ナニカアル
評判
ナニカアルの評価:
4.12/5点 レビュー 25件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21〜25 2/2ページ
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ナニカアルの評価:
4.12/5点 レビュー 25件。 B ランク
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力量ある作家の桐野夏生氏が、新たな境地を開くかと期待して読んだ。
最初の数十ページ、芙美子が戦地に赴くまではなかなか緊迫した展開で楽しめる。
男性主流の当時の文壇が芙美子を軽侮したこと、特に大物大衆作家の
久米正雄との確執などはリアリティーが感じられる。
だがシンガポール・インドネシアに赴き、現地の日本人と交流したり、
軍部の目を恐れながら毎日新聞特派員との不倫を続けるあたりになると
過去の作品に描かれた男女のもつれとかぶるような描写が目立ち、
林芙美子の真の姿を描くというよりは、
やや作者が彼女に自分を仮託しているように感じてしまった。
戦中の言論統制や軍部の独裁ぶり・いやらしさが巧みに織り込まれ、
戦争の庶民生活への圧迫などもリアルに伝わってくるし、芙美子のたくましさも良く書けている。
芙美子の私生活の秘密だけでなく、日本の体制に疑問を抱く視点を強調すれば
もっと深い作品になったように思う。
作者の筆力が伝わってくる迫力ある作品だけに、残念に思った。