殉霊
- 本格ミステリ (563)
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谺健二のみならず、いわゆる新本格世代の最高傑作の一つと、あえて断言する。出世作である「未明の悪夢」よりも前に鮎川哲也賞に応募し、候補作に入った作品の改稿作であり、それだけ思い入れの強い作品なのだろう。事件は、ある芸能プロのビルからアイドル歌手が自殺未遂の後、失踪し、数日後バラバラ死体で発見され、その後追い自殺が続出。その謎を追う女性2人を軸に、サスペンスフルな物語が展開し、息つく暇を与えない。後半に入り、どんでん返し、驚愕の連続。トリックに関しても、島田荘司流本格ミステリの水準値を超えている。しかし、本作の価値は、それを超えた部分にある。終盤の後追い自殺の真相は、ある意味でアンチミステリ的であり、人間の生死の本質にすら肉薄する力がある。優秀なミステリでありながら、ミステリを超えた普遍の文学としても成立している。実在の事件を素材に取込んでいる点は他の谺作品と同様だが、虚構と現実の融和が巧緻で違和感が少なく、作品としての完成度も谺作品中、最も高い。再読に堪える、印象深い名作。何故これほど冷遇されているのか全く理解できない。 | ||||
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人気アイドル歌手、矢貫馬遙がビルから飛び降りたのち、まるでテレポートでもしたかのように、離れたところにあるクリスマスツリー上に変死体で発見された!飛び降りを目撃、撮影したライターも謎の事故死を遂げる。その後、相次ぐ少年少女の後追い墜死が起こる。探偵社に勤める緋色翔子は、縁あってこの事件に関わっていくのだが…。 相変わらず謎の雰囲気は良いものの、途中でトリックの見当が付いてしまう。すると、描写にこれだけの枚数を費やすことに少々飽きがきてしまう。ヒロイン・緋色が直情径行というか、体当たり式に行動するのでどうもついていけない。自殺志願の娘・絵梨との関係にしても、善人の貌で彼女を追いつめていくのは緋色という気がしないでもない。そしてやはり、また神戸&!震災の物語でもあるのだった。偶像と自殺論も展開されていくのだが、どうも現実とフィクションのバランスがとりきれていない印象を受ける。正直、本の分厚さの割には、読んでいてあまり楽しめなかった。明かされる真相は重く醜悪で、観念的なあまり実感が伴っていないようだし…。起こる悲劇と、救済も釣り合わない。救われぬ物語である。 | ||||
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