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(短編集)

謎解きはディナーのあとで



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謎解きはディナーのあとでの評価: 2.32/5点 レビュー 573件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.32pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全139件 121~139 7/7ページ
No.19:
(4pt)

影山は向井理、風祭は大泉洋、麗子は?

映像化を意識したとしか思えない登場人物設定と描写、一つの事件の長さも深夜枠の30分で収まりそうなぐらい短いもの。これを本格的ミステリーとして評論するには無理がありすぎです。と言うか、筆者も推理ものとしてはツッコミどころ満載としたように思います。古典的な分類としては安楽椅子探偵ものということになるのでしょうが、「ブラウン神父」や「隅の老人」を愛読した神父には比べるのもはばかられるぐらい安直なトリックとストーリーです。でも、それがすべてと言える登場人物達のキャラ立ちと会話は面白く、それこそソファやベッドに寝転んで読み流すには最適です。肩肘張らないミステリー風の気軽な読み物としてはいいのでは。一応伏線となる話はきちんと書き込まれています(あとから読者が知らなかったエピソードが知らされるのはルール違反!)し、推理に破綻がある訳でもないので推理小説ものの入門編として悪くないと思います。1,500円という価格がソフトカバーとしてはちょっと高い気がしますけど…ところで、語り手でもある女性刑事は誰が演じるといいか? 凜としてお嬢様だけど、執事との掛け合いはかなりコミカルだし、深田恭子は似たような「富豪刑事」でキャラがかぶっているし…なんて早速考えいるテレビ局のプロデューサーがいそうです。
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No.18:
(4pt)

みどころは掛け合いにあり!

本格的なミステリー小説ではないですが自分はこういう本は大好きです。残念な点としては、もう少し犯人と事件後の絡みを書いてほしかったのと、執事と他の人物の絡みが見たかった。でもこの二人の爽快な掛け合いはホントに笑わせてくれます。令嬢刑事の気持ち・・・わかります笑″ストーリーとしての骨組みもしっかりしてるのでぜひ軽い気持ちでご一読を☆ミ
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No.17:
(4pt)

絶対ドラマ化される(笑)

お嬢様と執事の掛け合いが楽しすぎます。特にお嬢様のキレっぷりが最高!各キャラクターもよく書き分けられています。若干、ベタなキャラ設定な感もありますが、まぁそれを狙って書かれておられるんだと思います。謎部分もちゃんと作りこまれてます。とはいえ、基本的には見聞きした執事が解いてしまい、じっくりと段階を踏んで解いていく感じではないです。問題文と解答解説がバッサリ分かれてるイメージですかね。総じて、お手軽な一冊です。ですので、あまり過度な期待は抱かずに読まれることをお勧めします。
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No.16:
(4pt)

読みやすいがゆえに掛かりやすい、本格の罠

軽い文体に軽妙な会話、滑るギャグにニヤニヤしながら読むミステリ。そんな感じで意外と珍しい「ユーモアミステリ」を地で行く本作なのですが、ところがどっこい、トリックもロジックたっぷりで面白かったです。読みやすいのに「本格」であるということは、ある意味ではその「軽い」語り口こそが、読者にミスリーディングを仕掛けているということもあるわけで…、ドラマよりもパズラーとしてのミステリなのですが、紛うことなき本格ミステリ。
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No.15:
(5pt)

この小説の魅力。

とにかく登場人物全員が素敵です。繰り広げられる会話も面白くて凄く読みやすい。執事が事件の真相を麗子に説明をして終わりますが、私は逆に新しいミステリーの形だと思います。犯人がどうして殺人を起こしたのかよりも、麗子と執事、そして風祭警部とのやりとりを通して事件の真相を掴む。このことがこの小説の最大の魅力だと思います。もちろん、内容のミステリーも面白いです。1話完結型の短編で構成されていて、読み終わったあとには満足感もあります。ちょっとした空き時間にも読めるところもいいですね。そしてカバーの絵と帯も魅力の1つ。値段は少し高いと感じるかもしれませんが、読んでみる価値は十分にあると思います。
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No.14:
(5pt)

最強執事・安楽椅子探偵。

とても面白い本格ミステリです。1話1話が短いため、ちゃんとわかりやすく伏線が張ってあります。ゆえに、執事が謎解きをする際、「なんで私はあんなに明確に出されていたヒント(伏線)を見逃したのか!犯人、ちゃんと推理すれば分かるじゃないか!」という嬉しい悲鳴(?)をあげたくなります。素晴らしい!装丁も帯の文句も素敵ですね。
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No.13:
(5pt)

