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【山口雅也】
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生ける屍の死の評価:
8.00/10点 レビュー 13件。 A ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点8.00pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
非現実的な設定ながら説得力のある物語構成の、唯一無二かつ完成度の高い作品
タイトルや表紙から、勝手に硬そうな小説という先入観を持ってしまった作品ですが「死んだ人間がゾンビになって生き返る世界で、主人公すら途中で死に、ゾンビ状態で殺人事件の謎を追う」という、独創的かつ非現実的な内容のSFミステリであり、ユーモア要素も強めな作品で、少し長いですが読みやすかったです。しかし設定こそ荒唐無稽ではありますが、その特殊な世界観を十二分に活かし、また説得力のある形で話が組み立てられ、単に面白い発想だっただけでは終わらない、純粋に本格ミステリとして、非常に完成度の高い作品という感想です。そうなったのもひとえに、死者が蘇るという現実の常識ではありえないSF設定を用いながらも、「人の生と死」という、極めて現実的なテーマに対し作者が真正面から向き合い、多くの参考文献を用いて入念に物語を練った結果だと思います。舞台はアメリカであるため、土葬を始めとして日本とは死者の埋葬方法や宗教観などさまざまな違いがあるという点が話の大きなポイントとなっており、作中で語られるその面だけ見ても興味深く、勉強になったと感じる作品でした。よくある「無駄な」衒学趣味ではなく、物語上、必然性がある知識は純粋に知的好奇心が満たされる上に、物語の深みも増すと感じますね。キャラクターや展開はコメディチックな部分が多いものの、話のテーマと本筋自体は極めて真面目なストーリーであり、特にラストには少しホロリとさせられました。可能であれば、欧米のミステリファンにも読んでもらって感想が聞きたいと感じる一冊です。 ▼以下、ネタバレ感想
生ける屍の死の感想
殺されても甦る死者が溢れるパラレルワールドを舞台にした傑作!面白すぎです!
もっと固い感じの作品なのかと思っていたのですが、基本的にはコメディタッチで軽い雰囲気です。舞台はアメリカ。日本人とは少々かけ離れた死に対する考え方や薀蓄が展開されますが、軽い語りがそれを退屈させない効果をもたらしている。ただ、余りに多い横文字の登場人物の把握に苦しみ、また翻訳調の文体にも苦しみと、その世界に入り込むまでのハードルはかなり高目かも。「死者が蘇る」という荒唐無稽な現象を前提とした舞台設定。論理が尊重される推理小説において、それを根底から覆さんとする、リアリティのない言わば超常現象ありきで語られる作品。これを単なるホラーにもSFにも転ぶ事なく読ませるには、生半可な内容では納得してもらえないところだが、この作品は、このナンセンスな現象を、恐怖を煽るためではなく、何とロジックを成立させるための道具として見事に当て嵌めてしまっている。宗教がらみで多分に哲学チックな殺人動機など、日本人には中々理解しづらいところはあるのですが、「どう回収するつもりなんだろう」という読中の疑問を想定以上の手法で解決してくれた作者のうまさは、そんな事など忘れさせてくれました。軽いノリから一転、エンディング近くなってからの、切ない雰囲気もいい感じでした。正直「異端」です。しかし、スルー出来ない作品の一つなのではないかと。
死者が蘇る世界で起こるとんでもないミステリ。生きている人と死んでいる人が普通に会話します。本の名前はよく耳にするので世界観を楽しむぐらいの気持ちで手に取ったら、ガチガチの本格ミステリで良い意味で裏切られました。分厚い本に敬遠してましたが思い切って読んで正解。めちゃめちゃ面白かったです。
死者が甦る
死者が甦るという突拍子もない設定ながら「本格」と評する人が多いことに、納得の内容です。舞台がアメリカの田舎とのことで、始めは慣れるまで読みにくく感じましたが、受け入れてしまえば、他の文化を知ることもできて良かったと思います。
タイトルや表紙から、勝手に硬そうな小説という先入観を持ってしまった作品ですが
「死んだ人間がゾンビになって生き返る世界で、主人公すら途中で死に、ゾンビ状態で殺人事件の謎を追う」
という、独創的かつ非現実的な内容のSFミステリであり、ユーモア要素も強めな作品で、少し長いですが読みやすかったです。
しかし設定こそ荒唐無稽ではありますが、その特殊な世界観を十二分に活かし、また説得力のある形で話が組み立てられ、単に面白い発想だっただけでは終わらない、純粋に本格ミステリとして、非常に完成度の高い作品という感想です。
そうなったのもひとえに、死者が蘇るという現実の常識ではありえないSF設定を用いながらも、「人の生と死」という、極めて現実的なテーマに対し作者が真正面から向き合い、多くの参考文献を用いて入念に物語を練った結果だと思います。
舞台はアメリカであるため、土葬を始めとして日本とは死者の埋葬方法や宗教観などさまざまな違いがあるという点が話の大きなポイントとなっており、作中で語られるその面だけ見ても興味深く、勉強になったと感じる作品でした。
よくある「無駄な」衒学趣味ではなく、物語上、必然性がある知識は純粋に知的好奇心が満たされる上に、物語の深みも増すと感じますね。
キャラクターや展開はコメディチックな部分が多いものの、話のテーマと本筋自体は極めて真面目なストーリーであり、特にラストには少しホロリとさせられました。
可能であれば、欧米のミステリファンにも読んでもらって感想が聞きたいと感じる一冊です。
▼以下、ネタバレ感想