ナイト・マネジャー

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評判

ナイト・マネジャーの評価:

4.33/5点 レビュー 15件。 C ランク

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平均点4.33pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全31件 21〜31 2/2ページ
No.11
(4pt)

インテリジェンスが要る、笑

読むのになかなか難解です、笑。大雑把な人にはまどろっこしいだけで要領を得ないかも知れません。その意味では、ある年齢以上の人向きかも知れないと想像します。日本語ではあっても、外国語を読解する時の様な慎重さが必要です。

今の事なのか、回想なのか、それが暫く読んでみないとはっきりしません。そんな「時制」が一行の空白後に入れ替わり立ち替わりする。夜になり、海になり、国が代わり、狙撃して、また会話に戻るという様な。

読む力が試されていますが、その山を越せるなら、この小説の世界に興味があるほど、行間には一瞬の隙も逃さないスリリングさが溢れています。日本語も少し古い。ある年齢以上と先に書いたのはもしかすると、冷戦時代の緊張感を肌で知る人という意味かも知れないと思い至ります。「その時代の感覚」を思い出してチリチリするのかも知れません。

歴史を知る意味で、冷戦後育ちの人には勉強になるかも知れないです笑。いえ、今でも基本、世界の小説でない実際のこの分野は、ずっと冷戦時代なのでしょう。要は世界のいわゆる「国家公務員」待遇の人ばかりが出てくる。その中で主人公パインに肩入れしてしまう自分は何なのでしょうね!
ナイト・マネジャー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: ナイト・マネジャー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)より
4150408777
No.10
(4pt)

インテリジェンスが要る、笑

読むのになかなか難解です、笑。大雑把な人にはまどろっこしいだけで要領を得ないかも知れません。その意味では、ある年齢以上の人向きかも知れないと想像します。日本語ではあっても、外国語を読解する時の様な慎重さが必要です。

今の事なのか、回想なのか、それが暫く読んでみないとはっきりしません。そんな「時制」が一行の空白後に入れ替わり立ち替わりする。夜になり、海になり、国が代わり、狙撃して、また会話に戻るという様な。

読む力が試されていますが、その山を越せるなら、この小説の世界に興味があるほど、行間には一瞬の隙も逃さないスリリングさが溢れています。日本語も少し古い。ある年齢以上と先に書いたのはもしかすると、冷戦時代の緊張感を肌で知る人という意味かも知れないと思い至ります。「その時代の感覚」を思い出してチリチリするのかも知れません。

歴史を知る意味で、冷戦後育ちの人には勉強になるかも知れないです笑。いえ、今でも基本、世界の小説でない実際のこの分野は、ずっと冷戦時代なのでしょう。要は世界のいわゆる「国家公務員」待遇の人ばかりが出てくる。その中で主人公パインに肩入れしてしまう自分は何なのでしょうね!
ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels) Amazon書評・レビュー: ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels)より
415207860X
No.9
(5pt)

「ナイトマネージャー」BBCドラマ化への期待

ル・カレのスパイ小説、『ナイト・マネジャー』がBBCでドラマ化されるらしい。

巨匠ル・カレの作品の多くは最高のスタッフ、俳優で映画化されそれぞれ傑作と評判は高い。
寒い国から帰ったスパイ(1965年)
ロシア・ハウス(1990年)
テイラー・オブ・パナマ(2001年)
ナイロビの蜂(2005年)
裏切りのサーカス(2011年)

しかしそれでも、どの映画もル・カレ小説の濃密かつ気品のある文章世界が表現できているとはいえない。

ル・カレファンの高望みなのだろうが、とても映画2時間半という制限の中で実現できるはずがなかったのである。

さいわい今回、BBCのドラマ『ナイト・マネジャー』は6話構成、物語もル・カレ小説のなかではシンプル。

映画化された過去の作品以上にル・カレの世界が描かれるのではないかとおおいに期待している。

スイスの名門ホテルのナイト・マネジャーであるジョナサンは、吹雪の夜に訪れた武器商人のローパー一行を見て、忘れ難い過去を思い出した。ローパーこそ、彼が愛した女性を死に追いやる元凶となった男だったのだ。やがて、イギリスの情報部から独立した新エージェンシーがジョナサンの存在を知り、ローパーの武器取引の証拠を握るべく彼をリクルートした。ジョナサンは復讐に燃える! 巨匠が現代の巨悪を描破する傑作。