謎解きを気楽に楽しめます

この本には、容疑者たちによる愛憎劇はありません。猟奇殺人などのサスペンスもありません。オカルトになぞらえた恐怖もありません。あるのはミステリーのみです。殺人の動機に重点が置かれていないため、被害者が殺されて当然な嫌な奴になっていません。容疑者同士がお互いを罵り合う醜い争いも、疑心暗鬼もありません。犯人の自供により、犯人への同情を引くこともありません。このため読後は後味の悪さもなく、謎解きの爽快感だけが残ります。ミステリーはとてもシンプルです。謎解きを得意とする人には物足りないかもしれません。事件の全貌もシンプルで、2、3のヒントさえもらえれば多くの人は解けるでしょう。後編で執事がそのヒントに触れる度に、自分の頭の中で謎が解けていきます。マインスイーパーで一箇所を選択して半分近くが一気にオープンされた時のような爽快感があります。パズル的に謎解きを楽しみたい方にお勧めです。本作品は6つの短編からなっておりますので、まずは最初の一編で確かめてはいかがでしょうか。
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No.12:
(5pt)

影山執事の存在感たっぷり!―次回作にも大いに期待したいのでございます

なかなか印象的でカラフルな表紙と帯の言葉「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」。いったいどんな作風の推理小説なのだろうと思って気軽に購入したのです。定員にも「1575円は少し高いような気がするね」と言ってしまった。簡単にいえば、いわば「衝動買い」というやつです。でも購入した以上は最後まで読まなくはならない。早速読み始めた。止まらなかった。  宝生お嬢様ととんちんかんな風祭警部とのでアットホームな感じの会話もよし、それ以上に執事の影山の「ございます」口調はなんともたまらない。執事であって執事ではない、そんな雰囲気がぷんぷんしているわけでございます。こんな推理小説、しばらくお目にかかっていなかったような気がします。  個人的には執事の影山、彼は「後輩の大学院生ではないか」と思ってしまうほどであった。だから彼に「この小説に出てくる影山は実は君じゃないのか?」と思わず問いただしたくなるほど、口調や雰囲気が似ているような気がするのです。警部もお嬢様刑事も執事もそれぞれに魅力があって、なおかつ小説全体に適度なアンサンブルをもたらしている。事件内容とその解明の運びも実に面白く、読む手を休めることができなかった。  そうですね、最後に一言。次回作も大いに期待しているのでございます。そう遠くはないように思います。
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No.11:
(4pt)

キャラ重視

この本の魅力は、「登場人物」と「推理」。各章は短くまとめられていて、何も考えずに読んでしまえば、数時間で読み終わる量。難解な語句もなく、非常に読みやすいので、テンポよく読める本。起こった事件を皮切りに、個性的な登場人物の掛け合いと推理が混じっているところは非常に楽しめた。また、この本特有の要素として、推理の部分は非常に客観的な書き方をしている。そのため、普通の小説とは異なり、感情移入する人物がいなかった。登場人物の設定が好めない人には向かない本かもしれない。
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No.10:
(4pt)

面白い

本屋で始めて見かけて、表紙・帯を見て惹かれました。40ページ程度の短編が六話入っています。執事とお嬢様のやり取りがとても面白く謎解きもしっかりしています。サクサク読んでしまえるので少し高く感じるかも知れません。文庫だと嬉しいですね。個人的には面白かったので、この値段でも文句はないです。前半で事件の説明があり情報が全て提示されます。自室で執事との会話が始まると解答になりますので、自分で推理して楽しむのも良いと思います。短いので事件もわかりやすく、推理するときに、「あれはどうだったかな?」と探すこともあまりありません。本格的なミステリを読みたい方には少し物足りないかもしれませんが、キャラクターがとても良くて軽く楽しめるのが魅力です。大体同じようなパターンなので、一話読んでみて気に入ったら安定して楽しめると思います。
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No.9:
(5pt)

サクサクいきましたよ!

