かった(=^・^=)
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.916
(5pt)

”声高ではない”作家の叙述力(=^・^=)

海外の現代文学に疎いボクは、著者の本を初めて読みました。些か情緒主義的な(決して悪いわけではありません…)日本の文学書とは違って、叙述は淡々としていて、扱っているテーマにしては静かすぎるようで読んでいて少し奇異な感じさえしましたが、終盤の第22章で描かれたトミーの<奔流>にこの作家の主張を<身体ごと>揺さぶられるように感じました。”声高に”人権尊重を叫ぶよりも、読者に判断を委ねる堅実な叙述力に、腹の底から生命の重みを感じさせてくれた大きな1冊でした。出会えて良かった(=^・^=)
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.915
(5pt)

声高ではない作家の主張(=^・^=)

海外の現代文学に疎いボクは、著者の本を初めて読みました。些か情緒主義的な(悪いわけではありません…)日本の文学書とは違って、叙述は淡々としていて、扱っているテーマにしては静かすぎるようで奇異な感じさえしましたが、終盤の第22章で描かれたトミーの<奔流>にこの作家の主張を身体で感じました。声高に人権尊重を叫ぶよりも、読者に判断を委ねる堅実な叙述に、腹の底から生命の重みを感じさせてくれた大きな1冊でした。出会えて良かった(=^・^=)
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.914
(4pt)

人間本性の空恐ろしさで心が揺さぶられる

直接的な記述はほとんど無いのに、常に強い恐怖感で心が不安定に活性される。
かつて自分の周りで実際に起きた暗黒事件かのように、輪郭のとがった心象イメージとして長く記憶に残りそう。
出会えて良かった一冊である。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.913
(5pt)

声高ではない作家の主張(=^・^=)

海外の現代文学に疎いボクは、著者の本を初めて読みました。些か情緒主義的な(悪いわけではありません…)日本の文学書とは違って、叙述は淡々としていて、扱っているテーマにしては静かすぎるようで奇異な感じさえしましたが、終盤の第22章で描かれたトミーの<奔流>にこの作家の主張を身体で感じました。声高に人権尊重を叫ぶよりも、読者に判断を委ねる堅実な叙述に、腹の底から生命の重みを感じさせてくれた大きな1冊でした。出会えて良かった(=^・^=)
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.912
(4pt)

人間本性の空恐ろしさで心が揺さぶられる

直接的な記述はほとんど無いのに、常に強い恐怖感で心が不安定に活性される。
かつて自分の周りで実際に起きた暗黒事件かのように、輪郭のとがった心象イメージとして長く記憶に残りそう。
出会えて良かった一冊である。
わたしを離さないで Amazon書評・レビュー: わたしを離さないでより
4152087196
No.911
(5pt)

驚愕…そして、淋しい

人道的にはありえない設定。しかし、もしそんな未来があったら…
最後まで、どうなるかハラハラし、読み終わるのが惜しい気持ちで一杯だった。
ラストは、なんとも言えない。神様は…いないのか。と思った。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517