おこんの慰労をという今津屋の心遣いで海晏寺まで紅葉狩りに出かけた磐音たち。

正月を迎えた江戸。

安永二年、深川の夏祭りをめぐって、地元の親分の間で起こった諍い。

江戸に炎熱舞い落ちる頃、稼ぎが減って干上がる間際の坂崎磐音。

穏やかな新年を迎えた江戸深川に、引く手数多の浪人がひとり。坂崎磐音である。

大志を抱き切磋琢磨した友を喪い、豊後関前藩を出奔した坂崎磐音は、江戸・深川六間堀の長屋で浪々の日々を送る。

豊後関前藩の若き武士３人が帰藩したその日に、互いを斬り合う窮地に陥る。

吉原で新たな太夫を客が選ぶ催しが行われることに。

坂崎磐音の父で豊後関前藩家老の正睦は、日光社参の無事を祝って城中で催された猿楽に異例の招きを受ける。

深川の長屋で浪人暮らしの坂崎磐音は、日光社参の勘定を担うことになった両替商・今津屋からある提案を持ちかけられる。

秋風が吹き始めた江戸。磐音は研ぎに出していた備前包平を受け取りに研ぎ師・鵜飼百助のもとを訪ねる。

吉原にいる奈緒が山形の紅花商人に身請けされることになった。

秋の気配を漂わす西海道を急ぐ直心影流の達人、坂崎磐音。

燕飛び交う初夏に、将軍家治は日光社参を決行する。

一面銀世界の紀州姥捨の郷で、磐音とおこんは生まれたばかりの空也を抱き、束の間の安息を得た。

佐々木道場の跡目を継ぐため、浪人・坂崎磐音は生計の鰻割きを辞し、住み慣れた金兵衛長屋に別れを告げた。

佐々木磐音は、南町奉行所定廻り同心・木下一郎太の相談を受ける。

小正月を迎えた江戸。佐々木磐音は鵜飼百助のもとを訪ね、愛刀の備前包平を研ぎに出す。

江戸・深川の六間堀で浪人暮らしの坂崎磐音は八月十五日の早朝、六間湯の一番客となった。

坂崎磐音とおこんは危難に満ちた船旅を経て豊後関前藩へと辿り着く。母・照埜と念願の対面を果たすおこん。

尚武館を追われ、小梅村にある今津屋の御寮でひっそりと暮らす佐々木磐音とおこん。

安永六年、初夏。江戸随一の両替商・今津屋では佐々木道場の改築完成を間近に控え、主な老分番頭が祝いの品を思案していた。

坂崎磐音とおこんの帰りを待つ江戸。

旅の空にある磐音らの無事を祈りながら暮らす江戸の面々。

師走、寒気増す江戸深川・六間堀長屋。

改築中の佐々木道場の地中から古甕が見つかった。

出羽山形からの帰路、俄雨の宿場で磐音は、追手に襲われた若い侍を助ける。

安永七年正月。白梅の香り漂う新年早々、尚武館佐々木道場に朱塗りの大薙刀を引っ提げた道場破りが現れる。

連日厳しい残暑に江戸が見舞われる頃、坂崎磐音、おこんらは尾張名古屋城下の長屋で落ち着いた日々を送っていた。

尚武館佐々木道場で朝稽古に励む磐音を、元師範の依田鐘四郎が訪ねてくる。

三年余にわたる流浪の旅の果て、坂崎磐音とおこんが、江戸に戻ってきた。

豊後関前藩を後に、商人箱崎屋次郎平の招きで博多を訪れた坂崎磐音とおこん。

千鳥ヶ淵一番町にある高家の屋敷に、おこんらと冬桜見物へと出かけた佐々木磐音。

数年にわたって修行の日々を過ごした西国を去ることに決め、福江島から船に乗り込んだ空也は、長州藩の萩城下に降り立った。

武者修行中の嫡子・空也の身を案じる江戸の坂崎磐音のもとに、長崎会所の高木麻衣から文が届く。

年の瀬、門弟の餅搗きで賑わう尚武館を武芸者が訪れる。

寛政七年仲夏、豊後関前藩の湊に降り立った坂崎磐音一家。

織田信長に見出されて娘婿となり、その薫陶を受けて成長した蒲生氏郷。

織田信長、浅井長政らの屋敷に身分を偽って仕え、機をうかがう於蝶。

〔けころ〕とよばれる娼家から身請けされ、いまは囲われ者となっているおせんと、かつてのなじみ客でゆすりの罪で島流しにあった男の母親との心のふれあいを描いた表題作。

安芸広島城下で空也は、自らを狙う武者修行者、佐伯彦次郎の存在を知る。

田沼との激闘の日々は遠くなった。尚武館道場に入門し、兄弟子と立ち合い稽古に励む空也。

吉原会所の頭取四郎兵衛の傷がようやく癒えた折り、またも吉原が脅威にさらされた。

古美術でひと儲けをたくらむ男たちの騙しあいに容赦はない。

若き留守居役瀬能数馬の後ろ盾は、岳父となる”五万石の陪臣”本多政長。

定町廻り“鬼しぶ”の心配をよそに、唐木市兵衛は未だ大坂に在った。世話になった長屋のお恒の息子が、突然、殺されたのだ。

人間という生きものの不思議さ、運命のおそろしさ……。

2020年は著者没後30年。 再び味わいたい、池波正太郎の世界。

物のはずみで起きた決闘で相手を斬殺した片桐宗春は、逆うらみによる敵討ちに狙われていた。

2020年は著者没後30年。 再び味わいたい、池波正太郎の世界。

ひくく声をかけて、いきなり女に飛びかかった小平次は、恐ろしい力で首をしめあげ、すばやく短刀で心の臓を一突きに刺し通した。

身の丈五尺一寸、風采の上がらない五十男。しかし実は来島水軍流の凄まじい遣い手――。

侮辱された主君の恥を雪ぐため、大名四家の御鑓先を強奪する騒ぎを起こした小籐次は、紙問屋久慈屋の好意で長屋に居を構え、研ぎを仕事に新たな生活を始めた。

久慈屋の大番頭、観右衛門の依頼で芝神明大宮司、西東正継を助けることになった小籐次。

平戸を発ち、長崎へと辿り着いた空也は、島巡りの途中で出会った長崎会所の高木麻衣、奉行所の鵜飼寅吉と再会する。

小籐次の想い人おりょうに持ち上がった、二千四百石の高家・畠山頼近との縁談。おりょうは不安と不審を小籐次に吐露する。