剣と薔薇の夏

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種別
長編
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あらすじ

2005年09月30日 剣と薔薇の夏 上 (創元推理文庫)

1860年、日本使節団の来航に沸き返るニューヨークで勃発した奇怪な連続殺人。〈ノアの方舟〉や〈燔祭に捧げられるイサク〉など、死者の傍に残される旧約聖書の切り抜きは何を意味するのか?サムライ使節団と殺人事件の関係は?アトランティック・レヴュー社の古株記者ダロウと挿絵画家フレーリが真相を追う。第58回日本推理作家協会賞を受賞した華麗な時代推理巨編、文庫化。(「BOOK」データベースより)

評判

剣と薔薇の夏の評価:

0.00/10点 レビュー 0件。 C ランク

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剣と薔薇の夏の総合評価:

8.00/10点 レビュー 4件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.4
(5pt)

読み落としていた名作

2004年に発表され、第58回(平成17年度)の日本推理作家協会賞を受賞した本作品は、1860年(万延元年)のアメリカを舞台に起こった殺人事件を描く、歴史ミステリ。

黒船来航後、開国した日本は、日米修好通商条約を締結することとなったが、その批准書を携えた使節団がアメリカを訪れることになった。
1860年という南北戦争の前年にニューヨークを訪問した彼らは、米国民の熱狂的な歓迎を受けるのだが、その陰で、使節団への脅威とも受け止められる、奇怪な連続殺人が起きていたのだった…。

単行本で、1ページ2段組みで450ページ余り、文庫だと各430ページ余りの上・下2巻、しかも、改行が極めて少ない、という構成ですが、文章そのものは難解なものではなく、「歴史小説」好きならば、すぐにのめり込んでしまう小説だと思います。
1860年のアメリカ・ニューヨークの情景、そこに住む人物、社会情勢、さらには、政治的背景まで、きわめて丹念かつ精緻に描かれています。
1860年のニューヨークへ、時空を超えた旅をさせてくれる重厚な歴史小説です。

さらに、ミステリの部分も充実しています。
不可解な移動をさせられた死体の謎、死体に添えられた聖書の一部は何を意味するのか、さらには、密室状況での殺人事件発生と、本格ミステリの要素が詰まっています。

この難事件に取り組むのが、アメリカ人の新聞記者ウィリアム・ダロウと挿絵画家フレーリで、全編がアメリカ人の視点による文章となっているところも、ユニークなところです。
さらに、ジョン万次郎のような日本からの漂流民、ジューゾ・ハザーム(狭間十蔵)も魅力的な登場人物で物語を面白くさせています。

本作品の著者は最近まで知らず、ネット検索で突き当たった作品です。
ネットの普及していない時代であれば、未読のままになっていたことでしょう。
ネットの時代で良かった!


剣と薔薇の夏 上 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 剣と薔薇の夏 上 (創元推理文庫)より
4488446043
No.3
(3pt)

壮大なアイデア

 2004年に出た単行本の文庫化。
 下巻では、広げられていた風呂敷がバタバタと閉じられる。トリックの着想自体は面白いと思う。むしろ、犯人が誰かなんてことより、日本使節団来訪を取り上げた意味の方が面白く感じられるほどだ。
 しかし、読み終えて不満が残る。これだけの紙数が必要だったのかということに加え、南北戦争、日本使節団、奴隷問題など歴史的な描写や解釈への物足りなさである。使われている参考書が古く、踏み込みも甘いので、とおりいっぺんで類型的な歴史像になってしまっている。
 もう少し工夫できなかったものか。
剣と薔薇の夏 下 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 剣と薔薇の夏 下 (創元推理文庫)より
4488446051
No.2
(3pt)

日本使節団

 2004年に出た単行本の文庫化。
 2005年の日本推理作家協会賞の受賞作である。
 著者は『名探偵は最終回に謎を解く』などのジュヴナイル作品で仕事をしたのち、長い沈黙を保っていた。それが17年ぶりに本書で再デビューしたのである。ジュヴナイル作品は江戸の下町を舞台とした軽いものだったが、本書は上下巻で800ページ以上という大作である。
 まず、感想から述べれば、読み通すのがかなりつらかった。文章に面白みが欠けるというか、ストーリーに引っ張っていく力がない。緻密で重厚な文体なのだが、十分に味わうには長時間かけてじっくり読む覚悟がいる。 さて、上巻では、ひたすら風呂敷が広げられていく。南北戦争前夜のアメリカを舞台にしたミステリなのだが、日本使節団の来訪を主軸に据え、その興奮と喧噪のなかで殺人が繰り返されていくのだ。そこに黒人解放運動が絡んだり、ジョン万次郎を彷彿させるような漂流日本人が出てきたり。
 下巻できちんと畳めるのかというくらいである。
剣と薔薇の夏 上 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 剣と薔薇の夏 上 (創元推理文庫)より
4488446043
No.1
(4pt)

読み応え十分、重厚で精緻な歴史ミステリー

「第58回日本推理作家協会賞・長編部門」受賞作の早速の文庫化ということで、久々に上・下巻に及ぶ読み応えのある歴史ミステリーを味読した。
作者の戸松さんは非常に寡作な作家で、1979年のデビュー以来、26年間に4作品しか書いていない。しかも4作目の本書は前作から実に17年ぶりの新作である。
舞台は南北戦争勃発前年の1860年のニューヨーク。江戸幕府の遣米使節団の歓迎に沸き立つ最中に本格パズラー風の不可思議な殺人事件が次々と起こる。
それらを当地の新聞社の古参記者と若手挿絵画家が、当時のアメリカの社会情勢や政治状況(主に黒人奴隷問題)と有機的に結び付けて解決してゆくという非常に凝った、重層的な構造の作品で、そこらあたりが単なるパズラーや歴史ミステリーを凌ぐ重厚さをかもし出している。
当時のアメリカの社会情勢や北部の大都市ニューヨークの社会風景が極めて精緻に描かれており、日本人の作家の手によるものというより、まるでアメリカの作家の翻訳ものを読んでいるような錯覚を覚えた。
剣と薔薇の夏 (創元クライム・クラブ) Amazon書評・レビュー: 剣と薔薇の夏 (創元クライム・クラブ)より
4488012973
No.0
(4pt)

読み応え十分、重厚で精緻な歴史ミステリー

「第58回日本推理作家協会賞・長編部門」受賞作の早速の文庫化ということで、久々に上・下巻に及ぶ読み応えのある歴史ミステリーを味読した。
作者の戸松さんは非常に寡作な作家で、1979年のデビュー以来、26年間に4作品しか書いていない。しかも4作目の本書は前作から実に17年ぶりの新作である。
舞台は南北戦争勃発前年の1860年のニューヨーク。江戸幕府の遣米使節団の歓迎に沸き立つ最中に本格パズラー風の不可思議な殺人事件が次々と起こる。
それらを当地の新聞社の古参記者と若手挿絵画家が、当時のアメリカの社会情勢や政治状況(主に黒人奴隷問題)と有機的に結び付けて解決してゆくという非常に凝った、重層的な構造の作品で、そこらあたりが単なるパズラーや歴史ミステリーを凌ぐ重厚さをかもし出している。
当時のアメリカの社会情勢や北部の大都市ニューヨークの社会風景が極めて精緻に描かれており、日本人の作家の手によるものというより、まるでアメリカの作家の翻訳ものを読んでいるような錯覚を覚えた。
剣と薔薇の夏 上 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 剣と薔薇の夏 上 (創元推理文庫)より
4488446043

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