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チャイルド・ファインダー 雪の少女



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【この小説が収録されている参考書籍】
チャイルド・ファインダー 雪の少女 (創元推理文庫)

チャイルド・ファインダー 雪の少女の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
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No.1:
(7pt)

雪と氷の山を駆ける女性私立探偵

アメリカの新進女性作家の本邦初訳作品。雪と氷に覆われたオレゴン州の山中で、三年前に行方不明になった少女を捜し出す「チャイルド・ファインダー」というユニークな設定のハードボイルド作品である。
オレゴンの深い山にクリスマスツリー用の木を採りに行き、両親の車から降りたあと行方が分からなくなった5歳の少女。吹雪の中で足跡は消え、捜索隊は何も発見できなかった。しかし、諦めきれない両親は三年後、行方不明の子供専門の探偵・ナオミに最後の望みを託す。自らも行方不明の子供だったナオミは「生きていようが死んでいようが、必ず見つけ出す」という固い信念のもと、雪と氷の深い森に分け入って行くのだった。
失踪した子供を捜すミステリーはいくらでもあるが、行方不明の子供専門の探偵というヒロインの設定が飛び抜けている。しかも、ヒロイン自身が同じ境遇を味わってきたことから生まれる“思い”の強さが、これまでにない固い芯のある物語を作り出している。いわば「卑しい街を行くヒーロー」の、大都会でしか成立しないような現代ハードボイルドを、雪と氷の山で、女性で成立させたところが新しい。欲を言えば、被害者視点で語られるパートにもう少しリアリティがあればと思う。ヒロイン・ナオミを支える養母や同じ家で育てられたジェロームなどの周辺人物のキャラクターも味わい深く、物語が暗いノワール一辺倒で終わっていないのは評価できる。本作では謎のまま積み残されたエピソードが、次作ではすべて明らかにされているというので期待したい。
誘拐犯人探しミステリー、ハードボイルドのファンにオススメする。

iisan
927253Y1

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