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球体の蛇



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【この小説が収録されている参考書籍】
球体の蛇
球体の蛇 (角川文庫)

球体の蛇の評価: 4.50/10点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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No.1:
(6pt)

球体の蛇の感想

ミステリではないかもしれない。最後どんでん返しがある訳でもない。
でも、道尾さんらしい作品です。

作品全体を通して、道尾作品らしい窒息しそうな重苦しい雰囲気があります。
テーマは「嘘」ですかね。
正直この作品、何が嘘で何が本当かわからないです。
そして、それを象徴するのが作品タイトルにも関連する「ゾウを飲み込んだウワバミ」のくだり。読中頭から離れません。

悪意のある嘘、相手を思いやっての嘘、嘘にも色々あります。
何気に発した言葉が、思い込みや迷い、誤解を生み予想外に相手に重くのしかかる事があります。
それが思わぬ事態を生み、取り返しの付かない最悪の局面を迎えてしまう。
皆が自分のせいではと恐怖する。窒息しそうな苦しみを皆抱え込み、吐き出す事ができずに、じっと光が射すのを待つ。
登場人物中、光が射し込んだのは彼女だけか。
とすると、あれも嘘、これも嘘だった事になるけど・・・

「龍神の雨」もそうだったけど、恐ろしいようで普通に有り得る話。
こういうの描かせたら上手いなぁ。

梁山泊
MTNH2G0O

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