ものすごいスピードで読み終わりました。キャラクターはもちろんだけど、ミステリーとしてもとっても楽しかったです。これは即映像化(連ドラ)でしょう!キャスティングとしては、年齢的にも数字的(人気)にも違うかもしれないけど、東幹久で執事を見てみたい!!警部は、谷原章介かなー(これも年齢が違うが?)。
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No.8:
(5pt)

ミステリーとは言い難い。

ミステリーとは言い難い。が、しかし、たいへん面白い。amazonではTOPページでおすすめが表示されますが、それをそのまま購入した感じです。アタリでした。非常に有り難いですね。東川篤哉氏の作品は本作が初めてで、早速wikiでチェックし書店で物色し始めている次第です。ちょっと著者のシリーズものが読んでみたくなりました。文章はくどくなくサラッと読める感じです。ミステリーというよりコメディーな感じですね。くすくす笑いが出る程度に面白いです。お勧めです。
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No.7:
(4pt)

“キャラ立ち”の妙、“華麗かつカジュアル”な雰囲気、<執事探偵>もののヒット作

本書は、小学館の小説誌『文芸ポスト』『きらら』に掲載された4編に書き下ろし2編を加えた連作短編集で、発売当初から多くの書店員さんや読者たちの支持を得て順調に版を重ね、東川篤哉のブレイク作となった。’10年、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門で第10位にランクインもしている。東川篤哉は、’02年、『密室の鍵貸します』で、光文社カッパ・ノベルス新人発掘プロジェクトの第一期「Kappa-One登竜門」を受賞しデビューした、ユーモア・本格ミステリー作家である。同期に本格パズラーとして活躍中の石持浅海がいる。ちょいズレの中堅自動車メーカーのお坊ちゃま・風祭警部とともに殺人事件の捜査に当たった刑事、実は大企業グループのお嬢様・宝生麗子が(注:風祭警部が登場しない殺人未遂事件である第四話を除く)、いきづまって一家の、というか彼女の執事兼運転手・影山に事件の詳細を話す。すると影山は麗子を馬鹿にするが如く鼻で笑って、時にはタバコまで吸いながら、たちどころに真相を言い当ててしまう。執事や給仕などが主人公の話を聞いただけで推理を開陳し、解決するという、同じ趣向の短編・安楽椅子探偵(アームチェアー・ディテクティブ)は、海外ではアイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会』の<給仕ヘンリー>、P・G・ウッドハウスの<執事ジーヴス>、国内では鮎川哲也の<三番館のバーテン>をはじめ数多くみられ、ミステリーの人気ジャンルのひとつとしてすっかり定着している。本書は、<執事兼運転手・影山>もさることながら、ヒロインの<宝生麗子>、脇役の<風祭警部>の「キャラ立ち」の妙と、「華麗かつカジュアル」な雰囲気、「令嬢と毒舌執事コンビ」の会話、「コメディでありながら、ちゃんと伏線が張られた、分かりやすい本格パズラーらしい謎解きショート・ストーリー」というプロットが際立っており、それがこれだけヒットした理由であろう。
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No.6:
(4pt)

その後どうなるの?

面白いです。キャラも立ってます。一話が短くて、ちょっとした時間に読むのもいいです。推理小説としても、きちんと謎解きが出来てて文句はありません。ただ、私は推理小説で探偵が真犯人を名指ししてからのドラマが好きなので(言い訳したり、動機を切々と語ったり、逆切れしたり)それがない、謎を解いてそのまま、というこのスタイルは消化不良です。
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No.5:
(5pt)

純粋に「面白い!」と思える本でした

この作者さんの作品を読むのは、この本が初めて。書店でタイトルを見てなんとなく手にとりなんとなく購入。大当たりでした。なにこの掛け合い漫才みたいな会話。仕事のイライラも吹っ飛ぶ愉快さです。内容も、とにかく軽く明るい推理本。ショートストーリーでの構成ですので、お昼休みのお供などに超お勧めです。
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No.4:
(5pt)