 The Hollywood Reporterによると、『ナイト・マネジャー』ドラマ化を手掛けるのは、映画『誰よりも狙われた男』を製作したインク・ファクトリー。『ハンナ』のデヴィッド・ファーが脚本を担当する。リミテッド・シリーズとのことだが、実際に何話構成になるのか、詳細は不明。シリーズはBBCとの連携で製作され、イギリス側では同局での放送が決まっているとのことだが、アメリカ側の放送局は決まっていないという。

 カレが1993年に発表した『ナイト・マネジャー』は、ホテルのナイト・マネジャーとなった元兵士ジョナサン・パイクが主人公。パイクと、彼の愛する女性を死に追いやった武器商人ローバーとの戦いを描く。Entertainment Weeklyでは、トムがパイク、ヒューがローバーを演じると伝えている。原作にはパイクの相手役となる女性ソフィーが登場するが、他のキャストや監督を誰が務めるかなどは不明だ。

 イギリスの人気俳優2人がテレビドラマで火花を飛ばす。なんとも豪華な顔合わせだが、日本でのリリースも期待したいところだ。

 カレの作品はこれまでも、日本では10月17日に公開予定の『誰よりも狙われた男』や『裏切りのサーカス』(小説のタイトルは『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』)、『ナイロビの蜂』など、多くの作品が映画化されている。
ナイト・マネジャー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: ナイト・マネジャー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)より
4150408777
No.8
(5pt)

「ナイトマネージャー」BBCドラマ化への期待

ル・カレのスパイ小説、『ナイト・マネジャー』がBBCでドラマ化されるらしい。

巨匠ル・カレの作品の多くは最高のスタッフ、俳優で映画化されそれぞれ傑作と評判は高い。
寒い国から帰ったスパイ(1965年)
ロシア・ハウス(1990年)
テイラー・オブ・パナマ(2001年)
ナイロビの蜂(2005年)
裏切りのサーカス(2011年)

しかしそれでも、どの映画もル・カレ小説の濃密かつ気品のある文章世界が表現できているとはいえない。

ル・カレファンの高望みなのだろうが、とても映画2時間半という制限の中で実現できるはずがなかったのである。

さいわい今回、BBCのドラマ『ナイト・マネジャー』は6話構成、物語もル・カレ小説のなかではシンプル。

映画化された過去の作品以上にル・カレの世界が描かれるのではないかとおおいに期待している。

スイスの名門ホテルのナイト・マネジャーであるジョナサンは、吹雪の夜に訪れた武器商人のローパー一行を見て、忘れ難い過去を思い出した。ローパーこそ、彼が愛した女性を死に追いやる元凶となった男だったのだ。やがて、イギリスの情報部から独立した新エージェンシーがジョナサンの存在を知り、ローパーの武器取引の証拠を握るべく彼をリクルートした。ジョナサンは復讐に燃える! 巨匠が現代の巨悪を描破する傑作。

 The Hollywood Reporterによると、『ナイト・マネジャー』ドラマ化を手掛けるのは、映画『誰よりも狙われた男』を製作したインク・ファクトリー。『ハンナ』のデヴィッド・ファーが脚本を担当する。リミテッド・シリーズとのことだが、実際に何話構成になるのか、詳細は不明。シリーズはBBCとの連携で製作され、イギリス側では同局での放送が決まっているとのことだが、アメリカ側の放送局は決まっていないという。

 カレが1993年に発表した『ナイト・マネジャー』は、ホテルのナイト・マネジャーとなった元兵士ジョナサン・パイクが主人公。パイクと、彼の愛する女性を死に追いやった武器商人ローバーとの戦いを描く。Entertainment Weeklyでは、トムがパイク、ヒューがローバーを演じると伝えている。原作にはパイクの相手役となる女性ソフィーが登場するが、他のキャストや監督を誰が務めるかなどは不明だ。

 イギリスの人気俳優2人がテレビドラマで火花を飛ばす。なんとも豪華な顔合わせだが、日本でのリリースも期待したいところだ。

 カレの作品はこれまでも、日本では10月17日に公開予定の『誰よりも狙われた男』や『裏切りのサーカス』(小説のタイトルは『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』)、『ナイロビの蜂』など、多くの作品が映画化されている。
ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels) Amazon書評・レビュー: ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels)より
415207860X
No.7
(5pt)

