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島はぼくらと



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【この小説が収録されている参考書籍】
島はぼくらと
島はぼくらと (講談社文庫)

島はぼくらとの評価: 7.67/10点 レビュー 3件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.67pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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(8pt)

島はぼくらとの感想

白辻村か黒辻村かって事になると、この作品は明らかに白辻村で、っていうか「真っ白」な作品。
これまで読んだ辻村作品では「異質」かも。悪い意味ではなくて良い意味で。
「こんな作品も描くんですね」って少し意外でした。

舞台は瀬戸内海に浮かぶ島。
島の生活ってのが、どこでもこんな感じなのかは分からないですが、元々住んでいた住民たち以外にも、Iターンで渡ってきた人達や、諸事情あって内地から逃げるように移住してきたシングルマザーが多く生活をしているという設定。
そしてそこには、島というある意味閉鎖された空間ならではの、大人たちにしか分からない複雑な事情が絡み合っています。
テーマは島に過ごす人間たちの繋がりの強さと別れでしょうか。
主人公はこの島に住む男子2名、女子2名の高校生なのですが、本来大人たちで何とかクリアしていくはずのそれら事情も、狭い世界の中では子供たちにも筒抜けで、巻き込まれたり、或いは、自ら巻き込まれに行ったりします。
将来、島から出るというのが基本路線の彼らの中には、島に残る事を宿命付けられた網元の娘もおり、繋がりが強いが故により別れが辛いものになるといった設定には、わざとらしさも感じざるを得ないんですけどね。
4人の高校生たちは価値観等、それぞれにタイプが異なっており、同じ島に暮らしていなければ友達にすらなれたかどうか。
そんな事を色々考えながら読んでいると、最後に涙腺崩壊するかも。
色々な諸事情がウルトラC的に上手く収束してラストはハッピーエンド、っていうのは、この作者さんらしく無い終わり方な気もしないでもないです。
なので後々印象に残らない作品なのかも知れませんが、読後相当「ほっこり」したのは間違いありません。

作品間での登場人物の往来が珍しくない作者さんですが、この作品には辻村作品では5指に入るであろうキャラである「あの人」が登場します。
チラッとの登場ではなくかなりの活躍と存在感を出してます。
地域活性デザイナーのあの人とタッグを組んでの続編がありそうな気がしますね。(まだ出てないよね)

梁山泊
MTNH2G0O

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