令嬢刑事と毒舌執事による“安楽椅子探偵もの”の連作短編集

世界的な資産家の令嬢であることを隠して刑事をしてる宝生麗子、麗子の上司で、 中堅自動車メーカー社長の御曹司である風祭警部、そして、麗子に仕える執事で ありながら、ときに容赦のない毒舌を麗子に浴びせる慇懃無礼な影山――という 三人を主要キャラに据えたコミカルな連作短編集。 先ず麗子と風祭の捜査パートがあり、捜査に行き詰った麗子が、影山に事件の 相談をすると、痛烈な毒舌の後に影山による解明パートが始まる――というの が基本フォーマットで、一種の“安楽椅子探偵もの”であるといえます。 ■「殺人現場では靴をお脱ぎください」  〈あらすじ〉   若い女性派遣社員が、自宅アパートで死体となって発見される。   死体は、フローリングの床にうつ伏せの状態で横たわっていたのだ   が、何故かブーツを履いたままで、しかも周囲に足跡一つなかった。    殺害後に、犯人がブーツを履かせるのは物理的に難しいため、別の場所で   殺害され、その後で死体が運び込まれたのではと考えられたが、被害者が   事件の直前に帰宅していたという目撃証言があって……。  〈感想〉   ブーツを履いたまま、部屋に居てもおかしくない状況が巧みに設定されています。   そして、容疑者のアリバイ調べの際、さりげなく提示される伏線が実に秀逸です。 ■「殺しのワインはいかがでしょう」  〈あらすじ〉   動物病院の院長・若林辰夫が、青酸カリの入った   ワインを飲んで、死体となって発見される。   その前の夜に、若い家政婦との再婚を家族全員に反対されたことを   苦に自殺した――と家族は口を揃えるが、当の家政婦の証言により、   何者かが家政婦を装って被害者にワインを差し入れ、殺した疑いが   出てくる。犯人は家族の中にいるのか? そして毒物の混入方法は?   〈感想〉   ハウダニットはシンプル過ぎて、正直拍子抜け。手がかりも親切すぎる   仕様で、ひねりがないのですが、その分フェアなものにはなっています。 ■「綺麗な薔薇には殺意がございます」  〈あらすじ〉      勤めていた高級クラブがつぶれ、住むところまで失った女性を、老舗ホテルの   創業家の息子が結婚相手として邸の離れに住まわたことが悲劇の幕開けだった。   その元水商売の女が、何者かに殺害され、邸に   ある薔薇園の薔薇の上に死体が遺棄されていた。   そして、事件後、何故か被害者が飼っていた黒猫も行方が判らなくなり……。  〈感想〉   犯人の偽装工作は、やぶ蛇の感が否めませんが、行方不明となっていた   黒猫をもとにして犯行に用いられた小道具を導き出すロジックは秀逸です。    ■「花嫁は密室の中でございます」  〈あらすじ〉   麗子は影山とともに、友人の令嬢が自宅で開いた結婚披露宴に出席する。   そんな中、酒を飲んで気分が悪くなり、自室で休んでいた花嫁が、何者に   刺される事件が起きる。現場となった部屋の扉には鍵がかけられ、開け放   されていた窓の下の雨に濡れた地面には誰の足跡も残されていない――   という密室状況で……。  〈感想〉   所謂“心理的密室”です。花嫁の妹が犯行現場に現れた際に発する不自然  な言葉が、真相に繋がる、きわめて重要な手がかりとなっている点が秀逸。 ■「二股にはお気をつけください」  〈あらすじ〉   自宅マンションで殺された男は、何故か全裸にされていた。事件の直前、被害者は   恋人らしき女性と一緒にいたところを目撃されていたのだが、後の捜査で、被害者   は、四人の女性と同時に付き合っていたことが判明し、問題の女性が誰か、判然と   しない。その上、捜査を振り出しに戻すような、新たな目撃証言が出て……。  〈感想〉   “身長”がキーポイントとなる本作。大まかな真相は勘のよい読者ならすぐに   気づくかもしれませんが、最終的な消去法を行う際に必要な手がかりの配置   が実に秀逸です。  ■「死者からの伝言をどうぞ」  〈あらすじ〉   消費者金融のワンマン女社長が何者かに殴殺された。被害者は自らの血を使って   ダイイング・メッセージ――犯人の名前――を遺そうとしたらしいのだが、何者かに   よってタオルでふき取られ、判読不能になっていた。   凶器に使われたトロフィーが、二階の部屋に投げ込まれ、窓が割れ、   大きな音を立てたことによって、事件が発覚したため、風祭警部は、   犯人が犯行時刻を誤認させるアリバイトリックを用いたと考えるが……。  〈感想〉   凶器のトロフィーが、二階の部屋に投げ込まれたという不可解な現象を   アリバイ工作、と一旦は常識的な仮説を示した後に、意外な真相を提示   していく手際が見事(野球好きの作者ならではの“誤解”が巧いです)。   そして、その真相を踏まえてダイイング・メッセージを解釈し、犯人特定の   ロジックを導き出す一連の流れはなかなかよくできたものになっています。
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No.3:
(5pt)