メロドラマをあくまで文学的に

ル・カレは『ティンカー・テイラー…』を読み、自分の理解力が足りないせいだと思うのですがイマイチ面白さが分からなかったので
苦手意識があったのですが、訳あってこちらを中古で購入しました。
背景のロケーションの多様さと、主人公のジョナサン・パインを筆頭に人物が皆魅力的。特にパインは完全無欠の『イギリスの精華』という
設定にも関わらず、読み進むと突っ込みどころが多々あり、不器用な側面にすっかり嵌ってしまいました。『現在形で愛せなかった』女性を
ストイックに思い続けるのは良しとして、似たような境遇の女性にまた惚れてどうするよ。しかも、また自分から彼女を巻き込んでるし…。
他にも細かい描写で色々と、妙に人間臭いというか、救い難いロマンチストというか、恐るべしジョナサン・パイン。私にとって、忘れ難いキャラとなりました。
 パインの心を掴む世代違いの女性二人は、絶世の美女であり心は自立した女性でありながら、何故か悪党にひっついているという、
同性の私から見るとこれって男性の妄想の産物ですね。ある意味この作品はロマンチックな妄想を具現化したような小説です。
ル・カレの小説作品が全般的にそうなのか、この作品が特異なのかは分かりませんが。
思わず絶句するような甘美なセリフをあくまで文学的なトーンで楽しめるという非常に美味しい作品でした。
ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels) Amazon書評・レビュー: ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels)より
415207860X
No.6
(5pt)

メロドラマをあくまで文学的に

ル・カレは『ティンカー・テイラー…』を読み、自分の理解力が足りないせいだと思うのですがイマイチ面白さが分からなかったので
苦手意識があったのですが、訳あってこちらを中古で購入しました。
背景のロケーションの多様さと、主人公のジョナサン・パインを筆頭に人物が皆魅力的。特にパインは完全無欠の『イギリスの精華』という
設定にも関わらず、読み進むと突っ込みどころが多々あり、不器用な側面にすっかり嵌ってしまいました。『現在形で愛せなかった』女性を
ストイックに思い続けるのは良しとして、似たような境遇の女性にまた惚れてどうするよ。しかも、また自分から彼女を巻き込んでるし…。
他にも細かい描写で色々と、妙に人間臭いというか、救い難いロマンチストというか、恐るべしジョナサン・パイン。私にとって、忘れ難いキャラとなりました。
 パインの心を掴む世代違いの女性二人は、絶世の美女であり心は自立した女性でありながら、何故か悪党にひっついているという、
同性の私から見るとこれって男性の妄想の産物ですね。ある意味この作品はロマンチックな妄想を具現化したような小説です。
ル・カレの小説作品が全般的にそうなのか、この作品が特異なのかは分かりませんが。
思わず絶句するような甘美なセリフをあくまで文学的なトーンで楽しめるという非常に美味しい作品でした。
ナイト・マネジャー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: ナイト・マネジャー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)より
4150408777
No.5
(5pt)

メロドラマをあくまで文学的に

ル・カレは『ティンカー・テイラー』を読み、自分の理解力が足りないせいだと思うのですがイマイチ面白さが分からなかったので
苦手意識があったのですが、訳あってこちらを中古で購入しました。
背景のロケーションの多様さと、主人公のジョナサン・パインを筆頭に人物が皆魅力的。特にパインは完全無欠の『イギリスの精華』という
設定にも関わらず、読み進むと突っ込みどころが多々あり、不器用な側面にすっかり嵌ってしまいました。『現在形で愛せなかった』女性を
ストイックに思い続けるのは良しとして、似たような境遇の女性にまた惚れてどうするよ。しかも、また自分から彼女を巻き込んでるし。
他にも細かい描写で色々と、妙に人間臭いというか、救い難いロマンチストというか、恐るべしジョナサン・パイン。私にとって、忘れ難いキャラとなりました。
 パインの心を掴む世代違いの女性二人は、絶世の美女であり心は自立した女性でありながら、何故か悪党にひっついているという、
同性の私から見るとこれって男性の妄想の産物ですね。ある意味この作品はロマンチックな妄想を具現化したような小説です。
ル・カレの小説作品が全般的にそうなのか、この作品が特異なのかは分かりませんが。
思わず絶句するような甘美なセリフをあくまで文学的なトーンで楽しめるという非常に美味しい作品でした。
ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels) Amazon書評・レビュー: ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels)より
415207860X
No.4
(5pt)

