私はマドレーヌ。犬語が話せるめずらしい猫で、柴犬の玄三郎さんとは夫婦なの。

小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。

あいつの人生が終わり、僕たちの長い旅が始まった。

村内先生は中学の臨時講師。言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。

ぼくの名はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

世代を超えた心の交流を描く、家族とふるさとの物語。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。

38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢った。

左遷部署「イノベーション・ルーム」に異動となった酒井裕介のもとに「ニワトリは一度だけ飛べる」という題名の謎のメールが届くようになる。

小学六年生のユウたちは、先生から厳守するよう言われたルールを体育館裏でこっそり破る――。

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。

小学校の体育館裏で、きりこが見つけた黒猫ラムセス2世はとても賢くて、大きくなるにつれ人の言葉を覚えていった。

広大な干拓地と水平線が広がる町に暮す中学生のシュウジは、寡黙な父と気弱な母、地元有数の進学校に通う兄の四人家族だった。

晩年を迎え、体が動かなくなった父親に複雑な思いを抱く43歳の息子。

このビタミンは心に効きます。疲れた時にどうぞ。

同僚を巻き添えに、自らも交通事故で死んだ父の罪を背負い、生涯自分に、笑うことも、幸せになることも禁じたおふくろ。

「僕たちはこのままじゃ、ゼツメツしてしまいます」小説家のセンセイのもとに、一通の手紙が届いた。

「悪いんだけど、死んでくれない?」ある日突然、クラスメイト全員が敵になる。

不動産会社で空き家のメンテナンス業に携わる孝夫。

東京・新宿にある都立高校の定時制。 そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。

満月の夜にだけ開く不思議な珈琲店。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

同じ痛みを抱いて、俺たちは、生きている。 自ら命を絶った少女・ルビィと出会った、中年作家のダザイさん。

ふと立ち寄った神社で出会った、お尻に星のマークがついた猫ーミクジの葉っぱの「お告げ」が導く、７つのやさしい物語。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

弱小球団・カープの帽子が赤に変わった1975年、原爆の傷痕が生々しく残る広島に、中学一年生のマナブが転校してきた。

小川春香、16歳。3歳で母に捨てられた彼女は、育ての親である祖母も亡くし、正真正銘のひとりぼっちだ。

甲子園に憧れていた。予選を勝ち進んだ。

「世界の終わりを見たくはないか――?」 絶望の先を描き切った衝撃作! 7年前、旭ヶ丘の中学校で起きた、クラスメイト9人の無差別毒殺事件。

小学校の卒業記念に埋めたタイムカプセルを開封するために、26年ぶりに母校で再会した同級生たち。

「わたし、水原勇気になりたかったの」-離婚後のリスタートで、娘の香織を連れて草野球を始めたアラフォーの洋子だが、やはり現実は厳しい。

丘の上の遊園地は、俺たちの夢だった―。

東京から、父のふるさと、瀬戸内の小さな町に引越してきたヒロシ。アポロと万博に沸く時代、ヒロシは少しずつ成長していく。

開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。

「わたしを買ってくれませんか?」―透き通るように白い肌、吸い込まれそうに深い瞳、まるくやわらかな声。

妻と別居中の雑誌編集長・一博と、息子がいる妻と再婚した惣菜屋の康文は幼なじみ。

取り壊しが決まった団地に暮らす祖父を訪ねた六年生の杏奈。そこはかつてドラマ『たんぽぽ団地のひみつ』のロケ地だった。

気が付けばもう四十六歳。 只今、人生難航中――。