明るく笑えるミステリー

本作は東川篤哉氏によるミステリー6編を収録した短編集。
令嬢刑事と毒舌執事による推理劇を描いたもの。
レギュラーとなる登場人物はたったの三人。
主人公は「宝生グループ」総帥の娘であり刑事でもある宝生麗子。
麗子の上司であり「風祭モータース」の御曹司でもある風祭警部。
そして麗子の屋敷に仕える影山という口の減らない執事兼運転手。これがクセ者。
影山は国立署管轄で次々と起こる殺人事件の謎を、次々といともアッサリと解明してしまう。
難事件に頭を抱える麗子に対し、丁寧な言葉で、小馬鹿にしながら。
本書の読みどころの一つとして、この二人の会話は読んでいて面白く、思わず笑ってしまう。
ストーリーそのものも、短編ということもあってテンポよく進行し、小気味よい。
その中で張り巡らされた伏線も無駄が無い。
短編ミステリとしても充分満足できる内容である。
特筆すべきキャラクターは、麗子の上司である風祭警部。
この男も金持ちのボンボンでやたらとエリート意識が高いのだが、セレブとして宝生家には及ばず、推理力においても影山の足元にも到底及ばない。
どうみても麗子と影山を引き立てるためだけにいるような気がする。
しかし自信に満ちた発言やズレた感覚など、慣れるとこれがなかなか憎めない。
麗子との会話も何気に息が合っているのではないだろうか。
是非シリーズものとして新作をどんどん出してほしい。
たまには明るく笑えるミステリーも悪くないと思える作品。
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No.2:
(4pt)

しっかり楽しめる謎解きとユーモア

『文芸ポスト』と『きらら』に掲載の4本に書き下ろしを2本加えた連作短編ミステリ.
身分を隠したお嬢様刑事の大活躍…ではなく,彼女に仕える執事の安楽椅子探偵もので,
各話のタイトルも『〜でございます』など,執事目線の捻りの効いたものが揃っています.
遠慮の無い言葉を浴びせる執事と怒りつつも頼ってしまうお嬢様とのやり取りをはじめ,
暑苦しい上司に著者おなじみの野球ネタ,そして地の文に至るまでいろいろと織り込まれ,
『烏賊川市シリーズ』とはまた違う,クスリとなるユーモアで最後まで楽しませてくれます.
ミステリとしてもよくまとまっていて,推理パートにありがちな後付け感もあまり無く,
それまでの何気無いやり取りや,やはり地の文が伏線となって畳まれていく様子はお見事.
推理の途中でお嬢様に考える間を与えるのも,同じように考えることができてよかったです.
また,実際に犯人に迫る様子は描かれませんが,これが却ってほど良い余韻を与えてくれます.
ただ,雑誌に連載されていた作品のせいか登場人物や舞台となる地域の説明が多かったり,
被害者に資産家が多く,「財産狙いだ!」的なやり取りが目立ったのは少し気になりました.
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No.1:
(5pt)

キャラクターが良い

主人公は令嬢刑事と毒舌執事。お嬢様にしてはちょっとがさつな麗子と、執事にしては雇主に対して些か口が悪い影山のかけあいは、いつもながらに面白い。 もう一人の主要人物(?)、御曹司警部風祭もいい味出してます。今作は短篇連作。どれも麗子が風祭と現場で得た情報を最終的に影山に話して、影山が推理する、というスタイル。一部例外がありますが基本はそれです。 推理は淡々と影山がしてくれます。どれも「ああ、なるほど」とすっきりさせてくれますよ。ライトノベルに近いノリなので普段ミステリなんて読まないというひとにも読みやすいのでは。私もミステリといったら京極作品しか読んでないような人間ですし。しかし、東川氏の描く強気、というよりツンな女性キャラクターはいつも魅力的でたまりません、麗子お嬢様かわいい。烏賊川の朱美さんも素敵だし。 あと毒舌執事とか個人的にツボすぎます。 いつも「このキャラクターたちの別の物語が読みたい」と思わされますが、今作も同様でした。
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