再度この名作を読み返してみた

この作品も10年ほど前に読んで今度が2度目になる。難解なまでの文学性濃厚な作品ということでは、他のルカレの作品と変わらない。ただ、今回読み返してやはりより惹かれたのは、ジョナサン・パインの崇高とまで呼べるソフイーへのプラトニックな愛情と、彼を支える英米の情報機関(の下請けとでも呼べばいいのだろうか)の純粋な正義感、そして、圧倒的な貫録で迫る「世界一のワル」オンズロー・ディッキー・ローパーの「魅力」であろう。既に10年以上たって作品の詳細はかなり忘れてしまっていたが、読み直してさらにこの作品が、娯楽作品としても評価を受けるにふさわしいということ以上に、その文学性の高さを非常に感じる。
ルカレの作品では、冷徹なまでの現実の詳細な描写と、官僚組織や国家に対する嫌悪感が常にベースにあるが、一方、多くの作品でルカレが必死に描くのは、ある意味こういった作品では、やや滑稽にすら見えるプラトニックな愛情である。「ナイロビの蜂」でも、「ロシアンハウス」でも、主人公を支えるのはこういったストイックな愛情である。この作品でもパインのプラトニックな愛情の対象は、冒頭に登場するエジプト女性ソフイーである。組織への裏切りで虐殺されるソフイー、その復讐のために彼は志願して、英国情報部のスパイとしてローパーの仲間に加わる。彼の正体がばれ、拷問を受けても彼は誰も裏切らない。その時彼を支えたのはなんと、想像の中で出てくるソフイーであり、彼女の励ましだ。パインに愛情を感じる、ローパーの愛人ジェドを裏切ることもない。彼女もどうもスパイのようだが、結局彼女の正体は最後まで明かされることはなかった。どうもローパーの腹心であるコーコランは何か彼女のそのような正体を感じて、彼女を逃がそうとする場面もある。どうも彼も彼女に愛情を感じていることをにおわせるくだりでもある。いつもながら、この作品の最後の50ページは、今までのゆっくりとしたリズムから大太鼓を打ち鳴らしながら終幕を告げる交響楽のように一気にクライマックスを迎える。パインを使った英国情報部のレナード・バーが孤立無援の中、英国情報部の上司たちにトリックをかけ、パインとジェドを救う。英国情報部にとって何の関係もない、ジェドまで救い出すこと(これをバーはローパーに対して条件として提示するのだ)にこの作品の背景となる女性へのやさしい愛情が感じられる。なぜ、この作品は映画化されないのだろうか。素晴らしい作品になると思う。
ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels) Amazon書評・レビュー: ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels)より
415207860X
No.3
(5pt)

再度この名作を読み返してみた

この作品も10年ほど前に読んで今度が2度目になる。難解なまでの文学性濃厚な作品ということでは、他のルカレの作品と変わらない。ただ、今回読み返してやはりより惹かれたのは、ジョナサン・パインの崇高とまで呼べるソフイーへのプラトニックな愛情と、彼を支える英米の情報機関(の下請けとでも呼べばいいのだろうか)の純粋な正義感、そして、圧倒的な貫録で迫る「世界一のワル」オンズロー・ディッキー・ローパーの「魅力」であろう。既に10年以上たって作品の詳細はかなり忘れてしまっていたが、読み直してさらにこの作品が、娯楽作品としても評価を受けるにふさわしいということ以上に、その文学性の高さを非常に感じる。
ルカレの作品では、冷徹なまでの現実の詳細な描写と、官僚組織や国家に対する嫌悪感が常にベースにあるが、一方、多くの作品でルカレが必死に描くのは、ある意味こういった作品では、やや滑稽にすら見えるプラトニックな愛情である。「ナイロビの蜂」でも、「ロシアンハウス」でも、主人公を支えるのはこういったストイックな愛情である。この作品でもパインのプラトニックな愛情の対象は、冒頭に登場するエジプト女性ソフイーである。組織への裏切りで虐殺されるソフイー、その復讐のために彼は志願して、英国情報部のスパイとしてローパーの仲間に加わる。彼の正体がばれ、拷問を受けても彼は誰も裏切らない。その時彼を支えたのはなんと、想像の中で出てくるソフイーであり、彼女の励ましだ。パインに愛情を感じる、ローパーの愛人ジェドを裏切ることもない。彼女もどうもスパイのようだが、結局彼女の正体は最後まで明かされることはなかった。どうもローパーの腹心であるコーコランは何か彼女のそのような正体を感じて、彼女を逃がそうとする場面もある。どうも彼も彼女に愛情を感じていることをにおわせるくだりでもある。いつもながら、この作品の最後の50ページは、今までのゆっくりとしたリズムから大太鼓を打ち鳴らしながら終幕を告げる交響楽のように一気にクライマックスを迎える。パインを使った英国情報部のレナード・バーが孤立無援の中、英国情報部の上司たちにトリックをかけ、パインとジェドを救う。英国情報部にとって何の関係もない、ジェドまで救い出すこと(これをバーはローパーに対して条件として提示するのだ)にこの作品の背景となる女性へのやさしい愛情が感じられる。なぜ、この作品は映画化されないのだろうか。素晴らしい作品になると思う。
ナイト・マネジャー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: ナイト・マネジャー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)より
4150408777
No.2
(5pt)

武器商人に挑む諜報部員

ルカレの作品は正直言ってそう読みやすいものではない。ちょっと気が緩むと登場人物や筋さえも追えなくなる。独白や心理描写も多くて、うっかりすると退屈してしまう。しかし、これほど読後感で読者を魅了する作者も少ない。味が分からない高級料理がやがてがつがつ食わざるを得ないような味で魅了し最後はその味をいつまでも忘れられないのとよく似ている。この「ナイト・マネジャー」も例外ではない。主人公のジョナサン・パインの過去も重厚な小説に出てくるような登場人物のそれであり、一種プラトニックな愛人とも言える殺されたソフイーのために英国諜報部のスパイとなって武器麻薬密輸商人ローパーのところに潜り込む。彼を送り込んだ諜報部も腐りきった上層部と実務部隊の争いがやがて激化し、裏切られていくジョナサン。それを救おうとする実務部隊の巧みな作戦。作者の筆力は全く衰えない。最後は決して100%ハッピーエンディングにならないところもいい。ジョナサンをローパーのところに送り込むべく作られる彼の過去。ここらへんはあの名作「リトルドラマー
ガール」を思い出させる。上司を陥れ、大きな獲物であるローパーを逃がしてでもジョナサンを守ろうとする実務部隊のリーダー、レナード・バーもまたいい味を出してくれる。米国側の実務担当ジョゼフ・スゥトレルスキもプロとして仕事をまっとうしようとするところがまたいい。最後に悪役ではあるがローパーの存在感が圧倒的だ。彼が生き残ったことでやがて彼をもっと中心においた作品がまた出来そうな気がする。ルカレの作品を読んだ後いつも誰かと彼の作品に関して論じたくなる。最高の料理を食べた後、誰かに話しかけたくなるのと似ている。

ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels) Amazon書評・レビュー: ナイト・マネジャー〈上〉 (Hayakawa Novels)より
415207860X
No.1
(5pt)

武器商人に挑む諜報部員

ルカレの作品は正直言ってそう読みやすいものではない。ちょっと気が緩むと登場人物や筋さえも追えなくなる。独白や心理描写も多くて、うっかりすると退屈してしまう。しかし、これほど読後感で読者を魅了する作者も少ない。味が分からない高級料理がやがてがつがつ食わざるを得ないような味で魅了し最後はその味をいつまでも忘れられないのとよく似ている。この「ナイト・マネジャー」も例外ではない。主人公のジョナサン・パインの過去も重厚な小説に出てくるような登場人物のそれであり、一種プラトニックな愛人とも言える殺されたソフイーのために英国諜報部のスパイとなって武器麻薬密輸商人ローパーのところに潜り込む。彼を送り込んだ諜報部も腐りきった上層部と実務部隊の争いがやがて激化し、裏切られていくジョナサン。それを救おうとする実務部隊の巧みな作戦。作者の筆力は全く衰えない。最後は決して100%ハッピーエンディングにならないところもいい。ジョナサンをローパーのところに送り込むべく作られる彼の過去。ここらへんはあの名作「リトルドラマー
ガール」を思い出させる。上司を陥れ、大きな獲物であるローパーを逃がしてでもジョナサンを守ろうとする実務部隊のリーダー、レナード・バーもまたいい味を出してくれる。米国側の実務担当ジョゼフ・スゥトレルスキもプロとして仕事をまっとうしようとするところがまたいい。最後に悪役ではあるがローパーの存在感が圧倒的だ。彼が生き残ったことでやがて彼をもっと中心においた作品がまた出来そうな気がする。ルカレの作品を読んだ後いつも誰かと彼の作品に関して論じたくなる。最高の料理を食べた後、誰かに話しかけたくなるのと似ている。

ナイト・マネジャー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: ナイト・マネジャー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)より
4150408777